42旅目
旅と音楽

「歌う」ことが「仕事」になった。会社員をしながらラッパーをすることの苦悩と葛藤。

野田クラクションべべー


「歌う」ことが「仕事」になった。会社員をしながらラッパーをすることの苦悩と葛藤。

こんにちは。

ラッパーの野田クラクションべべーです。

 

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このたび、「旅と音楽」の2nd ALBUM『to be or not to be』をリリースすることになりました。こちらのジャケットは、LIGで「水平線」をテーマに絵を描いているディレクターのモトキ・ウエダさんのデザインです。

※購入はこちら
iTunes Store:https://itunes.apple.com/jp/album/to-be-or-not-to-be/1335550502

 

作品のコンセプトは「どうせやるんだから、悩んでないでチャレンジしてみよう」

「旅と音楽」を結成して約1年が経ちまして、その間 ラッパー生活をするなかで感じた葛藤や悩みというモノをリリックとしてノートに書き記していました。社会人としては3年目、ラッパーとしては2年目になったときに「このままの生活でいいのか。将来は何になりたいのか」と考えるようになりました。

 

今やっている活動は、”相当恵まれている “と思います。そもそも、音楽をはじめた理由も会社からのミッション。自分自身が「歌っている」よりは「歌わされている」というニュアンスの方が大きかったです。

右も左もわからないなかで、毎月のようにロケをし、歌詞を書いたり、動画を撮ったり……。正直、歌うことを楽しむ余裕なんてなく、仕事としてこなすことで精一杯でした。正直、歌うことが嫌になり、逃げ出したくなりもしました。人生で逃げ出したくなる経験は初でしたね。

 

このままでは将来のビジョンが見えない、楽しいことだけやっていていいのか、本当にしたいことってなんなのか……。自問自答の末に見つけた答えのひとつが『to be or not to be』。

このアルバム名は、詩人シェークスピアの戯曲『ハムレット』のセリフのひとつ。「やるの?やらないの?どうせ答えは”やる”でしょ?だったら、やりなよ。迷うなよ。」という意味です。一歩が踏み出せなくて悩んでいる人の背中を押すような一枚に仕上げました。

 

リード曲の『バカにされても』

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『バカにされても』は、今回のアルバムを体現するような一曲です。

この曲、制作に1ヶ月ほどかかりました。これまでやってきたことに対しての葛藤や迷いが右に行ったり左に行ったり……。リリックを書けば書くほど、伝えたいことが薄れていくというバッドスパイラルに陥りかけました。

新卒1年目のサラリーマンが会社のお金で “旅”をして”音楽”を作って、どれだけ「恵まれた環境」でやらせてもらえているかはわかっていますし、そんな人はいないと思います。だからこそ周りからはバカにされるし、「何やってんだよ」と後ろ指をさされることもありました。

それでも「バカにされているうちは華だと思い、一生バカにされる花のような人間」でありたいと思い、詩を綴りました。作曲は、天才・観音クリエイションさんです。

 

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撮影してくれたのは、以前「IBURI」という曲のMVを撮った際にお世話になった 株式会社 エレファントストーン の皆様。

エグゼクティブディレクターの嶺さん(写真 右)に「めっちゃいい曲できたので、MV撮って欲しいです!曲を聴いてビビッと来なかったら断ってもらっても大丈夫です」とご連絡したら、快く承諾してくれました。

撮影期間は約2ヶ月。嶺さんに制作する際に意識したポイントなどをお伺いすることにしました。

 

インタビューしてみた

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ー 『バカにされても』を聴いたとき、どんな印象を持ちましたか?

最初に歌を聞いたとき「べべさんのこれまでの人生、今の状況」を赤裸々に歌った曲だと感じました。いつも楽しそうにやっているけど、葛藤や模索しながらやっているっていうメッセージが伝わってきましたね。

あとは、単純に曲としてかっこいい。それがMVをやろうと思った理由です。

 

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ー 今回の撮影で意識したポイントはどこですか?

べべさんの”これまでと現在”を撮りたいと思いました。

べべさんの地元・下北沢、会社がある上野、旅をしていたときの車、お世話になった人やお世話になっている人など……縁のある土地や人にフォーカスして、素の姿を撮るようにしました。なので、1日のスケジュールですべてを撮り切るという一般的なMVの撮り方をせず、日と場所を分けて何回も撮影をしました。ゴールを決めずに、話し合いをするなかで内容を詰めましたよね。結果的に良い偶然が続いたこともあって、いい絵が撮れたと思います。

 

ー 撮影のなかで印象に残っているシーンはありますか?

ライブシーンですね。『バカにされても』を人前で披露するのは初と聴いていたので、僕自身も非常に緊張していました。ライブって数を重ねれば重ねるほど光っていくモノはあると思うのですが、最初の初々しさというかリアルさみたいなのって貴重ですからね。

 

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ー エレファントストーンが運営している「bacter」ってなんなんですか?

「bacter」は弊社で運営しているブランディングサイトです。所属しているディレクターやエディターが持ち回りで制作したムービーを掲載しています。クライアントワークの事例集とは異なり、自社でお金を出して自分たちで作った、オリジナル作品集です。予算は決まっていて、その範疇であれば、MVでもドラマでも映画でも、なんでも作ってOKなんです。

 

ー 好きなモノを会社のお金で作れるって素敵ですね!表現の幅が広げられそうで楽しそうです。

確かに、いい環境だとは思います。ただ、会社のお金で自由に作るってことは”何も言い訳できない”ってことなんですよね。つまらないものを作ったら「つまらないやつだ」と思われるし、それって会社のブランディングを下げることにも繋がります。

それでも、クライアントワークとは違う「個人の表現」をできる場所があるのは、映像を作る側からすると非常にありがたいことです。最近では、ディレクター同士で対抗心が生まれていて「いい作品を作ろう!」という気持ちが前面に出ているんです。そうすることで、より面白いモノを作っていけると思うし、それは普段の仕事にも生きてくると感じています。

 

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ー 今回の動画も「bacter」に掲載していただけるとのことで、ありがとうございます。最後に、感想をひとことください!

『バカにされても』は、べべさんと一緒に作ったな〜という印象です。これまでにないやり方で撮影をすることもでき、非常にいい時間を過ごせたんじゃないかと思っています。

 

ー 本当にありがとうございます! ぜひ、エレファントストーンのディレクターの皆様が腕を奮って作った映像を「bacter」でチェックしてみてください。

 

最後に

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突然ですが、この2018年、「旅と音楽」の活動を2018年は休止することにしました。

少し長くなってしまうのですが、休止を決めた背景をお話させてください。

 

現在自分は、新卒2年目の23歳です。LIGでお世話になるようになって3年が経とうとしています。元々は社長のゴウさんの弟子としてスタートをして、アメリカ横断をしたり、日本一周をしたり、多くのことを経験させてもらいました。

学生時代にアルバイトをしていた下北沢のBARでLIGを紹介してもらったのが最初の縁で、世界一即戦力な男で有名な菊池 良さんの記事を見て、「え?なんでこんなフザけたことをして許されるの?」と思い、興味本位で面接に行ったのです。

面接の際にゴウさんから「君は何ができるの?ブログ書いたことある?」と言われたので「TwitterとFacebookならやってます!」と答えると「そのスキルだとウチでは雇えない……」と断られまして。

「やる気はあります!野球やってました!何でもやります!」とポジティブに返答したところ、「何でもやれるんだね?もし、俺の無茶振りに1年間答え続けることができたら、採用を考えてあげるよ」と約束を交わしたのです。それは、今でも鮮明に覚えています。以来、いろいろなことにチャレンジをさせてもらいました。

 

就職活動の時期に「どんな仕事をやろうか」と考えたとき、漠然と “おもしろいことができる会社に行きたい”と思うようになりました。

元々頭が良いわけでもなく、これといって何ができるわけじゃなかったんですけど、言われたことに対して貪欲にチャレンジすることはできたので、3年間がむしゃらにトライ&エラーを続けてきました。

 

基本的に「日本一周しながらスピーカー売ってきて」とか「Tシャツの在庫を今年中に全部捌いて」といった、ざっくりとした指示が多く、どうすれば達成できるか「目標」を立て、行動していました。まぁ、全部がうまくいくわけもなく、悩むときも多々ありましたね。

 

旅の途中で香川県高松市のスケートボードショップ「one chance」のラッパー茶園さんと出会い、ノリで一緒に作った『Chilling Life』という曲がきっかけではじまった「旅と音楽」。

右も左もわからないなかで、毎月のようにロケをし、歌詞を書いたり、動画を撮ったり……。正直、「歌」を楽しむ余裕なんてなく、「仕事」としてこなすことで精一杯でした。ピアノもギターも引いたことはないし、小・中学校の音楽は5段階評価で3。レコーディング中は、音を外して怒られてばかりでした。

正直「歌う」ことに限界を感じたことは何回もありました。それでも、こんな素人の僕にプロレベルの指導をしてくれた 東京DTM作曲音楽学校 のdonsukeさんには感謝しています。本当にありがとうございました。

そして、日本全国を旅しながら、いろいろなアーティストの方と一緒にコラボをして作った1st ALBUM『featuring Japan』。すべての楽曲でフィーチャリングをし、総勢 8 組、スタッフやボランティアで協力していただいた人数を合わせると 100 人以上が携わってくれました。

 

2017年4月からは、トラックメイカーの観音クリエイションさんと一緒にブログや動画、LIVEなどをこなしてきました。音楽シーンの最前線で戦われているトラックメイカーと一緒にステージに立てることが、どれほど贅沢なことか。改めて、恵まれた環境にいると感じ入ります。

 

ただ、音楽活動を続けるなかでも葛藤は常にありました。

元々好きで音楽活動をはじめておらず、会社の企画で音楽活動をしているので、当然お金は会社が負担してくれていました。もちろんビジネスとして成功させることができれば、文句はないと思います。ただ、仕事の依頼は減り、旅をする機会もなくなっていくなかで、音楽を作り続けないといけない。しかも、「旅と音楽」というコンセプトのもと。

これは、僕の実力不足が原因だと思うし、自分がスキルアップした上じゃないと「旅と音楽」を良くしていくことは無理だと思いました。このままじゃ、会社にも迷惑かけるし、メンバーにも申し訳ないし、何よりも聞いてくれている皆様に「本当に伝えたいこと」を伝えられません。

 

でも、歌を作ることは好きだし、自分の歌を誰かに届けたいことは変わりません。ただ、「旅と音楽」ではなく「野田クラクションべべー」としての想いが強くなっていったんです。なので、「旅と音楽」の活動を中止したいとお願いをしました。

僕のわがままな部分も強いと思うのですが、この件を承諾してくれた社長のゴウさんとトラックメイカーの観音クリエイションさんには感謝の気持ちでいっぱいです。

 

今後は「野田クラクションべべー」として、ゼロからスタートすることにします。まだまだ何もできない若造ですが、全力で音楽活動を続けますので、応援のほどよろしくお願いします!ぜひ、LIVEのお誘いなどお待ちしておりますので、ご連絡などいただけると嬉しいです。

 

いつか、成長した姿で「旅と音楽」を復活させ、皆様の町に足を運べるように頑張ります。

今後とも「旅と音楽」と「野田クラクションべべー」をよろしくお願いします。

 

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1st EP『to be or not to be』、ぜひ聴いてみてください!

※購入はこちら
iTunes Store:https://itunes.apple.com/jp/album/to-be-or-not-to-be/1335550502

 

以上、野田クラクションべべーでした!

写真:長野竜成

野田クラクションべべー
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