こんにちは。子煩悩ライターのイワタテです。
子煩悩というキャラ設定をしてから、飲み会に誘ってくれる友だちや仕事仲間が激減しました。チームのメンバーで飲み会とかやってる画像がFacebookに上がってきているのに、僕だけが誘われてなかったりします。
スミマセン、お酒大好きです、すぐ行きます、誘ってください…。
さて。
チームで仕事をする上で一番大切なことって、何でしょう。そう、スケジュールですね。ひとつ小さな予定が崩れただけで、ドミノ倒し式に延々とトラブルが続発していく…。
そんな経験、何度もあります。自分に甘い、ということにかけては定評のある僕ですが、あれこれとスケジュールの引き方を工夫してきた結果、現在では編集者として、大小4つのメディア案件を毎月なんとか回転させることができるようになりました。
今回は、ズボラ人間でもスケジュールを上手に回せるようになるための6つのルールを紹介します。予定の変更が相次いでメンバーの視線が痛い…。いつもスケジュールが破綻しているのでスクランブル対応に慣れてしまった、ハハハ…。という編集者、ディレクター、メディア担当者の方々の参考になれば幸いです。
チームのスケジュールを安定して回せる6つのルール
以下の画像は、僕が編集者兼ライターとして毎月15本のコラムを納品している、定期運用案件のスケジュール表の一例です。
こちらをサンプルとしながら、具体的なルールを見ていきましょう。
ルール1:曜日単位でシンプルなルールのスケジュールを引く。
日本人の多くは、毎週月曜日から金曜日までの5日間をワンセットでサイクルさせて働いていますが、たとえば、納品日を毎月31日に設定していると、その31日は月曜日だったり、土日の休みに含まれたり、または月によっては30日までしかなかったりで、リズムが安定しませんよね。
その都度、じゃあ今月は◯◯日に変更…といった具合に、予定をひとつ動かす。つまり、ルールを複雑化していくと、その分、ミスの要因がひとつまたひとつ増えていきます。
では、どうしたら良いか。
チーム会議や、クライアントとのやりとりは月曜日。社内の提出物の受け渡しは木曜日。というように、日付単位ではなく曜日単位で考えた方が、スケジュールはシンプル化させやすいようです。
サンプルのスケジュール表の場合、1日~31日までのスケジュールを毎月書き直すのではなく、月をまたいでもそのまま使用できるよう、第1週~第5週までの曜日ごとの予定表にしています。A4シートを1枚つくってしまいさえすれば、数カ月にわたって更新・変更の必要がありません。その分、ミスの要因は減少しますし、スケジュール調整の作業負担も減りますね。
ズボラ万歳!
これは定期案件での例ですが、一定の期間内に作業が完結するスポット案件の場合でも、月曜日は全体会議、火・水・木は各自作業、金曜日には各チーム会議、といったように、曜日単位でのサイクルを意識してスケジュールを引くと、いろいろ安定します。
個人的には現在、このスケジュール表を4本、1週ずつずらして、平行稼働させています。毎週、同じ曜日に同じ種類の作業が発生するので、難しいことを考えずルーチンで仕事を回せて、精神安定上、非常に良いです。
ルール2:締め切りはその日、24時。例外は認めない。自分のために。
朝一、午後一、今日中、今晩中…これって具体的には何時のことか、わかりませんよね。僕もよく、自分でスケジュール管理していない案件では「朝一で送ります!」とか平気で言ってしまっているのですが、相手は「朝一って何時だよ?」とイライラしてるんだろうなぁと思います。
特に定期案件の場合は、例外を一度でも認めてしまうと、スケジュールの乱れを回収するタイミングが翌日、翌週、翌月以降にもズレ込んで、収集がつかなくなりがちです。
サンプルのスケジュール表では、毎月第1木曜日の24時が初稿の提出期限です。僕を含むライター3人は、日付が変わる24時ちょうどまでに、各々5本の初稿を提出しなければいけません。1分1秒でも遅れた場合は、その初稿は未納という扱いになります。例外はありません。また、仮に第1木曜日が祝日などで休日になっても、締め切りは前倒しも後ろ倒しもしません。断固、木曜日の24時です。
もちろん、水曜日までに提出して木曜日はしっかり休んでもらえれば美しいですね。前日までに出せなくても、木曜日も作業をするというのは、本人の自由です。とにかく、平日だろうが祝日だろうが木曜日の24時までの提出。その一点を死守してもらいます。
他のすべての締め切りも同様に、24時に固定をしておけば、「何時までにほしいです?」「逆に何時になら出せます?」という余分な定期確認作業が省けて安心、ラクチンです。ズボラ人間にとって、他人の仕事の遅れを指摘することほどツライ仕事はありません。(自分も、遅れてしまっている時の気持ちが…痛いほどわかるから!)互いにストレスを抱えないよう例外を排除することで、スケジュールの取り回しは随分、作業的・精神的な負担が軽減できます。
もちろん、現場によって締め切り時間は、24時ではなく、朝の9時でも、昼の12時でも、夕方18時でも何でも良いと思います。個人的には提出物が届くかどうかにヤキモキしたくないので、余計なことを心配せずにいられる、就寝中の締め切り設定がお気に入りです。
ルール3:スケジュール表にご褒美をいっぱい隠しておく。
スケジュール上の空白はバッファです。予定を埋め尽くしていては、緊急時の作業時間を捻出するのも一苦労。ズボラ人間としては、スケジュールの遅れを土日のハードワークで取り戻すようなストイックなオレはカンベンなのです。
サンプルのスケジュール表でいうと、第1金曜日の空白は第1木曜日の初稿で未納があった場合、不足分を補完するためのバッファとして予定を空けています。
未納がなければ、何もしなくて良い日になります。なんというご褒美!
つぎに、クライアントに原稿を確認していただくための時間を月~水と、3日間も確保しているのは、ハッピーマンデー制度で月曜日が休日になりやすい状況を踏まえた保険です。また、毎月あるとは限らない第5週目は、完全にお休みにして作業予定を入れません。もうご褒美だらけのスケジュールです。
例外を認めない、という「ちょっと厳しくない?」と勘違いされがちなルールも、実は、バッファを確保するという名目のご褒美製造装置だということが明らかになりました。
バッファが十二分に確保されているスケジュール表なら、トラブルにも余裕をもって対応できますし、新しいことにチャレンジする余力を残している、ということでもあります。イレギュラーに強いスケジュールが引けると、結果、納品物のクオリティも高まります。
個人的には、スケジュール表にいかに空白を増やしていくか、そこを工夫することが好きです。サンプルも、これで大丈夫か?というくらい、スカスカしていますでしょう?
ルール4:予定は可能な限り複数合体させる。
では、どのような工夫で、スケジュールに空白をつくっていくのでしょうか。
サンプルのスケジュール表では、ライターの初稿と企画案の提出を同じ日にしています。また、初稿に対するフィードバックと、クライアントからの意見・要望をフィードバックする場を、第2月曜日に「フィードバック大会」という名称で集約しています。ライターの予定は、これに二稿の提出を合わせて、月に3つしかありません。
クライアントの作業予定に至っては、第4月~水曜日の三稿と企画案の確認およびフィードバック作業のみ。実質、たった1日で完結します。うまく回っていれば。
もちろん、ここに書いていない、各自の受け持ち作業もあります。
ライターは原稿を書く時間を各自で配分しなければいけませんし、クライアントはクライアントで、他にもやらなくてはならない仕事が山積みかもしれません。しかし、チームで共有するスケジュール表では、メンバー同士で行動が接触する部分さえ記載・把握できていれば充分です。各自の予定は各自に任せて、どうしても遅らせることができない共通の予定をできるだけ短い時間・少ない回数へと集約する。そうすることで、メンバー各人に空き時間を確保する。あわよくば、自分だけでなくメンバーみんなへもご褒美のお休みをプレゼントする。そこに本来、スケジュールを引く意味があるのだと思います。
スケジュール表は、参加メンバーの時間を強制的に奪うためにあるのではないんですね。むしろ、メンバー全員の負担を減らして、気持ち良くベストパフォーマンスを出してもらおうという優しさ、気配りがですね、大事なのじゃないかと思います。個人的には。
ルール5:効率化が行き過ぎていないか点検する。
スケジュール表に空白を増やすだけ増やして、納品物の品質が安定しないのでは本末転倒です。引き算が終わったら、合わせて足し算にも取り組みましょう。
何を増やすのか。それは、コミュニケーションの機会です。
サンプルのスケジュール表を見ていただくとわかる通り、メンバーの負担を減らすということは、互いの接触回数を減らしてしまう、ということにも繋がります。実際、まる1カ月以上もメンバーが互いに顔を合わせることなくメディアが運用されている、という状態も発生しました。こういう状態だと、それぞれが放任の現状に慣れてしまい、また、チームへの帰属意識も薄くなります。成果物を改善・改良していこうとする主体性も、なかなか湧いてきません。一大事です。
そこで、それまではスカイプで個別にやっていた初稿のフィードバックを廃止しました。代わりに、同じ時間の第2月曜日、ライター3人で集まり顔を合わせながらフィードバック大会を開催することにしました。
フィードバック大会は夕方から開催し、そのままビールを引っ掛けながら本音で話し合います。この改善策では、うまいことメンバーの負担日数を増やすことなく問題が解決しました。なんせ、飲み会の場に誰かを連れ出す口実としてはパーフェクトです。
効率化は、突き詰めすぎるのもまた難アリです。どんな案件でも立ち上げ期間中は相応に連絡をとりあい議論し、コミュニケーションをとることを当たり前の必然と認識します。しかし、安定した運用フェーズに入ったときこそ、効率化の中に非効率の要素を混ぜて、現状を引っくり返して改善点を探す時間を確保する必要がありそうです。
ルール6:スケジュールは一番最初に握る。みんなで同じものを見る。
「毎月第2週の木曜日24時に締め切りの原稿を5本、お願いできますか?」と、一番最初に具体的に握れるとスケジュールは安定します。
「10月中に3~5本ほしいです。急ぎではないので手が空いたときに順次送ってください」と、あいまいな要素、つまり例外の容認からスタートすると、一定割合でスケジュールは破綻します。僕は好意に甘え切る人間だからです。
同様に、クライアント側にも、「この時点でこの確認作業が終わっていないと締め切りが遅れますし品質も安定しません」という事実を、しっかり伝えておきたいですね。クライアントの方にも、僕のような人間がいないとも限りません。スケジュールが崩れて信頼を失ってから意見をしても、事態はこじれるばかりです。
スケジュール表は、チームのみんなで守ろうという共通認識を握り合って、はじめて機能します。できれば、A4シート1枚だけで全員の役割が一目で把握できるくらいシンプルにまとめたいですね。何枚にもわたる大長編ですと、多分、自分の担当する部分にしか目を通しません。他人のスケジュールが見えていないと、自分の都合でスケジュールをズラすことへの抵抗がなくなります。僕がそうです。
初稿が間に合わないなどのトラブルが発生した際、いつ誰がどのようにしてリカバーするのか。誰が何を守らないと、リカバーも及ばず、品質が落ち、案件自体が破綻するのか。チームが動き出す前に、みんなで同じ1枚のスケジュール表を見ながら、想定される問題とその対策をあらかじめ握り合う。その儀式をもってようやく、スケジュールというやつは重い腰を上げて、ノントラブルで回り出す…かもしれません。
逆に言えば、最初に共通認識をしっかり握ることに成功すれば、あとはご褒美の受け取り放題とも言えるわけですね。ラクをしたいなら、最初が肝心。頑張っていきましょう。
まとめ
生来のズボラ人間としては、もっともっとラクにチームを回せるようなスケジュール術を求めています。うちのチームはこんな工夫をしてるよ!わたしが引いたスケジュール表はこんなにも美しいよ!というご意見やご自慢があれば、ぜひ、コメントをお願いします。参考にさせていただきたく…。
娘が腹を空かせているのに、ズボラとか言ってる場合じゃないんですよね正直…。