かとえみのRaspberryPiロボット入門

悪魔のロボットも作れる?ロボット制御ができる「ラズベリーパイ」とは【導入編】


悪魔のロボットも作れる?ロボット制御ができる「ラズベリーパイ」とは【導入編】

はじめまして。アスラテック株式会社という、ロボット制御ソフトウェア「V-Sido OS」を開発する会社に入社したばかりの加藤恵美(かとえみ)です。今まではSNSでしかインターネットに触れたことがなかったのですが、入社してからはインターネットの手足となるロボットについて日々考えていて、毎日わくわくしています。

今日は、弊社で起きたとある出来事を紹介します。

突然現れた、ツイートを読み上げる悪魔のロボット

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ロボット:「ぐへへへ かとえみさんが、ツイートしたよ。『きのうふぐおいしかった……』」
 


かとえみ:「こ、これは……私のツイート! なんで喋ってるんですか……(恐怖)」
今井先生:「これは、僕が作ったTwitterのツイート読み上げロボットです!」
 

imaisan 人物紹介:今井先生
アスラテック株式会社のロボットエバンジェリスト。子供の頃からゲームとプログラミングが好き。大学時代にインターネットに出会い、それ以降はインターネット関係の仕事をしている。起業やITベンチャーの執行役員を経て、2015年よりアスラテック株式会社にてロボットのエバンジェリストを務めている。

弊社のロボットエヴァンジェリストの今井先生。「Raspberry Pi(ラズベリーパイ・ラズパイ)」というものを使ってTwitterのツイートを読み上げるロボットを作っていました。私がTwitterでつぶやくと、ロボットがそれを察知して大きな声でツイートを読み上げます。

かとえみ:「どうやって作ったんですか……?(恐怖)」
今井先生:「ラズパイで、○▼※△☆▲※◎★●………………」
かとえみ:「……なるほど~……?」

ニュースやアイドルのツイートを流すのは分かるのですが、私のようにプライベートでひっそりと独り言を言っているつもりだったツイートを会社の同僚全員に対して大音量で流すなんて、なんのプレイなのでしょうか……?

将来、もしかしたらこのTwitter読み上げロボットが、勝手に歩いていろんなところに行ってしまうかもしれません。ある日、あなたのツイートを大音量で読み上げるロボットが会社に訪問してくるかもしれません。今の世の中、誰でも手に入る部品でこんなものが作れてしまうようです。

これは、止めなければいけない。

まったく仕組みがわからないのですが、自分の身を自分で守るためにも、まずIoTリテラシーを高めなければと決意しました。

かとえみ:「その『ラズパイ』ってロボットを動かせるんですか?」
今井先生:「うん!! 動かせるよ!!!」

(やばい、やっぱりラズパイはロボットの制御もできるらしい……)

かとえみ:「わたしもそれやってみたいです!!!」

とりあえずラズベリーパイって?

というわけで、ラズベリーパイをつかったロボット制御について今井先生が教えてくれることになりました。

「ラズベリーパイ」という言葉は聞いたことはあったのですが……

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  • 緑の基板
  • 安くて小さいコンピューター(らしい)

というくらいの理解です。モニターやキーボードがないのに、何がどうコンピュータなのかよくわかりません。まずは自分でラズベリーパイについて調べてみます。

「ARMプロセッサ」?
「Raspberry Pi 1 Model A+」??
「Model B+」???
「Raspberry Pi 2 Model B2」????
「Compute Module」?????
「SoC」??????
「Mathematica」???????

よく分からない言葉だらけな上に、ラズベリーパイにもいろんな種類があり、この時点でくじけそうです。とはいえ、大人気のLIGブログで書かせていただけるチャンスをいただいたので、めげずに勉強してみます。

Raspberry Pi 1と2の違い

ラズベリーパイには1と2があるようなので、まずは検索して出てきた「Raspberry Pi 1 A+/B+」と「Raspberry Pi 2 B」を比較してみます。Wikipediaによると、「メインチップ」「CPU」「メモリ」「公式に提供されるOS」が異なっているようです。表にまとめてみました。

Raspberry Pi 1 A+/B+ Raspberry Pi 2 B
メインチップ Broadcom BCM2835 Broadcom BCM2836
CPU 700 MHz / ARM1176JZF-S 1コア 900 MHz / ARM Cortex-A7 4コア
メモリ SDRAM LPDDR2 SDRAM
公式に提供されるOS Debian, Fedora, Arch Linux, RISC OS (左記に加えて)Windows 10 IoT Core

しかし……これらの項目の違いにはどのような意味があるのでしょうか。今井先生に聞いてみました。

今井先生:「あれこれ難しいことが書いてあるけど、要するに1より2のほうが処理速度があがって、同時にたくさんのお仕事ができるようになったということですよ。ラズベリーパイ2だと、Windows 10 IoT Coreというものも動くんですよ。今は知らなくていいですけどね~」

eyecatch842-1 【ラズパイ入門1】
1より2のほうが新しくて高性能!

AとBの違い

1と2の違いについて簡単に把握したので、次は「A」と「B」について比較してみようと思います。……しかし、「Raspberry Pi 1 model A」と「Raspberry Pi 1 model B」は販売が終了していたため、

  • Raspberry Pi 1 model A+
  • Raspberry Pi 1 model B+
  • Raspberry Pi 2 model B
  • これら3つを比較してみます。

    Raspberry Pi 1 A+ Raspberry Pi 1 B+ Raspberry Pi 2 B
    メモリの容量 256 MB 512 MB 1 GB
    USB 2.0 ポート 1つ 4つ 4つ
    ネットワーク (RJ45) なし LAN9512 / 10/100 Mbps イーサネット LAN9514 / 10/100 Mbps イーサネット
    電源 200 mA (1 W) 600 mA (3.0 W) 900 mA (4.5 – 5.5 W)
    大きさ 65 mm × 56.5 mm 85.60 mm × 56.5 mm 85.60 mm × 56.5 mm

    メモリの容量、USBポート数、電源、大きさについては見たとおりだと思うのですが、「ネットワーク(RJ45)」とはなんでしょう。今井先生に聞いてみました。

    今井先生:「Bなら有線LANにつなげるんだよだね~。Aのほうが小さくてロボットに入れやすいんだけどね~」
    かとえみ:「ふむふむ!」

    eyecatch842-1 【ラズパイ入門2】
    Aのほうが小さくて可愛い
    eyecatch842-1 【ラズパイ入門3】
    Bは有線LANに接続できる

     

    ラズパイの歴史

    「model A」と「model B」について質問したら、今井先生が語り始めました。

    今井先生:「そもそも、Aは安いもの、Bは高いものとして売られていたんだよね。Aはメモリ256MBしかなくて、USBも1つで入出力用のGPIOピンも26本しかなくて、イーサネットもなかったんだよね。(※GPIOピンは、General Purpose Input/Output の略で、センサーやモータなど他の機器と接続するための汎用ピンのこと。)

    Bは高機能版で、USBも2つあったし、メモリも512MBでイーサネットもあったんだよね。だんだんBも値段が安くなって、Aってなんのためにあるんだっけ?という状態になってたんだよ。

    そして、BがパワーアップしてB+になって、USB4つ、GPIOピンも40本になって、ふつうのアナログビデオ出力がなくなって統合された1このコネクタになったり、すごく高機能化していったんだよね。実際は、Aがなくなって悲しい思いをした人がいて、そういう僕みたいなシンプルなものが好きな人たちのために、シンプルかつ小さいA+が誕生したんだよ。A+はGPIOも40ピンで、メモリもUSBも相変わらず少なくて、イーサネットもないんだけど、シンプルで小さいものが好きな人には人気なんだ。

    そのあと、いろんなことをするにはCPUのパワーが足りないので2がでたんだよ。2はB+をベースにしてつくったから、BだけしかなくてAはないんだ。メモリは1GBもあって、クアッドコアでさくさく動くんだ。ラズパイを起動すると画面にラズベリーが出るんだけど、ラズベリーの数がCPUのコアの数で、2Bだけラズベリーが4つ出るんだよ」

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    ▲Raspberry Pi 1A+の起動画面

     
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    ▲Raspberry Pi 2Bの起動画面

    かとえみ:「うーん、いろんな紆余曲折の歴史があるんですね。AとB、1と2、なんて簡単に分けようとしててすみません」

    eyecatch842-1 【ラズパイ入門4】
    いろいろ歴史があるみたいなので、1と2、AとBの違いに悩まないほうが無難

     

    Compute Moduleとは?

    ラズベリーパイのラインナップに、「Compute Module」というものもありました。こちらは、企業や工業系のユーザのためのハードウェアモジュールで、プリント基板の作成を支援するための製品だそうです。企業向け販売ということで、100個単位で販売されています。

    eyecatch842-1 【ラズパイ入門5】
    Compute Moduleについては、とりあえず気にしない

     

    Raspberry Pi Zero

    11月下旬に、たった5ドルで販売開始(英国と米国のみ)され、IoT界隈で話題になったのが、「Raspberry Pi Zero」です。重さ9g、サイズは65mm×30mmの小さなボードです。シングルコアのCPUですがメモリは512MBあり、microUSB、Mini HDMIがついています。日本での販売が心待ちにされています。

    今井先生:「ラズパイゼロ! ラズパイゼロ!! なんで日本で同日販売開始されないんですか! こんな世界的なお祭りに参加できないなんて悔しい!!」

    eyecatch842-1 【ラズパイ入門6】
    「Raspberry Pi Zero」は革命的なものだけどまだ日本で売ってない

    まとめ

    ラズベリーパイでつくった悪魔のロボットをきっかけに、ロボット制御について教わることになり、まず「ラズベリーパイとは何か」について勉強しました。

    かとえみ:「結局どれがいいんですか?」
    今井先生:「うーん、値段もあまり差がなくなってきたので、2Bがいいんじゃないですかね。機能全部ついているので、いろんなことができると思います。まあ、ロボットに組み込むなら小さいA+がいいんだけどね。ZEROが出たらZEROがいいよね。うん。組み込むなら小さいほうがいいよ。僕は小さいのがすきなんだよね。小さいは正義だよ。持ち運びやすいしね」
    かとえみ:「2Bにしようと思います!」

    eyecatch842-1 【ラズパイ入門7】
    ラズパイ2Bは全部の機能入りなので、どれにしようか悩む初心者はまず2BでOK

    次回以降、実際にラズベリーパイを入手して、いつかラズベリーパイでロボットを動かせるように、まだまだ学んでいきます。


この記事を書いた人

かとえみ
かとえみ 外部ライター 東京
1986年相模原生まれ。2005年東京大学理科2類入学、工学部システム創成学科環境・エネルギーシステムコース卒。
2015年1月から、ロボット制御ソフトウェア”V-Sido OS"を開発するアスラテック株式会社に入社。海外展開、法人営業、PRなどを行う。
NAVERまとめ「【2015はロボット元年】発掘!ロボット女子!(^^)!」を作成。好きなロボットは、アラレちゃん。