こんにちは、ライターの宮﨑大輔(@JIBURI)です。
私は今、南米ベネズエラのアマゾン奥地に暮らす「ペモン族」という少数民族の村に滞在し、ボランティア活動を行っています。
この村はベネズエラの首都から小型飛行機を3回乗り継がないと辿り着けないほど僻地にあるので、ネットはもちろんのこと電気すらありません。
「電気も水道もない村で、どうやって生きていくの!?」と驚かれることが多いですが、私は過去に中米パナマ共和国でボランティア活動をしていた際にも、電気も水道もない村に滞在していたので、もう慣れちゃいました(笑)
無電化村の暮らしなんて、スマホやWi-Fi、たくさんの家電製品に囲まれて暮らす多くの日本人にとっては、イメージすらできないのではないでしょうか?
しかし、無電化村の生活も「毎日がキャンプだ!」と考えると、ワクワクしてくるもの。そこで今回は、パナマの電気も水道もない村の暮らしをご紹介します。
電気がない世界の暮らし方
私が活動していたパナマの山奥の村には、電気がありませんでした。ただの山にしか見えないと思いますが、ここが村の中心地です。
この村には電気がないため、現地の人たちと同様に「日の出と共に起き、日没とともに寝る生活」を送っていました。
ワラと泥でできた家には窓も電球もないので、家の中は昼間でも真っ暗。子どもたちは家の中で教科書が読めないので、庭で宿題をします。
活動中に毎回泊めてもらっていた家の主人に、「電気がないと不便じゃないの?」と尋ねると、
「電気代を払わなくていいし、家電を買うお金もないから問題ないよ」
とのこと。
さすがラテン人、考え方がポジティブです。
昼間は農作業をしていますが、日が暮れてからは真っ暗で何も作業はできないので、家族や近所の人とおしゃべりをします。真っ暗闇の中で村人といろんな話をしたことは、今でも私の大切な想い出です。
村人から伝統的な暮らしを教えてもらう代わりに、私は村人たちに、日本のことやこの村以外の世界について教えていました。
ある村人は、飛行機雲を伸ばしながら空を飛んでいる飛行機を見つけると、「あれは雲を作る機械だ」と言っていました。なんだかロマンチックだなと感じたことを覚えています。
人間が生きるために必要なものは、「衛生的な水」
村には上下水道もありません。
民家には蛇口がありますが、その水は山の中にある「水たまり」から来るものです。村人は水たまりの水を、殺菌や濾過をせずにそのまま飲むため、子どもたちの多くは寄生虫に感染されています。
夕方になると近くの川へ行き、水浴びをしました。
ジャングルの中で全裸になるのは最高に気持ちが良く、病みつきになること間違いありません。ときには遠くの川まで遠足に行き、子どもたちと川遊びを楽しみました。
子どもたちは「犬かき」しか泳ぎ方を知らず、クロールや背泳ぎを教えると初めて見る泳ぎ方に興味津々。一生懸命に練習をしていました。
パナマ政府は縦に3mほど穴を掘ったボットントイレの普及を進めていますが、未だにトイレがない家も多く、野外で用を足すことも日常茶飯事です。
ジャングルの中でウンチをした場合には、近くに生えている草の葉でお尻を拭きます。おかげで今では、お尻を拭くのに適した柔らかい葉を見分けられるようになりました(笑)
私は村に滞在している間は常に下痢をしていて、「衛生的な水が飲めることは幸せだ」と気がつきました。人間が生きていくうえで本当に必要不可欠なものは、電気でもインターネットでもなく、「衛生的な水」だったのです。