「大切なものを犠牲にして、生かされてきた」甑島(こしきしま)に生まれた新施設”コシキテラス”に込められた思いとは

まさし


「大切なものを犠牲にして、生かされてきた」甑島(こしきしま)に生まれた新施設”コシキテラス”に込められた思いとは

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こんにちは☆ LIG長野チームの まさしで(@nightoooon)です。連日お伝えしている、鹿児島県甑島(こしきしま)で行ったリモートワーク企画「どこでもオフィス」のレポートも、今日で4日目になりました!

どこでもオフィスについてはコチラから ▼


 


 
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甑島は、のんびりと静かな時間が流れる島なのですが、町の方が団らんをしているような場所が少なかったりと、少しさみしい雰囲気も感じていました。

……そんな甑島に、なんと僕たちが滞在中「コシキテラス」という名前の、カフェ&コミュニティ施設があたらしくOPENするとの情報が! 
 

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これはさっそく遊びにいかねば! ということで、いざコシキテラス☆

コシキテラスにおじゃまします

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さぁさぁ、参加者合わせて総勢約15名でやってきました。こちらが新しく島にOPENした施設、「コシキテラス」です!
 

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本日OPENということで、入り口ではオープニングセレモニーが行われていました!
 

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島中の方が見守る中、和やかに進んでいきます。
 

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セレモニー後に行われる抽選会やお祝いの餅まきは、島の人みんなのたのしみ。わくわくしながら待っている、島のおばあちゃんたちがめちゃくちゃ愛らしい!
 

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……そんな中、見事に浮きまくる漆黒のディレクターの俺氏。完全に注目の的でした。

さっそく中に入ってみます!

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町の方と一緒に中に入ってみると、広々としたスペースが広がっていました。さまざまな用途で使えそうな、素敵な空間です!
 

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Wi-Fiもばっちり完備なので、軽い作業にも最適です! 疲れたら、海を眺めながら一休み。心も体もリラックスしながら仕事ができます。
 

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ディスプレイには美味しそうなパンがずらり。甑島では珍しいパン屋さん。たくさんの方が押し寄せていました!
 

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ランチも軽いものからガッツリなものまでレパートリーが豊富。野菜たっぷりヘルシータコライスは、何度でもリピートしたいウマさでした☆
 

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1番印象的だったのは、開放的なウッドデッキ! 晴れた日には、テラスに出て団らんも気持ち良さそうですよね!
 

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全員で並んでも広々、余裕です。ほんとうに居心地が良くて、ついつい長居してしまいました。
 

創設者にお話を伺ってみました

さてこの施設、どんな想いで出来上がったのでしょうか。コシキテラスの運営をする「東シナ海の小さな島ブランド社」代表のヤマシタケンタさんに、気になったので、お話を伺ってみました。

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AA9R0287-27 ヤマシタケンタ(東シナ海の小さな島ブランド社 代表 )
甑島生まれ。漁船の乗組員を経て、京都造形芸術大学に進学。その後、故郷の甑島にUターン。東シナ海の小さな島ブランド株式会社の代表として、鹿児島を中心にとうふ屋・ガイド・農業・宿運営などを展開中。

1番大切なものを犠牲にしながら、生かされてきた

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─ この島で「ビジネスをはじめよう!」と思ったのは何故ですか?

私がこの島でビジネスをするのは、ふるさとが好きだとか、地域を盛り上げたいという気持ち以上に、いまの子供たちが大人になった時もこの豊かな風景が続いていてほしい。そんな思いからです。

当時、実家の近くに小さな港があったんですけど、その港は自分にとってふるさとの原風景と呼べるような大切な場所だったんですね。夕方になるとどこからともなく人が集まってきて、大きな木の下にあるベンチで、みんなが夕涼みをはじめるんです。昼間は、麦わら帽子をかぶった漁師さんが、ラジオを聞きながら破れた網を繕ったり、猫が遊んでいたり。そういう何でもない、直接はお金に変えられないような暮らしの風景があちこちにあったのを、今でも鮮明に覚えています。

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私が高校生のとき、その港の風景は、建設関連の仕事をしていた父親によって姿を変えることになりました。「なんのための工事なのか」と、喧嘩腰の私に、父親はたった一言「お前のためだ」と言いました。そんな父親の言葉に納得できず、モヤモヤした気持ちで高校時代を過ごしていましたが、甑島には高校がなく、中学を卒業したら九州本土の学校に通う必要があるため、学費以外にも家賃もいるし、食費もかかるし、いろいろとお金がかかりますよね。私の父親も、移り変わる時代の中で、我が子をこの島から育てるために必死になって仕事をしていたんです。

自分の大好きだったふるさとの風景を、ある種犠牲にして自分自身が生かされているという事実に、大きな悔しさと矛盾を感じました。

その頃から、漠然といつの日かこの島に戻ってふるさとの未来をつくる仕事をしたいと思いはじめました。ですから、本当の意味で私たちの今日の働きを評価をしてくれるのは、これから生まれてくる子供たちなんじゃないかと思っています。

かつての賑わいを取り戻し、島をあかるく照らしたい

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─ コシキテラスは、どのようにして生まれたのでしょうか?

ここは、もともと数年前までは本土からのフェリーや高速船が停まる、船着き場だったんです。村の合併などもあり、定期船の発着がなくなってからは、主に観光遊覧船の出発港として利用されていました。でも、それだけではもったいないという声が多く、県や市としても「この建物を地域活性化のために活用しよう」ということになりました。そして、企画から提案、審査、ワークショップなどおよそ2年間に渡り、様々なプロセスを経てこのプロジェクトを任せていただけることになりました。
 

─ 昔賑わいがあった場所に、もう1度人と物が集まる拠点を作り直すということですか?

そうですね。僕たちはこれまでも、とうふ屋観光ガイド農業民宿など、島内で縮小してきた産業や今まさに閉じようとしていることを中心に、再び光を当てようと5年間続けてきたように思います。今回のコシキテラスも、初めての連続ですが、想いの根っこにあるものは同じだと。

今、甑島は、鹿児島県の離島で一番の高齢化率をいく島です。いわゆる限界集落。高校もなく若者の流出も激しい。それにともなって維持することが難しい施設やサービスが非常に多いんですね。ですから、失われることが多い一方で、それらを補完していく新しいものやコトを立ち上げていくことも大事な仕事だと感じています。

地域の抱えている課題に対して決して後ろ向きな気持ちだけではなく、もう少しポジティブに「今、だれも経験したことのないチャンスがきている」と考えることで、島のこれからを切り拓いていけたらと考えています。成功するかどうかはわかりませんが。

この場所から、島全体の未来を照らしていけるような「灯り」になりたい

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─ この先、コシキテラスをどんな場所にしていきたいですか?

将来的には「新しいことをはじめよう!」とか「何かにチャレンジしよう!」と、みんなが集まっていくようなスタートアップの場になれたらいいなと思っています。

まちぐるみで商品開発をしたり、試験的なイベントをしてみたり、「しまの実験場」として地域の人たちに活用していただけたら嬉しいです。また、学校の授業で使ったり、例えば放課後にここで塾を開いたりとか、子供たちのためにも活用してもらえたら嬉しいですね。
 

─ 「コシキテラス」の名前には、どんな想いが込められているのでしょうか?

「コシキテラス」は、テラス席の「テラス」という意味だけではなくて、地域を「照らす」という意味も込められています。「島の未来を照らす、港のテラス席」という想いを込めて、名付けました。

私の好きな言葉に「一燈照隅 万燈照国(いっとうしょうぐう ばんとうしょうこう)」という言葉があるのですが、小さな光を灯していけば、それはいずれ国全体をも明るく照らしていくことになるという意味だと捉えています。それは、この場所に生きる私たち一人一人が、まちの一隅に光を照らしていくことで、いずれは甑島全体が輝いて行くという意味のような気がしたんです。

もともとこの場所が、「港」という地域コミュニティの核だったことも見失わずに、自分もこの場所と一緒に成長していきたいものです。

まとめ:コシキテラスは「島を明るく照らす灯台」のような場所だった

いかがでしたか? のんびりと静かな時間が流れる甑島ですが、そこには、島の未来とまっすぐに向き合いながら進む、アツい想いを持った人がいました。
今日もコシキテラスには、きっとたくさんの人が集まっていることでしょう。また甑島に訪れたときには、食べそこねたおいしそうなパンをほおばりながら、お話を伺いたいと思います。

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それでは、また☆
 

今回の取材先:「コシキテラス」

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https://www.facebook.com/koshikiterrace/

Photo協力:長野竜成

 

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ディレクター

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