
俺たちの夏休みはこれからだ!と思ったけどまだ上野で消耗してるので、セブ島に行ったときの話を書きます(歴史と経済編)
こんにちは。LIGで編集者として働いているケイ(@yutorination)です。
僕はこのLIGブログで、コンテンツ制作や編集・ライティングをメインに書いているのですが、たまに出張に行ったら紀行文的なものも書いています。
古くは『西遊記』のもととなった玄奘三蔵の『大唐西域記』、マルコ・ポーロの『東方見聞録』……戦後日本であれば小田実の『何でも見てやろう』、沢木耕太郎の『深夜特急』などもそうです。個人的には、子どもの頃に読んだジュール・ヴェルヌの『八十日間世界一周』や『海底二万マイル』のような、旅と冒険をテーマにした小説もとても好きでした。
LIGのカルチャーのひとつとして「旅をしながら仕事をする」というのがあると思っていて、そういうことも発信したいなと思っています。
▼過去にはセブに行ったときのことを前後編に分けて書きました。 俺たちの夏休みはこれからだ!と思ったけどまだ上野で消耗してるので、セブ島に行ったときの話を書きます(歴史と経済編) セブ島に行って深淵を覗いたときの話を書きます。(戦士たちの襲来〜狂乱の宴編)
難点は、日々の業務に追われてどうしても紀行文系の執筆が後回しになってしまうこと……前述のセブに行ったときの記事なんて、行った半年後に公開になってますからね。
さて、言い訳はこれぐらいにして、今回は昨年秋、北海道は十勝地方の中核都市・帯広に出張に行ったときのことを書いてみようと思います!
この出張は、帯広地域雇用創出促進協議会にお招きいただいて、「発信力・宣伝力を上げるWEBマスター講座」の一環として、帯広の地域のみなさまの前でLIGのノウハウについてお話する、というものでした。
要は「Webを使ってどう情報発信し、仕事につなげるか」ということをレクチャーさせていただいたのです。
LIGメンバーは2週に分けて帯広に伺ったのですが、僕は2週目に、取締役のまことさん、メディア事業部マネージャーのよすけさんと一緒に3人で行きました。
演題はそれぞれ、
というものでした。ばりハードル高い……!!!
というわけで羽田から飛行機に乗り、帯広へ向かいました。(左が取締役のまことさん、右がマネージャーよすけ氏)
写真は非常に楽しげな風ですが、僕は当日の発表スライドがまだ完成していなかったため、隣に座るまことさんに「ねぇ! まだなの!」「頼むよー」とどやされながら、なんとか飛行機内で完成させることができました。隣に緊張感があると作業がとても捗ります。
着いたー! 羽田から1時間半ぐらいで着いてしまいます。
空港では、帯広地域雇用創出促進協議会の三崎さん(左端)、カスティージョさん(右端)に迎えていただきました。お二人はLIGブログをくまなく見てくれているようで、しかもHONEYS(メシアこと「俺さん」のファン)でもあるのだそう。初めてお会いしたのにめちゃくちゃ会話が弾みました。
とかち帯広空港内には、こんな像も置いてあります。
そう、帯広といえば「ばんえい競馬」なわけですね。ソリに乗った騎手を馬が引っ張っていくという、パワーとスピードを競うスポーツ。ばんえい競馬に出走する馬を「輓馬(ばんば)」と言うのですが、普通の競馬で出てくるサラブレッドとの違いはめちゃくちゃマッチョなこと。サラブレッドの体重はおおむね500kg前後ですが、輓馬はその2倍の1tにも及ぶのだそう。
帯広は『鋼の錬金術師』で知られる荒川弘先生の作品『銀の匙』の舞台でもあるわけですが、作中にばんえい競馬も出てきますね。
車に乗せてもらって、空港から帯広市内へ移動します。当然ながら関東とは植生が全然違い、北海道ならではの広大な農地の合間には、針葉樹(カラマツ)の防風林が広がっていました。
お昼ごはんは帯広市内で人気のカレー店「インデアン」に行きました。
十勝豚のカツカレー、めちゃんこおいしい……!
そしてセミナー会場の「とかち館」に向かいます。
館内には案内板がありました。ばりハードル高い……!
セミナー会場内にはドデカイ看板が掲げられていました。なかなかのプレッシャーです。
トップバッターは我らがよすけ。好きな言葉は「必達」。できるIT系若手ビジネスマンのオーラがすごいです。
スライド60枚以上を作ってくるという量で圧倒するストロングスタイル。LIGブログ読者の方からは「ラーメンのイメージしかない」という感想もいただきますが、ラーメン以降に圧倒的成長を遂げていたようです。
よすけさん、僕ともに持ち時間は2時間で、この日は合計4時間の講座となりました。
続いて僕が喋ります。大人数の前で話すのはあまり経験がないのでとても緊張しましたが、帯広のみなさんがWebを使って情報発信し、それを仕事につなげるにはどうすればいいか? を僕なりに一生懸命考えて、ライティングの基礎からローカルでの横展開まで、できるだけ具体的にイメージできるようお話しました。
すべてを伝えようとすると2〜3本分の記事になりそうなのですが、やはり地域で何かをやる際には「CtoC」「グローカル」が重要であること、オウンドメディア最大の成功事例としての「ほぼ日刊イトイ新聞」のお話などをしました。
実際に簡単な課題にチャレンジするワークショップなどもやってみました。2時間あればワークショップまでできますね。
講座終了後は、何人かの参加者の方々が質問しに来てくれました。デジタル時代のライティングやストーリーテリングという意味で、最後に下記3つの本をご紹介したのですが、特に後半の2つはよくあるノウハウ本ではない変わったチョイスだったので、興味を持ってくれたようです。なかには帯広に住みながら小説を書いている、という方もいて、熱い……!と思いました。
せっかくなのでこの記事でも、当日紹介した書籍を載せておきたく思います。
これはもう、ド定番ですね。
あえて言おう、(読んでない奴は)モグリであると。
めちゃくちゃ短くてさっくり読めるのですが、非常に基本的かつ重要なことが書いてあります。僕が特に気に入っているのは、「アイデアを出すためにこそ、社会科学を学ぼう」という旨が書いてある部分です。
この本は、インターネット時代をどう乗りこなして、自己表現していけばいいのかについて、とても基礎的かつ大事なことが書かれています。細かなテクニックではなく心構えの部分の記述がほとんどですが、「ちょっと自分でもやってみようかな」という気持ちになれて、工夫の方法も色々載っています。何かを始めるとき、「気楽な気持ちでやる」ってすごく大事なことだと思うんですね。
こちらは脚本の書き方の本なのですが、非常に身近なところから「ストーリーとはなにか」「人の心を動かすストーリーにどんな機能があるか」ということが解説されている素晴らしい本です。テクニックなんて最初はどうでもいい、まずはゴリゴリの本質から行くのがよいでしょう。
なんかこう……獲ってすぐにさばいた感じなのでしょうか。新鮮でとてもおいしい。
帯広市内に一泊してからの2日目は、①ロンドン大学への留学経験あり ②元戦略コンサルタント ③港区在住 と三拍子揃った取締役まことさんが登壇。ハイパーエリートの圧により会場全体を制していました。
なお、おもなテーマはLIGブログのビジネスロジックと、運用体制についてでした。まことさんは、本質的なロジックの解析と説明がとてもうまいです。
講座終了後、ハイパーエリートの圧にも臆せず、質問に来てくださった帯広のみなさん。
我々もかなり準備をしていったのですが(僕は直前まで資料作ってましたが)、それに応えるかのように熱心に聞いてもらい、たくさん質問していただけて、とてもありがたいなと感じました。
講座終了後、三崎さんとカスティージョさんもこの笑顔……! おそらくは、よい講座にできたのではないかと思います。
さて、この記事はここからが本番です、せっかく来たので帯広の魅力を味わって記事に書こう! ということで、このあとは観光パートです。
講座終了後はお昼ご飯。帯広名物「ぶた丼」のお店、とん田に来ました。
列に並んでいるあいだ、「IoT等を活用してすべてを最適化すること」の重要性をみなに力説するまことさん(右端)。
とん田のぶた丼、肉の量がやばいです……!
店内には、平昌五輪のスピードスケートで金・銀・銅の3つのメダルを獲得した高木美帆選手のサインも。お姉さんの菜那さんとともに、帯広の高校に通っていたのだそうです。十勝地方はスケートがとても盛んで、市民みなに親しまれているとのこと。
そして「ばんえい競馬」の帯広競馬場に向かいます。入り口のところには大きな輓馬(ばんば)の像がありました。
場内には、帯広開拓とばんえい競馬の歴史が学べる「馬の資料館」や……
アニメ化もされた『銀の匙』とコラボレーションしたグッズが売っているショップなどがあります。
競馬場内にも入っていくことができます。
僕の右後ろのほうに見えるのが、ばんえい競馬ならではの「障害」というやつです。レースのときは、馬がソリを挽いてこの坂を登らなければならず、そこを乗り越えられるかどうかが大きな見せ場なのだそう。
さらに奥に進むと厩舎があって、輓馬に人参をあげることができます。とにかく巨大なのでちょっと怖いです……が、ムシャムシャ食べてくれました。
ちなみに彼はリッキーといって、競走馬時代に27連敗を喫して逆に話題となり、その後は広報馬として活躍。帯広市から住民票の交付&特別嘱託職員としての辞令を受けた、人気者です。
ここでまことさん&よすけさんは「仕事しなきゃ」ということでスタバへ駆け込みましたが、僕はそのまま帯広を観光していくことにしました。
こちらはめっちゃ広い建物ですが、地元住民に愛されているパン屋さん「ますやパン 麦音」です。
うまそう。そしてお客さんがたくさんいます。
広大な敷地のなかにはトラクターや積み藁など、牧場っぽいアイテムも置いてあります。
ちなみに前の週には俺さんも帯広に来ていたらしく、帯広周辺の定番観光スポットである「旧幸福駅」でこんなツイートを残していたようです。個人的には「黄色い声援〜」のくだりが特に好きです。
1日駅長してきたよ。 pic.twitter.com/RrVpLmulNP
— 俺 (@Messiah_ore) 2018年9月4日
会社の人たちのお土産を買いに、帯広市内にある「六花亭本店」へ。なぜか入り口に鐘が設置してありました。六花亭といえばレーズン入りのバターサンド。カロリーが鬼のように高そうですが、めっちゃ好きなんですよね……!
やばい……!!!
カフェエリア。『2001年宇宙の旅』的な、フーチャリスティックな感じでした。
外はだんだん暗くなってきましたが、帯広市街を出て、隣の音更町にある「十勝牧場」へと向かいました。日本の畜産業の研究開発と支援を目的とする独立行政法人「家畜改良センター」が運営していて、研究施設、飼料用地、放牧地、その他自然野草地、原生林、河川等をあわせてなんと4,100ヘクタールという広大な敷地面積を有しています(参考:家畜改良センター十勝牧場)。台東区の面積が約1,000ヘクタールなので、だいたい4倍ですね。
この白樺並木は、十勝牧場のシンボル的な存在で、NHKの朝ドラ『マッサン』の撮影にも使われたのだそう。僕はアラサーにしては朝ドラをけっこう観ているほうだと思うのですが、『マッサン』はちゃんと観てなかったのでちょっと悔やまれました。
十勝牧場を一望できる展望台。この場所は、高倉健・吉永小百合の両スターが主演した1980年の映画『動乱』でも使われたんだとか。東京に帰ってからこの『動乱』という作品を観ましたが、五・一五事件〜二・二六事件の時期の陸軍将校と、運命に翻弄されるその妻の姿を描くというもので、正直けっこう面白かったです。おすすめです。
というわけで短い時間でしたが、帯広のいくつかのスポットを訪れてみて、とても勉強になりました。
帯広からの帰路も仕事をし続けるまことさん&よすけさん。ちなみに僕は「自分は仕事してないアピール」をここまでしてきましたが、空港での待ち時間にちょこっと残務を片付けました。空港とか病院の待ち時間って、タイムリミットがあるから意外と集中できるんですよね……。
帰りの飛行機では、まことさんの「追加料金払えばプレミアムクラスに変えられるみたいだから変えようよ、ってか俺がみんなの分出すわ」という超絶男らしい発言により、快適な空の旅を過ごすことができました。
なかなか行く機会のなかった帯広でしたが、地域のみなさん、そして帯広地域雇用創出促進協議会のカスティージョさん、三崎さん(※)といろいろお話できて、とても刺激になりました。
また、自分がお伝えした内容がみなさんの心に響いていたようで、しっかりと準備していけばそれだけ受け取ってもらえるというのも、ありがたいことだなぁと感じた次第です。
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