こんにちは、LIGブログ編集部です。こちらはWebライティングに関する全10回のシリーズ記事です。
皆さんはWebライターに求められる「文章力」って何だと思いますか? いろいろな意見があると思いますが、やはり「最後まで記事を読ませる力」ではないでしょうか。
もちろん、これまで紹介してきたように、Web上で記事を全文読んでもらうのはかなり難しいこと。WebコンテンツはSEOも大事ですし、プロであれば早く書くことも求められます。初心者ならなおさら難しいはず。でも、せっかく書いた自分の文章は、やっぱり最後まで読んでほしいですよね。
というわけで今回は、Webメディアだからこそ意識しておきたい6つのライティングテクニックを紹介したいと思います。
1. 文章を簡潔にする
スマートフォンの普及により、Webコンテンツは電車の待ち時間や移動中、仕事の休憩中などの「隙間時間」に読まれることが多くなりました。PCの大画面でじっくりではなく、スマホの小さな画面でサラッと読まれる以上、書き手にもそれに合わせた読みやすい文章を書くことが求められます。
長い文章やまわりくどい表現は、Webでは好まれません。図や箇条書きなどもうまく使って、“簡潔に伝えること”を意識して書きましょう。
2. ベネフィットを提示する
主に広告などでのコピーライティングで重視されるのが、「ファクト・メリット・ベネフィット」という3つの要素です。きちんと違いを意識した上でユーザーに訴求できているかどうかが問われることになります。
ファクト・メリット・ベネフィットの違いについて
簡単に説明すると「ファクト=事実」、「メリット=利点・長所」、「ベネフィット=利益」となります。
例えば車を買う人にとっては、
- ファクト:エンジン性能、排気量、定員数などの数値やスペック
- メリット:遠い距離まで移動できる、荷物がたくさん積める、他の車と比べて安い、燃費がいいなど
- ベネフィット:子どもの学校への送迎ができる、家族旅行などの思い出が作れる
という違いになります。
ファクトはとてもわかりやすい(そして、ファクトだけでは読者にとって良いか悪いかはほとんど判断できない)のですが、ややこしいのがメリットとベネフィットです。日本語でもう少し定義を説明すると、次のようになります。
- メリット:商品の直接的な良い部分
- ベネフィット:商品によってもたらされる価値
ベネフィットの提示が記事に必要な理由
ファクトの記載は、記事の信頼性のために絶対に必要です。そしてメリットを並べるだけでも、興味深い記事となる場合ももちろんあります。例としては、
- 読者側にある程度、知識があることを前提とした紹介記事:
(例)専門メディアでのPCの性能比較- メリットそのものがわかりやすい、または大きい記事:
(例)世界で1つしかない○○の紹介、「今だけ半額」的な期間限定のニュース
などになります。
しかし、より多くの人に興味を持って記事を読んでもらうためには、ベネフィットの提示は欠かせません。
たとえば、デジカメを買おうと思っている人の大半は「画素数」や「絞り」などのファクトについて解説されても、それが自分にとって良いことなのかどうかがわからないでしょう。
それよりも、
このデジカメなら(起動時間が圧倒的に早いので)、子どもたちが運動会で一瞬だけ見せる真剣な表情を見逃さない
というように、()内のファクトやメリットの先にある“ベネフィット”を提示されたほうが、商品への興味は湧いてくるものです。
あなたの記事も、読むことで「これがわかる」だけでなく、「あなたの生活が、こんなふうに変わる(こんなこともできるようになる)」とベネフィットを提示するところまで意識して書くようにしましょう。
「ベネフィットに興味を持ち、メリットを知り、ファクトを確認する」という流れを意識した文章構成ができれば、最後まで自然と読まれるような記事となるはずです。
3. 結論を冒頭に書く
Googleの検索エンジンは、ユーザーの“記事に対する満足度”を検索結果に反映しようとしています。
記事を数行読んだとき「ここに必要な情報が書いてあるかどうかわからない」「読むのが面倒くさそうだからやめよう」と思われるとページの滞在時間が短くなるため、ユーザー満足度が低いと判断され、検索順位も上がりにくくなります。
そのため結論を冒頭に持ってくることで、まずはユーザーに「自分が探していた情報がここにある」と判断してもらうようにしましょう。結論を読んだ上で記事を読み進めてくれる人は、その情報を詳しく知りたい人であり、全文を読んでくれる可能性が高いと考えられます。
結論から始めて人の関心をひきつけることは、プレゼンでも用いられる手法ですが、WebライティングのSEOのテクニックとしても有効です。
4. 数字は具体的に書く
たとえば「顧客満足度100%のエステサロン」よりも、「顧客満足度97.2%のエステサロン」のほうが、具体的で説得力がありますよね。
逆に、「約100%」や「概ね100万人」などの大雑把な数字ばかり使っていると、正確なデータではないのでは?(ちゃんと調査していないのでは?)と思われてしまいます。記事を書く上でさまざまなデータを論拠にすることも多いですが、数字の「見せ方」にも注意しましょう。
もちろん、その数字が正確であることが大前提です。Googleが評価するポイントに「E-A-T(Expertise=専門性、Authoritativeness=権威性、TrustWorthiness=信頼性)」がありますが、信頼性のためには丁寧なリサーチにもとづき、正確な数字や情報を記載しましょう。
5. 理由をきちんと提示する
Webメディアの記事の多くは、まずはタイトルでインパクトのある主張をし、読者の興味をひくところからはじまります。しかし主張をした以上は、その理由が説明できなければ説得力がありません。
たとえば「確実に1ヵ月で30万円収入を増やす方法を教えます」という記事であれば、
なぜ1ヵ月で確実に30万円収入が増えるのか?
という“読者が当然感じるであろう疑問”に対し、
なぜなら確実に1日1万円ほど収入が得られる副業があるからだ
というような理由を記事の中で提示しなければなりません。そして、
その副業とは○○のことだ → ○○の仕事は1日1万円の収入を生む → なぜなら△△だからだ
というように、記事内でより具体的な理由をいくつも並べて証明していくことで、記事の信頼性は高くなっていきます。
どこか1箇所でも矛盾や論理破綻があると、記事全体の信憑性が損なわれます。十分注意しましょう。
6. 「自分らしさ」を記事のベースにする
もちろんコピーや盗作は論外ですが、これだけたくさんの記事が溢れている現代において、「まったく新しいオリジナルな内容の記事」を作り出すのは容易ではありません。とくにハウツーものなどは、結論自体は大差ないものになるでしょう。だからこそ、記事にはWebライターの「自分らしさ」が必要となります。
a. まずは読ませたい相手を決める
たとえばカレーの作り方についての記事を書こうとしたとき、材料・道具・手順などは誰が書いても似たようなものになりますが、
- 普段自炊をしない人向け
- 料理時間を短縮したい人向け
といった読者の設定が明確にあれば、“その人(=ターゲット)のための有益な情報”を書きやすいでしょう。
b. ライター自身の視点を考える
上記a.にプラスアルファする形で、ライター自身の視点(=自分らしさ)を盛り込むようにしてみましょう。今回はカレーという料理を作る記事なので、ライター自身が料理に対して普段どういうスタンスなのかが1つの視点となるはずです。たとえば、
- 普段全く自炊をしない実家暮らしのOL
- 週5で弁当を自作する「弁当男子」
など、ライターの持つ背景が異なれば、同じターゲットに向けて書いた記事であっても視点は全く異なったものとなります。それこそがオリジナルな記事にとって必要な要素となるのです。
c. 視点を元に記事を書く
上記b.を受けて、普段自炊をしない人に向けて書かれた、
- まったく料理をしない自分でもできた美味しいカレーの作り方
- 「弁当男子」である自分が教える、初心者でも簡単にできる美味しいカレーの作り方
という2本の記事は、たとえ、
- カレーの作り方はほとんど一緒
- 記事タイトルが両方「初心者でもできる美味しいカレーの作り方」になった
としても、強調すべきポイントや言い回しなど、記事内容としては完全に別モノとなり、それぞれに需要が生じることでしょう。
実際には料理ができないライターが、料理ができるという体裁で記事を書くこと(手順に沿った作り方をマニュアルとして紹介するなど)はもちろんあります。しかし「料理ができない」というリアルな状態を書いたほうが、当然“自分らしい”記事に仕上がります。
ライターのリアルな姿や実感がこもった記事のほうが、読者にとっても説得力をもつでしょう。つまり自分らしさを見つけ、そのポイントを磨きあげるテクニックこそ、ライターとしての強みになるのです。
まとめ
今回は、文章力を向上させるテクニックを紹介しましたが、何よりも大切なことは、たくさん文章を書くこと! 書かないことにはどんなテクニックも身につきませんし、書いてみることではじめて自分の弱点や課題がわかってくるもの。道のりは長いですが、一緒にがんばりましょう!
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