こんにちは、あかねです。株式会社LIGに入社して2年、長らくディレクターチームにおりましたが、この度LIGブログの編集長に就任しました!
ちなみに、LIGブログにはこれまで編集長という立場がありませんでした。というより、そもそも編集部という概念が存在しなかったのです。
読者のみなさんのおかげさまで月間200万PVを突破し、すっかり大きなメディアになったLIGブログですが、それではこれまで、どのように運営されていたのでしょうか。
最近はオウンドメディアに注目が集まっているようなので、その参考になるように、LIGがブログを運営する仕組みと、その過程で見えてきた今後の課題についてお話しします。
LIGブログ編集部の舞台裏をお見せします
弊社では2012年の1月から「ファンをつくる」ことを目的にこのブログを運営しています。その主な理由は以下の5つで、
- LIGを知っていただく機会を増やすことで、仕事の依頼を増やす
- 同じように、採用の応募を増やす
- 自社メディアを大きくする過程で得たノウハウを、お客さまへの提案として返す
- 自社メディアで広告収益を上げ、事業として成立させる
- 楽しそうだからやる
です。
詳しくは弊社代表の記事『自社サイトをメディア化し、1年で100万PVにして分かった失敗と成功のまとめ。』と『LIGブログの今後の方向性について。』をお読みください。
さて、オウンドメディアとしては大成功しているように見えるかも知れないLIGブログですが、あらかじめ声を大にして言っておきたいのは、
オウンドメディア運営、そんなに簡単じゃないぞ!
ということです。まずはLIGブログ運用の仕組みについてお話しますね。
1. 記事配信は1日3本
LIGブログは現在、土日祝日以外で1日3本の記事配信をしています。もともと1日1本だった更新の本数を増やしているのは、今後「ウェブ制作会社の公式ホームページという形」を維持しつつ、メディアとしての規模を拡大していきたいと思っているからです。
LIGブログを大きなメディアにすることで、たとえば仕事の依頼や採用の応募はより増えるでしょう。でも、何よりも大切なのは「自分たちが楽しむ事」じゃないかと思います。メディアが大きくなるほどできることは増えるし、それってわくわくしますよね。
2. ライターは主に社員
ここで問題になるのは、月に約60本の記事本数をどのように確保するのかということです。実はLIGブログを始めてからは、入社時に全社員と月に1本のブログ記事を書く約束をしています。つまり、ライターは基本的に社員です。
しかし、日常業務の忙しさによっては「スケジュール的に厳しい」なんてことが起こりがちです。また、現実問題、優先順位が高いタスクとは言えないので、ムリをさせるわけにもいきません。
そこで、LIGブログでは外部のライターさんにも記事を書いていただき、本数を確保しています。また、社員が記事を書けないときには、同チーム内で他の社員が記事を書くなどして、チームとして記事数を補償することもお願いしています。
3. 記事ジャンルはWeb制作かビジネス
次に、記事ジャンルについてお話しします。ライターを社員が持ち回りでする狙いは、LIGブログを日常業務で得た知識や技術をアウトプットする場として活用することにあります。
そこで、3枠のうち2つには、基本的にはWeb制作に関わるテック系の記事を掲載しています。もう1枠は外部のライターさんにご寄稿いただき、ビジネスやライティングなど、社員だけでは書けない分野の記事を掲載しています。
LIGブログと言うと「おもしろ」ジャンルの記事が話題になりがちですが、じつはおもしろ記事は全体の2割程度にとどまっています。なぜならここはコーポレートサイトであり、私たちはWeb制作会社だから。テーマがブレたら、メディアを運営する意味がなくなってしまうでしょう。
4. 編集業務は経験者が担当
さて、前述した通り、これまでLIGブログには編集部という概念がなく、担当は1人でした。これは、すべての編集業務とライターさんの管理をする「何でも屋さん」的な立場の人間です。現在はそれを朽木(くちき)が担当しています。
人物紹介:朽木誠一郎LIGブログの編集兼ライティング担当。オフィスに置いてあるお菓子を人よりもちょっと多く食べる。 |
朽木は入社前にプロのライターとしてあちこちのメディアで執筆をしており、その前の担当だったあゆみも出版社で編集者をしていたので、LIGブログは基本的に「ライティング / 編集経験者が編集業務を請け負う」スタイルです。
オウンドメディアに大きなリソースを用意できない現状はどこも一緒かと思いますが、他人の文章の良し悪しを判断したり、さらにそれをより良くしたりするのは素人には難しいですよね。担当者がライティングや編集について専門外だと、やっぱりちょっと厳しいのかな、と思います。
5. SNSを活用して顔の見える告知をする
LIGブログでは、FacebookやTwitterを利用して記事を告知しています。1日3回の記事の更新に合わせて、それぞれ3回ずつ、各記事の概要を添えてリンクをシェアする形式です。どちらもお馴染みとなった広報担当のひろゆきが、ひろゆきらしいエセ関西弁口調で紹介しています。
SNSのアカウントを企業ではなく社員個人として設定することで、ユーザーと双方向で交流を持つことができるようになりました。出たがりの社員がいたという側面もありますが、企業に親近感を持ってもらうという狙いもあります。
いかがでしたか? 「夢が壊れた!」と思う読者の方も、「そうそう、オウンドメディアってこんなもん」とうなずいたメディア周りの方もいると思いますが、これがLIGブログ編集部の舞台裏になります。
さて、ここからは、このようにLIGブログを運営する過程で見えてきた、LIGブログの今後の課題を整理してみましょう。
LIGブログ編集部の課題
ここでお伝えしておきたいのですが、私の趣味はズバリ「効率化」です。その視点からLIGブログ編集部を見てみると…無駄が多い!イライラ!
ということで、私がディレクターとしての経験を元に、LIGブログ編集部の課題を洗い出し、3つにまとめました。
1. 記事の入稿管理がシステム化されていない
まず、ビックリしたのは記事の入稿管理システムが存在しないことでした。ライターへのアプローチや納期を管理するのには、一応Excelの共有シートがあるものの、これは入稿のたびに手動で入力するだけ。
コメント機能すらないので、ちょっとした確認にも他のツールで連絡するなどの雑務が生まれ、ただでさえ限られたリソースを有効に活用できていませんでした。
現場も本当はExcelシートでの管理に限界を感じているのに、例えば誰にもマクロを組んで「入稿」「修正」などのステータスを管理・通知するシステムを構築する技術がないため、具体的なアクションを起こせないでいたのです。
2. 各自のタスクが共有されていない
次に、各自のタスクが共有されておらず、業務が属人化されていることがスケジュールの把握を難しくしていると思いました。
ちなみに私の就任に伴い、LIGブログ編集部は再編成されました。現在はディレクションを私が、編集業務とライター管理を朽木が、広告関連の業務をきょうへいが担当する、という構成になっています。
人物紹介:きょうへいLIGブログのマーケティング担当。実は双子の弟がいるが、ときどき自分でもわからなくなるぐらい似ている。 |
たとえば、きょうへいが広告関連の取引先と連絡を取り合うメールには、もちろん私もCCとして宛先に入っていますが、担当外の案件の経緯はどうしても追いづらいです。
ある程度ケアしていても、トラブルのときの対応はどうしても後手に回り、きょうへいが不在のときの問い合わせには、正確な状況を伝えることが難しい、なんてことも。
そもそも、きょうへいがある日とつぜん死んだらいったいどうすればいいのでしょう。朽木のライター管理も含めて、各部門の業務を体系だった履歴に残しておけば、いざというときに引き継ぎができるはずなのですが…その運用ルールがない!
3. 連絡手段が集約されていない
もうひとつ、私が頭を悩ませていたのはLIGブログ編集部の連絡手段です。私の就任前はこうなっていました。
外部ライターへの連絡 | メール or Facebookメッセージ or Skype |
クライアントとの連絡 | メール or Facebookメッセージ |
社内連絡 | メール or Chatwork or Facebookメッセージ or Excel共有シート |
このように、目的別に使用するサービスが違うと、いま欲しいファイルがどのサービスに保存されているのかわからない、なんて事態が続発することになります。
また、私はメール派、きょーへいはChatwork派、朽木はFBメッセ派など、連絡手段が集約されていないことが原因で「送った」「送らない」の行き違いが生まれていました。
あと、これはふだん私自身が思っていたことですが、電子メールで情報を伝達するのって効率が悪いうえに、情報セキュリティの面でも大きな不安がありますよね。これは、何らかの情報共有基盤を、迅速に構築しなければならない!
ということで、じつは問題は山積み
ここまで紹介したLIGブログ編集部の悩みはすべて事実ですが、「沢山の人のマネジメント」や、「外部とのやりとり」をする立場の人は、同じような経験をしたことがあるのではないでしょうか。
さて、そんなとき私の脳裏に浮かんだのは、かつてサイボウズ式編集部との合同勉強会で見かけた、ツール…
『kintone』だったのです!
そのとき聞いたお話によると、LIGブログと同じようなオウンドメディアであるサイボウズ式編集部では、kintoneを使用することにより、
- 記事作成の進行スケジュールや各ライターの納期管理ができる
- 各自のタスクの進捗状況や顧客リストなどの情報を共有できる
など、なんだかとても効率的に編集部業務を回している模様です。
これは羨ましい〜、というわけで、実はLIGブログ編集部でも1ヶ月前からこのkintoneを使い始めています!
「実際にツールを導入して、どんな効果があったのか?」は、私の次回の記事で発表します。お楽しみに!!
後編の記事はこちらから。
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