【BiTT】俺のクローン作るしかなくね!?
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2020.10.27

営業自粛中のゲストハウスLAMP野尻湖の宿泊チケットは、なぜ500名ものお客様に売れたのか?愛される宿作りの秘訣を支配人マメに聞いてみた

まこりーぬ

こんにちは、マーケターのまこりーぬ(@makosaito214)です。

みなさんは、私たちLIGが長野県信濃町の湖畔にて「LAMP野尻湖」というゲストハウスを営んでいることをご存じでしたか? 私もチーム合宿で何度か利用しているんですが、手前味噌ながら自然いっぱいでご飯がおいしく、とてもステキな空間です。2019年2月に「The Sauna」が併設されて以来、全国各地さらに多くの方にお越しいただいています。



▲2年前に初めてLAMPにいったときの写真たち。懐かしい……

……しかし新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言中は当然ながら営業を自粛せざるを得ず、事業としては非常に苦しい時期がありました。その際「LAMPチケット」という無期限の10%割引チケットを販売したところ……なんと約500名に購入いただき、300万円超の売上に!

※現在LAMPチケットの販売はおこなっていません

いつ緊急事態宣言が明け移動が自由となるのかわからない状況下で500名ものお客様にチケットを購入いただけたのは、ひとえにLAMP野尻湖がお客様から応援される、愛される宿だからだと感じました。

そこで今回はLAMP支配人のマメさんに、LAMPがここまでお客様に愛される宿となれた理由をオンラインでインタビューしました! 宿をはじめ、店舗系のビジネスに関わるみなさまにぜひご一読いただけると嬉しいです!!!

LAMP支配人 マメLAMPのシェフも兼任していますが、最近はソーセージとジャーキーばっかり仕込んでいます。バス釣りとテント張って焚き火しながら漫画を読むという、家でやれ的なことを外でやることにハマっています。

コロナ禍でLAMPチケットが約500名に売れた理由

まこりーぬ:マメさん、本日はよろしくお願いいたします! 緊急事態宣言下でLAMPチケットが約500名に売れたというエピソード、とても驚きました。成功の要因はどこにあると思いますか?

マメ:LAMPチケットって、シンプルに「7周年記念のお客様感謝割引チケット」なんですよ。当時「営業できず困っているのでなんとか助けてください」というメッセージで出すこともできたし、周りからは「クラウドファンディングをやったほうがいいよ」と言われましたけど、僕らはそうしなかった。「お客様への感謝の気持ちを込めたお得なチケットなんです」というプレゼンテーションにしたことが、一番の売れた要因なんじゃないかなと感じています。

どれだけコロナの影響を受けたとしてもサービス業自体がなくなるわけではないと踏んでいたので、営業自粛中も「いずれ来てくださるお客様に対してなにができるかな」という考えのもと動いていましたね。

▲営業自粛中はスタッフ一同全力でDIYしていたとのこと

まこりーぬ:なるほど……あくまでお客様にとってお得である、価値があるというメッセージをぶらさなかったんですね。

マメ:そうですね。LAMPとThe Sauna、全SNS合わせるとありがたいことに1.5万人ほどフォロワーがついているので、メッセージがきちんと響けば、250万円ぐらいは売れるだろうとは思っていました。

まこりーぬ:実際は300万円の売上ということで、しっかりメッセージが届いた証拠ですね! すばらしいです。

既存顧客が新規顧客を連れてきてくれるのが一番理想、つまり口コミ

まこりーぬ:LAMPにやってくるお客様はやはりリピーターが多いのでしょうか?

マメ:現在は新規顧客と既存顧客が半々ぐらいですね。今後は新規7割・既存3割ぐらいを目指したいと思っています。ほっておくと常連さんは減ってしまうので、新規顧客は永遠に集め続けなきゃいけないですよね。

来てくださったお客様全員に満足してもらえるよう努めてはいますが、どうしてもマッチングってあるじゃないですか。なので新規顧客の集め方は、既存のお客様がLAMPとマッチしそうなお友だちを紹介してくれるのが一番理想です。ゴウくん(LIG社長)みたいな、友だちを巻き込むのが好きで好きでしょうがない人はだいたい10人ぐらい新しいお客様を連れてきてくれるんですけど(笑)、そういう流れを増やしていきたいですね。

▲LAMPにいるときのゴウさんはいつも楽しそう(編集部注:写真左のピンボケ男性)

まこりーぬ:たしかにゴウさんはいろんな人を連れてLAMPにいってますよね(笑)。新規のお客様は現状すでに口コミ経由での来店が多いのでしょうか?

マメ:そうですね、今は圧倒的に口コミが多いです。とくにサウナ関連の。ただ7年前にLAMPを設立したころは、「LIGっていう変なWeb制作会社が堀田っていう変な人を支配人にして田舎でゲストハウスしはじめたらしいから、遊びにいってみよう!」という、LIGブログ経由のお客様が大多数でした。

そのあとしばらくはBooking.com経由が大半を占めていましたね。長野県のゲストハウスを探している人たちがBooking.com上でLAMPを見つけてくれて、Booking.com内の口コミ評価が上がって、さらにお客様がきて……とBooking.com様様状態。ただBooking.comを使う人たちって予約前に一度「ゲストハウスLAMP野尻湖」でGoogle検索し直す傾向にあるので、当時からちゃんとした公式Webサイトを用意していたのは、信頼を高めるうえで役立っていたと思っています。

まこりーぬ:……私のなかのマメさんは料理人のイメージが強かったのですが、めちゃめちゃお客様の属性や行動を把握されていてすごいです……!

マメ:僕「1日1人お客様に話しかける」っていうのを勝手に自分に課しているんですよ。「どっからきたんですか?」は魔法のワードだと思っています。こうして話していると、お客様がどんなルートでどんな口コミをきっかけにLAMPにきてくださっているのかある程度把握できますね。この「お客様に話しかけるマーケティング」はわりと最強だと思っています。なんでみんなもっとやらないんだろう(笑)。

まこりーぬ:お客様に話しかけるマーケティング、私も最強だと思います! お客様の声を直に聞くことはとても大事ですよね。

100点で普通。思いやりで+20点とれてようやく感動が生まれる

まこりーぬ:マメさん、ぜひここで「LAMP流・口コミを生み出すポイント」を教えてもらえないでしょうか。

マメ:お客様のニーズに対して僕たちが提供している商品が100%マッチしていても、せいぜい評価は「よかった」程度なんですよ。なのでついポジティブな口コミを書きたくなるくらいお客様に感動してもらうためには、120点を叩き出さないといけないと思っています。この+20点って、商品のクオリティどうこうというよりは、笑顔の接客とかお見送り時の会話とか、ちょっとした気づかいや思いやりで生まれるんですよね。なのでLAMPメンバーには気づかいの能力を上げてほしいといつも伝えています。

ちなみに、旅行サイトをざっと見てみると、低評価な口コミってほとんどが「接客が悪かった」「水回りが汚かった」のどちらかなんですよね。つまりこの2つをとくに意識しながら常に80点以上のオペレーションを回すことができていれば、評価は下がらないと思っています。あるときは100点だけどあるときは40点……だとダメなんですよね。常に80点っていうのが大切です。

まこりーぬ:なるほど! 安定した80点以上のオペレーションと、気づかい・思いやりによる120点の満足度がポイントなんですね。……「口コミを書いてください!」という声かけはされていましたっけ?

マメ:昔は、旅行サイト経由でご予約いただいたお客様であれば「サイト上に口コミを書いてください!」とお声がけしていましたが、いまは口コミも溜まったのでとくに促していないですね。どちらかというと「信濃町は季節ごとに楽しめるコンテンツが異なるので、LAMP野尻湖のInstagramをぜひチェックしてくださいね」と声かけしています。

▲LAMP野尻湖のInstagram

マメ:僕もまこりーぬさんに質問したいんですけど、わざわざ口コミを書いてくれる人ってどういうモチベーションなんでしょう? 正直僕はあんまり書かないんですよね。

まこりーぬ:うーん……一定数存在するレビューしたがりの人たちは別として(笑)、以前マーケターの大先輩から教えてもらった「返報性の原理」が働いたときに口コミを書くという行為が生じている気がしますね。「すごくいいことをしてもらったから、口コミぐらい書いてやるか!」みたいな。

マメ:なるほど、たしかにそれはありそうです。僕最近よく1日の終わりのサウナ終了10分前アナウンスをやっているんですけど、「日中だと薪の温度が下がっちゃうのでやらないんですが、今日はもう最後なんでいっぱいサウナストーンに水をかけておきますね〜」とサービスしているんですよ。すると「LAMPの支配人さんがこんなことしてくれた!」と口コミを書いてくれている人がちらほらいたんですよね。

まこりーぬ:おまけしてもらってるな、特別扱いしてもらってるな、っていうのが伝わると人間弱いですよね(笑)。

マメ:料理でも、原価を切り詰める意識が強いととくに新人は皿に盛る量を細かく気にしがちなんですが、僕は「悩んだら多めに盛れ」派です(笑)。ベースとなるルールを理解した上でおこなう、こうした思いやりは大事ですよね。

まこりーぬ:支配人がそう明言してくださると、堂々とサービスできてよいですね!!!

「好きを仕事にした人」がお客様から選ばれる時代?

まこりーぬ:……すごく素朴な疑問なんですけど、接客には気づかいや思いやりが大事だ! ってみんな頭ではわかっているはずのに、どうして世の中には接客に難があるお店がたくさん存在してしまうのでしょうか……?

マメ:そうだな……マニュアルが邪魔するんじゃないかなと思っています。仕事を突き詰めていくがゆえに、本来なら人間味のある部分が失われていくという矛盾が存在するのかなと。ちょうど先日も「レジハラ」っていう言葉がTwitterでトレンド入りしていましたけど、いろいろなお客様に対応しようと思うと、ロボットみたいな接客するしかなくなっちゃうんだろうなって思うんですよね。LAMPにきてくれるお客様は決してレジハラをするような人たちじゃないですから。

※ レジハラ……レジハラスメント。レジ袋有料化に伴いレジスタッフにキツくあたる客が増えているらしい……。

まこりーぬ:なるほど……これはなかなか解決が難しい問題ですね……。仕事に対するモチベーションも人それぞれですし……。

マメ:たとえばウエディングとかの接客で、やることは丸暗記してるし言葉遣いも超丁寧なんだけどこの人目がぜんぜん笑ってない! みたいなのあるじゃないですか(笑)。僕は仮に説明がたどたどしくてもその仕事が好きでしょうがない人からモノを買いたいし、僕みたいな人間はこれからもっと増えていくんじゃないかなぁって思うんですよね。

僕は、つらいことは山ほどありましたけど、それらもぜんぶ乗り越えた上で本当に料理が好きで楽しいんですよ。最近は現場に入る時間が短くなりましたが、たまにキッチンに立つとオーダーが入るだけで楽しい、食材に触れてテンションが上がるような人間なんですよね。……全員が実現するのは難しいと承知の上ですが、もし自分が好きな仕事を選択できる立場にあるのなら、ぜひその道に進んでほしいと思います。

▲料理が心底楽しそうなひと昔のマメさん

マメ:僕に限らず、LAMPメンバーはよく「仕事楽しそうですね!」とお客様から声をかけていただくんですよ。これはとても嬉しいことですし、仕事を楽しむメンバーからにじみ出る「人のよさ」が、お客様がLAMPをまた訪れてくれる理由につながっていると思っています。

まこりーぬ:LAMPではたらくみんな、本当に笑顔がまぶしいですよね。LIGブログやInstagramからいつも楽しくはたらいている雰囲気がばっちり伝わってきています!

お客様は、いずれ同じ町ではたらく仲間になるかもしれない

まこりーぬ:さいごに……これからLAMPをどんな場所にしていきたいのか、ぜひマメさんのビジョンを教えていただけないでしょうか!

▲LAMPメンバー勢揃い!

マメ:LAMPではたらく若い子たちが可能性を活かしてもっと活躍できる場にしていきたいと思っています。……人口減少が進む社会において、「信濃町ではたらきたい人を増やす」のはLAMPの大きなテーマなんですよ。第二の人生を歩むために田舎にくるんじゃなくて、はじめから田舎ではたらく選択肢をとることができるんだ、というメッセージをどんどん伝えていきたい。

そのためにはまずLAMPを好きになってくれる人たちを増やす必要があると思っているので、新規顧客をどんどん獲得していきたいですね。

まこりーぬ:なんと……! そんな大きなテーマを掲げていらっしゃったとは驚きでした。私も微力ながら、LAMPの情報発信をおこなっていきます!!!

さいごに

先日、「いいマーケターの代表例は八百屋だ」という取材記事を書いたのですが、マメさんはまさにすばらしい料理人であり支配人でありマーケターなんだなぁとしみじみ感じた取材でした。

愛される宿を作る秘訣は、圧倒的な現場感から打ち出されたマメさんの明確な運営方針と、そこではたらくメンバーが仕事を楽しむ気持ち&思いやり、ですね……!

LAMPにはばっちりバカンスを楽しみつつ仕事もできる環境が整っているので、ぜひぜひワーケーションを兼ねて遊びにいってみてください! 私も行きます!!!

以上、まこりーぬがお届けしました!

LAMP野尻湖にいこう!