2014年7月1日。
LIG広報交代の物語

「おはようございまーす」
僕の名前はヨシキ。
今日からLIGで正社員として働く事になったんだ。


「ああ、ヨシキさん。…今日からよろしくね」
この人は社長の岩上貴洋さん。
24歳でLIGを立ち上げた若手の起業家だ。

(…なんか生臭いな)

「ここがヨシキさんのデスクだよ」
社長に案内された机にはノートパソコンとモニターが用意されていた。

「…ずっと待ってたんだよ。新しく入ってくれる人を」


「はい!期待に応えられるよう、頑張ります!」
机に座り、備品を確認していく。

ところが、キャビネットの引き出しが開かない…


(…立て付けが悪いのかな?)

・
・
・
・
・

カタカタカタ…

(…ふぅ。目が疲れるな……顔でも洗おう)

「んっ?なんだこの水…」
水道からは赤茶けた水が流れ出し、生臭いニオイが広がった。


僕は…顔を洗うのを諦めた。

・
・
・
・
・

(やっぱり外から見るのと、中で働くのとは違うな)

(なんだか社員の人たちも雰囲気が違うし……)

・
・
・
・
・

(そういえば……広報のひろゆきさんが見当たらないな…)

「ヨシキさん、仕事は順調ですか?」
「はい…まだ初日なんで分からない事だらけですが、なんとかやっています」

「そういえば、ひろゆきさんって今日はお休みなんですか?」


「え?」

「…………誰ですか…それ…」

(え?)


(…変だ。他の人にも尋ねたが、皆そんな社員はいないと言う…)

(ひろゆきさんが登場する過去の記事はどうなっているんだ……?)

「ヨシキさん…」


「……はい?」


「歓迎パーティーをしましょう…」
・
・
・
・
・


・
・
・
・
・

ひろゆきさんの事はきっと、僕の勘違いだろう。お酒を飲んで忘れることにした。
…そして、気がつけば僕はソファーの上で寝ていた。
・
・
・
・
・

「うう……う……」


(頭が痛い……つい飲み過ぎてしまったな)
(…とりあえず水でも飲もう)

「!!」

「うぇっ……なんだこの水は…」

「…まさか!?」
・
・
・
・
・

(開かない引き出し……オフィスに充満するニオイ……腐った水……)

すごく嫌な予感がする……

「……ひょっとしたら」

「ヨシキさん…」

「ずっと待ってたんだよ……」

「新しく入ってくれる人をね……」
つぎの日
僕は
ひろゆきさんを見つけた
LIGは
とても
いい会社だ