こんにちは、ライターのあだちです。
仕事において、信用って大事ですよね。信用があれば、大きな仕事を任せてもらえるかもしれませんし、評価も高くなります。また、多少のことは大目に見てもらえるときもありますし、やり直すチャンスももらえます。
阪急電鉄の創業者である小林一三は、
成功の道は
信用を得ることである。どんなに才能や手腕があっても、
平凡なことを
忠実に実行できないような若者は将来の見込みはない。
と語っています。
しかし、一方で、信用を積み上げるというのはとても大変なことです。毎日の行動が少しずつ信用となることを考えれば、「魔法のように信用が上がる行動」というものは存在しません。その代わり、英雄的な行動というものも必要ありません。
毎日、ちょっとした行動を続けていけば、信用は少しずつ上がっていくものなのです。
私が前職でコンサルタントとして人事評価制度を作るお手伝いをしていたとき、「こういう人が信用できるよね」と言われる人がする行動は、どんな会社でも、実はほとんど差がありませんでした。
そこで今回は、その「信用できる」と評価される人に共通の行動について、紹介していきたいと思います。
仕事で信用を積み上げるビジネスマンに共通する行動7選
では、具体的にはどのような行動が信用を高めるのでしょうか。皆さんが仕事を進めていくうえでのヒントとなるように、7つの行動を紹介します。
1. 小さな約束を守る
集合時間や締め切り、契約事項など、社会は多くの約束事によって動いています。約束がなければ、他人と仕事をするのは非常に難しいでしょう。その信用を得るために、まずは「約束を守る」ということからはじめることが肝心です。
ただし、ここで言う「約束」とは、契約や締め切りなどの大きな約束だけではありません。むしろ、「小さな約束」を守るということが大事になるのです。
それはつまり、100円程度の貸し借りや、ミーティングの開始時間、飲みに行く約束などの些細な約束事を守っていくことです。些細な約束の場合ほど、ついつい別件を優先させたり、忘れてしまったり、と守れないときがあるからです。
一度や二度は許してもらえるかもしれません。しかし、そのような小さな約束を破ってしまうことが続けば、信用を失います。逆に、小さな約束であっても、必ず約束を守るというような人が、信用を積み上げていくのです。
2. お礼をする
ちょっとしたことであっても、きちんとお礼を言える人には信用が集まります。
ごちそうしてもらったとき、片付けをやってもらったとき、物をとってもらったとき、メモを取ってもらったときなど、当たり前ですが、何かで人にお世話になったら、「ありがとうございます」と必ずお礼を言いましょう。
職位が高くなったり、こちらの立場が強いときなどは「やってもらって当然」と、お礼を言わない人も少なからず存在します。しかし、そういうことを周囲はちゃんと憶えています。
なお、人に何かしてもらったときに「すみません」という人もいますが、そこは「ありがとうございます」というお礼の言葉を使ったほうが印象が良いでしょう。
3. 周りの人に手柄を譲る
昔、会社にこんな人がいました。事あるごとに、社内にも、社外にも「あのプロジェクトはオレがやったんだ」「あの企画は、私が発案者だ」と触れ回るのです。
もちろんそれは事実かもしれません。しかし、このように手柄を独り占めしようとする発言は、周囲からの信用をちょっとずつ低下させます。
組織において、その人がプロジェクトを成功させることができたのは、100%その人の力だけによるもの、ということはありません。その人を支え、協力をしてくれた多くの人がいます。その人のために、周囲を説得してくれた多くの人もいます。
自分の手柄ばかり主張する人は、そのうち周りから「だったら1人でやれば」と思われてしまうのです。
逆に、信用を積み上げていく人は、周りの人に感謝を伝え、手柄を譲ります。「○○さんのお陰です」「○○さんの考えです」といつも言います。でも、周りの人は、本当にやったのは誰かということをちゃんと知っています。その行為が、信用を積み上げていくことにつながるのです。
4. 人によって態度を変えない
上や身内にはへつらい、下や他人には横柄な態度をとる人がいます。たとえば、社内では常に敬語を使っているのに、社外に出てタクシーに乗った瞬間、タクシーの運転手さんに横柄な態度をとったり、飲食店の店員さんにたいして高圧的な態度をとったりする人です。
また、社員には優しいのに、協力会社や宅配業者さんには厳しかったりと、態度をコロコロ変える人も少なくありません。
ご想像の通り、相手によって態度を変えるような人は信用されません。信用される人は、誰が相手でも常に礼儀正しいもの。それによって周りの人は安心しますし、その結果、信用を積み上げていくことができるのです。
5. 率先して責任を引き受ける
ある会議で、こんなことがありました。10名ぐらいの人数が集まっていたのですが、最後に「次回までに企画を作る」ということで意見が一致しました。しかし、「誰がそれを作るか?」が決まらず、会議がなかなか終わりませんでした。
そのとき課長が「では、とりあえず○日までに私のほうでたたき台を作り、回覧しますので、レビューをお願いします」と言いました。さらにこの課長は「欠席者には私から説明しておきます、次回のレビュー日程もこちらから出しますね」とさまざまな面倒事を引き受けてくれました。
もちろん、その場に居合わせた人々は全員忙しく、その課長も例外ではなかったのですが、彼の一言で雰囲気は一変し、次の会議に向けて皆の期待が高まりました。(その後、彼はきちんと納期までに、ある程度のクオリティの企画を仕上げ、皆に回覧しました。)
このように、率先して責任を引き受けることができるような人は、信用を積み上げていくのです。
6. 挨拶をする
挨拶ができなくても、サラリーマンはできますし、死ぬこともありません。でも、挨拶をきちんとする人は信用を積み上げることができます。なぜなら、挨拶は単なる礼儀以上の意味を持っているからです。
たとえば、「ご近所付きづきあいで大切だと思うのは?」という下記のアンケート調査に対し、一番多かった回答は「日々の挨拶」でした。
近所の人であれば、堅苦しい礼儀など必要はありません。でも、挨拶は大切です。なぜなら挨拶は「私は敵ではありません」「あなたと良好な関係を築きたいと思っています」という最も簡単な意思表示になるからです。
「おはようございます」「こんにちは」などのひと言が、信用を積み上げていく第一歩となるのなら、それは簡単だと思いませんか。
▼参考記事
- ご近所づきあいで大切だと思うこと1位は「日々のあいさつ」調査結果 – @nifty何でも調査団
http://chosa.nifty.com/cs/catalog/chosa_report/catalog_120531000434_1.htm
7. 相手を信用する
第一国立銀行(現みずほ銀行)、東京ガス、東京海上火災保険、東京証券取引所、キリンビール、サッポロビール、東洋紡績など、数多くの企業の設立に携わった幕末の実業家、渋沢栄一は、こう言っています。
事業には信用が第一である。世間の信用を得るには、世間を信用することだ。個人も同じである。自分が相手を疑いながら、自分を信用せよとは虫のいい話だ。
彼の言うとおり、信用は相手に与えてこそやがて自分も得ることができます。猜疑心の強い人物は、あまり信用されません。
相手をよく知り、コミュニケーションを取り、相手を信頼することが、信用を積み上げる第一歩となるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。「こんなの当たり前のことだ」と言われる方も多いでしょう。実際そのとおりです。
しかし、この当たり前のことをずっと続けられる人が、一体どれぐらいいるのでしょうか。
当たり前のことを愚直にやり続けられる人が信用を積み上げる、というのは、やはり真理なのではないかと思います。
それでは、また。