こんにちは、LIGブログ編集部です。こちらはIT/Webパーソンが知っているようで知らない、冠婚葬祭のマナーや基礎知識について紹介することを目的としたシリーズになります。
冠婚葬祭の“葬(そう)”について、過去に「通夜や葬式の前に必須の5つのマナーと基礎知識“香典”“弔電”“供花”など」と「“通夜”“葬儀”“告別式”に参列するなら必須の5つのマナーと基礎知識」で主に葬儀に参列する際の注意をご紹介させていただきました。
葬儀はあらかじめ準備ができる結婚式などと違い、予測がつかないという側面があります。突然あなたが葬儀を主催する側になってしまったら、身内を亡くした心労を抱える中で、さまざまな事項を決定しなければいけません。複数の業者に見積もりを依頼したり、それを冷静に比較検討するのはなかなか難しいですよね。
そこで今回は、葬儀について知りたいことアンケートでも1位となった、葬儀・葬式の費用、規模、相場について、年間8000人以上の方のご葬儀をサポートする第三者機関である「葬儀レビ」さまの情報提供で分かりやすく解説します。
近い未来、突然訪れるかもしれないその時に、慌ててしまわないために、しっかりと基礎知識を備えましょう。
※マナーや基礎知識については、宗教・宗派はもちろん、地域の慣習や個人の考え方によっても大きく異なります。ここでは特別な注釈がないかぎりは、広く一般的な仏式に関する紹介としてご留意ください。
葬式・葬儀にかかる費用
まず、葬式・葬儀にかかる費用とは、具体的に何に対して支払われるものなのでしょうか。葬式・葬儀の費用の内訳は大きく分けて以下の4つです。
- 葬式・葬儀費用
- 料理・返礼用費用
- 施設使用料
- お布施・心付け
それぞれについて詳しくご説明します。
各費用の具体的な支払い用途と費用を調整する際のポイント
以下、葬式・葬儀費用、料理・返礼用費用、施設使用料、お布施・心付けについて、それぞれの具体的な支払い内容と費用を調整する際のポイントについてご紹介します。
葬式・葬儀費用
葬式・葬儀費用とは、つまり葬儀社に支払う費用のことです。主な費用としては祭壇費、御棺、供花、葬儀用具、人件費などがあります。
祭壇、御棺、供花などの質・量を変更することで費用の調整が可能です。
料理・返礼用費用
料理・返礼用費用とは、参列者の方などへのおもてなしをするための費用のことです。主な費用としては通夜料理、精進料理、返礼品などがあり、葬儀に出席する人数によって費用が変動します。
料理、返礼品の種類を変更することで費用の調整が可能です。
施設使用料
施設使用料とは、葬式・葬儀をする上で必要になる施設関係の費用のことです。主な費用としては式場使用料、火葬料、安置施設料、火葬場休憩室料などがあり、使用する場所により金額が大きく変動します。
予算に合う斎場を選択することで費用の調整が可能です。
お布施・心付け
お布施とは宗教者の方へのお礼、心付けとは火葬場のスタッフ、運転手の方へのお礼のことで、葬儀社に支払うものでは基本的にありません。
すでに菩提寺をお持ちの方は、そちらにかかる費用を問い合わせることになります。
葬式・葬儀にかかる費用のまとめ
以上のように、葬式・葬儀費用、料理・返礼用費用、施設使用料、お布施・お心付けなどで葬式・葬儀の費用の総額が決定します。
ひとくちに葬儀費用といっても、さまざまな要素から成っており、葬儀の複雑さがうかがえます。
葬儀の内容を考える際には、葬儀のスタイル、宗教者の手配の有無、葬儀の場所、故人・遺族のこだわり、参加者の予想人数などの要素を検討する必要がありますが、その際にはそれぞれどのような費用がかかるのかを事前に知っておくとよいでしょう。
次は、葬式・葬儀にはどのような種類があり、どのぐらいの規模なのかについてご紹介します。
葬式・葬儀の規模
“密葬”“家族葬”という言葉はご存知でしょうか。これは葬式・葬儀の種類や形式、規模を表す言葉で、大きく分けて以下の4つがあります。
- 火葬式(直葬)
- 一日葬
- 家族葬
- 一般葬
ここでは、葬式・葬儀の規模を表す言葉をご紹介し、それぞれどのくらいの人数が参列するものかを説明していきます。
葬式・葬儀の規模とそれぞれの参列者の平均人数
ここで言う規模とは、葬式・葬儀の大きさ、すなわち葬式・葬儀に参列する人数のことです。葬式・葬儀の規模が大きいと、参列する人数が大きくなり、その人数に応じて式場のキャパシティも大きくなり、その式場の大きさに合わせた祭壇費、御棺、供花、葬儀用具、人件費がかかる、という論理で費用が発生します。
それぞれの相場については、これも詳細を後述させていただきます。
火葬式(直葬)について
火葬は、周囲にはあまりお知らせをせずに、近親者のみでしめやかに葬式・葬儀を執り行いたい場合に適した規模です。火葬炉前の限られたスペースで行うため、参列人数は5〜10名で行うのが一般的です。2000年以降から都市部を中心に増加しており、通常の通夜や葬式・葬儀は執り行わず、火葬場で故人の火葬のみを行うのが特徴で、祭壇を飾らず、参列者への接待費用も必要ないことから、最も経済的な葬儀形式と言えます。故人が生前に葬式・葬儀が必要ないと言い残していた場合や親族がいない場合などがあるそうです。
一日葬について
一日葬は、遠方からの参列者にも配慮し、一日で告別式とお通夜を終えられるようにしたい場合に適した形式です。「通夜を行わない」という定義があるのみなので、人数の想定はなく、一日で行う家族葬や一般葬もあります。
また、葬儀は行いたいがそこまで費用をかけられない、料理や返礼品などの費用もできる限り抑えたいという要望もあるそうです。
家族葬について
家族葬は、家族や親戚など故人と親しい近親者を中心とし、故人とゆっくりと最後のお別れをしたい場合に適した規模です。参列人数は約10〜20人程度であることが多いようです。
次に説明する一般葬と異なり、周囲に必要以上に気を遣う必要がないため、葬式・葬儀のときに思い出話などを交えつつ、心行くまで故人を偲ぶことができます。近年は、家族葬専用の式場なども増えつつあります。
ちなみに、密葬という言葉もありますが、これは企業の代表、著名人などが亡くなった際、葬式・葬儀に参列する人数が大きくなりそうな場合に、本葬に先駆けて遺族、同居家族や近親者のみで執り行う葬式・葬儀を指します。
この場合、火葬が終わったら別の日に改めて多くの参列者を呼んで、大規模な本葬やお別れの会を執り行います。
一般葬について
一般葬は、故人を供養するだけでなく、故人の訃報を地域や社会に広く知らせるために、比較的盛大に故人を見送りたい場合に適した形式です。実質、家族葬との違いは人数規模だけですので、参列人数が20~70人程度になると一般葬と呼ばれます。
参列者には故人の近親者だけではなく、地元の住民や故人が生前に勤めていた会社の社員など、故人と生前に関わりがあった方を呼びます。さらに遺族に関わりのある方も呼ぶので、葬式・葬儀の参列者の人数は大きくなります。
一般葬を執り行うと葬儀の費用が高くなるとの心配もあるかと思いますが、実際には参列者から頂く香典により、葬儀費用のうちの多くを賄い、遺族の負担が本来の葬式・葬儀料金よりも安くなるということがあり得ます。
急な葬式・葬儀で予算が少ない場合でも、一般葬ができないとは限りません。
葬式・葬儀の相場
ここまで葬式・葬儀の費用や規模についてみてきましたが、昨今では多様な価値に合わせたさまざまな葬儀形式があることがお分かりいただけたかと思います。こうしてざっと見るだけでもそれぞれメリットとデメリットがあり、事前準備なしではどれが最適なのか判断しかねるのではないでしょうか。
つづいては、上記の中からあなたに合った葬儀形式が見つかったとして、それぞれの費用相場はどの程度の金額なのかを押さえておきましょう。
繰り返しになりますが、これは宗教・宗派はもちろん、地域の慣習や個人の考え方によっても大きく異なるものです。しかし、もし万が一の時に、知っているのと知っていないのとでは大きな違いがあります。
以下、詳しく説明していきます。
日本の葬式・葬儀費用の相場とは
財団法人日本消費者協会では、消費者の葬儀意識と葬儀実態について、3年ごとに全国で『葬儀についてのアンケート調査』を実施し、結果を公表しています。
平成26年1月の調査発表では、下記の通りになりました。
- 葬式・葬儀費用一式:1,222,000円
- 飲食接待費用:339,000円
- 寺院の費用:446,000円
- 葬式・葬儀費用の合計:1,889,000円
※合計金額は内訳不明分を含みます
※葬儀費用は、人数や規模、地域によって大きく異なるので、あくまでこの数値は一つの参考としてご覧ください。
葬式・葬儀費用は一式で約122万円、飲食接待費用は約34万円、寺院の費用は約44万円、葬式・葬儀費用の合計は約189万円ということで、相場としてはやはりまとまった金額が支払われることがわかります。すぐに工面できる金額ではないと感じる方も多いのではないでしょうか。
また、葬式・葬儀の規模ごとに見た相場は下記の通りです。
- 火葬 参列者約5人程度 約17万円〜
- 一日葬 参列者約20人程度 約48万円〜
- 家族葬 参列者約10人程度 約56万円〜
- 一般葬 参列者約20人程度 約118万円〜
※上記は、情報提供元の葬儀レビを通して、葬儀を依頼したお客様の葬儀費用を平均値化したものです。ひとつの参考としてご覧ください。
火葬式が最も安価で、一日葬、家族葬、一般葬と、規模が大きくなるにつれて平均費用があがっていくのが見て取れます。
ただし、これは一例にすぎません。葬儀の形式はさまざまであり、これらの平均費用はひとつの目安です。大切なのは、目先の金額で決めてしまうのではなく、自身がどのような葬儀をしたいかをきちんと整理し、それぞれの葬儀形式の特性を把握した上で、納得のいくお葬式のスタイルを選択することだと思います。
葬式・葬儀の費用を節約するにはどうすればいいのか
葬式・葬儀の費用を節約する方法はいくつかありますが、なによりもまず、葬儀社に気後れすることなく予算を伝えることが一番です。前述した相場を大きく外れるものでなければ、葬儀社もそれを断ることはないはずです。
セット料金やオプションから削れるものはできるだけ削り、限られた予算の中でもできるだけ故人・遺族の要望に沿った葬式・葬儀ができるのが望ましいでしょう。
また、一つの葬儀社のみに相談するのではなく、いくつかの葬儀社を比較して最適な一社を見定めることも非常に大切です。
一つの葬儀社のみでは相場や相性を測ることができません。安い出費ではないからこそ、じっくりと時間をかけて比較検討しましょう。
葬式・葬儀の費用、規模、相場のまとめ
いかがでしたでしょうか。葬式・葬儀を開催する側に回るのは、誰もがはじめて経験すること。突然の訃報は悲しみと相まって、落ち着いた判断をするのはなかなか難しいからこそ、事前にある程度のマナーや基礎知識を身に付けておきたいですよね。
しかし、いざ自分が……となると腰が重いもの。日中は仕事で準備する暇がないという理由や、いつ行うかわからない葬儀・葬式に時間を割けない、という理由で、結局は準備がないまま慌てて葬式・葬儀を迎えてしまう方がほとんどだそうです。
慌てて決めてしまうせいで、葬儀社の選択や、依頼する葬儀プランの失敗などで後悔してしまう、なんてことも。
当然、突然訪れるものですので、分かってはいてもなかなか準備が出来ないのが葬儀の難しいところです。
また、人が亡くなった後には、葬儀の費用/規模/相場だけではなく、「僧侶の手配」「仏壇・お墓選び」「散骨」「遺産相続」など、同時にさまざまな事柄の検討に迫られ、短期間で多くの意思決定をすることになります。
あなたは、もしもその日が来たときに、冷静に最良の選択ができるでしょうか。
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お世話になった人を送り出す、最後の場面である葬式・葬儀。納得のいく葬式・葬儀を実現するためには、いろいろな業者を比較・検討する必要がありますが、1人で葬儀社を探すのはなかなか簡単なことではありません。
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【葬儀の基礎知識】