私が輝く、夏がはじまる。
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マーケティングを成功させるための投資回収ロジックの作り方

ken

みなさん、こんにちは。LIGのメディア事業部長のKenです。

私がマーケティングという業務に携わりはじめて、気が付けば20年近くの年月が経っていました。そのあいだに経験だけは幅広く積んできたと思っています。

マーケティングキャリアのスタートとしては外資系ソフトウェア企業でのデータ分析・リサーチ業務から始め、その後は楽天やメルカリにて、マーケティング戦略、テレビCM、OOH(屋外広告)、ブランディング活動やイベント、顧客育成、そしてもちろん、デジタルマーケティングまで……マーケティングに関わることなら大抵のことに携わってきたように思います。

おそらく、この先の人生も何らかの形で引き続き、マーケティングに関わり続けることになるのでしょう。

今回はそんなマーケティングについて、私の経験を交えながらお伝えしていきます。

マーケティングの目的とは

さて、マーケティングを行う目的は何でしょうか? 自社のサービスや商品の認知度を高めたい、好感度やファンを増やしたい、サイト訪問者を増やしたい、リードを獲得したい、などなど、企業のステージごと、優先度ごとにさまざまな目的があると思います。しかし、究極的には私はマーケティングの目的は企業の収益を最大化することにあると思っています。

当然ながら、マーケティング施策には費用がかかります。広告を打てば当然、広告費が発生しますし、SNSやYouTubeを使って広告費を使わずにマーケティングを行うという場合にも、人件費が発生します。言い換えてみれば、マーケティングは投資とも言え、そして投資には投資金額を上回るリターン=収益が求められます。

そのため、マーケティング戦略を考える上で、投資回収プランを作り込むことは非常に重要なポイントです。

マーケティング投資回収プラン

たとえば利益率20%のビジネスにおいて、100万円のマーケティング投資を行う場合、最低でも100万円 ÷ 20% = 500万円の売上をもたらすことを期待されます。投資回収を何ヶ月、または何年かけて行うかという投資回収期間の設定も非常に重要です。

たとえば短期で投資回収を行わねばならない場合は、その分、短期で高い費用対効果を狙わねばならなくなり、効果の見えやすいデジタル・マーケティング中心に施策を組み立てることになるでしょう。一方で効果が見えにくい、テレビCMなどのマーケティング投資は行いにくくなります。

1年、場合によっては数年かけて、中長期に渡ってゆっくりと投資回収を行なっても良い場合、投資に関しての許容度も高くなるため、マーケティング施策の選択肢の幅も広がります

一般的には1年以内で投資回収期間を設定します。一方で規模の経済が働くビジネスの場合、市場のシェアを取りに行くことを優先で、1年以上、場合によっては複数年の回収期間を設定して、マーケティング費用を積極的に投下していく戦略を取ることもあります。そういったビジネスでは初期に赤字を掘り続ける結果となりますが、戦略通りに市場のトップシェアを取れた場合は莫大なリターンをもたらします。

もちろん、うまく行かなかった場合は投資回収ができず、事業のピボットや閉鎖を余儀なくされることもあります。概してシリコンバレーのベンチャーキャピタルは、こうしたハイリスク・ハイリターン型のベンチャー企業を好んで投資を行う傾向があり、そうした投資マネーを求めるベンチャー企業がまたシリコンバレーに集結して、というポジティブなエコシステムが育まれてきたという歴史があります。

投資回収ロジックの組み方

ではマーケティング費用の回収ロジックはどのような考え方で組み立てれば良いのでしょうか? これは非常に難しく、企業の置かれたステージや保有する事業の数やポートフォリオによっても考え方は変わってきます。

たとえばアーリーステージのベンチャー企業の場合、そもそも足元の数字をベースにロジックを組み立てようとすると、サービス認知も低く、ユーザーのロイヤリティも低い場合が多いので、何年経っても投資回収ができないというようなことが起きてしまいます。

また複数の事業体で構成される大企業の場合、Aというサービスでは儲けを出さずにBというサービスをクロスセルすることで投資回収するといった、事業ポートフォリオ全体で投資回収を行う手法を取ることもあります。私もベンチャー企業の経営者やマーケティング担当の方から、マーケティング投資の考え方について相談されることがありますが、そうした場合、事業がうまく行った場合を前提で、数字を想定で組んでいくことをアドバイスしています。

たとえば赤字企業の場合は、同業他社の営業利益率をベンチマークとして、黒字化した場合の営業利益率を計算上設定するとか、まだまだサービス力が弱く、ユーザーのリピート率が低いサービスの場合、1年後にはサービス改善してリピート率も20%改善させる、というような目標値を設定する、などの想定や目標を足元の数字の代わりに設定していきます。

もちろん、理想だけで現実味のない数字が設定された場合は、いつまで経っても投資回収の見込みができず、投資家から見放されてしまう、というようなことも起こりえます。したがって、マーケティング投資が事業の成否を握るベンチャー企業の場合、投資回収のロジックを組む際には経営層の強いコミットメントが必要です。

LTVとROAS

具体的な回収ロジックの組み方はいくつかありますが、代表的なものとしてはLTV(Life-time Value)をベースに算出する方法と、ROAS(Return on Advertising Spend)があります。LTVは一人の顧客が企業にその生涯を通じてどの程度の収益をもたらしてくれるか、という考え方で、ROASは広告を打ったことでどの程度の売上を上げることができたか、という考え方です。

LTVを構成するドライバーは、1顧客あたりの平均客単価、平均購買頻度、継続率(リテンション率)、利益率が一般的です。

これらを元に、たとえば1年後の1顧客あたりLTVが500円だったとすると、投資回収期間を1年とした場合、1顧客獲得単価は500円まで許容する、というような考え方でマーケティングKPIを設定します。

LTV=平均顧客単価 × 平均購買頻度× 継続率 × 利益率

ここでは話を単純化していますが、実際のマーケティング現場では、獲得チャネルごと、また顧客の保有する携帯がiOSとAndroidかによってもLTVが大きく変わります。そのため、細分化してLTVを算出・管理していく必要があります。

日本ではあまり大きな差は出ませんが、海外ではiOSユーザーの方がAndroidユーザーよりも所得が高いことが多いです。iOSユーザーのLTVはAndroidユーザーの倍以上、というようなことも実際にあります(日本でもiOSユーザーのLTVはAndroidユーザーのLTVよりも、一般的には若干高い傾向にあります)。そうした場合はiOSユーザーとAndroidユーザーとで別の顧客獲得費用(CAC=Customer Acquisition Cost)のKPIを設定してあげなければいけません。

ゲームなどのスマホを軸にしたマーケティングでは、実際に極めて細分化されたKPIを追っています。

 LTVを使う場合は、1年程度の比較的、中長期視点でユーザー獲得と投資回収を行っていくのに適しています。

投資回収のロジックとしてROASを利用する場合は短期での投資回収を目指したり、費用対効果を判断したい場合に使われることが多いです。

ROASのドライバーは広告費用と広告経由で獲得したユーザーからもたらされた売上の2点が主な要素なので、シンプルによりダイレクトな効果をマーケティング施策に求める場合に適していると言えます。

テレビCMの費用対効果(ROI)ってどう判断するの?

日本ではテレビCMが未だに効果的なマーケティング手法として、多くの企業に利用されています。私も過去にテレビCMを打ったことは何度もあります。うまく行けば非常に効果的なツールだと思います。

たとえばアメリカなどでは民族ごと、州ごと、年代ごとに消費者の行動は多様化しています。そのなかでも、テレビも数百チャンネルあるケーブルテレビのなかから好みの番組を見たり、NetflixやAmazonプライムビデオへの移行が進んでいます。そのため、地上波のテレビCMは費用が高く目に見える効果が出づらく、資本力のある大手企業のブランディング利用以外ではなかなか手を出しにくい手法です。

日本でもオンラインへの視聴の移行は近年、急速に進んでおります。それでも多くの国民が地上波の民放5チャンネルを視聴する傾向が根強く残っています。逆に言えば民放5チャンネルをしっかり押さえれば多くの視聴者にリーチでき、爆発力のある非常に効率の良いチャネルなのです。ある程度の規模までビジネスが育ってきたら、テレビCMにチャレンジするベンチャー企業も日本では数多くあります。

ただし、すべてのテレビCMが成功するわけではありません。デジタル広告と違い、少額でABテストを試して、クリエイティブを差し替えながら最適化していく、というような手法は取れません

テレビCMは、ギャンブルに近い性格もあります。全国でCM投下をする場合は億単位の投資が必要ですが、反応が悪いので途中で修正する、ということも難しいです。よって失敗した場合は億単位の失敗を背負うことになり、マーケターには非常に大きなプレッシャーがかかります。

私も過去にテレビCMを行ったときは、いつも放映開始後の数字が気になって眠れない日が続きました。実際に失敗したことも何度かあります。一方で成功した時のインパクトは大きいです。大きな飛躍を目指したい、また目指せるステージに来たベンチャー企業の経営者には、リスクと取ってテレビCMへのチャレンジを行うことをお薦めします。

さて、その費用対効果(ROI)ですが、これも測定はしにくいです。放映前と放映後の数字を比較して、上振れ分をCM効果として捉えるという考え方を使っている企業が多いとは思いますが、これも正確には測れません。

ただ、ある程度経験を積めば、1本CMを打てばどの程度の成果が上がったかのデータも溜まってくるので、数字を精緻化していくことは可能です。近年では、テレビCMの地域別時間帯別放映データと、実際の購買(CV)データや訪問データと紐付けて、テレビCMの効果を可視化するサービスも出てきています。

Webマーケティングはなぜ優れている?

大きくは3点あると思います。1点目は費用対効果が明確に、かつキャンペーンを始めてすぐに見えるところ。2点目は運用上の柔軟性で、たとえばキャンペーンの途中でのクリエイティブの変更や予算変更、広告の停止が容易にできるところ。3点目はABテストが容易にできるところ……という3点がWebマーケティングの良さだと思います。必ずしも、マーケターの想定通りの反応をユーザーがするとはかぎりません。ABテストをしながら、より良いクリエイティブやランディングページ(LP)を探り出していくチューニングは、マーケティングROIの最大化には欠かせません。

当然、これら分析やチューニングといったWebマーケティングの運用には人的リソースが発生しますが、取り組みを行った分だけ、成果にも繋がってきます。きめ細かい運用を行うことで、決まった予算の中で、確実に成果を上げにいくことができる、それがWebマーケティングです。

ただし、デジタル広告やSNSで告知するだけではお客様はサービスの利用や購入をしてくれません。サービスや商品の良さをアピールし、使ってみたいと思わせるのはWebサイトの構成やほしい情報への到達のしやすさといった、WebサイトのUI/UXが重要になってきます。

また、いくら効率が良いと言っても、デジタル広告に費用をかけ過ぎるのは企業側としては避けたいところです。自然流入を増やして広告費を抑えていくにはSEO対策も必要になってきます。

LIGの提供するWebマーケティングサービス

LIGではLIGブログ上での記事広告、GoogleやFacebook上でのデジタル広告運用、LP(ランディングページ)制作、ABテストの実施、オウンドメディアや SNS運用、SEO対策とSEOを考慮した Webサイトの設計から制作まで、Webマーケティングを総合的にサポートするサービスを提供しています。

上流工程のマーケティング戦略から、集客、メディアの制作から運用まで一気通貫でサポートすることができるのがLIGの強みです。まずは相談ベースで構いませんので、お気軽にお声がけください!

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