ギルド開発
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2016.06.17
LIG PR
#6
働き方インタビュー(ディレクター編)

地元名古屋のために僕らは発信しつづける。甲子園を目指す熱量で|アクアリング

タクロコマ

こんにちは、LIGライターズのタクロコマです。

突然ですが、あなたは地元のことがどれくらい好きでしょう? 地元をより盛り上げるために、長い年月そこで働くくらいの地元愛はありますか?

「僕らは地元名古屋で、『地方の公立高校でありながら、甲子園の決勝の常連校』になるような会社を目指しています」

こう語るのは、株式会社アクアリングの取締役でありプロデューサー、茂森仙直さん。ウェブとリアルをつなげるデジタルコミュニケーションで名古屋を盛り上げ、ウェブと連携したプロジェクションマッピング「ブラザー グリーンクリスマス 2014 snowflake memories」はDigital Signage Award 2015で入賞した実績をもっています。

今回茂森さんに、会社の未来を地域の発展に重ねて名古屋を盛り上げていこうとする理由、そして甲子園球児のような熱いモノづくりへの想いを伺いました。

A-7 人物紹介:茂森仙直
人材コンサル会社を経て、2001年アクアリング入社。大手上場企業を中心に、Webを主軸としたコミュニケーション戦略を立案するプランナー、プロデューサーとして10年以上従事。現在は同社鶴舞ラボにてデジタルコミュニケーション全般を視野に入れた特別チームを指揮している。

デジタルを通して人々のコミュニケーションをつくり、社会に影響を与え続けたい

A-6

─ 茂森さんはプロデューサーになってから約10年とのことですが、なぜこの仕事に就いたのでしょう?

就活の時期に自分が生まれてきた意味を考えたとき、「誰かのために何かを与えること」が人生の自己実現になると思いました。だからインターネットを通じて、情報発信をする仕事がしたくなったんです。

プロデューサーは企画を立て、お客さんをサポートしながらあるべき道に導く仕事。社会に対して影響を与え、同時に自分の存在価値を感じられるので天職だと思っています。
─ 2016年6月でアクアリングは17年目を迎えますね。社内のクリエイターと協力しながら、これまでどんな想いで活動してきましたか?

ざっくり言うと、「お客さまや社会の課題解決につながるコミュニケーションをつくりたい」、この想いで活動してきました。

弊社は、国内で数社しか導入できない大型のCMSを扱えることもあり、元々はウェブサイト構築を専門として戦っていました。特に中部国際空港のウェブサイト構築で「Webグランプリ2013 」のグランプリを受賞したことをきっかけに、全国的な知名度も上がり、ウェブ制作だけでなく「デジタルコンテンツを使って何かできないか」という依頼が増えましたね。

私たち自身も「これからの時代の効果的な広告手法にデジタルコンテンツははずせない」という考えから、プロジェクションマッピングやインスタレーションなど、デジタルとリアルを連携したコンテンツ開発も始めるようになりました。
─ 幅広く取り組まれているんですね。

そうですね。うちのクリエイターが常に新しいものを求めていたことや、お客さんの根本的な課題を解決しようとプロデューサーが動いた結果だと思います。お客さんと信頼関係が築けてくると、ウェブサイト制作だけでは限界があって、いろんな手法で解決ができるように幅を広げていきました。

目指しているのは「地方の公立高校でありながら、甲子園の決勝の常連校」

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─ ずばり、アクアリングが目指している姿を教えてください。

僕らは地方の公立高校でありながら、「甲子園の決勝の常連校」になりたいと思っています。

例えば高校野球の強豪校といえば、早稲田実業、PL学園でしょうか。中学時代は4番でエースになるような人材が全国から集まっています。つまり、1〜9番まで強打者ぞろいなんです。

弊社は強豪校でレギュラーになるような人でなくても、野球がとにかく好きで、実績もスキルもまだまだだけれど、甲子園で戦いたい!と思っている人間が集まっています。もちろん、中にはすごい人材もいるんですけどね。
─ 熱さを感じますね(笑) 強豪校だとレギュラーになれずにベンチを温めることも多いと思います。

逆に、うちはみんなレギュラーになってもらわないと困る(笑)バッターボックスに立ってもらいますよ。

熱血な先輩が、熱い想いがあるけれど技術が追いついていない選手を「がんばろうぜ」と引き上げていく泥臭いマインドがあります。弱小野球部が強くなっていく漫画っぽさを感じられるかもしれません。
─ 仕事でその甲子園っぽさはどのように現れているのでしょう?

生意気な話なんですけど、仕事をする以上はそのプロジェクトを成功させたいので、お客さんにも熱量をもっていただきたい。つまり僕らは常にお客さんとパートナー(仲間)になりたいと思っている。

だからこそ、「頼んだからあとはお願い!」ではなく、「課題に対して、とことんいいものをつくる」という姿勢で一緒に取り組んでくれるクライアントと仕事をしたい。だから直取引にこだわっているんです。やって意味のないことは、進んでやるべきではないと宣言しますし。
─ 同じ熱意をもって取り組みたいということですね。 「傲慢だよ」って言われることはありませんか?

まだ関係の浅いクライアントには言われるときもあります。でも、2〜3年経ってから「やっぱり、君たちが言っていたことは正しかった」って、もう一度仕事を依頼してくれるお客さんもいます。
─ モノづくりへのこだわりやプライドが認められる瞬間ですね。

場合によってはお客さんご自身で決めたRFP(提案依頼書)を、こちらで1から定めることもあります。課題を解決するための前提条件が違うと思ったら、再構築してご提案するのがうちのスタイル。サイトのリニューアルだけの仕事でも、彼らのビジネスを根本的に良くする提案をしようと心掛けています。

「新しい価値観を提供して、僕らのつくるものに投資価値を感じてもらう」

─ 国際空港やJリーグ、数々の上場企業のサイト制作など多くの制作実績があると思いますが、アクアリングさんのこだわりがわかるお仕事って、例えばどんなものがありますか?

名古屋にある熱田神宮の公式サイトをフルリニューアルしたプロジェクトは思い出深いです。

熱田神宮って、神社仏閣の中では伊勢神宮、出雲大社に次ぐほど格式の高い神社です。しかし、「神道の総本山である伊勢神宮をさしおいてウェブサイトを制作するなんて、でしゃばったことはできない……」という神社側の都合がありました。
─ そんな業界の都合が……。

でも、「インターネットを通じて発信していかないと、神道文化が廃れてしまう」。2年間僕らはそう言い続けて、熱田神宮の神主さんを説得しました。
神社の中を歩く体験ができる「熱田神宮」のサイトをつくったのは10年も前のことですよね? 未だに風化していないような印象をうけます。

ありがとうございます。このサイトが火付け役になって、他の大手神社仏閣もウェブサイトをつくり始めたんですよ。

他にも僕らの自主企画として、スポーツとITを掛けあわせた新しいボルダリングを提案しました。
─ ボルダリングって岩や石を登るスポーツのことですよね? 登るルートがある程度決まっていて、それをいかに登っていくかを楽しむスポーツだったような。

そうです。でも僕らは登った壁のエリアに色がつき、自分の面積を広く取れた方が勝者になるというルールをつくって、新しい遊びにしたんですよ。Wii U専用ソフト『Splatoon(スプラトゥーン)』のような原理です。

ボルダリング

※Splatoon(スプラトゥーン)とは:イカのようなキャラクターを操ってインクを撃ち、より多くの面積を染めたチームが勝つ陣取りゲーム。2015年に任天堂から発売された。

─ あたらしい価値観の提案ですね。なぜ、自主企画をやるのですか?

クライアントからすると、今まで世になかったものを生み出すことに、すぐに出資できるかというと難しいですからね。自分たちが創造するものに投資価値を感じてもらうために、実際にプロトタイプをつくるのが大切です。僕たちの技術ノウハウを蓄積したり、会社でチャレンジする風土を育てたりするために、ウェブサイト制作以外の研究にも投資しています。
─ 会社のブランディングにもなりそうですね。

この企画は反響があって、今まで接点のなかった企業からも既に問い合わせをいただいています。名古屋市鶴舞にある研究開発拠点のアクアリング鶴舞ラボラトリーでは、「創造的な企画に挑戦するからには世の中に知ってもらいたい」と常日頃から思い活動していますし。少なくとも同業の方には、アクアリングが何か面白いことやってるぞ!と思ってもらうことがミッションです。去年はTOKYO DESIGN WEEKにも出展することで、結構反響もいただきました。
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─ それを踏まえて、自主企画でおこなわれているようなデジタルとリアルの融合の今後の可能性についてお聞きしたいです。

ぼくらはこれを「デジタルコミュニケーション」と呼んでいます。今でこそ人の行動履歴を把握したうえで施策を打っていく潮流になっていますが、今まではウェブはウェブ、リアルはリアルと分断されていました。これからデジタルコミュニケーションがより流通すると、リアルとデジタルに一本軸が通るんですよね。
─ 今まで分断されていた人たちのデータが把握できると。

そうです、極端な話をしましょう。今までは音楽フェスに来た人がどんな理由で参加し、何が要因で盛り上がっていたのかわかりませんでした。それが例えばフジロックでは、「ノースエリアからサウスエリアに移動したことで盛り上がっていた、つまりエリア間を移動したことに何か要因があるぞ」という解析ができるようになります。

さらには、「フェスが終わったらAmazonやApple Storeで何の音楽を買ったのか」といった購買情報がわかるようにもなる。その人の行動履歴を横断的にマーケティングできると、ウェブとリアルが繋がるところにお金が生まれてくるんですよ。
─ 今までできなかった一気通貫したマーケティング活動が、一気にリアルになっていきますね。

僕らはもともとマーケティングからウェブ制作、デジタルコンテンツやリアルメディアの企画開発をやってきました。今後は、リアルとデジタルの一本軸を通したいですね。その両方をつくりきれる会社が、これからはより求められていくと思っています。

「名古屋は最高だよ」「地元が最高だよ」誇れるような場所をどうしてもつくりたい

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─ アクアリングの企業としての今後について、どのように考えていますか?

やっぱり仕事を通じて、名古屋を盛り上げたい。

なぜ名古屋なのか。僕の好きな登山で例えると、例えば東京近郊で週末に登山をするなら「高尾山」というイメージがあるかと思います。ですがこれ、1,000メートルにも満たない山なんですよ。けど長野に行くと3,000メートル級の山がごろごろある。にもかかわらず、一般的に知られている山は限られています。
─ 僕は剣岳(つるぎだけ)くらいしか知りませんね。

他にもたくさんあるんですよ。けれど、長野のように高い山がありすぎると目立たない。逆に関東は平野だから、小さい山でも目立てます。

僕らが目指しているところはこの例えと同じです。強豪ひしめく東京ではなく、名古屋でいいものをつくり続けていれば、高尾山のように、結果全国的に知ってもらうことができる。そういう意味で、名古屋に軸足を置くことで、バリエーションに富んだ、面白い仕事と出会えるチャンスが結構溢れているんです。

あと、名古屋のクライアントと取引するにあたって、地元以外の制作会社の参入はハードルが高いと聞きます。特に、長くパートナーシップを築くという点で。実際、密なコミュニケーションを求められるので、私たちの文化とはとてもマッチしていると感じています。だから名古屋に軸足を置き、クライアントの相談役となることがビジネスのメリットになると思いました。だから腹をくくったんです。

レベルの高い激戦区で地区予選止まりより、地方でいつも泥臭い試合をするけど、甲子園に立てるほうが嬉しいですよね。だから僕らは「名古屋をベースに発展していく」と腹をくくったので、名古屋から発信することは自分たちのためにやっているんです。
─ なるほど。「名古屋を盛り上げたい」という想いも含めて、茂森さんはアクアリングで何がしたいですか?

自分だけでなく周りの人たちも、「名古屋は最高だよ」「地元が最高だよ」って誇れるような場所をどうしてもつくりたい。うちの会社がもっと秀でたことができたら、結果的に地域も発展するでしょう。名古屋では「アクアリング」という名前をあげていただくことが多いのですが、まだ役割を果たせていないと思う。

僕は都市に対する誇りや愛着を意味する「シビックプライド」という言葉が好きです。僕は会社の半歩先を、地域のことも含めて考えていきたい。クリエイターが名古屋で創作活動をすることで地域を盛り上げていく。ここでつくるおもしろさを全国に発信していきます。面白い野球は名古屋でもできるぞ!と観ている人に思ってもらえるように。

インタビューを終えて

お客さんが困っている現場に足を運び、話を聞く。そして、リアルとウェブを交えたデジタルコミュニケーションを活用する。たとえお客さんが決めたRFP(提案依頼書)を覆しても、一番いいと言えるものを提案したい。

このような手間を惜しまない理由は、常に地域のお客さんの立場に立っているからだと僕は考えます。その土地に根を張り、地元民に応援される企業の魅力を感じる取材でした。


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