こんにちは、LAMP豊後大野の支配人のケンです。
みなさんは、別府観光の偉人「油屋熊八」(あぶらや くまはち)さんをご存じでしょうか。
- 油屋熊八
- 大正〜明治初期にかけて別府観光の発展のために尽力したスゴい人。最初にはじめた事業はホテル業。
油屋熊八-市報べっぷ2013年7月号
別府駅前に油屋熊八像があるのですが、そのモニュメントを室内に入れてホテルにした『油屋ホテル』の夜間特別鑑賞体験をしてきました。
抽選でおこなわれた夜間特別鑑賞体験(『油屋ホテル』を独り占めできる宿泊体験のようなもの)は、2017 年 10 月 2 日〜 11 月 10 日までに 2 回に分けて抽選がおこなわれ、
その倍率は、25倍!
(※数字は、主催者統計による数値)
「 LAMP 豊後大野で個展をやる勉強になれば」と応募、見事 25 倍もの倍率を勝ち抜いた奇跡の 1 日をご紹介します。
そもそも油屋ホテルってなに?
『油屋ホテル』は、大分県別府市を舞台として、2017 年 10 月 28 日(土)〜 12 月 24 日(日)まで開催している個展形式の芸術祭「西野達 in 別府」の作品として展示されているものです。
©The Merlion Hotel 2011, photo Yusuke Hattor
西野 達(にしの たつ)さんは、世界でも活躍する芸術家で、過去にはマーライオンやコロンブス像をホテルのオブジェにするなどユニークな作品を生み出す超大物芸術家です。
そんなすごい芸術家の作品と知らずに、事務局をつとめるアート NPO「 BEPPU PROJECT 」のダイレクトメールにあった「夜間特別鑑賞会応募のお知らせ」を偶然見つけ、LAMP 豊後大野でも個展をやるし、勉強になるかと応募したのがはじまりでした。
まさか、25 倍もの倍率がある人気鑑賞会だったとは知らずに……。
油屋ホテルでの1日
というわけで、さっそく油屋ホテルの夜間特別鑑賞体験に参加してきました。夜間特別鑑賞体験は、 10 月 28 日〜 12 月 24 日までの会期中の金曜・土曜・祝前日( 10 月 28 日、12 月 23 日を除く)のみ開催され、閉館後から翌日朝の開館前まで独占的に楽しめるというものです。
中に入ると、完全にホテルのロビーを思わせる趣です。
横を振り向けば、油屋熊八さんが出迎えてくれます。
こうやって改めて油屋熊八さんを見ると、彼の大きさと偉大さがよくわかります。
ソファーに座ってみると、とにかくデカイ。写真も 2 分割しないと撮影できないくらいデカイです。
どこでも熊八さんを見ることができます。
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外には露天風呂があります。
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なかにもシャワー室があり、トイレあります。
これらすべてが西野達さんの芸術作品なんです。
ココがスゴかった油屋ホテル
1.寝室
まず、寝室です。ここにあるベッド類は、 2017 年 3 月に閉館した別府の老舗ホテル『花菱ホテル』のスイートルームから持ってきたもので、実際に使われていたものだそうです。
寝心地も最高! 暖房も付いているので寒くなく、暖かい室内で過ごすことができるので本当にホテルです。
ただ、ひとつ難点をいえば、壁が薄くて外の会話が丸聞こえだったことです。祝前日や土曜日は、お酒やご飯を食べて帰る人が多いので、人の声がよく聞こえました。神経質な人にはちょっと厳しいお部屋かもしれません。
2.露天風呂
普段は手湯として設置されている部分を露天風呂に改装しています。これがまた気持ちがいい。
お湯はしばらく浸かっていられるほどの適温で、1 時間も入ってしまいました。ただ、電車が通る時間はその電車からお風呂が丸見えなので、終電後に入ることを勧められました。
3.アメニティ
驚いたのがこだわりのアメニティです。まずはんてん。油屋ホテルの刺繍がされています。
油屋ホテルオリジナルの石けんが置いてあったり、
資生堂のシャンプー類などがありました。
油屋ホテルオリジナルのタオルは、お持ち帰りができます。
マグカップやオリジナルコーヒーなど、油屋ホテルのグッズも設置されています。もちろん、今回の「西野達 in 別府」グッズとして通販などで購入することもできます。
4.2通の手紙
油屋ホテルには、手紙が 2 通置いてあります。
これは油屋ホテルに泊まった別府で創業 90 年の老舗文具屋を営む「明石文明堂」スタッフによるもので、別府観光の功績を讃えた油屋熊八像に思いを馳せながら、「大切に思う人へ感謝の手紙を書いてみるのはどうだろうか」という粋な計らいで 2 通用意してくれているものだとか。
たしかに終電も過ぎれば、駅前も人が少なくなり、部屋にも静寂が訪れます。静かな部屋で油屋熊八さんを眺めていると、ここ別府の観光地としての発展はこの油屋熊八のおかげなんだろうと考えていると、自然と人への感謝の念が湧いてきます。
「ここで 1 通、お世話になっている人に手紙でも書いてみるか」
そんな気持ちにさせてくれる空間でした。手紙を書きたくなる気持ちも温泉地・別府ならではの”粋”ですね。
おわりに
というわけで、この日の睡眠時間は 3 時間でしたが、25倍の当選率を見事に通過してしまった奇跡の 1 日が終わりました。
モーニングコーヒを飲みながら別府の街を眺めていると、現在の別府が観光の街としてどのように発展してきたのか、なぜこんなにも多くの人に訪れてもらえる場所になったのか、その歴史の 1 ページに触れたような気がします。
これこそが、ひょっとしたら芸術家・西野 達さんが伝えようとしていたことなのかもしれません。
「西野達 in 別府」の 1 作品である『油屋ホテル』のクオリティーとメッセージ性、とても勉強になりました。
それでは、また。