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2016.04.13
LIG PR
#42
働き方インタビュー(経営者編)

「怖くてトイレにこもってた」異例の抜擢人事に込められた狙いと企業風土に迫る|グリフォン

田中雅大

こんにちは、LIGライターズの田中です。

まもなく新生活シーズンですが新卒採用のアンケート調査を見ると、今年もまだまだ売り手市場が続いているようです。自分がそこで働くことによって、何が得られるのか。新卒だけでなくキャリア採用も含めて、働く側の視点に寄った「自己実現」「従業員エンゲージメント」といったキーワードが注目されることが多くなりました。

しかし組織で働く以上、自己欲求を満たすだけでは成果につながるとは限りません。今回インタビューをさせていただいた株式会社グリフォンの代表取締役社長・山本太郎さんは「組織とベクトルが一致していることが何より大事」と話します。

スマートフォンやPC向けのオンラインゲームの開発・運営を手がけるグリフォン。これまでに『不良遊戯 シャッフル・ザ・カード』『アイドルうぉーず~100人のディーバと夢見がちな僕~』などのヒット作を生み出してきました。そして創業4年目を迎えた現在、従業員数100人規模の会社に発展しています。

同社が社員に対して求めているものは、「自分が責任者であるという意識」。今回のインタビューでは代表取締役社長の山本太郎さんに加えて、内定者として大学在学中でありながらプロジェクトリーダーに抜擢された近藤理紗さんに、これまでの歩みや今後の展望、そして同社が求める人物像について話を伺いました。

Poole:アイコン_02 人物紹介:山本 太郎
2005年に立命館大学卒業後、サイバーエージェントに入社。インターネット広告事業本部でマネージャー、局長を務めた後、2010年に芸能人ブログのマネタイズを行う子会社を立ち上げ代表取締役に就任。その後、女性向けゲームの企画・開発会社の代表を経て、2013年2月にGREEとのジョイントベンチャー、株式会社グリフォンを設立し代表取締役に就任。
Poole:アイコン_01 人物紹介:近藤 理紗
慶應義塾大学在学中の2015年3月サイバーエージェントの内定者アルバイトとして、子会社のグリフォンに入社。新規ゲームの立ち上げ、運用を担当した後、2015年11月より新規ゲームのプロジェクトマネージャーに就任。2016年4月よりサイバーエージェントに新卒入社。

リリース3週間で撤退を迫られた1作目。嵐の船出となった創業期

グリフォン様_記事04

 
─ 創業4年目を迎えるグリフォンですが、改めて代表取締役社長就任の経緯を教えてください。

山本:サイバーエージェントに入社してから、子会社を2社立ち上げて代表を務め様々なビジネスにチャレンジしましたが、どれも思うような結果を出せず苦しい時期が続きました。ちょうど、2つ目の会社の撤退を決めたときに、サイバーエージェント副社長の日高から「新しく設立するゲーム会社の社長をやってみないか」と打診を受けたのがきっかけです。

失敗続きだった私にもう一度チャンスをくれたことに、正直驚きました。

 
─ 不安はありましたか?

山本:不安よりも今度こそ絶対に結果を出さなくてはいけないという思いが強かったですね。責任を取るというのは辞めることではなく挑戦し続けていつか成果で報いることだと思っていたので、「やらせてください」と即答しました。

ところが設立直後にリリースした1作目のタイトルで大きなシステムトラブルを起こしてしまい、わずか3週間で撤退するかどうかという判断をしなくてはならなくなりました。

 
─ いきなり厳しい船出ですね。その後、どのように会社を立て直されたのですか?

山本:グリフォンはサイバーエージェントとグリーのジョイントベンチャーとしてスタートしたのですが、1作目の失敗に加えて、急激な市場の変化など設立前の両親会社の期待とはかけ離れた状況となってしまい、ゼロから事業計画や会社のあり方を決め直す必要がありました。

その後、再起をかけて残りの資金を全て投入してリリースした2作目のタイトルが何とか立ち上がり、そこから徐々に会社を軌道に乗せることができました。

 
─ 起動に乗りはじめて、ホッとされたのではないでしょうか?

山本:そうですね。明日にも会社が潰れてしまう、という状況は脱しましたが、もっと大きな成果を出さなければ自分たちの存在意義はないと考えていました。
そこで、2作目を運用する傍らで、追加で資金調達を行い、3作目の開発をスタートさせました。

役員同士でさえ最初から一枚岩ではない。修羅場での本音の対話がチームの結束力を生む

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─ 設立2年目でリリースした3作目のタイトル『不良遊戯 シャッフル・ザ・カード』以降、グリフォンから人気タイトルが次々と生み出されていますね。何かヒットのコツのようなものを掴んだのですか?

山本:メンバーが経験を積んで開発の効率や精度が上がったのは間違いありません。ただ、ユーザーに支持される作品を作れるかどうかというのは、あくまでその時代時代での相対的な競争なのです。我々が成長している間にライバル会社も日々進化していますし、トレンドというのも水物で移り変わっていきます。

そこで、3作目以降はよりエッジの立った作品作りを強化しています。私自身が直接、話題となる仕掛けやグリフォンの強みを活かせるポイントは何か、客観的な視点で考えた上で、プロデューサーと擦り合わせて企画を決定するようにしています。

 
─ これまでの苦労や経験があった分、喜びも大きかったのではないでしょうか。

山本:サイバーエージェントグループの社員総会でグリフォンのメンバーが表彰を受けたり、「GREE Platform Award」優秀賞を3年連続いただけたり、会社の知名度も徐々に上がり色んな形で作品やグリフォンという組織、それにかかわる個人が評価を受けるようになったのは素直に嬉しいですね。

 
─ 創業時と比べて、スタッフの結束力に変化はありましたか?

山本:やはり、修羅場を乗り越えたチームの結束力は強いな、と思いますね。会社を作ったからっていきなり一枚岩の組織が作れるわけではありません。
これは例えば役員同士でさえそうで最初は一人一人思っていることも微妙にバラバラだったりします。こういうのは実際に仕事を始めてみないと見えてこないのです。最初はみんなポジティブな未来しか考えていないので。

それがピンチの状況になって初めて一人一人のズレが表面化して、そこで衝突を恐れずに本音で対話をできるかが問われます。正論を言って相手を突き放すのではなく、チームで結果を出すんだという前提を忘れず取り組めるかどうかが試されます。

グリフォンは、役員やメンバー同士の仲が良いとか一体感があると言われることが多いのですが、これも辛く苦しい時期を乗り越えてきたからだと思っています。

大学生ながらプロジェクトリーダーに抜擢。「最初は毎日が不安だった」

グリフォン様_記事03

 
─ 今日はグリフォンの次世代を担うメンバーの代表として、近藤さんに来ていただきました。若い方が多いグリフォンのメンバーのなかでも、近藤さんはこの3月まで大学に通いながら、内定者バイトとして勤務されていたそうですね。

近藤:はい。私は、元々アニメやゲームが大好きなのですが、ゲーム系で伸びていて勢いのある子会社があると聞いたのがグリフォンに興味を持つきっかけでした。
ただ、ゲームの仕事に関われることは嬉しかったのですが、果たして「一戦力として認めてもらえるのだろうか」と不安を感じていたのも事実です。

 
─ 学生だからという甘えが通用しない、というお考えだったんですね。その後、グリフォンを選んだ理由は?

近藤:一度グリフォンの役員と面談をさせてもらったのですが、そこで私が入社したあとの仕事内容やキャリアについて丁寧に説明してくれたんです。まだ戦力になるかも分からない学生に対して、ここまで真剣に向き合ってくれるんだということに感動して。そのあと、自分はここでちゃんと成果を出して、一戦力として認められたいと思いました。

 
─ 最終的には事業内容ではなく働く人が決め手になったと。

近藤:ゲーム事業に興味があったのは間違いありませんが、まだ実績も経験もないのに最初からあれこれ選び過ぎるのは違うと思っていました。また、どんな仕事内容や環境でもまずは任されたことを精一杯やろうと決めていました。ただ、最終的に組織は人が作るものなので人は重要だな、と。

しかし、実際に現場で働き始めてみると当然分からないことだらけなのですが、どこまで質問をしていいか、相談していいかも分からず戸惑ってばかりでした。しばらくするとプロジェクトリーダーを任されることになったのですが、リリース直前になってバグが発覚したり、プレッシャーの中でどうしようと悩んでトイレにこもったときもありましたね。

ただ、山本からは、「最後は近藤がどうしたいか、自分の頭で考えて、自分で決断することが大事だよ」と言われて、それで吹っ切れて失敗を恐れずガツガツいこうと自発的に動けるようになりました。

 
─ 山本さんにお伺いしたいのですが、近藤さんをリーダーに抜擢した理由はなんですか?

山本:まず第一に、当時、近藤に任せたのは社内で一番小さなプロジェクトだったんです。でも、成功すれば今後の会社の可能性を拡げられるという意義のあるものでした。そこでプロジェクトの規模の大小ではなく、任されたことを全力でやり切れる若い人向きの仕事だなと思ったんです。

次に、次世代を担う人材を育てたいという思いもありました。結局、横について手取り足取り教えるよりも、「これは自分の責任だ」と思える仕事を任される機会や環境が一番の育成になるというのが私のマネジメント理論なんです。そういう意味では彼女の抜擢はとても合理的な判断だったと思います。

結果、プロジェクトも見事に目標を達成して、彼女はサイバーエージェントのゲーム部門全体の表彰の場でベストプランナー賞を最年少で受賞しました。当初はグリフォンの中ですらあまり知られていない小さな仕事も、一生懸命やり遂げれば評価されるような大きな成果を生む。年齢や性別は関係なく挑戦する人を応援するというサイバーエージェントの文化をグリフォンでも体現できたエピソードになりました。

 
─ 近藤さんにとっては担当プロジェクトが大きな評価を得て、逆に実績がある分、4月から新卒社員としてはハードルの高い位置からのスタートとなりますよね?

近藤:同期と比較するというよりも、自分が任されていることの責任の大きさを痛感する毎日です。表彰していただいたときは、嬉しかったですが、今はまた新たなプロジェクトを任せていただいているので、ずっと緊張感が続いています。

私のミッションは、いかにヒットするサービスを創れるかを追求し続けること。プレッシャーは大きいですが、とてもやり甲斐のある仕事だと思っています。

活気や一体感を大事にしたい。チームで成果を出すことの楽しさがグリフォンのコアにある

グリフォンさま

 
─ 今、グリフォンでは100人前後のスタッフの方々が働いています。採用に関して重視していることはありますか?

山本:スキルが高く経験の豊富な方というのは大歓迎ですが、最も大事なことはグリフォンの価値観や大事にすることとシンクロできる方かどうか、その上で互いに一緒に働きたいと思えるかどうかを重視しています。

 
─ 人間性を重視するということですが、グリフォンの価値観や大事にすることというのは具体的にはどういうものなのでしょうか。

山本:設立から3年が経ちますが、これまでは明確に会社のビジョンというのは決めてきませんでした。現実としてまずはこの厳しい競争環境の中でサバイブすることが大前提で、上辺だけの言葉を掲げてキレイごとをいう会社にはしたくなかったからです。

しかし、事業も軌道に乗り、今後、会社が中長期で継続的に発展していくためには言語化されたビジョンなども必要になってくると感じています。現状、明確なものはまだ決まっていませんが、この3年でグリフォンらしさとは何なのか、組織のカラーみたいなものは出てきました。

例えば、グリフォンでは組織の活気や一体感を大事にする文化があります。これは私を中心に役員のタイプからくるものだと思うのですが、仕事を仕事と割り切って黙々と働くというよりも、よく一緒に飲みに行ったり、仕事以外でも時間を過ごしたりと仲が良いのです。
また、目標を決めてみんなで達成する、チームで成果を出す、ということにこだわっているのも特徴です。そのために役員やプロデューサーもよくメンバーを見ています。リーダー以上の集まる会議で最も時間を割くのも人の話しだったりします。

グリフォンで働く人には、こういった組織で仕事をすることが楽しいと思えるか、やりがいと感じられるか、また自分自身もそんな組織を作る一員としてオーナーシップを持てるかどうかが大切だと思っています。

 
─ それでは今後の展望について、まずは近藤さんからお伺いできますか。

近藤:まずは自分のプロジェクトをヒットさせることです。その結果、グリフォンが提供するサービスを多くの人に知ってもらうことが目標です。

 
─ グリフォンの成長と、近藤さん個人の成長がつながっているということですね。では山本社長が考えるとグリフォンの展望とは?

山本:展望というほど大それたものではありませんが、グリフォンらしさを大事にして会社を発展させていきたいと思っています。

例えば、近藤のケースもそうですが、年齢や性別に関係なくその人の得意分野や情熱から一つのプロジェクトが立ち上がったりします。そこで彼女がリーダーとなりゼロから仲間を集めて挑戦する。もちろんそこには大変な苦労もあるのですが、彼女のチームはみんなで集まって楽しそうに企画の話をしている場面をよく見ます。

そういうチームがたくさんあって、これからも増えていって、グリフォン全体がより活気や一体感のある組織として進化していく、結果、この渋谷の街の片隅から日本の誰もが知るような唯一無二の会社を作りたい、そんな風に思っています。

インタビューを終えて

スマートフォンやPC向けのオンラインゲームを何本もヒットさせているグリフォンですが、「ゲーム事業しかやらないと決めたことは一度もない。市場の変化と個人の情熱や適性の掛け算にチャンスを見出せれば、型にとらわれずいろんなことにチャレンジしていきたい」と話す山本さん。

過去の実績に満足せず、メンバーを信頼して責任のある仕事を任せる企業風土からは、今後も若い才能が次々と開花していく予感がしました。

 


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