「おためしサテライトオフィス」がもたらす効果と未来について、総務省担当者に話を聞いてみた

龍﨑コウ


「おためしサテライトオフィス」がもたらす効果と未来について、総務省担当者に話を聞いてみた

こんにちは、LIG の COO 兼 CFO の龍﨑コウです。

現在 LIG では「 おもしろ!JAPAN 」と題した地方創生応援プロジェクトを展開しています。これまで、地方の特産品を味わって地域を学ぶためのイベント「ローカル食堂」や、LIG 社員が地域を全力で楽しむ出張企画「どこでもオフィス」などにチャレンジしてきました。2015 年には「サテライトオフィス」として、長野県信濃町の野尻湖畔に「野尻湖オフィス」をオープンしています。

「サテライトオフィス」とは
企業、団体の本拠から離れた場所に設置されたオフィスのこと。本社を中心としたときに、「衛星(サテライト)」のように存在するオフィスであることから こう呼ばれる。

 
▼ LIG が取り組んだ「サテライトオフィス」企画のレポート

 
スクリーンショット 2017-07-24 12.07.29

このサテライトオフィス活動ですが、実は総務省も「 おためしサテライトオフィス 」プロジェクトとして、全面的に地方自治体をバックアップしています。そこで今回は、総務省 地域力創造グループの梶原 清さんと、サテライトオフィスの可能性を話し合ってきました。

kajiwara 梶原 清
総務省の地域力創造グループ 地域自立応援課の課長補佐として、「おためしサテライトオフィス」をはじめとする地域活性化プロジェクトに携わる。

▼目次

  • 総務省が取り組む「おためしサテライトオフィス」の目的とは
  • 「おためしサテライトオフィス」を導入したことによる反応
  • サテライトオフィスがもたらす可能性について
  • LIGの地方創生応援「おもしろ!JAPAN」
  • 所感

 

総務省が取り組む「おためしサテライトオフィス」の目的とは

IMG_0053

龍﨑梶原さんが所属されている総務省の「地域力創造グループ」では、どんな活動をされているんですか。

梶原地方に向かってヒト・情報の流れをつくるために、いろいろな政策を行っています。そのモデル事業のひとつが「おためしサテライトオフィス」プロジェクトなんです。

龍﨑このプロジェクトが立ち上がった経緯についてお聞かせください。

梶原都市部にある企業の多くが「働き方の多様化」や「業務効率の向上」、「オフィスのコスト削減」などを目的として、地方で働くことに興味を持っています。ですが、いきなり地方にサテライトオフィスを設置するのはハードルが高いですよね。そこで「お試し勤務」という形で、実際に地方で働いていただこうと考えました。「お試し勤務」で地方の魅力を感じてもらえば、次の展開につながる可能性が高いからです。

龍﨑企業を受け入れる「地方」にとっては、どんなメリットがあるのでしょうか。

 

DSC05909

梶原人口減少社会のなかで地域の活力を維持し、その上で まちづくりを進めていくためには、いろいろなアイディアやスキルを持った人たちから刺激を受けることも必要です。今はインターネット技術も発達しましたから、地方にいても都市部と同じ仕事ができます。地方での新しい仕事を創出するためにも、サテライトオフィスの誘致は効果的だと考えられます。また、これまで交流がなかったクリエイティブ系の企業ともつながりを持てるというメリットがあります。

龍﨑そのような流れのなかで、サテライトオフィスの誘致に取り組む地方自治体が出てきているんですね。

梶原はい。さらに今回の事業を通じて、地方自治体は「お試し勤務」を受け入れることで、企業が何を求めているのかがわかります。そのニーズを調査・分析して、誘致戦略を練ることを支援する目的もあるんです。

龍﨑「誘致」と聞くと、大手メーカーに向けた工場などの誘致が思い浮かぶのですが、なぜサテライトオフィスによる誘致を?

 
IMG_0044

梶原工場の誘致には、広大な土地と多額の資金が必要です。ですが、IT やサービス産業は、地方に働く環境さえ整っていれば都市部と同じ仕事ができます。だからこそ、仕事(雇用の場)を創出するために、地方にサテライトオフィスを設けるための働きかけをサポートしています。

龍﨑LIG でも社員がサテライトオフィスにおいて、多様な仕事を作りだしています。実際に活動してみて「正直、職種を選ぶなぁ」と感じていますね。特に難しいのはディレクターという職種ですね。

梶原確かにディレクターは地方にいるデザイナーやエンジニアに指示を出す重要なポジションですから、都心部のクライアントの近くにいてやりとりをする必要がありますね。

龍﨑逆に言えば、「職種を選んでしまえばいい」ということでもあります。LIG としては、地方で活動するメンバーにも都市部のメンバーと同じ評価制度や待遇を提供しつつ、充実したライフスタイルを送ってもらいたいんです。実際に「野尻湖オフィス」などで、それを実現しています。

 

「おためしサテライトオフィス」を導入したことによる反応

IMG_0021

龍﨑「お試し勤務」を導入した企業からは、どんな声を聞きますか?

梶原企業の皆さんは、いろいろな想いを持っていらっしゃいます。「どんな形になるかはわからないけど、いずれ地域貢献したい」と話してくださる企業の方もいらっしゃいました。龍﨑さんは、地方創生で知り合った地方自治体に、どんなイメージを持ちましたか。

龍﨑LIGと一緒にやっている地方公共団体の方々は、ほんとうに熱意を持たれている方ばかりだと感じています。たとえば長崎県壱岐市の皆さんは、地方創生 のアイディアを提案するとそれを実行しようと関係各所に働きかけてくれます。訪れるたびに話が進んでいきます。あまりの速さに「各企業さん全部にこのような対応をしてるんですか?」と聞いたら「 LIG への対応は早いかもしれません」とおっしゃっていました。

梶原それはなぜですか。

 
z10

龍﨑「その土地を本気で盛り上げよう」という私たちの熱意が伝わったからだとおっしゃっていただけました。LIG が地方創生事業に携わっている理由は、地方自治体の皆さんの熱意とともに地方を盛り上げていくためだと思います。だから「地方の皆さんにとって LIG がもっとも力になれることってなんだろう」といつも考えているんです。

梶原なるほど、理想的なパートナーシップが結ばれているんですね。

龍﨑梶原さんは「おためしサテライトオフィス」を実施している地方自治体の方から、どんな感想を聞きましたか?

梶原LIG のようなクリエイティブ系企業とのつながりが生まれたときなんかは喜んでくれるでしょうね。多くの企業を受け入れている団体のなかでは「お試し勤務」を通して、「地方にサテライトを出そう」と決めた企業もあると聞いています。

「おためしサテライトオフィス」最大の目標は、誘致が成功して、企業がそこに定着することにあります。その第一歩となるきっかけが生まれることそのものが、地方自治体にとっては大きな財産なんだと改めて感じさせられます。

 
screenshot_2017_7_28

龍﨑LIG でも各地方を経験したことで、「サテライトオフィスで誘致するだけではダメだ」と感じました。だから、地方自治体の方々には「我々は人をつなげることはできますが、クロージングし地域に根付かせるのは皆さんなんです」とお伝えし、「いろいろな人を巻き込むために、役所のみなさんも一緒にやりましょう」という形を取らせていただいています。

梶原「サテライトオフィス」を展開していくうえで、気をつけていることなどはありますか。

龍﨑LIG ブログで記事を手がけるにあたり、参加した LIG メンバーが思いっきり楽しんでいるさまを出すことを第一に考えています。そのために、LIG メンバーには地方自治体の方々がアテンドしてくれるその土地の魅力を存分に味わい、めいっぱい楽しんでもらうようにしているんです。彼らがどれだけ楽しんだかが、そのままレポートとなって表現されるので、ここが一番のキモですね。

梶原確かに LIG ブログを拝見しても、地方自治体と一緒に、地方の魅力を楽しそうに発信していますよね。

龍﨑メンバーが楽しんでいる姿が LIG ブログに出ていれば、それを読んだ読者が「俺らも地方で楽しめるんじゃないか」と感じてくれると思うんです。伝えたいのはその一点ですね。

 

サテライトオフィスがもたらす可能性について

IMG_0072

龍﨑「おためしサテライトオフィス」プロジェクトには、今後どのような展望が望めそうでしょうか。

梶原地方自治体独自で「お試し勤務」を通じたサテライトオフィスの誘致に取り組んでいる事例もあります。ですから、それらの自治体情報を広く発信するなどして、自治体の取り組みを何らかの形で支援していきたいですね。

龍﨑「おためしサテライトオフィス」プロジェクトを通じて、いろいろな可能性が広がりそうですね。

梶原どんな効果が生まれるかは、実践してみないとわかりません。もしかしたら、今の私たちでは想像し得ない意外な効果が出てくるようにも思っています。各自治体は「おためしサテライトオフィス」を通じて、これまでつながりのなかった企業ともつながることができます。そこに地元の企業を巻き込めば「人が人を呼ぶ」ような活動ができるかもしれませんね。

龍﨑まだまだ地方創生は盛り上がりを続けていますが、地方創生事業でLIG に期待することがあれば ぜひ伺わせてください。

 
z6

梶原これまでの取り組みを変えることなく、LIG の皆さんに地方を楽しんでいただくことですね。どの地方自治体も頑張っています。そんな地方の努力に触れ、地方を満喫していただき、そこで感じたことを本音で発信してもらいたいです。

龍﨑ええ、私たちももっといろんな場所に行きたいと思っているんです。

梶原LIG の地方創生事業では、他にどんな取り組みを考えているんですか?

龍﨑次は「 2 〜 3 年後に移住したい人」に絞って、メンバーを募集しようかと考えています。LIG という社名は「 Life Is Good 」の略です。なので、LIG メンバーにはその本質を学んでもらってから、地方で「 Life Is Good 」を実現する拠点を作ってもらいたいんです。そして、いずれ日本全国に拠点を作れればいいな、と。

梶原日本全国に拠点を作るとは、すごい試みですね。

 
IMG_0039

龍﨑正直、経営目線で見れば効率的ではないんですよ(笑)。でも「効率的じゃない方が LIG らしいし、人間らしい」とも思うんです。すべてに効率性を求めていけば「都市部がいいよね」という答えになってしまいます。そのロジックにはない魅力が地方にあることを我々は知っているので、非効率的であってもその魅力を掘り下げ、いろんな人にどんどん知ってもらいたいと思っています。

梶原LIG のように、各企業や地方自治体には、前のめりで絡んでいってほしいですね。地方創生事業はいろいろと乗り越えるべき課題があると思うのですが、我々としても、できるところは協力していきます。

龍﨑こちらこそ、ぜひ手を取り合って地方の活性化に取り組んでいければと思います。本日はありがとうございました!

(敬称略)

 

LIGの地方創生応援「おもしろ!JAPAN」

japan

地方には、私たちがまだ知らない魅力がたくさん存在する。都心では見つけられない そんな地方の魅力を、住まいや食、音楽、衣服などあらゆる面から触れていき、地方そのものを学ぼうという LIG の地方創生応援プロジェクト「 おもしろ!JAPAN 」。もっといろんな地方、もっといろんな魅力に触れたい、そんな知的欲求を刺激してくれる自治体との出会いを、私たちは求めています。

「おもしろ!JAPAN」に問い合わせる

 

所感

icatch_dragon

今、LIG がもっとも力を入れていると言っても過言ではない「地方創生」という取り組みに対し、国がどれだけ後押ししているのかを知る良い機会になりました。ともに見ている未来は同じ、そして我々 LIG はこれまでどおり、いろんな地方との出会いから得られるその地の魅力を多くの人に伝え、新しい働き方を発信していこうと思いました。

LIG の地方創生応援プロジェクト、さらにパワーアップして取り組んでいきたいと思います!

 

龍﨑コウ
この記事を書いた人
龍﨑コウ

COO兼CFO

関連記事