
こんにちは、メディア事業部のきょうへいです。LIGのSEM(サーチエンジンマーケティング)を担当しています。
さて、サイト制作や広告運用をしていて大きな課題になるのは、どのようにしてユーザの本音を引き出すか、ということです。Google Analyticsやヒートマップを活用すればある程度ユーザの思考をトレースすることができますが、一番いいのはやはりユーザに直接質問をすることでしょう。
ユーザに直接質問すること、つまりアンケートは、オーソドックスでありながら奥が深いもの。また、Webの発展と共に更なる進化を遂げており、今はできることもかなり増えているようです。
そこで今回は、簡単で美しい次世代のアンケートツールとして実績のある『CREATIVE SURVEY』さんのご協力を得て、ユーザの本音を引き出すアンケートの作り方についてまとめます。
人を相手にする全ての職種で、そしてセミナーや説明会のフィードバックにも活用できることなので、ぜひメモ代わりにご参照ください。
リサーチ・分析に活用できるアンケートを作るための10のポイント
■目次
- アンケートはコミュニケーションの一環であることを理解する
- よりよいアンケート結果を得るために知っておくべきこと
- Webを活用した最新のアンケート事情
- もうひと工夫でユーザフレンドリーなアンケート設計を
- まとめ
アンケートはコミュニケーションの一環であることを理解する
実際にアンケートでリサーチをしてみると、事前には想像もつかない多様な意見が得られます。結果を解析してみて気がつくのは、ユーザは解析結果の数字ではなく、その向こう側にいる、ということです。
コンテンツを提供する側はユーザと感覚をそろえておく必要があるので、データを把握するだけでなく、アンケートがユーザとのコミュニケーションである、という意識が必要です。
ペルソナの設定やユーザモデリングにも応用できるので、コミュニケーションツールとしてのアンケートの作り方を学んでおきましょう。
1. ユーザの基本情報を知ろう
アンケートの項目としてまず必要になるのが、ユーザの属性、つまり性別や年齢・職業などの基本情報です。ここに挙げたものはあくまでも代表的な例で、実際にはアンケートの目的に合致した属性を質問する必要があります。
属性とはつまり、回答者がどの性質に所属しているかということです。例えば僕には、20代の男性であり、埼玉県在住の単身者であるというような、さまざまな属性があります。
属性を把握することによって、例えば「20代」に絞った回答を分析したり、「女性」と「男性」を比較したり、「男女比」を補正してアンケート結果をよりわかりやすくすることもできます。アンケートをとる目的に最適な属性を、項目として設定できるようにしましょう。
ちなみに、個人情報で答えづらい属性の質問はアンケートの最後にすることで、回答完了率を上げる効果があります。
2. ユーザの趣味や嗜好を探ろう
もし、アンケートの目的がサービスやアプリのフィードバックであるなら、ユーザの趣味や嗜好を確認しておくことも必要です。
1.で例に挙げた年齢や職業などの社会経済的な属性とは別に、ユーザの趣味や嗜好など、心理的な要因で分類される属性もあります。
具体的に、例えばアプリを制作する場合なら、マンガや映画、音楽、雑誌など、ユーザのライフスタイル、好みや価値観などが反映されやすいものについて、アンケート項目を設定するのがいいでしょう。
これらの属性をリサーチすることで、ユーザと一緒にコンテンツを改善していくことができるようになるのです。
3. 挨拶文でユーザに感謝や、インセンティブがあることを伝えよう
ユーザとコミュニケーションをするときに忘れてはならないのは、質問をはじめる前の挨拶文です。
「アンケートにご協力いただき、ありがとうございます」「どうぞ最後までご回答をお願いします」などの挨拶文があるのとないのでは、回答者に与える印象がだいぶ違います。
また、挨拶文による作成者側のメリットとしては、例えば「回答時間:3分」のように、かかる時間の目安を記載することで、回答率が上がることが知られています。
長いアンケートの場合でもこれは同じで、このような配慮をしてペース配分や心理的負担の軽減を促し、正確な回答が得られる傾向にあるそうです。
他にも、冒頭の挨拶文にインセンティブ(報酬)について記載しておくと回答率が上がったり、「個人を特定できる情報は取得しません」など個人情報の取り扱いなどを記載しておくと回答の正確性が上がります。
4. 自由回答を活用して上手にフィードバックを集めよう
自由回答は一見便利そうに見えて、実際には使い所が難しいと感じることもよくあります。しかし、その利点とは「選択肢にない回答」「質問に縛られない回答」を活用して、ユーザからのフィードバックを集めることができる点です。
「選択肢にない回答」では、全体のバランスの関係で選択肢に入れなかった項目や、抜け漏れのフォローをすることができます。
また、「誘導のない回答」では、アンケートの最後に「その他、ご意見ご感想をご自由にどうぞ」と記載しておくことで、作成者が意図していないからこそ有用な、ユーザの本音を得るヒントになります。
自由回答は回答者の負担が大きい質問形式であり、データとして数値化するのが難しい側面もありますが、ユーザの本音をフィードバックしてもらえる、という意義は大きいでしょう。
よりよいアンケート結果を得るために知っておくべきこと
さて、ここまでは「本音を引き出す」ということに注目したアンケートの作成方法についてご紹介しましたが、アンケートの結果はさまざまな要因によって左右されます。
まずは以下の2点を考慮して、よりよいアンケート結果を得るようにしましょう。
5. バイアスと上手に付き合おう
ここで言うバイアスとは、「認知バイアス」という、アンケート作成者が回答者の意見を誘導できてしまう現象のことです。
質問の順番により回答が左右されてしまうことの例としては、以下の有名なジョークがあります。
ある日、若い司祭が司教に尋ねた。「主に祈りをささげている間に、煙草を吸ってもよろしいでしょうか」「それは決して許されないことです」
次の日、別の若い司祭が同じ司教に尋ねた。「私が心の弱さから煙草を吸っているときに、主に祈りを捧げてもよろしいでしょうか」「もちろんですとも。主はお許しくださいますよ」
伝え方次第でリアクションが変わってしまう、というのは厳密なデータ解析などでは避けたい事態ですが、ユーザとのコミュニケーションという意味では、あえてポジティブなバイアスをかけて、コンテンツのロイヤリティを高めることができます。
目的に合わせてアンケートをデザインするようにしましょう。
6. 信頼できる回答数を確保しよう
アンケートで得られたデータの信頼性を保証するには、一定以上の回答数が必要です。統計学上、仮説が正しいことを示すには(有意水準を5%以上にするには)、384の回答数を確保することが必要になります。
また、回答数は多ければ多い方が良いものの、実際には回収率(アンケートに回答してくれた割合)も高めなければデータの信頼度は上がらない、という事情があるそうです。
他にも、作成者は回答者の条件をなるべくそろえたり、5.のバイアスを少なくしたりして、データの有意性を高める必要があります。
Webを活用した最新のアンケート事情
また、最近ではWebを活用した新しい形のアンケートがいくつも登場しています。
ネットリサーチのようなパネル調査は、匿名性の高い調査には必要ですが、ユーザとコミュニケーションを図るという観点からは、よりユーザの属性に沿ったアンケートを実施して、共感やインサイトを得るべきでしょう。
7. SNSを積極的に利用しよう
ユーザの共感やインサイトという観点からは、SNSを積極的に活用するのがおすすめです。最近ではFacebookやTwitterの公式アカウントが人気を博す事例も多くありますので、直接的なユーザとの交流を図ることで、親和性の高いファンを増やすことが可能になります。
また、そもそもWebアンケートツールはFacebookやTwitterなどのSNSと親和性が高く、拡散されることでより多くの回答数を得ることができるのも特徴です。
8. Webアンケートツールで回収・分析を効率化しよう
Webが進化すれば効率も上昇しますが、それはアンケートについても同じこと。Webのアンケートは紙のアンケートに比べて以下のようなメリットがあります。
- 多くのユーザーに対し、短期間でアンケートを実施・回収できる
- アンケートの印刷コストや配布・回収の人件費コスト抑えられる
- リアルタイムで集計し、結果がわかる
前述したようにSNSなども併用することで、より多くの回答者を得ることができます。また、アンケートを配ったり、回収したりする手間がかからないので、計画から準備、実施、回収まで短期間で行うことができます。
紙の印刷には当然コストがかかりますし、配布や回収にも手間がかかります。郵送など実施すれば別途送料もかかるので、この点に関してもWebアンケートでコストダウンができます。
回答があった時点で結果がわかるため、リアルタイムの集計が可能です。結果をグラフ表示させたり、データをダンロードしてExcelなどでさらに高度な集計や分析ができます。
もうひと工夫でユーザフレンドリーなアンケート設計を
ここまで来たら、もうひと工夫。デザイン性やスマホへの最適化を考慮して、ユーザフレンドリーなアンケート設計を心がけましょう。
9. コミュニケーションにはデザインが重要
そもそも、ユーザの気持ちになってみれば、アンケートとは単調で、何度も繰り返されればうんざりしてしまうもの。
ここまでご紹介したように、アンケートはユーザとコミュニケーションをとる窓口になり得るのですから、そのデザインは作成者のセンスを問われる部分でもあります。
クリエイティブサーベイなら、 200種類以上のウェブフォントと、色や写真で自由に設定できる背景画面によって、美しい画面と美しいインタラクションを実現できます。
10. アンケートとスマホの相性は抜群
回答環境が重要なアンケートでなければ、スマホで手軽に答えられるのが昨今はマストの要件です。今後もこの傾向は続いていくでしょう。
クリエイティブサーベイの回答画面は、レスポンシブウェブデザインが施され、どんな画面サイズのデバイスにも最適化されて表示できます。
まとめ
いかがでしたか? コミュニケーションの一環としてのアンケートを活用することで、自社コンテンツに良質なフィードバックを得ること、交流によってファンを増やすことも可能であることがわかりました。
そのようなメリットをより効率化するWebアンケートツールも非常に興味深かったです。
今後、LIGでも市場調査やヒアリング調査、またはセミナーや説明会のフィードバックにアンケートを活用していきたいと思います。それでは、また!
今回の記事作成にご協力頂いたクリエイティブサーベイさんのWebアンケートツールはこちら。