Web無料相談会2018冬
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2016.07.06
#4
あのサービスの裏側

エバンジェリストは「楽しくて広がるコミュニティ」を作るために何をすべきか?(後編)

にっく

こんにちは! DevRelチャンネル外部ライターのにっくと申します。普段はシックス・アパートという会社で、ディベロッパーリレーションマネージャー、エバンジェリストとして、ユーザーコミュニティのサポートをおこなっています。

私の仕事は、自社製品やサービスを知ってもらうために、外部のユーザーとのつながりを形成すること。その中の一つに「ユーザーコミュニティの活性化」があります。今回は、コミュニティサポートの際に意識している2つのポイントや、サポートを通じて感じたことを記述していきます。

前回の記事では、私が担当している「Movable Type」を例に挙げ、コミュニティプランニングの経緯と、実際のアクションを書いています。よかったらこちらもどうぞ。

目次

  1. コミュニティサポートで意識していること
    • 1. 個人だけではなく、全体でのコミュニケーションをおこなう
    • 2. コミュニティは「顧客」ではなく「仲間」
  2. コミュニティ運営をサポートして感じた大事なポイント2つ
    • 1. こまめな連絡を取る
    • 2. ネタを振る
  3. ベストな距離感を保つためには状況の把握&定期的に会う
  4. コミュニティプランニング、コミュニティサポートのまとめ
  5. おわりに

コミュニティサポートで意識していること

コミュニティサポート担当者として、個人的に意識していることがいくつかあります。

1. 個人だけではなく、全体でのコミュニケーションをおこなう

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コミュニティに起こりがちなのが、コミュニティサポート担当が退職すると、それまでに築き上げられたコネクションが消滅してしまうということ。こういったケースを何度か目にしています。

自分としては、会社(もしくはグループ)の仕事としてコミュニティサポートをおこなっているのであれば、そのコネクションは会社やグループに残すべきだと思っています。また、担当が代わってもサービスとコミュニティのつながりが切れないのが健全な姿ではないでしょうか。このため、「ネットワークや人脈を属人的にしない」ということを、強く意識しています。

もちろん、人と人とのハブになる仕事は、どうしても「あの人がいないと話がまとまらない」という、ハブの立場ならではの状況も生まれやすくなります。しかし、サービスの啓蒙や普及がコミュニティサポートの大きな仕事である以上、「自分がいなくては話が進まない」という状況は、むしろ弊害が大きいものです。

 
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そのため、コミュニティが立ち上がった後は、自分だけでなく、会社のメンバーがそのコミュニティとつながりや交流ができるようにして、自分は目立たないぐらいになるように意識しています。

こうすることで、「担当者と担当者」という「点と点」のつながりではなく、「コミュニテイの皆さんとサービスを提供しているチーム」という、面と面のつながりになり、より互いの世界が広がっていきます。これは「コネクションを独占しない」と言い換えることができます。コミュニティとサービス提供者をつなげる上で、本当に大事なことではないでしょうか。

要点まとめ
  • ネットワークを属人的にしない(担当者がいなくても大丈夫な状態を作る)
  • 「点 対 点」ではなく「面 対 面」でコミュニケーションをおこなう
  • コネクションを独占しない

2. コミュニティは「顧客」ではなく「仲間」

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もうひとつ、自分がユーザーコミュニティに対して強く意識していることは

「コミュニティは顧客ではなく、仲間なのだ」

ということです。

ベンダーという立場にあると、どうしてもサービスの売上が気になります。コミュニティ活動を通じて売上が上がれば、企業の一員としては嬉しいことです。しかし、そのような意識を持ってコミュニティ活動に関わっていくと、決して互いに良い関係になりません。

AWSのマーケティング本部長であり、AWSの「日本のユーザ会(JAWS)」をサポートする小島さんは、折にふれて「Don’s Sell to the Community, Sell through the community(編集部訳:コミュニティに対して売るのではなく、コミュニティを通して外に影響を出そう)」という言葉を使います。僕も全く同意で、ビジネスコミュニティと一緒に活動するときは、この言葉を常に忘れないようにしています。

コミュニティ運営をサポートして感じた大事なポイント2つ

ユーザーコミュニティの皆さんの活動をサポートしていて、これは大事だな、と感じたことがあります。

1. こまめな連絡を取る

  • 定期的に連絡を取る
  • 活動がよく見えないときは様子を訊く
  • SNSなどで近況を把握する
  • 「集まる」「行動する」理由、きっかけを投げる
  • 停滞期はかならずある、相手が忙しい時は無理に声がけしない

2. ネタを振る

  • そろそろ何か勉強会をしませんか、といったネタを振る
  • 口出しはしない、対話をする
  • 各グループの運営方針には指示も口出しもしない
    • 気がついたことは伝える
    • 逆に、指摘を受けることもよくある
  • 常に対等な関係であることを心がける

 
「連絡を取る」「ネタを振る」ことは重要です。

コミュニティ活動に参加しているみなさんにはそれぞれ本業があり、われわれも日々仕事をしています。互いに仕事をしている以上、連絡が疎遠になることもあります。このため、ある程度の頻度で連絡をとったり、そろそろ何か勉強会をしませんか、というネタ振りをしたりしました。

そんな連絡がきっかけになって、再び連絡を取り合ったり、コミュニティ活動が活発になることもよくあります。

ベストな距離感を保つためには状況の把握&定期的に会う

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コミュニティの皆さんと話す機会が増えると、一緒に過ごす時間が増えていきますし、個人的にもどんどん親しくなっていきます。一方で、すべてのコミュニティユーザーに対して等しく平等であることも、コミュニティサポートの担当者にとってはとても重要なことです。疎遠になりがちなコミュニティのメンバーには、何らかの方法で接触を続ける必要もあります。

別の言葉で言うと「ベストな距離感」を保つように心がける必要があります。自分は、以下の事柄を気をつけるようにしています。

  • 相手の問題を把握する
  • 活動が鈍っているときは、何が問題になっているか状況把握する
  • 内政干渉はしない、過度に関わらない
  • 定期的に「会う」
    • 対面コミュニケーションは最強
    • 「会う」ことでなんとかなる問題は意外に多い

上記では「定期的に会う」というのを挙げていますが、どんなにネットが発達しても、対面のコミュニケーションはもっとも良いコミュニケーション手法です。なかなかお会いする機会ができないときには、なんらかの仕事を社内で作って会いに行くこともあります。

コミュニティプランニング、コミュニティサポートのまとめ

以上、コミュニティプラニングについて、いろいろと記述してきました。最後に、これまでに書いたことを、メソッド的にまとめておきます。

コミュニティプランニングの流れ
  1. コミュニティプランニングフェーズ
    ・現状分析をおこなう
  2. 誰とコミュニケーションをとるのか?
  3. 現状は?
  4. コミュニティプラニング –みんなが嬉しい、理想的な状態は何か?
  5. 実行プラン –そのために、なにをするのか?
  6. 体制づくり –誰と、どのように実行フェーズに落としこむか?
  7. 実際にコミュニティを立ち上げた後のサポートフェーズ
    ・コミュニケーションを取り合う
  8. 活発に動いているか、最近音沙汰が無いか
  9. 対話できているか、会う機会を作れているか
    ・面 対 面を意識する
  10. 属人的になっていないか
    ・コミュニティ活動を行う理由をサポートする
  11. 「集まる」「何かする」きっかけを投げる

おわりに

いろいろと記述してきましたが、自分もエバンジェリストとしてはかけ出しであり、試行錯誤の最中です。ときには私的な事情でコミュニティ活動に参加できなかったり、きちんとした言葉にできなかったりと、日々勉強を続けています。

今まさにエバンジェリストとしてコミュニティサポートをおこなっている方、あるいはこれからユーザーコミュニティを活性化しようと考えている方に、なにがしかの参考になれば幸いです。

一緒に頑張っていきましょう! そして、機会がありましたら、みなさんがどんな活動をおこなっているか、ぜひ教えてください!