NTTドコモ様_dカーシェア
NTTドコモ様_dカーシェア
2016.05.27
#1
ランボー 怒りのマーケティング

面白ければ結果はすぐ出る!?コンテンツマーケティングで失敗しがちな“思い込み”の罠

壽 かおり

はじめまして。Six Apartのことぶきです。
CMSプラットフォーム『Movable Type』を提供している会社のオウンドメディア、Six Apartブログの編集長をしております。今回は「なぜ、コンテンツマーケティングがうまくいかないのか」というお話を書かせていただきます。

はじめに

「想定読者(見込み顧客)にとって価値あるコンテンツを提供すればきっと成果に結びつくはずだ!」と期待しているのに、なかなかうまくいかないとお悩みではないですか? それは、もしかしたら読者に期待する行動が現実的でなかったり、想定している対象読者があいまいだったりすることが原因かもしれません。

コンテンツマーケティングのありがちな失敗原因について、Web担当者フォーラムの連載記事でおなじみのSEOやインバウンドマーケティングの情報やツールを提供する企業 MOZ のファウンダー兼ブロガー Rand Fishkinさんが解説しているスライドを見つけました。

このランドさんのスライド「Why Content Marketing Fails (なぜコンテンツマーケティングは失敗するのか)」をベースに、Six Apartブログの経験から学んだコンテンツマーケティングの失敗事例をご紹介します。

たいていのコンテンツマーケティングの努力はうまくいかない

冒頭(P4~P8)でランドさんは、「たいていのコンテンツマーケティングの努力はうまくいかない」と断言します。思い切って投資して、高い期待値とともに張り切ってローンチにこぎつけても、「さっぱり読まれないし、シェアもされない」となるケースが多いと言います。

ランドさんは、コンテンツマーケティングが失敗する原因の一つを、「コンテンツマーケティングにまつわる”大いなる思い込み”のせい」と指摘しています。

企業にとって都合の良い行動パターンで読者が行動するという“思い込み”

ランドさんが指摘する企業の思い込みとはこういったものです。(P16前後)

ソーシャルから記事にたどり着いた読者はその場で中身を熟読し、素直にホワイトペーパーのダウンロードバナーをクリックし、すんなりと大量の個人情報を入力して申し込み、ついでにメルマガにも登録し、さらにはすべての公式SNSをフォローしてくれるはず。そう、コンテンツさえ面白ければ!

mozcontentfail_dream_01

つまり多くの企業は

  1. 「コンテンツを作る」
  2. 「誰かがクリックする」
  3. 「(購買や申し込み等の)アクションが起きる」

という流れを期待しているわけですが、現実はそう甘くありません。訪問者は初めて目にするオウンドメディア(やコーポレートサイト)を完全には信用せず、距離を置いています。

仮にそのコンテンツが素晴らしい内容で、猛烈にバズったとしても、読者がメディア運営者を信頼するかどうかは別問題。人(&組織)を信頼できると確信できるまでには、ある程度の時間がかかるものです。

では、現実の世界では、読者はどう行動するのでしょう?

読者がファン化するまでのプロセスは、一直線ではない

実際はこのようなプロセスを踏みます。

さーて、Twitterでも眺めるか……ふ~ん、ハイハイ、へぇ~、なるほどね……。Facebookもちょいと見てみよう……ほほう、こんなニュースがあるのねぇ、○○さんがいいね!している記事タイトルがちょっと気になるからクリックしてみるか……どれどれ……初めて見るサイトだなぁ……だけど、面白いし、響くものがあるから、もうちょい寄り道して覗いてみるか……

というように、あちこち出たり入ったり、クリックしては離脱したりを繰り返します。

そして、なんとなく気に入ったサイトに数回出会うことで、「なんだかこのサイト、使えるかもしれない」と気づくのです。

ここからが重要なのですが、読者はいきなりアクション(購買とか会員登録など)はせず、いったん離脱します。そして再びニーズを感じたときに、「あのサイトに行きたいんだけど、URLなんだっけ?」となり、自然な流れで検索して「そうそう、このメディアだった!」と発見し、再訪問にいたります。訪問者はあっちに行ったりこっちに行ったりしながら、一歩一歩メディアと信頼関係を形成していくのです。

初めて訪れた読者がファンに成長するまでのプロセスは、一直線ではないのです。
ランドさんは、その流れをこう表しています。(P29)

mozcontentfail_dream_02

 

  • 「コンテンツを作る」
  • 「誰かがクリックする」
  • 「面白いと思ってくれれば覚えてくれる」
  • 「別のコンテンツを求めて再訪してくれる(かも)」
  • 「コンテンツに繰り返し触れることで、徐々に信頼関係が構築される」
  • 「必要に応じて購買(or 申し込み、メルマガ登録)等のアクションをする」

 

 

自分のことに置き換えてみてください。似たフローで行動しているのではないでしょうか。我々は、たくさんシェアされている記事があるからといって、そのメディアのメルマガをホイホイ登録しませんし、買い物かごに商品を放り込むこともしません。人間はもうちょっと慎重なものなのです。

一つ一つの訪問の結果で判断せずに、ブランドとの関係性づくりと考えるべき

さらにランドさんはこう語ります。(P31〜P32)

「Content marketing about earing familiarity, trust, and relationship」
(コンテンツ・マーケティングとは、親密性、信頼、関係性を築くことである)

「Maybe sale come. Maybe not. Smart cave marketer no care. Smart cave marketer know every visit chance to build relationship. Maybe earn fan. That good enough.」
(購買につながるかもしれないし、ならないかもしれない。賢いマーケターはそれで一喜一憂しない。賢いマーケターはひとつひとつのサイトへの訪問が、関係性を作る機会だと心得ている。ファンが生まれればそれで良しとするのだ)

コンテンツ単体からの直接的・短期的なコンバージョンをやみくもに追いかけ(そして結果が出にくくて消耗してしまう)のではなく、ブランドに対する親密性・信頼・関係性を少しずつ築いていくコンテンツづくりをしていくという姿勢が重要です。

特定のコミュニティの反応を意識したコンテンツ作り、できていますか?

また、コンテンツの面白さ“だけ”ではバズりません。ランドさんは自身の経験から、「コンテンツがバズるのは特定のコミュニティの人たちにひらめきを与えたときである」と語ってます。

その記事は、コミュニティのみなさんが建設的な議論を始めるきっかけになるでしょうか。記事を作るときは「誰が、どんな思いを持ってこのコンテンツを拡散してくれるだろうか?」というところを考えましょう。

Six Apart ブログでも、「【無料DL】オウンドメディアの目的・対象・価値を俯瞰するためのフレームワーク「オウンドメディア・キャンバス」を公開します」という記事では、『主催するオウンドメディア勉強会のコミュニティ参加者』という特定の人に反応してもらえることをイメージしながら作りました。オウンドメディアを始めようと思ったときに、事前に考えておくべきことはたくさんあります。フレームワークがあれば彼らが上司を説得する材料にもなるのではないか、と考えてコンテンツを作りました。記事公開後にFacebookでコミュニティにお知らせしたところ、想定読者にしていた方を含む何人かがシェアしてくださったりフィードバックをしてくださいました。

失敗と決めつける前に、コンテンツマーケティングがなぜ必要なのか、原点に立ち返ろう

短期でのコンバージョンなど実現性に乏しい目標をゴールにしてしまうと、結果がなかなか出なくて運営チームの気持ちも重くなっていきます。最悪の場合は、ある日シャットダウン。それでは悲しいですよね。

そんな事になる前に、何が目的でコンテンツマーケティングを始めたか、最初の思いに立ち返ってみることをオススメします。御社が制作しているコンテンツは、以下4つを考慮して作られているでしょうか。

  • コンテンツを通して、誰に、どんな行動を促したいかが決まっていますか?
  • 対象読者が所属するコミュニティの人たちが反応しそうな内容になっていますか?
  • その人達に届くルート(ソーシャルシェア・適切なSEOキーワード・直接のお知らせ)で配信できていますか?
  • 上記の想定は、ランドさんが語っているような「企業側に都合の良い思い込み」に陥っていませんか?

ぜひ行き詰まったときには、一度原点に立ち止まって考えてみてください。

さいごに

成功は一直線には行かないもの。でも、挑戦し、失敗から学びつつけてさえいれば、きっとブレイクポイントは訪れるはずです。

この記事が、自社のコンテンツマーケティング施策について、振り返るヒントになれば幸いです。