こんにちは。エディターのせぶやです。
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人物紹介:せぶや Webの編集者。昔オンラインの決済を売っていたので、ECの事情に少し詳しい。青森県出身。さいきん5kg太った。 |
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ここ数年で中国人の観光客はすごい増えてますよね。中国人による「爆買い」も「2015ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされたし。
これはもしかしてチャンス……!?
中国で商売をするべき!?
てことで来日する中国人や市場を調べていたら、予想以上に伸びていることが分かりました。まずは結果からどうぞ。
伸び続ける中国の市場
まずは来日する中国人の数を調べます。上の数字は来日した中国人の数。かっこ内の数字は、前年度からの成長率です。
ここ数年で中国からの来訪者は倍以上に増えた
※出所:日本政府観光局より作成
2015年は、499万人もの中国人が日本へ訪れている結果に。2013年と比べてなんと3.5倍以上! この勢いなら2016年はもっと増えそう!
出所:青森県人口移動統計調査より作成
青森県の人口が約130万人なので、青森県の約3.5個分が中国から日本にきていることに!
越境ECの市場は1兆円を超えそうな勢い
では越境ECの市場はどうなのか。下記は中国人が日本から購入した額をグラフにしたものです。上の数字は市場規模を、かっこ内の数字は前年度からの成長率です。
※参考:平成 26 年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備より作成
キレイな右肩上がり。今年は1兆円規模の市場に成長しそう!
世界で見ても圧倒的にでかい中国市場
世界からみた中国の市場も調べました。
※引用:平成 26 年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備
で…でかい(確信)
日本の6倍はあるぞ! 圧倒的じゃないか中国は!
中国に住んでいたことのあるひゃくいちに中国のEC事情について聞いてみた
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人物紹介:ひゃくいち 元LIG社員。中国で会社の立ち上げを経験したり、出版社にいたり、宣伝会議でグランプリをとったりしたすごい人。いまは面白くて変なことを考えている会社『株式会社人間』に所属している。 |
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中国でECサイトやったら儲からないかな?

絶対に儲かりますよ。

マジか。やろう。

中国ってものすごく独特な商習慣があるので、それを知らずにビジネスすると命取りなんです。

え

楽天やYahoo!でさえ、中国から撤退しているほどなのでオススメです。
参考:産経ニュース

え、リスクしかないじゃん(笑)

絶対に儲かりますよ。

(ダメだこいつ。ちゃんと専門家に話を聞こう)
スターフィールドさんへ中国のEC事情について聞いてみた

今回お話を伺うのは、中国向け越境ECを得意とするショッピングカート『LaunchCart(ランチカート)』を提供しているSTERFIELD(スターフィールド)代表の星野(ほしの)さんとマーケティング担当の何(か)さん。LaunchCartは多機能なのに安い! 中国の決済が3つも使える!
とにかくすごい!

紹介の仕方、雑すぎませんか?
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人物紹介:星野さん 2007年にスターフィールド株式会社を設立。以来ECサイトの企画・開発に携わる。2012年に自社でもECサイト(カラコン)の運営を開始、現在では月商1500万円まで成長。現在はあらゆる日本企業を世界進出させるべく越境ECの普及に力を注ぐ。 |
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人物紹介:何(か)さん 1999年に来日、東洋美術学校グラフィックデザイン科卒業後、都内のデザイン会社で、トヨタ、資生堂、花王、ワコールなどの中国向け広告デザインを担当し、その後、別のデザイン会社に移り、ファッション雑誌CanCam掲載のタイアップ広告編集を担当した。現在は中国向けECのプランニング、マーケティングを担当している。 |
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カートの紹介は後ほどさせていただくとして、本題に入ります。中国での越境ECって税関・配送・返品・言語などのリスクがありますよね。そのリスクってどう回避したらいいですか?

そうですね。順を追って説明します。
今の税関はそこまで荷物を止めらない?

たしかに中国の税関は厳しいのですが、中国も法制度や流通制度がようやく整いつつあって、今は荷物を止められることはほとんどありませんよ。わたしの経験上、1,000個送ったら1個止められるかなといった感触です。

意外に少ない。では税関におけるリスクってあまり考えなくていいですか?

ただ、全く経験のない人がやると難しいかもしれませんね。なんかすごく地味なテクニックなんですけど、荷物に貼るインヴォイスは手書きのほうが良いとか。あと大きな荷物は目立つので箱が開けられやすいとかはあります。

地味だ……! でもそういうの知らないと絶対できないですね。
追跡もできるし、壊れることはあまりない

配送についても教えてください。中国ではモノが届かなかったり、商品が壊れていたりすると聞きますがどうでしょう?

今は届かないとか、壊れることは少なくなりましたね。そもそもしっかり梱包しないとEMS(※)で送れないですし。配送している人の名前や電話番号もでるので、万が一配送中に壊れたり、商品を盗んだりすれば、配達してるスタッフの給料が減給になります。

なるほど。減給はイヤですね…。その辺は日本より厳しいのかも。
返品対策には、条件をつけて購入してもらう

中国では返品が多いと聞きます。なかにはプロのクレーマーもいるとか。

返品を減らすには最初の説明が大切ですね。未使用品で7日以内であれば返金交換はOKという法律があるんですが、さらにお店で細かいルールを決める必要があります。

細かいルールですか。

たとえば返品交換は、「商品が到着して7日以内で、未使用である場合、送料はお客さまの負担でEMSでのみ対応します」。最初にこの条件を提示し、お客様がそれで問題ないと言ったときのみ、商品を販売します。

合意しない限り商品は売らない。 たしかにそれで返品の数は減りそう。プロのクレーマーにはどう対処するんですか?

まず原則として、こちら側が損をしても相手に利益を与えないことが大切です。

なぜですか?

いちど応じてしまうと、プロのクレーマーの間でリストが出回るんです。あそこの店は狙い目だぞと。なので、お客さまから商品が壊れたから修理代をくれと言われても応じてはいけません。壊れた商品を返品してもらい、新しい商品を送る対応をとります。
中国のECはチャットが活発

越境ECをやる場合はサポートとかどうすればよいですか?

当たり前ですが、中国語ができないと商売できません。中国はECで買い物をするときに、チャットで店舗とやり取りする習慣があるんです。要望も質問もクレームもばんばん来ます。それには即レスが基本でして、もし対応が遅かったらそれだけでもお店の評価は下がっちゃいますよ。

シビアな世界なんですね。今この瞬間も、かさんのiPhoneめっちゃ鳴ってますね。大丈夫ですか?

お客さんからです…。早く返信しないと(笑)
微信(ウェイシン)と微博(ウェイボー)をやらないと中国では勝ち上がれない!?
微博(ウェイボー):中国版のTwitterのこと。日本人だとタレントのあおいそらが1590万人のフォロワーを獲得していることで有名。

中国でECをやるならどのように展開していけばいいですか?

まず中国人がみんな使っているSNS、『微信』と『微博』をやること。あとは『淘宝(タオバオ)』や『天猫(テンマオ)』のモールに出店することですね。
淘宝と天猫は日本で言うと、楽天市場やヤフオクに当たるものです。

御社のLaunchCartは、独自ドメインの自社サイトで越境ECができるものですよね? 正直それだけで十分な気がするのですが、淘宝や天猫にも出店するのはなぜですか?

中国では淘宝や天猫といったアリババグループのプラットフォームが強過ぎるんです。自社ECサイトを持つにしても、淘宝や天猫にも併せて出店しないと、誰にも見つけてもらえず土俵に立てないんです。
また、中国人は中国で販売しているものをとても警戒しています。偽物を売られたり、騙されたり。

中国人は中国人を信用していないということですか?

そうです。淘宝や天猫は出品者に評価がつくようになっていて、みなここについているダイヤとか王冠の数で判断します。まずこのプラットフォームで信用をあつめることが重要です。

『千牛』という淘宝のアプリがあるんですが、これは消費者とチャットをするためのアプリです。これを使ってお客さんとやり取りを重ね、さらなる信用を得られるようにします。信用が得られれば、自社サイトに誘導できますよ。

つまり淘宝に商品の一部を出品して、その後のチャットアプリで自社のサイトのことも宣伝する。しかしそこで購入してもらうには出品者の信用が必要だと。
購入者は出品者の評価をみて購入する[/caption]
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信用を得るためにも微信と微博は重要です。中国人は欲しいものがあると、お店やブランドの微信と微博などで、情報を集めます。気になる商品があれば、微信と微博から在庫の確認や価格交渉をします。
なるほど。中国でECを展開するうえで、ユーザーに自社サイトを知ってもらうためにチャネルを増やす必要がある。それには、淘宝や天猫。微信や微博といったSNSが重要なんですね。
- 中国でECをやるときのポイントまとめ
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- 市場…今年は1兆円規模の市場に成長しそう
- 税関…昔ほど止められることは少なくなった。地味な小技がある
- 配送…今は壊れることは少なくなった。ドライバーの情報も分かるし追跡も可能
- 返品…購入時、お客さまに条件を提示してから購入してもらうことで返品の数は減らせる。プロのクレーマーには絶対に得させないこと
- 言語…中国語ができるスタッフは必須。日本と違い、購入前のお店との折衝があり。レスポンスのスピードが信用に直結する
- 信用…淘宝や天猫などのモールに出店する。微信や微博で情報発信とユーザーとのコミュニケーションをおこなう
2016年は越境EC元年。これから自分たちの力で売れるようにしなければいけない

ショッピングカートってピンからキリまでたくさんあるじゃないですか。正直レッドオーシャンだと思うんですけど、ショッピングカートを作った理由を教えてもらえますか?

理念みたいな話になっちゃうんですけど、もともと創業当初からECをやりたかったんですよ。先日のシャープの件もありますし、さいきん国内でメーカーの力って弱まってきてますよね。でも越境ECの市場って年々伸びているじゃないですか。とくに中国なんて世界で1番大きな市場です。
これから国境関係なく商品が行き交う時代が必ずきます。そのときに、日本企業が世界で戦えるイーコマースシステムを作りたかったんです。

熱い……!

中国でもようやく環境が整いつつあり、2016年は越境EC元年になるはずです。誰にとっても今がチャンスなんです。
弊社はECシステムの販売だけでなく、中国のSNSの運用や淘宝の出店代行、配送代行など中国人スタッフが中心になってワンストップでおこなっています。中国でモノを売りたいと思っているお客さんのお役にきっと立てると思いますよ。

ありがとうございます。もともと決済を売っていた立場でお話しすると、この定期購入や予約機能がついてるカートって案外少ないんですよね。そして『WeChat Payment』まで搭載しているカートはおそらく日本初じゃないかと。これで中国で使われている決済はほとんどカバーできますね。

はい。とはいえ中国市場がどんなに盛り上がっても、日本とはやはり勝手が違います。売る商品によってできるアドバイスも違うので、まずは気軽にお問い合わせください。
高機能なLaunchCart(ランチカート)は、国内も越境もカバーする
LaunchCartは、定期購入や予約機能のほか、倉庫連携やWordPressレベルのCMSが搭載、通常のショッピングカートとしても優秀な機能を兼ね備えているほか、中国市場へ進出するための機能として、3つの決済手段やモールの出店代行、配送代行、SNS運用などかゆいところに手が届くサービスです。
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