フィリピンと日本をつなぐ、新しい開発。
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2015.07.06
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#3
働き方インタビュー(経営者編)

「21世紀の資本論、ひっくり返そうと」ベトナム発の人材サービスが実現するグローバル化社会 | アイコニック

まゆこ
(編集部注*2015年4月2日に公開されたインタビュー記事を再編集したものです。)

日本人がベトナムで働くメリットとは、どのようなものでしょうか。実は、シンガポールやマレーシアなどの周辺諸国と比較して物価が安いベトナム。

しかし、日本人の給与はさほど変わらないために、手残り額が多くなる傾向があるそうです。また、ベトナムでは英語力のハードルが低く、「ビジネス英語に自信がない方でも海外就職に挑戦できるチャンスがある」と語るのは、ベトナムで人材紹介及び人事コンサルを営むICONIC co., ltd(以下、アイコニック)の代表である安倉宏明氏です。

「海外での実務経験を積んで、今後のキャリアアップに」「定年退職したけれど、スキルや経験を生かしてまだ働きたい」日本人のそのようなニーズにいち早く応えることで、ベトナムを含め現在4拠点、2015年にはもう1拠点を設立する予定があり、2008年の創業以来、順調に大きな成長を遂げているアイコニック。今回は代表である安倉氏に、海外における事業展開の苦労と、成否を握るマインドセットについて伺いました。

f2423ab6ab9a0186c91da71dda083d4e 人物紹介:安倉宏明
関西学院大学総合政策学部卒業。株式会社ベンチャー・リンクにて中堅中小企業のコンサルティング、小売店フランチャイズ事業の全国展開に従事。
単身ベトナムに渡り年間500社程度ベトナム企業に営業・訪問する。2008年5月ICONIC co., ltdを設立。ベトナム、インドネシア、日本で人材紹介・人事コンサルティング事業を展開中。

「俺、ベトナムナンバーワンじゃない?」何もないけれど、たぶん人より俺はできると

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今でこそ海外を拠点にした人材サービスの競合は増え、認知度も上がっていますが、安倉氏がアイコニックを創業した2008年ころには、ベトナムに注目する人は少なかったそうです。では、どうして安倉氏はベトナムでのビジネスに取り組んだのでしょう。

安倉:なぜベトナムになったのかと言うと、別にベトナムでなくても良かったのです。タイでも、インドネシアでも、中国でも良かったんですけど、それも縁で、たまたま半年前に僕は旅行でベトナムに来ていたんです。それで僕が気づいたのは、ベトナムはこれからもすごく発展すると。
1人当たりのGDP、1人当たりの所得も、そもそも若い人口自体も増えていくから、ダブルで、掛け算で増えていくわけです。掛け算でマーケットが増えていくというのがもう目に見えているのに、商品も売ってないし、品質が低い。

ベトナムにビジネスチャンスがあると気づいた安倉氏。市場自体を拡大させるような要素として、“人材”に着目します。

安倉:ベトナムに足りていないものというのは、要は品質の管理だったりとか、マネジメントだったりとか、技術が足りていないが故に、プロダクトが悪いもの、ダサいものしかない。そういうもの、技術とかノウハウとかデザインとかは、何に宿っているのかというと、人じゃない? と。ベトナムで話を聞いた瞬間に、僕の中で結びついたんです。
少なくとも日本には技術者や、そういった管理の方法、ノウハウを持ったおっちゃんがいっぱいいる。職にあぶれているおっちゃんもいるだろう。まずはその人たちをベトナムに持ってくれば、ベトナムにとってめっちゃ貢献するし、おっちゃんも雇用創出されてめっちゃ良くない? と。やばい、これウィンウィンだ。俺、天才じゃない? みたいな。超気づいちゃった、俺、みたいな。

「いろいろネットで検索したら、どうやら人材紹介というビジネスモデルがあるらしい」と知り、“すごく安直な発想”でスタートしたアイコニック。未経験の分野で不安はなかったのでしょうか。

安倉:僕にはノウハウも金も人脈も、何もないけれど、何があるかといったら、まず若さだ。あと、少なくとも東京に俺くらいのヤツはいっぱいいるかもしれないけれど、ベトナムの日本人で俺クラスはいない。そう絞った瞬間、俺、ベトナムナンバーワンじゃない? と勝手に決めつけて。俺は何やっても勝てるんじゃない? と思ったんです。

誰も自分のことを知らないベトナムで、1人でやるからこそ「わくわくした」と語る安倉氏。では、実際にはどのように事業を拡大したのか、お聞きしました。

安倉:どうやってやってきたか、本当にPDCAを回すだけですよね。ひたすら、まず自分がこうだということを設定して、営業で回ってみて、お客さんの反応を聞いて、それに対してもうひたすら改善し続けて、社員を雇い続け、拠点を出し続ける。それだけです。

みんながとらえているリスクというのは単なる恐怖なのです。リスクでなくて

安倉:以前、豆腐を売るビジネスをしていたんですよね。豆腐なんてものは、もう日本にいくらでもあるわけです。それの形を変え、切り口を変え、一生懸命美味しい豆腐ですみたいな、コンセプトを変えて売っていたわけです。
でも、そもそもコンセプトとか変えなくていいところで豆腐を売ったほうが良くない? つまり美味しいものは、まだ美味しいものがないところに提供したほうが社会的に価値がある、商売になるんじゃないかと思ったんです。

日本よりも新興国の方がビジネスのチャンスがあるんじゃないか。とても自然なこの発想は、ある意味では誰にでも思いつくことができるものでもあります。実際にそこに飛び込めた人と、飛び込めなかった人の違いを、安倉氏は次のように語ります。

安倉:多分一番大事なのは今から話すことで、僕はそれを思いついたときに、ものすごく、ものすごくわくわくしたんです。もうめっちゃ、これをやってみたいと純粋に思えたんです。1人でベトナムに飛び込んで、事業を作って、形ができたらと、そのときの自分の状態を想像しただけで楽しい、そのこと自体が楽しそうな感じがしたので、じゃあもう行ってしまおうということで勤めていた会社を辞めて。
日本人はリスクを勘違いしていると思うんです。みんなが思っているリスクというのは、暗闇のジャンプなんですよね。暗闇でジャンプすることは怖いというだけの、単なる恐怖なのです、リスクでなくて、怖いだけなのです。知らないものは怖いと。

「リスクというのはコントロールする対象なので」と安倉氏。ベトナムで事業を起こしたのは勢いだけではなく、真っ当な分析を経た決断でもありました。

安倉:例えば、まずコントロールできるものというのはお金じゃないですか。金銭で損得を考えたんです。僕がベトナムに行って、事業を興してうまくいくプラスと、それが失敗するリスクとを考えたときに、損失というのはなくなるだけじゃないですか。僕は起業のために頑張ってお給料を貯めていたんですけど、それがなくなるぐらいじゃないですか。もしくは時間を浪費するというか。
でもそれって浪費というよりも、ベトナムで1人でチャレンジして、企業を興そうとして失敗した状態であれば、誰か拾ってくれるでしょうと。そう考えたときに、リスクなくない? と思ってしまったのです。リスク0じゃん、と。いや、僕は本当に、ちょっとマジに焦ったのです。だって気づかないほうがおかしいとさえ思っていましたね、当時は。
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