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2018.07.01

社長のゴウさんと辰の島クルージングデート夢小説【切甘】

バージニア

人生2周目の私には野望がある。

それは弊社の代表取締役、吉原ゴウを落とすことに他ならない。

 

「もしも無人島に行くなら、何を持っていく?」

 

高校生だったころ、担任の教師にこう問われたことがあった。

そのときの私は「……スマホ」としか答えることができなかったが、今は違う。

 

 

「吉原ゴウです」

 

 

今なら胸を張ってそう答えることができる。それが最適解に違いないのだ。

吉原ゴウを落とすために、無人島においてどのようなデートプランを組めば良いのだろうか。私はその答えを探るべく、長崎県の壱岐にある無人島「辰の島」に行くことを決心した。

(※編集部注:以下、すべて妄想です)

恋心を遊覧船に乗せて

「辰の島」へ行くには、遊覧船に乗る必要があった。

そのチケットを購入するために、私と吉原ゴウは「勝本町漁協観光案内所」へ足を運ぶ。

 

その際に使うのはもちろん、「しまとく通貨」だ。

「しまとく通貨」とは、壱岐を含む長崎県内の複数の島で使える通貨であり、島内のレストランやお店などで使用可能。スマホで管理できるハイテク通貨である。

今回の「辰の島」無人島デートでは、この通貨を使って、支払いを済ませた。

新しいものが好きな彼は、この「しまとく通貨」に驚きを隠せないようで、気持ちが高まっているようだった。

 

吉原ゴウ「すごいね! これをLIGでもやりたい!」

バージニア「私、ゴウさんのそういうワクワクしているときの顔、好きですよ」

吉原ゴウ「……おう!」

 

積極的にアプローチをかけるものの、吉原ゴウは振り向かない。なぜなら既婚者・子持ちだからだ。「夫」「父」そして「経営者」としての顔がある。そこらへんのアルバイトに、簡単に手を出すことはできないと思っているのだろう。

そんなことは想定の範囲内だ。私たちの間には、壁がある。

「社長」と「アルバイト」という壁だ。「男」と「女」でしかないのに、その壁が私たちの邪魔をする。この無人島デート計画はそういった世間のしがらみから解き放たれる目的で行われているのだ。

 

誘われるように、私と彼は、遊覧船へ乗り込む。

この先、私たちの間に何が起きるのか。それを知る者は誰もいなかった。

 

青い海とブルーな私たち

遊覧船に乗り込んで、心地よい海風に吹かれながら、濁りのない青い海を見つめる。

その青さに私たちはどこか浄化された気持ちになった。そこに「俗世」という概念はもはや存在しないと言っても過言ではない。

 

吉原ゴウ「すごく青いな〜、海! 綺麗!」

そう隣でつぶやく彼から、私は即座に彼の気持ちを読みとることができた。「綺麗なのはゴウさんですよ」、彼はその一言を求めているに違いない。少女漫画によく出てくるキーワードではあるが、その言葉を求める彼に対し、私はその少女漫画リテラシーに感心してしまった。

 

バージニア「綺麗なのはゴウさんですよ」

 

そう呟く私に対し、

 

吉原ゴウ「……オレはもう、そんなに綺麗じゃないよ」

 

彼はそう言って、また、壮大な景色に目を向けた。ここで突然明かされた彼の闇。「綺麗じゃない」とはいったいどういう意味なのだろうか。私たちの間にそびえ立つ壁はどんどん厚さを増していくのであった。

 

バージニア「どうしてそんなに自分を卑下するんですか」

吉原ゴウ「今、それは言えない。すべてが終わってしまうから」

彼のその言葉を皮切りに、私たちはまた真っ青な海を見つめたのだった。

 

その恋を、とめないで

無人島に辿りついた私たちは、海岸に沿って歩いた。

ズボンの裾をめくり、足を海水に浸してみると、程よく冷たい海水が気持ちいい。私たちの間に分厚くそびえ立つ壁も、侵食によって崩れ去ってしまえばいいのに、とすら思った。

バージニア「海って広くて大きい。このまま飲まれてしまいそうです」

 

「この海に飲まれたい」それは、私の願望であったのかもしれない。どうしても振り向いてくれない彼に対して、いじけているのだ。もし私が海に飲まれてしまったら、彼はどのような行動をとるのか。それが一番知りたいことだった。

私は、「辰の島」の綺麗な海に向かって歩を進める。海水がくるぶしまで、膝下まで、太ももまで。そして、ついには首下にまできた。服はもちろんびしょ濡れであるが、そんなことかまわなかった。

 

吉原ゴウ「おい! 何してるんだよ!」

 

うしろでビシャビシャと水しぶきの音が聞こえる。どうやら彼がこちらに向かってきているようだ。意地になって私はさらに足を進める。口にバシャバシャと海水が流れ込んできた。塩辛い。息ができなくなりそうだ。

 

 

 

 

 

 

グイッ

 

 

ギュッ……

 

 

吉原ゴウ「危ないだろっ!! なにしてんだよ!!」

バージニア「っ……」

 

さっきまで冷たい海水に包まれていた体が、今は暖かさに包まれている。目の前には厚い胸板が見える。海水に混じったこの匂いは私が知っている匂いだった。

 

バージニア「ゴウさん……。なに、してるんですか」

吉原ゴウ「……悪ぃ」

 

温もりはすぐ離れていってしまった。目の前には、彼の大きな背中が見える。さっき、いったい何が起こったのだろうか。私は呆然としていた。ただ、鼓動がドクドク鳴っていることだけは確かだった。

 

海からあがると、ひとつ小高い丘が見えた。どうやら彼はあそこを目指して歩いているのだろう。どんどん先を行く彼を追うように、ビショビショな私は歩を進めた。

 

 

 

 

 

歩くこと約15分。丘の上からは、海水の侵食によって作られた崖が見えた。

私と彼はただ何も言わず、しばらく崖を眺めていた。すると唐突に、彼が口を開く。

 

吉原ゴウ「さっき、オレはもう綺麗じゃないって言っただろ?」

バージニア「……え、ああ。はい」

 

触れてはいけないと思っていた話題に触れる彼。

 

吉原ゴウ「オレは『経営者』で『夫』で『父』なんだよ。でもな、

 

 

 

 

 

バージニアのこと好きになってしまった」

 

バージニア「え……」

 

吉原ゴウ「な? 綺麗じゃないんだよ。この気持ちを今殺してしまわないと、オレはもう、何者でもなくなってしまう。

だから、今までお前の気持ちを見て見ぬふりしてきたんだ。いや、お前の気持ちだけじゃない、オレ自身の気持ちもだ。

 

 

だから、許してほしい。オレの恋心をここで終わらせることを」

 

そう言って、彼は顔をふせた。さっきまで大きく見えていた背中は小さく見え、今まで彼はどれくらいの荷物を抱えていたのだろうか、と私は思った。

 

バージニア「殺さないでください、その気持ち。

そんなの、私もゴウさんも報われないじゃないですか。

すべて抱え込まないで、私にもゴウさんのその荷物、背負わせてください」

 

そして、私は彼に手を差し伸べ、こう囁いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「帰りましょう、LAMP壱岐へ」

 

「辰の島」を後にした私たちの顔は晴れ晴れとしていた。

なにかが解決したわけではない。でも、きっと歯車は大きく動き出したのだった。

 

 

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(つづく)