Web無料相談会2021冬_0120-22
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2020.12.30
第8回
退職します

LIGで約3年働いて学んだこと・得たこと、PR・情報発信・問い合わせ獲得施策について。

中野 慧(ケイ)

こんにちは。エディター兼ディレクターのケイ(@yutorination,写真中央)です。

さて実は私、2020年12月末でLIGを退職します。本記事ではその報告と、これまでの振り返り、引き継ぎ事項について書いていこうと思います。

実はこのLIGブログ、過去には退職エントリもけっこう出ていて、たとえばこんな記事もありました。

菊地良さん、ツベルクリン良平さん、ヨシキさんの3人が揃って退職したときの記事ですが、衝撃を受けるのは、次に彼らが活動するメディアまで紹介されていたことです。

ほかにもこの「退職します」シリーズでは、誰かが退職したらすぐ、当時在籍していたエディターのせぶやさんが「在職してます」エントリを出すという、「在職エントリ芸」というのがありました。でもこういう「退職エントリを書く」って文化はいいなーと思い、今回記事を書いてみようと思った次第です。

ちなみにアイキャッチの写真は、LIG野球部のメンバーで新潟のハードオフECOスタジアムを訪問したときの写真で、左からWebディレクターのたまさん、ZIMAさん、僕、ともぞうさん、一番右がバックエンドエンジニアのリョウタさんです。

あ、あと、この記事めっちゃ長いので、真面目に本文を読まなくても写真とキャプションだけでそれなりに成立するような形式にしてみました。

LIGで学んだこと・得たこと

まずはLIGに在籍した約3年で学んだことを、ごく簡単にですが、まとめてみようと思います。

「正義から享楽へ」


▲新潟に行ったのは、現在リョウタさんはじめLIGのメンバーが3人で新潟に住んでいるからです。東京で消耗している僕と、大阪在住のたまさんの2人で新潟を訪問しました。集合する前に観光しておこうと思い、午前中は新潟のファミリーに人気のスポット「新潟県立自然科学館」に行ったのですが、親子連れが99%のなか独身男性が一人で「太陽光発電のしくみ」などを学ぶのは楽しくありつつ、やや不審者感が出ていたと思います。

 

僕はLIG入社前は「PLANETS」というところでメディアの立ち上げと運営を経験しました。今やPLANETSはもはや完全に立ち位置を確立していてすごいなと思います。自分も今でも愛読者で、何なら連載も持っていますが、企画性と社会性を高いレベルで両立させつつ、マネタイズにも成功している稀有なメディアです。

ただやはり、僕としては出版・新聞的な世界を起源にもつ場所で、このまま仕事を続けていてよいのかという迷いがありました。

たとえば2016年末にトランプ大統領が当選したときに、それこそ「Post-Truth(ポスト・トゥルース)」というか、出版・新聞的な「リベラル」で「良識的」で「正義」を出発点にしたメディア業界と、「正しいこと(正義)よりも楽しいこと(享楽)」を求める「大衆」との分離が、アメリカだけでなく日本でも進んでいるな、と思ったのです。(ちなみに「正義から享楽へ」という言葉は、社会学者の宮台真司氏の著作からヒントを得ています)

そして自分としても、〈正義〉よりも〈享楽〉がまず大事であり、そのノウハウを身に着けたい、と思うところが大いにありました。

実際にLIGという、出版・新聞ではなく〈Web〉の会社に入っても思ったのですが、〈Web〉の世界は圧倒的に〈正義〉よりも〈享楽〉が求められます。

たとえばLIGブログでのPR手法(他社商材のPRや、自社の問い合わせ獲得や採用、社内コミュニケーションなどを目的としたもの)は、出版・新聞的な「ジャーナリズム的な真実性・公共性の担保」や「知的興味の喚起」は正直あまり狙いとしては持っておらず、「楽しい」「暇つぶしになる」というところにフォーカスしています。

そういった〈享楽〉にフォーカスしたコンテンツづくりに関して、社長のゴウさんをはじめ、これまでLIGブログのPR記事で培ってきたノウハウに学ぶところが、非常に多くありました。

Web系企業的な時間管理の文化


▲自然科学館には恐竜のコーナーも。「子育て恐竜」として有名なマイアサウラの子育ての様子が展示されていました。赤ちゃん恐竜たちがかわいいです。お母さんもつぶらな目をしています。

 

仕事のやり方という部分では、LIGは「何にどれぐらい時間がかかったか」を測定しよう、という文化があります。そこで、「Googleカレンダーで30分単位で工数を見積もって作業計画をし、作業を終えたら『実際にかかった時間』をカレンダーに入れ直す」というクセがつきました。工数の見積もりは、日頃のクセ付けがとても大事だと思っています。

たくさんのWebクリエイターに囲まれる環境


▲宇宙のコーナーでは、宇宙からのメッセージを受信できる仕掛けもありました。ちなみにこのあと、みんなと合流する前にお腹が空いたので館内でカツカレーをいただいたのですが、合流したときに「なんで先にカツカレー食ってんねん! 俺らと一緒に昼飯食おうや!」と怒られました。集団行動がナチュラルに不得手なんですよね……。

 

前職や自分で運営しているブログでも、HTMLやWordPressなどは一通り知識をつけていましたが、LIGには優秀なエンジニア・デザイナーが多く、彼ら彼女らからエンジニアリングやデザインにおける仕事の取り組み方を、たくさん教えてもらうことができました。

LIGのいいところは、クリエイターとして高いプロ意識を持った人たちがたくさんいるところです。自分もクリエイターの端くれですので、「モノづくり」に真摯に取り組む同僚が多い環境はとてもやりやすいものでした。

出版系メディアで編集・ライターをやっていたときには、出版・新聞系の知人は増えましたが、Web系のデザイナー/エンジニア/ディレクターの人たちがどういう人たちで、どういう考え方をするのかを知る機会がありませんでした。でもLIGに入ってみたらそういった人たちが本当にたくさんいて、Web的な考え方を知ることができたのは本当に良かったと感じています。

ライター育成/地方創生プロジェクト


▲そしてみんなと合流し、ハードオフECOスタジアム新潟の見学へ。BCリーグの新潟アルビレックスの本拠でもあるエコスタは、まだNPBのプロ野球チームの本拠ではありませんがとても立派な球場です。なお、見学には事前の電話申し込みが必要です。

 

これまで記事でも紹介してきましたが、企業や地方自治体のPRのためのライター育成のプロジェクトをいくつかやりました。

▼下記の記事でレポートしています。

きっかけはマネージャーのさささんから「帯広でライター講座やらない?」と言われたことでしたが、その後――これは公表してはいないですが――自分の大好きなとあるマスメディアの社内記事制作のため、皆さんの前で執筆講習会をするという経験もできました。

そのあと、長野県信濃町の移住促進メディア「ありえない、いなかまち。」では現在まで2年にわたって地域住民のライター育成プロジェクトをやっています(なお、このプロジェクトは退職後もフリーとして継続して担当します)

地方自治体や企業のPRのためには、私たちのようなコンテンツ制作企業に外注するよりも、その地域の住民や、クライアント先の企業で働くみなさんが主体となって発信するほうが、リアルでかつ面白い発信ができます。

「でも、何を発信すればいいのかわからない/どうやって発信すればいいかわからない」という場合も多いようですので、その際に私たちのようなプロの編集者に運営サポートを依頼いただくのが、トータルでは一番良い結果につなげられるのではないか、と思います。

「インハウスエディター」について


▲スタジアム見学ではVIP席ゾーンに入ることもできるので、リョウタさんに野球チームのオーナー気分を味わってもらいました。ところで現役復帰を目指して話題となっていた新庄選手、結局NPB12球団への入団は叶いませんでしたが、新潟アルビレックスがオファーを出しているので、まさかの入団をキメてくれないかなぁと思う今日この頃です。

 

最近は「インハウスエディター(社内編集者)」という言葉もよく使われるようになりました。これは従来の「広報職」「マーケティング職」をも包括するような概念です。

企業や地方自治体の「中の人」たちが主体となって発信する、そのためにはハブとなる人を育てる必要があり、そのときには「ライティング力」だけでなく「編集力」も必要になってきます(編集力といってもここでは書ききれませんが、簡単にいえば「記事コンテンツの企画」「原稿回収」「進行管理」「運用設計」「予実管理」「校閲(誤字脱字だけでなく、憲法から著作権法・景品表示法などの法的知識、ファクトチェックなど)」「それらすべてを高速でこなすスピード」「やり抜く力(いわゆる”GRIT”)」……などのことです)

編集力をつけるにはメディア企業でコンテンツ制作を経験するのが一番の近道ですが、我々のような編集者が非メディア企業・自治体のなかに入っていって、インハウスエディターの育成をサポートするという仕事も、これからは需要が高まっていくのではないかと予測しております。

LIGでできたこと

ここまででLIGという環境で自分が得たものについて書いてきましたが、自分が貢献できたと思う部分を書いてみようと思います。

社員ブログの活性化、PVアップ、公開本数アップ


▲そしていよいよグラウンド内へ。動画をTwitterに上げておきました。ちなみにガイドをしてくれる職員さんがスタジアムの成り立ちや現在の状況なども詳しく説明してくれて、とても勉強になりました。

 

僕は入社してから最初の1年強、広報チームで、社員ブログであるLIGブログの運営をやりました。入社したときはそれまでに運営に携わっていた方々がみな退職するタイミングであり、運用設計・進行管理をほぼすべて一人でやっていたのでヒィヒィ言ってましたが非常に充実した日々でした。

入社したのは2018年2月ですがそこから頑張って、入社月の数字に比して、自分が運営に携わっているあいだにPVは月間の数値で最大+100PV、公開記事本数は入社月には44本だったところ、最大100本以上まで増やすことができました。

記事本数は「月100本公開」を目標に掲げていました。なぜかというと「更新頻度」「ドメインパワー」といったマーケティング的な理由というより、「LIGは社員が月に1本ブログを書く――それがカルチャー/アイデンティティであり、その文化を活性化することが、問い合わせ獲得・売上・社員エンゲージメントの維持向上につながる。それが何よりも自分が優先すべきミッションである」「本社採用だけで百数十人いるのだから毎日更新はもちろん、月間で最低100本は出したい」と考えたからです。

重視していたのはカルチャーづくり」です。カルチャーは一回作って終わりではなく、維持向上のためには人為的な努力が必要で、日々メンテナンスをし続けなければいけません。そこで、新入社員向けの執筆講習会、職種ごとに記事企画&フィードバックを行うLIGブログMTGを新規に開催し、さらには執筆ルールや表記ルールの刷新を行って、全社的に「もう一回ブログがんばっていこう!」という雰囲気づくりをしました。

さらには、何よりも旗振り役が書いていないといけない(これをよく「率先垂範」と言っております)ので、自分でも毎月きっちり記事を書いていくようにしました。

そして地味に重要なのが、社内コミュニケーションの中枢たる広報としての自分への信頼度向上・情報収集ですが、そのやり方については下記のあやまん氏の記事でコメントしております。

 


▲エコスタのグラウンドで、「野球選手が守備でファインプレーをしてベンチに戻ってきたときのハイタッチ」を実演するたまさん、ともぞうさん。

 

これに加えて、クォーターに一度ぐらいのペースで、各職種ごとに「◯◯ユニット×広報ランチ」ということでパワーランチもしていました。広報チームの仕事は「各社員にLIGブログを書いてもらう」ということにあるわけですが、よく知らん人に「書いてくださいね!」と言われてもそこまでやる気が出ないと思います。

「広報は社員との接点をつくることが重要」なんて言われますが、まずは自分たちのことを知ってもらい、相手のことを知る気軽な機会としてランチをやる、というのは非常に重要だったと思います。

そして社員ブログ運営において重要なのは「進行管理」ですが、進行管理に関して僕が考えていたこと、気をつけていたことは下記の記事に(具体的なテクニックというよりはややパッション寄りですが)本質的だと思う部分は書きました。

問い合わせ(CV)獲得施策


▲「味方のピンチを救うべく、肩を回しながらマウンドに向かうリリーフエース」を実演するZIMAさん。

 

また、LIGブログの大きな目的のひとつが「問い合わせ(CV)の獲得」です。そのため「ダイレクトに問い合わせを獲得するための記事」の企画・制作も行いました。

制作手法は、各事業の責任者に語ってもらうということがとても重要なので、担当の社員・役員に取材し、彼らが語ってくれた言葉を、もっとも伝わりやすいかたちに構成・編集するというものです(なおLIGでは、こういった場合は業務著作のため構成・編集クレジットは入れない、ということになっています)

僕が企画制作した記事の結果は、下記のようなものでした。

 

 記事タイトル 目的 問い合わせ獲得数
LIGが手がけてきた記事広告やバナー広告の実績と効果についてご紹介します! 記事広告制作の問い合わせ獲得 30件
Web制作で解決できることって?LIGのWeb事業部部長・まことが改めて初歩から解説します。 Web制作の問い合わせ獲得 13件
従来のマーケティング手法で成果が出ずお困りの皆様へ。LIGが「オウンドメディア立ち上げ相談会」を開催します! Web制作&メディア制作一括での問い合わせ獲得 25件(満席により締切)

こういった問い合わせを目的とした記事の場合、単価がおおむね100万円以上の単位になりますので、1件〜数件でも取れればいいほうですが、すべて二桁、特に上の2つに関しては相談会やセミナーではなく「この記事のみで直接問い合わせをしてくれた人」の数なので、かなりいい数字ではないかと思っております。

ちなみに自分はこれまで「読み応えのある/面白い/勉強になる記事」の制作を専門にやってきて、マーケティングを専門にやったことはなかったのですが、「良いコンテンツを作る」という基礎があれば、それがマーケティングにも応用できるんだな、という自信にもなりました。

 


▲「夕ご飯はブリしゃぶにしよう!」ということで、新潟で三人が住む家に帰宅し、料理長のリョウタさんがブリを捌いてくれました。

 

なお、問い合わせ獲得を目的とした記事を制作する際に意識したポイントは、正直いくつもあってここで詳細には書ききれないのですが、以下のようなものです。

  • 取材:まずは担当者に徹底的に取材し、問い合わせを検討するお客さんの立場に立って、お客さんが気になりそうなことを全部聞く。内容は漏れなく文字起こしし、そこから使う言葉を慎重に選定して構成する。(逆に、担当者が言っていないことは書かない)
  • ライティング:読み手に「この人に会いたい、話を聞きたい」と思ってもらえるよう、担当者のキャラクター・魅力・熱量を、文章で徹底的に再現する(※僕は過去に、執筆をする時間のない忙しい起業家やクリエイターの方の書籍のライティング――ブックライティングというやつです――を数多くやってきたので、それが活きたと思います!)。
  • ストーリーテリング:単なる箇条書きではなく、ストーリー(物語)として成立するものにする。これは、いわゆる「ストーリーテリング」という手法です。
  • サイジング:単に「問い合わせしてください!」ではなく、記事単体としても読み物として面白い/有益だと思ってもらえる情報として構成しつつ、「続きは会いにいかないと聞けない」という絶妙なところまで書いてそこにCVボタンを置く。内容は多くても3800字まで。(※この文字数は経験則です。これよりも大幅に少なくなると情報として薄く、これより多いと「問い合わせしなくてもいいや」となってしまう、と判断しました)

 

ただ、問い合わせ獲得施策をやってわかったことがあります。

「1記事でCVしてもらう!」と考えるより、安定的に問い合わせをとるためには、継続的な情報発信が何より重要である、ということです。

たしかにGoogleアナリティクスを見れば、CVしたユーザーのランディングページはわかります。ただ、そういう「経路がわかるCV」は全体から言えばわずかなもので、ほとんどの問い合わせはトップページから来ています。つまり、これまでに何回かLIGの情報にタッチしていて「いいな」と思ってくれて、そこからいろいろ検討した結果「やっぱりLIGに頼もう!」と考えてくれた方のほうが全然多いのです。

一方、1記事でCVしてくれる方はーーもちろんそれは非常にありがたいのですがーーLIGのことをそこまでご存知ないケースが多いです。そうなると営業や制作側で擦り合わせが必要な内容も増えてしまいます。

 


▲リョウタさんの傍らでは、ともぞうさんが必死に生姜をすりおろしていました。

 

「この記事で何件CVが取れた!」というのは成果として目に見えやすいですし、自分としては「僕はマーケもできまぁす!」とアピールもしやすいんですが、そんなことよりも、「継続的でオープンな情報発信」を行ってユーザーとのタッチポイントを増やし、お客さんにLIGのことをよく知ってもらったうえで問い合わせをしてもらったほうがマッチング精度が高くなり、結果的に制作メンバーにもいい仕事をしてもらえることにつながります。

なので繰り返しになりますが「この一つの記事で何件CVが取れた!」といったわかりやすい成果よりも、継続的な情報発信ができているか、を指標にするほうがよいと考えています。

特にLIGの場合、Webディレクターの執筆記事が継続的に出ているときはWeb制作の問い合わせが増えるという傾向があると感じました。おそらく、企業のWeb担当者も見てくれることが多くなるからではないかと推測しています。そこで僕のときは月・水・金で必ずWebディレクターの執筆記事が出るようにしていました。

 


▲さらにその横では、たまさんが「手伝ってる雰囲気」だけ出しながら特に何もせず、がんばっている二人を応援していました。

 

CVにおいてはWebディレクターの記事が重要ですが、PVにおいてはWebデザイナーの記事が継続的に出ていることも重要で、これは数値では測りにくい「ブランディング」に寄与するものだと考えていたため、こちらも月・水・金で出すようにしていました。

さらには国内におけるエンジニアの人手不足も喫緊の課題になっていますので、フロントエンド/バックエンドエンジニアの記事が継続的に出ている状態にすることは、自社のエンジニア採用のためという意味もあると考えていました。

このあたりは書こうと思えば無限に書けるのですが、退職エントリの記事からそれすぎてしまうので簡潔な記述にとどめておきます……。

ひとつだけ言えるのは、社員ブログの運営には、運営側が誰よりも情熱を持つことが重要、ということです。「たったひとりの熱狂」というやつですね。

余談:Webメディアにおけるフィードバックの考え方


▲そして夕ご飯! 新鮮な魚介、野菜の揚げ物、そして新潟産のお米をおいしくいただきました。

 

さて、社内でブログ執筆に意欲的に取り組むカルチャーづくりの一環として、職種ごとに記事企画&フィードバックを行うLIGブログMTGをやったと書きましたが、この際には定性・定量の両面でフィードバックを行います。もちろんPVが高く出ていたりCVが取れている記事はその要因を仮説として説明します。数字はフェアですからね。

一方、PVが低い記事に関しては逆に「この記事はこういう部分が良いと思った」という自分自身の考え(主観)を、肯定的なフィードバックとして伝えるよう心がけていました。

当たり前かもしれないですが、「PV高いのはすごい、低いのは無視」だと人情味に欠けます。執筆するのは人間なので当然、人情は重要です。

そもそも自分の経験上、Webメディアというのは、PVという定量的評価と、「編集担当である自分が良いと思うか」という定性的評価は、6−7割程度は一致しますが、残りの3−4割は乖離します。PVに一喜一憂するのではなく、書き手自身が良いと思うことをやり続けることが重要だと考えています。

そのことを伝えるべく、書き手の意図を汲み取った上で「この記事のここが良いと思った」という感想を率直に伝え、彼ら彼女らのモチベーションを維持・向上させられるよう努めておりました。

僕は編集者としてこれまで一線級の書き手の方々と仕事をしてきましたが、LIGにおいてはプロのライターではない社員たちに対して過大な要求はせず、現時点でのその書き手のスキルの「ちょっとだけ上」を目指してもらえるようなコミュニケーションを心がけておりました。ここは地味に、社員ブログ運営の肝なのではないかと思っております。

あと地味に重視していたのが、SNSの反応だけでなく、社員や知人からのダイレクトな反応です。SNSでの反応の場合、それはそれでありがたいのですが、そこでの表現には「人の目を気にする」「自分をよく見せたい」という、ある種の「濁り」が生まれてしまいます。

しかし、周囲から直接聞いたり、メッセージでもらう感想が一番真実に近く、かつ「わざわざ伝えてくれる」というのは熱量が高いものですので、そのダイレクトな感想を一番重視していました。

従来的な「広報」の仕事について


▲夕食後、突然セッションをはじめるZIMAさんとたまさん。山崎まさよしの「One more time, One more chance」を熱唱していました。

 

LIGにおける広報の仕事は、マスメディアとの関係づくりというよりも、LIGブログを通じた発信が重要です。ですが、マスメディアに取材されたらそれはそれで、長期的な視野に立つと採用や問い合わせ獲得にはプラスになっている可能性が高いです。

ではマスメディアにどうやって取り上げてもらうかというと、従来の大企業的な広報の発想では「記者やTVのディレクター、出版社の編集者などマスメディア関係者とのリレーションをつくる」ということが大事だとされています。

ですが、僕はもともとメディアの仕事をしていたこともあり、新聞記者、TVのディレクター、編集者の知り合いはめちゃくちゃたくさんいるものの、そこで関係づくりをしてメディアに取り上げてもらうことを狙う営業活動をするのは、正直かなりコストパフォーマンスが悪いなと思います。そもそも記者・編集者として、企画ベースではなく「知り合いの企業だから取材する」なんて仕事のやり方もちょっとな……と思いますし(これに関しても1記事書けてしまいますが、ひとまずは結論だけ書きました)

それよりもベンチャー企業の場合は、自分たちで発信し、それを注目してもらうほうがよいと思うのです。

 


▲バンドマンのリョウタさんもエレキギターでセッションに参加します。

 

発信するものは、会社独自の文化に関することがよいでしょう。

実際、LIGには「ご飯支給制度」「あだ名カルチャー」などユニークな文化がありますが、それを記事にして発信したことによって、マスメディアにも取り上げられました。

 


▲ともぞうさんもアコギで参加。新潟で毎日、リョウタさんにギターの腕を鍛えられているのだそう。リョウタさん曰く、「新潟に来てからミュージシャンとしてのレベルが数段上がった」とのこと。

 

そして広報の仕事として僕がモットーとして持っていたのは「嘘をつかない」ということです。企業にとって、嘘をついたり、都合の悪いことを隠したりするリスクはとても高いです。もしなにか内情がよくないのであればそれを改善することが本質的なのであって、広報でごまかそうとするのは違います。メディアとして一旦嘘をつくと、嘘に嘘を上塗りすることになり、そのことの代償は高くついてしまいます。

インターネットの本質は情報公開だと言われることがありますが、現実をどんどんさらけ出していく、もしさらけ出せないことがあるならば後回しにするのではなくそこを徹底的に改善をする、これをしなければ適切な広報などできないと思っております。

採用について


▲翌日は月曜日でしたが、「始業前に朝練をしよう!」ということで早起きして河原でキャッチボールをしました。

 

ちなみに、僕が最初の1年で実はもっとも駆り出された施策として「メディア事業の採用」があるのですが、採用に関する振り返りを公開の場で書くってなかなか難しいです。ですが、自分のなかにノウハウはかなり確立されたので、社員でもし気になる人がいればFacebookメッセンジャー等でコンタクトをいただければお話しします。

ベンチャー企業の発信において重要だと思うこと


▲「冬の新潟は快晴の日は少ない」とのことでしたが、僕とたまさんが滞在していた間はほとんど晴れだったので、我々が「晴れ男」である可能性が微レ存です。

 

ベンチャー企業であれば「社員ブログ」という広報手段を用いている会社も少なくないと思います。その際には、「社員ブログはプレスリリースではない」ということを意識することがきわめて重要です。詳しくは下に貼った記事に書きましたが、「社員の意見=会社の意見」と同一視して社員ブログを運営するとマジで記事が出なくなります。

「そこそこの幅に収まっていればよい」という認識で、「何か起きたら自分が責任をとる」と腹を括っておけばよいのです。

そもそも原則論でいえば、日本国憲法第21条で国民の人権として「表現の自由」が保障されています。企業が社員の発信を取り締まるというのは、企業の都合を憲法に優越させることになりますので、原則としてはありえないことです。

では、その表現の自由がどこまで保障されるのかというと、古典的リベラリズムにおける一般的な理解は「他者の自由を侵害しないかぎりにおいて、個人の自由は尊重される」というものです。(なお、企業も法的には「法人」ですね。このあたりの話はそれで1記事どころか一冊書けてしまうぐらいのテーマですが、ひとまずはこのぐらいの記述にとどめます)

実際、ブログ上の記述で、社員の意見と役員の意見がめちゃくちゃ対立したときがありました。そのとき僕は、とにかく社員の意見を徹底的に聞き、役員の意見を聞き、自分が間に立って納得してもらって、両者の落とし所となる記述にしてリリースしました。こういうときに組織の権威勾配を意識してどちらか一方に肩入れしない、中立公平であることを最重要視することが、社員ブログ運営においてはきわめて重要だと考えております。

会社のみんなに伝えたいこと


▲新潟から帰ってきて、東京でも野球をやりました。奥にいるのはデザイナーのJonaさん。終始むやみにテンションが高く、「飲んでるでしょ?」とみんなに言われていました。

 

もう担当は離れてるんですが「ブログの企画の相談に乗ってください!」ということをよく社員から言われます。ブログを書かなければいけない、何を書けばいいんだろう?となったとき、実はマネージャーさささんの書き方がけっこう参考になると思っております。

さささんの記事一覧→https://liginc.co.jp/author/sasasan

ポイントは、テーマを細かく分割して書くということです。具体的には、僕だったら「取材後に絶対にやっておくべきバックアップの手順」とかですかね。そのぐらい細かくていいのです。

実は、僕が書いている記事はよくない例で、いろんなテーマが詰め込まれています。これは僕が書くスピードが早いということ、それを一応ひとつの記事として成立させるライティングスキルがあるからやっていることではあって、実は悪い見本だと思っております。

あとは、楽しげな記事も書きたいですよね。でも、ちょっとおちゃらけた記事ばかり書くことに気が引ける人は、「真面目な記事」→「楽しげな記事」→「真面目な記事」→「楽しげな記事」と、真面目な記事のあいだに挟み込むことです。こうやって「半分は真面目」ということを社内的にアピールしておけば、好きなことを書いても「まあいいか」という雰囲気を作ることができます。

 


▲この日はLIG野球部年末恒例の「忘年試合」を開催しました。野球は3密も回避できるので良いですね。

 

あと、たまにしか書いてないでいくつかの記事が殿堂入りしているとかたくさんSNSシェアされてるよりも、毎月書いてるやつが偉いという世界観になった方がよいでしょう。Webディレクターのともぞうさんとかが良い例で、毎月書いてるのは本当に偉いです!

ちなみにづやさん、僕のいくつかの記事、なぜかSNSシェアカウント数と、LIGブログ上に表示されてるハートマークがめちゃくちゃズレてる(実数よりもハートマークがめっちゃ少なく表示されてる……)んで、手が空いてるときに修正お願いできればとてもありがたいです。他の記事はそんなことないのに僕の記事だけ妙にこの現象が起こるんで悲しみがあります。

あ、そういえば、社長のゴウさんが以前、こんなことを言っていました。

「みんなさ、辞めるって決めたあとに俺を飲みに誘うんだよ。でも、もっと早く言ってくれたら、俺にだってできることあるのにさ・・・」と。

ちなみに吉原ゴウ氏は「社員の飲みの誘いは絶対に断らない」と決めているのだそうです。なので、もしLIG社内で進退に悩んだりしたら、社長を飲みに誘ってみてはいかがでしょうか。

ちなみに僕は社長とまあまあ飲んでましたが退職します(笑)。

 


▲試合は去年の忘年試合と同じくティーボール形式で行いました。マネージャーのちゃんれみさんもパワプロの大空美代子よろしく、豪快なヒットを飛ばしていました。ティーボールはやっぱりレクリエーションとしてめちゃいいです。

 

そして在職中に仕事で特にお世話になった、ジャックさん、さささん、まことさん、あきとさん、きょうこさん、けんてぃ、ゆうこさん、マメさん、野球部部長とKJさん、たまさんはじめLIG野球部のメンバー……いや、名前を挙げるとキリがないですね。。。手塚さんをはじめ管理部門のみなさんにも様々な場面でサポートしていただきました。ありがとうございました。

あとLIGブログにも書きましたがジョニーさんはじめ営業メンバーと行ったセブ出張がLIGでは一番アッパーな経験でした(笑)。(記事→俺たちの夏休みはこれからだ!と思ったけどまだ上野で消耗してるので、セブ島に行ったときの話を書きます(歴史と経済編)セブ島に行って深淵を覗いたときの話を書きます。(戦士たちの襲来〜狂乱の宴編)

 


▲試合後には会社のみんなからの寄せ書きバットをもらいました。まったく予想していなかったのでとても嬉しかったです。温かいメッセージばかりでしたが、エディターのきょうこさんからの「締切守れよ!✊」という言葉が響きました。あ、このブログを書いている今も待たせてるやつありますわ……申し訳ありません……。

 

LIGブログ編集ではバンビさん、ころもさんたちと記事広告もやったりしました。バンビさんと今は退職されたガクさんとチームでやった土屋敏男さんのインタビュー記事が、自分がLIGで署名入りでライターとして仕事をしたコンテンツのなかでは会心の出来です。チームで仕事をするのっていいなと改めて思いました。

退職する理由と今後について

まあ書けるものと書けないもの両方あります。

でも、究極的に言えるのは「時間がない!」

これに尽きます。LIG入社前から書籍の執筆企画があり(しかも僕が学生の頃から何十冊も読んできたレーベルです)、今年後半になってようやくエンジンがかかってきたのですが、LIGの仕事も全力でやっていると気力が尽きてしまうのです。副業で書籍の執筆をやっている人は、本当にすごいなと思います。で、それ以外にもやりたいことが本当にたくさんあるのです。

でも、僕はムダにまじめなので、会社の仕事(ライスワーク)はそこそこに、ライフワークのほうに一生懸命になるということができないなと。

ぶっちゃけると「サラリーマンだったら就業時間中に別のことやっててもええやん」とおっしゃる人もけっこういますよね、決して公的な場所では出てこない発言ですが……(笑)。

でも自分は、そもそも根無し草な感じでフリーランス的に仕事を始めているので、「外回りの合間に漫画喫茶で漫画読む」みたいな感じで会社で働くことがどうしてもできませんでした。それと、変な理由ですが夕方ジムに行きたいというのもあります。人間の生理として「運動するのは夕方が一番いい」というのが肌感覚としてありまして。

退職後ですが、たくさん仕事の依頼をいただいております。これまで出版・新聞系のメディアで仕事をしてきまして、この業界ではインフルエンス力とか一般的な知名度ではなく、過去に蓄積してきた業界内評判で仕事をとれる、ということがあるのです(今のところは……)。

ライフワークも大事ですがライスワークも必要で、しばらくはゆっくりしますが、今後は芸能系のメディアの運営や、某有名サービスの新規事業のサポート、複数の某マスメディアで執筆などをしていく予定です。

ちなみに冒頭の「正義から享楽へ」でいうと、僕もよく仕事をご一緒してきた社会学者の宮台真司氏がこんなことを言っていました。

必要なのは「正義」と「享楽」の一致だ。でも「正しいけど、楽しくもある」じゃ駄目。「楽しいけど、正しくもある」が必要だ。多くの人は鬱屈して「享楽」が欲しいのだから、「同じ楽しむなら、正しい方がいいぜ、続くし」と巻き込むのがベストだ、と。(宮台真司『正義から享楽へ 映画は近代の幻を暴く』blueprint、2017年、382-383ページ)

僕がこれからやっていきたいのは、まさにこのモードです。やりたいことがいっぱいあるのでそれをやっていきます。

今後はこのあたりで発信していきます。

引き続き役に立ったり立たなかったりすることをやっていきたいと思いますので、たまにのぞいてみていただければ幸いです。

そしてゴウさんをはじめLIG社員の皆様、これまでありがとうございました。貢献できた部分もあれば、力不足だった部分もあると思います。これからも、クリエイティブに情熱を持つみんなの力で、よりよいクリエイティブを世に問うていってください!