
【脱社畜】ニュージーランドの働き方を学ぶ
こんにちは、ニュージーランドで働くプログラマのはっしーです。
日本と違い、有給休暇を使って長期の休みを取るのが当たり前のニュージーランド(以下、NZ)。最低でも2週間のバケーションを楽しむのが普通ですが、今年はなんと、僕の所属する開発チームのメンバーが1ヶ月半もの長期休暇を取りました!
そんなに休んでしまって周りの仕事に支障がでないのか? とハラハラしていましたが、そこはさすがに長期休暇慣れしているだけあって、「誰もが休みを取りやすい職場に必要な仕組み」が用意されていたんです。
有給休暇取得率がまだまだ低い日本、もっと気軽に休暇が取れるようになるには何が必要なのでしょうか。NZの例から考えてみましょう!
まず皆さん気になるのは「1ヶ月半も休んでる間、その人の仕事は誰がやるの?」ってことだと思います。
僕のチームには開発メンバーが3人いますが、全員サーバサイドからフロントエンド、データベースに至るまで面倒をみることができるので、誰かが長期で休んでもほかの人が代わりを務められます。
また、開発に必要なノウハウや手順はすべてイントラネットにまとめられているので、誰かひとりの知識に頼りっきりになることもありません。
そのため、メンバーが1ヶ月半も出社しなくても、「あいつがいないから仕事が回らないよ〜!」というトラブルはありませんでした。
皆さんの職場を思い浮かべてみてください。自分が今やっている仕事は、隣の席の人にもできますか? 逆に、隣の席の人の仕事はあなたにもできますか?
特定の人しかできない仕事が多い状況では、いつまでたっても長期の休みが取れるようにはなりません。定型化できる仕事はマニュアルを作ったり自動化してしまう、チーム内で仕事をローテーションさせて誰もが代わりをできるようにしておくなど、普段から体制づくりを進めておくことが必要です。
誰かが休暇を取ると人手が減るわけですから、できる作業量も減るのが当然。こうしたときは、チーム全体の仕事の予定を減らして、優先度の高い作業にのみ集中しないと、あっという間に残業まみれになってしまいます。
僕の職場ではいつも「ストーリーポイント」で作業量を見積もっているので、今回は抜けたメンバー分のポイントを引いて、現実的なスケジュールで乗り切ることができました。仕事を減らすのは当然として、「どれくらい減らせばいいのか」を考えるためにも、普段からの定量的な見積もりは大切です。
また、誰かが専任でやっている仕事がある場合、緊急でなければ、だいたいその人が帰ってくるまで手つかずの状態で放置されます。そうでなければ、一番やるべきことに手が回らなくなっちゃうからです。
僕も一度、休暇前に自分の仕事をほかのメンバーに引き継いだものの、2週間たって帰ってきたら全然終わってなくて「結局自分でやるのかよ!」とがっくりきたことがあります。しかしこれも、「よほど急ぎでないなら、はっしーが戻ってきてから作業したほうが無難」と判断された結果なんですね。
NZで働いていると、長期の休暇を取る人を周りが気持ちよく送り出す文化が根づいていることに気づきます。誰かがバケーションに入るときには、みんなが「Have a nice holiday!」と声をかけてくれるし、久々に戻ってくると「How was your vacation?」とまた迎え入れてくれるんです。
誰もが休みを取りやすい職場づくりには、こうした雰囲気が絶対に必要です。いくら仕事上の体制が整っていても、「休みを取ると肩身が狭い」「ほかの人に迷惑がかかる」なんて空気ができあがっては、結局、休むのに遠慮してしまうでしょう。
休暇を取る人を妬んだり、帰ってきたときに「人手が足りなくて大変だったんだぞ!」と責めたりするのは厳禁ですよ。自分が遠慮なく有給を消化するためにも、ほかの人が休むときには気持ちよく送り出してあげてください。
NZをはじめとする欧米諸国では数週間のバケーションが当たり前ですが、それは単なる文化の違いだけではありません。仕事を止めないための工夫があるからこそ、みんなが気持ちよく休暇を取れるわけです。
いきなり数週間の休暇は難しくても、少し働き方を見直すだけで、1週間程度の休みは普通に取れるようになるんじゃないかと思います。「意外と大丈夫だな」ってことがわかれば、いずれ1ヶ月の休みだって取れるようになるはず。小さいところから変えていきましょう!
次回は、楽しく仕事をするためのシンプルな考え方についてお話する予定です。それではまた!
【脱社畜】ニュージーランドの働き方を学ぶ