「採用では前職も国籍も気にしない」WEBクリエイターの素質を見抜き、成功させるその秘訣

新川 五月


「採用では前職も国籍も気にしない」WEBクリエイターの素質を見抜き、成功させるその秘訣

こんにちは! LIGライターズの新川です。

2009年に法人向け営業支援をメイン事業として設立されたフリーダムランド。現在は、システム開発や運用、WEB制作などの業務委託契約を結び、WEBクリエイターが客先に常駐して技術を提供するSES事業に注力しています。そんなフリーダムランドが今回募集するのは開発エンジニア、WEBディレクター、デザイナー、フロントエンジニアです。SESの特徴は、仕事場が客先となるためプロジェクトごとに体制や仕事の進め方ががらりと変わること。技術力に加え、それぞれの案件に対応する柔軟な能力やコミュニケーションスキルなども求められます。

フリーダムランドのたった一人の創設者であり現社長である内野弘勝さんが語る、WEBクリエイターにもっとも重要な素質は “気付き”と“素直さ”だそう。また、「採用時には前職も学歴も国籍もまったく気にしない」と断言します。そこにはどんな想いがあるのでしょうか。内野さんの考えるSES事業のあり方や、採用にかける想いを伺いました。

Free 人物紹介:内野弘勝
1969年静岡生まれ。1992年総合商社に入社し、在職中に別会社を起業。退社後の1999年まで飲食店等の経営を続けた後に事業を売却した。その後IT業界へ転身しコンテンツプロバイダーなどでキャリアを積み、2009年株式会社フリーダムランドを設立。代表取締役を務める。

“人を育ててこようとしなかった” 業界の根本にある問題を解決するために

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—前職が美容師や寿司職人の方など、エンジニアリングやデザインの未経験者を採用されているのはとてもユニークですね。

弊社は大手ではないので、素晴らしい経験を積んだエンジニアやデザイナーが中途入社してくれるかというとそれは現実的ではありません。そこで、未経験者を育てていく方向を取らざるを得なかったという現状があります。

それに、私たちの業界が今人手不足になっているのは、弊社も含め他のベンチャー企業が、人を育てようとしてこなかったことにも原因があります。そのために人材が足りず、一人ひとりがオーバーワークになり、嫌になって転職してしまうケースもあります。業界の根本的な問題解決のために、私も経営者の一人として、それに向かっていかねばという大義を感じています。

実のところ、この業界のベンチャー企業の経営者には、私自身の後輩が多いんです。先輩である私が、彼らと小さいマーケットを取り合っても仕方がありません。人材育成という問題の本質に目を向けて、多少時間はかかっても男らしく腹を据えてやっていこうと思っています。

 
—そういった中で、例えば美容師の方を採用したのはどんな理由ですか?

佇まいや言動、雰囲気です。彼の場合は自分の中にコンセプトというかイメージがある。プログラミングとは造形するわけなので、美しさやイメージが必要です。彼は美容師だったのでそのあたりの感覚が鋭い。それを面接の中で感じました。それに私は、もともと前職とか学歴とか国籍を気にしておらず、判断すべきは人間の根っこにあるものだと思っているので。

“気付き”と“素直さ”。スキルよりずっと重要だと考えている

—「この人はこの業界で食べていけるな」というのは、どのように見極めていますか?

まず、“気づき”と“素直さ”です。これは、生まれながらに持ち合わせているもので、どれだけ教えても身につけるのは難しいと思っています。

一つ目の気づきについては、面接で曖昧な質問をわざとして、ほしい答えがスパッと返ってくるかどうかで判断しています。話の流れを理解していれば、自分がどう立ち振る舞えばいいかわかるはず。それを一から教えることはできませんが、仕事では一番大事なことだと思います。相手にどう見られているかという感受性の部分もあります。それに気付いた上で自分はどう発言すべきか、あるいは黙っているべきかと判断する力も大切です。

もう一つは素直さ。新しいことを振られたとき、人間の対応は2つのタイプに分かれます。それは理屈を並べ立てて動けないタイプと、即座にやるタイプ。伸びる人材は、多少の疑問や不安はあってもすぐに手を動かし始めます。そして、やりながら疑問や不安にぶつかったら質問していく。そういう人間でないと難しいです。それは開発エンジニアにしろ、WEBディレクターにしろ、同じですね。

 
—そういった伸びる人の素質を採用時に見抜くということですか?

センスというか素質といったものでしょうか。ただこれでは採用時の判断軸としては抽象的すぎるので、具体的なポイントで判断します。“明確な目標”とそれに対する“戦略”があるかどうかです。これは大事。

エンジニアでいえば、「1年以内に最低限度こうしたい」、「3年後5年後にはこうなっていたい」という具体的な目標があるといい。そして、なぜそうなっていなければいけないか、自分に使命として課していないといけません。一番困るのは、やる気はあるけど目標はないという人。矛盾しているんですね。何に対してやる気があるのかが曖昧だと「薄っぺらいな」と感じてしまいます。

弊社の企業理念は社員の成功が会社の成功を標榜しているので、厳しい言い方をすれば、漠然と参加されても困るんです。社員と話す機会があれば「目標はちゃんともってくれ」「漠然と仕事をやるのは、やめてくれ」と言っています。ただし、明確な目標をもたない社員も含めて、私にはマネージメントする責任があります。ちゃんと彼らの言葉に耳傾けないといけないし、自分の思いを伝えないといけないと思っています。

社員が成功したりやりがいを感じることで、初めて利益になるシステム

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—企業理念が確立したきっかけは何ですか?

創業から一人でやっていたのですが、2期目になって業務がオーバーフロー気味になりました。得意先からの要望もあって社員を増やす必要に迫られて、そのときに企業理念を考えました。当時は私一人だけの会社だったので、採用される側からすると“入社する”というよりも“私の胸に飛びこんでくる”という感じが強い。だから、「内野さんに出会えて、フリーダムランドで働けてよかった」と思ってもらえる組織を作りたいと思いました。そのためにはまず社員の満足度を追求したいと考えました。

満足度や幸せって、人によって尺度が違います。しかし、社員の“成功”なら会社で定義ができるのではないかと思ったんです。そこで、社員が成功したりやりがいを感じたり、そういうことの上澄みでないと利益が出ないシステムにしました。そうすれば社長である私自身が、嫌でも社員に責任を負うし、社員たちは会社や社長が誰よりも自分を思ってくれていると思えます。これは私自身がいろんな会社をやってきた経験に基づいた考え方ですね。

社員の成功を理念に置いた経営戦略であれば、絶対に間違いないはずです。だから、社員が成功を体感できたり、成功を収められたと思えたりできる枠組みや、そのために会社の経営戦略はどうあるべきかを常に考えています。私が考える正しい経営判断は、そこにあります。そして大事なこととして、常に自分が何をどう考えているかを社員にわかってもらう努力もしています。

雇う側が上から見ちゃいけない。会社と社員は常に対等のバランスが大事

—SES事業では社員の多くが社外にいるので、会社の文化や経営理念を社員が共通して感じるのは難しいのでは?

たしかにSES事業という性格上、組織としての実感が欠落したり遠くなったりしがちなので、隔月で『帰社日』というのを設定しています。帰社日に行うのは、部門関係なくシャッフルした集まり。社員が主体となって開催する形にしていて、仕事の上下関係なくぶっちゃけた相談ができる場になっています。他社でいう、いわゆる“ななめ飲み”ですね。帰社日のない月は、部門ごとの研修を設定しています。同じ組織の一員であることを実感できるようにと思っています。

他には、期末に社長との個別面談もやります。面談で毎回必ず行うのは、企業理念の資料の読み合せです。社長の私が直々にやります。私はいつもこう考えているんだと伝える意味で。

また、経営で一番大事なのは、雇う側と社員の立場が対等であること。雇う側が上から見ちゃいけないし、技術者も俺たちが会社を食わせてやっていると思うのもダメ。雇う側と社員の対等なバランスを保っている会社は素晴らしいと思うので、いつも意識していますね。マネジメントクラスでアサインする人間への面接では、期待するアウトプットもちゃんと伝えて、会社がどんなふうに支援するかという約束もします。さらに、会社と社員は対等でありたいということも伝えています。

役割はいわゆるエージェント。あなたをどう売るか考えるコーディネーター

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—社員の方々には、フリーダムランドでどう成長してほしいと思っておられますか?

究極を言うと、会社とはいえ私も従業員もみんな人間ですし、突き詰めれば個の集合体なので、「同じ方向を向け」「同じマインドいてくれ」というのは無理な話だと思っています。組織としてやっていく中で、せめて自己実現のために頑張ってほしいです。自己実現とは、“目標の達成”のこと。具体的には中長期目標を作り、それを達成したら次の目標に取り組むということの繰り返しですが、そうすることで継続的な幸せや、手応えとかやりがいが実感できるのではと考えています。会社としてその手伝いをしたいと思っています。

だからこそ、社員には中長期的な目標を持ってほしい、そして、それを聞かせてほしい。それに対して、できることを社長の私はコミットします。コミットした以上は、私は必ずやるので、社員には自分の才能を最大限に伸ばせるように最大限の努力を約束してほしいと、そういう関係を目指しています。

 
—それは、社員とベストパートナーでありたいというお気持ちでしょうか?

まさにそうです。私も経営者ですから利益の確保は必須ですが、社員の満足度も高めていきたいと思っています。例えば、来年のオフィスを移転計画は、就業環境を整備するという福利厚生の意味合いが強く、社員の満足度を上げる施策の一環です。客先で働いている社員には直接関係はないかもしれないけれど、誇りに感じてくれればと思っています。

総合的に満足度が上がれば、仕事の質も上がる。比例して顧客満足度も上がり、フリーダムランドの評価が上がります。さらに地域社会からの評価が上がれば、働きやすい環境になります。何年かかるかわからないけど、そこまでやりきれれば社会貢献できたと私も実感できます。私自身果たすべき責任は、社員と顧客、そしてと地域社会だと思っています。

 
—では、どういう人に来てほしいですか?

必要とする実務経験は半年なのでハードルは低いと思います。求めているのはバイタリティ。今の時代、クリエイターは星の数ほどいます。その中で専門性を磨いて自分の優位な部分をもち、「突き出てやるぞ」という気合いのある人を求めます。もし気合いはあっても自分一人の努力では無理だと思っているなら、活躍できる環境、いわゆるプラットフォームを弊社が与えられると自負しています。気合いもあって実際に頑張っているのに、「なんで報われないんだろう」と思っている人は、どこか勘違いしていて、努力が無駄になっている場合があります。うちの会社なら、絶対無駄にはしません。

弊社はエージェントであって、個人をどうやって売っていくかを考えるコーディネーターですから。信頼関係を築ければ、面白いことになるかもと思っていますよ。

取材を終えて

ときには、厳しい言葉でズバッと核心を突く内野さんに、インタビューの答えの中でドキリとする場面もありました。でも、それは内野さんが経営者として、社員の満足度ひいては幸せに対して、本気で向き合っている証拠ではないでしょうか。

前職も学歴も国籍も関係ない、その人本人の素質である“気付き”や“素直さ”、まさに人間の根っこと向き合う内野さんの強い想いを、お話の中でひしひしと感じることができました。

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新川 五月
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