
ついに「Adobe XD」の日本語版リリース!Webサイト制作がはかどり過ぎて楽しい
こんにちは、エディターのゆかりさんです。
先日、東京ビッグサイトで開催された「Adobe MAX Japan 2016」に、デザイナーのミシェルとともに参加してきました! 「クリエイターの祭典」であるこの熱気あふれるイベントの様子を、Adobeの轟 啓介氏のインタビューを交えつつお届けします!
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人物紹介:ゆかりさん 毎年この時期になると夏バテになるエディター。一時期Adobeツールとは仲良しだったので今回のイベントをとても楽しみにしている。 |
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人物紹介:ミシェル LIGブログのアイキャッチやバナー、背景ジャックなどの制作を担当しているデザイナー。大学時代から数々のAdobeツールを触ってきた。土曜の夜にひとりでDVDを見て夜更かしするのが趣味。さみしくない。 |
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毎年アメリカで開催されている『MAX』初の日本版で、しかも11月サンディエゴでの同イベントに先駆けての開催。「クリエイターの祭典 ‒ Inspire / Learn / Connect」というテーマのもと、ライブ中継もおこないながらの大規模なイベントです。
イベントのスタートはKEYNOTEから。満席の会場、照明を落とした中で、正面のモニタに映像が映し出されます。
アーティストが左右のブースでDJのように音を奏でると、モニタ上の丸い円を軌道に光が走ります。その軌道上に現れた惑星や微生物・人間といったモチーフに光が通過すると、それらをイメージした音が流れる仕組み。
テクニカルなアートですが、操作と音、映像が一体になったさまは、原始的な衝動を想起させ、「創造する」ことの原点に戻っていくようです。盆踊りなどの「Japan」らしい要素も併せ持つ、鮮やかなアートでした。
続いて登場したのが、日本アドビシステムズ株式会社代表 取締役社長である佐分利・ユージン氏。今回のイベントには約3,800名の応募があったことが彼の口から告げられると、会場からはどよめきが起こります。
「Behance」というサービスは、アーティストが自分の作品を発表し、世界中に共有できるポートフォリオの場所として活用されており、今回の『MAX』のロゴも「Behance」で多数のアーティストにデザインしてもらったそう。このイベントがインターナショナルな試みであることと同時に、日本の期待値の高さが改めて感じられました。
続いてゴビンド・バラクリシュナン氏(米国アドビシステムズ社 Creative Cloudモバイル&サービス担当 バイスプレジデント)が登壇。デザインがもたらすパワーについて語ります。「パーソナライズされた体験」「ユーザーはより自分のニーズにあったものを選ぶ」という言葉を強く発していたのが印象的でした。
Adobeのツールを使って、架空のモバイルバッテリーのPRを想定した一連の制作フローが、一流のクリエイターの手によって再現されていきます。
iPadと「Comp CC」を使用してクライアントと打ち合わせをしながらデザインの構図をその場で決め、イメージ写真もすぐさま「Adobe Stock」からはめ込む。クライアントとのイメージの齟齬(そご)が起きない状態で完成したデザインカンプは、CCを通しそのまま次の作業者の手元へと渡る……。
このような一連の流れがアーティスティックに、かつクリエイターの鮮やかな手さばきのもと実演されていく様子は、まさに感嘆ものでした。
▲Adobe Premiere Pro CCの画面
続いての登壇はなんと、日本を代表するVFXスーパーバイザーの佐藤敦紀氏。いま話題の『シン・ゴジラ』にも関わる人物で、その佐藤氏による「映画『シン・ゴジラ』を紡ぎあげるまで」というセッションには会場の熱気もまた上がります。
このヒット映画を生み出した庵野秀明監督の細やかな要望に応えることができ、複数人での作業フローに向いているツールとして佐藤氏が選んだのが、この「Adobe Premiere Pro」。「映画製作の『過去の常識』だけでは産まれることはなかった」と佐藤氏は結んでいました。
アーティスティックさも併せ持つプロのクリエイターの作業を間近に感じ、興奮さめやらぬままに午前中のセッションが終了しました。
午後のセッションは50分毎に、5つのセッションが同時進行するというスケジュールに。この中で、ミシェルと私がそれぞれ参加してきたセッションについてご紹介します。
▲Adobe XDのプロトタイプモード
▲Dreamweaverベータ版の画面
▲デキるWebデザイナーになるための4つのポイント
今回、Adobe XDを中心としたプレゼンテーションを務めたアドビシステムズ株式会社のマーケティングマネージャー 轟 啓介氏に、開発の裏話などをお伺いすることができました。
−Adobe MAX JAPANがアメリカより先行して開催されたのはどのような意図が?
2016年6月にAdobe全製品のアップデートを行ったのですが、このアップデート内容を日本のユーザーにわかりやすく伝えるため、アメリカで毎年開催されていた『MAX』のようなイベントにお越しいただいて、実体験とともに知ってもらうのがベストだと考えたんです。アメリカの『MAX』に先んじての開催となったのは、このアップデートのタイミングですね。
希望のフォントがイメージ画像だけで特定できないときでも、もっとも近しいフォントを探し出してきてくれるPhotoshopの新機能「マッチフォント」の解説などは、実際の操作の模様を見て「なるほど」とご理解いただけたのではないでしょうか。
「Dreamweaver」の次バージョンは、中身のエディタをBracketsに入れ替えるという荒療治をしています。Gitにも対応していくので、一層使いやすさが向上していますよ。
−XDやDreamweaverについては、日本からのフィードバックを求めていますよね。これは日本市場に対する期待の大きさから?
そのとおりです。なぜならば、世界における日本のシェアはアメリカに次ぐものだからです。XDも英語版の次に日本語版が出ましたが、これもそうした背景からですね。
Adobe本社の人間はフィードバックが大好物なんですよ。しかし日本人はディベートする、フィードバックをする意識が希薄で、「日本人はもっと便利な機能を求めないのか?」と思われがちです。これはすごくもったいない。Adobeは、皆さんが使っているソフトをもっと便利にするための扉をいつでも開いています。「自分が使いたいツールをAdobeが代わりに作ってくれている」と思って、積極的に参加してきてほしいんですよね。
−ここまでユーザー側に寄ってきたことは初めてでは?
チームでは今、「transparency(透明)」と言いながら、「何に取り組んでいるのか」「どういう要望があがってきているのか」をオープンに伝えるようにしています。またチームは世界中のSNSをチェックしており、例えばTwitterで面白い意見や提案があれば、チームから「ちょっとこれに参加してみない?」と話しかけることもあるんですよ。
わかりやすいのはXDですよね。こちらは歴史が浅いので、コアが固めやすいというメリットを持っています。どんな機能を追加しても、別の機能との兼ね合いによる不具合などはないので、いろいろと拡張しやすいんですよ。
−来年も「MAX Japan」は開催されるのでしょうか?
ユーザーアンケートの結果次第というのが正直なところですが、ぜひやりたいと思っています! 東京以外の場所での開催も面白いですね。そういった要望をどんどん実現していきたいので、いろんな声を送ってきていただければ、と思います。
『MAX』初の日本版であるAdobe MAX Japan 2016ですが、来場者の方々がとても生き生きしていたことが印象的でした。
開発側にはユーザーの思いを汲み取りたいという意見があり、ユーザーも日々ツールを使いつつ、自分の技術を高めたいと試行錯誤している。開発者とユーザー双方の思いがあり、Adobe製品が生まれているのだなと改めて感じました。
Twitterのハッシュタグ(#maxjp)などを見ていても「来年こそは行きたい」という意見も多いので、ここは轟さんの言葉にもあるように、ぜひみなさんのフィードバックでAdobe MAX Japan 2017の開催を実現させたいですね!
では、また!
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