
こんにちは。株式会社サムライインキュベートの阿部です。
みなさんはイスラエルがどのような国かをご存知ですか? 人口は約800万人、四国の広さほどの小さな国なのですが、ハイテク企業の投資額やスタートアップが設立されている数、特許数などは、人口あたりの比率に計算すると世界一と言われています!
そんなイスラエルなのですが、昨年12月に「SAMURAI ISRAELI SUMMIT」という、イスラエルのスタートアップを集めたイベントを日本で開催しました。その中でもプロダクトのアイデアやテクノロジーの組み合わせがおもしろかった5つを、本記事でご紹介します。
イスラエルのスタートアップのアイデア5選
1. 溺れている人を見つけてアラートを出す「EYEONN」
正式名称 | EYEONN(アイオン) |
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URL | http://eyeonn.com/ |
スライド | https://mi11iontimes.com/startups/eyeonn |
ターゲット | 大きなプールのある家、マンション、学校などの利用者(所有者) |
解決される課題 | 溺水事故 |
アメリカでは、毎年数千人もの子どもたちが溺れて亡くなっているそうです。事故の多くはプール付きの家やマンションなど、保護者がそばにいるにもかかわらず、子どもから気を離したその瞬間に事故は起きています。
そういった水難事故を防止するために、「EYEONN」は水中での人の動きをモニタリングし、人が溺れた場合、その動きを読みとってシステムがアラートを出します。プールの壁面に設置するタイプのセーフティシステムで、カメラやLEDライト、センサーからできています。
- スマホに通知
- アラームを鳴らす
- 緊急の電話ガイダンスにつなぐ
など、事前に設定した方法でアラートが送信されます。現在はプレオーダー受付中だそうです。
ちなみに、アメリカにはプールが1000万個あるそうなので、市場規模としてもかなり大きいんです。日本でもプール付きのタワーマンションや学校に設置してほしいですよね。
2. オリジナルの地図を作成する「Mapme」
正式名称 | Mapme(マップミー) |
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URL | http://www.mapme.com/ |
ターゲット | マップをスマートに作りたい人 |
解決される課題 | オリジナルマップ作成における技術不足 |
マップを見やすいようにカスタマイズし、デスクトップやスマホに表示できるのが「MapMe」というサービス。マップのテーマを決めて住所や施設などを入力していけば、オリジナルのマップを簡単に作ることができます。
その他にも、次のような機能があります。
- 複数人での編集ができる
- カテゴリ、アイコン、カラーのカスタマイズが可能
- 埋め込み用のソースタグがあるので自社サイトなどへ簡単に設置できる
起業家や投資家、コワーキングスペースなどの位置をマッピングしたスタートアップ系の地図だったりと、アイデア次第でいろいろなマップを作れますよね。私は温泉・銭湯マップがほしいです!
3. ゴミの量から回収ルートを作るゴミ収集システム「GreenQ」
正式名称 | GreenQ(グリーンキュー) |
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URL | http://www.greenq.co.il/ |
ターゲット | ゴミ収集業者、自治体、政府 |
解決される課題 | ゴミ収集ルートの非効率性 |
イスラエルはゴミの分別がなく、毎日収集車が来ます。高い頻度で回収されるにもかかわらず、ゴミの量が多くなってくると収集車がゴミを回収するルートを何度も往復しなければならないケースもあるそうです。
センサー端末「GreenQ」をごみ箱につけると、ごみの量を量れます。そのごみの量と収集場所の位置情報から、収集車が全てのごみを回収するために効率的なルートを指示するのです。IoTならぬIoG(Internet of Garbage)です。
また、センサーにはRFIDタグ(無線通信で読み書きをおこなえるチップ)を採用しています。Suicaやnanacoカードのようにタッチして読み書きする必要がなく、離れた場所から同時に複数タグの読み書きが可能です。便利ですね!
4. 腕にはめるだけで「いま何対何だっけ?」がわかる「Pulse Play」
正式名称 | Pulse Play(パルスプレイ) |
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URL | http://www.pulse-play.com/ |
ターゲット | テニス、卓球、スカッシュなどのラケットスポーツをする人 |
解決される課題 | 試合している最中におこる「今何対何だったっけ?」 |
「Pulse Play」は腕にはめることで、ラケットスポーツの最中にワンタッチでスコアを記録してアナウンスしてくれるスマートウォッチアプリです。さらに試合の結果を記録しているので、統計情報から改善点をおすすめしてくれます!
CEOのアンディ・ラムさんは、ウィンブルドン選手権にも出場したことがある元プロテニスプレーヤー。引退後、世界中のアマチュアテニスプレーヤーにラケットスポーツを普及させるためスタートアップを始めたそうです。
お正月に泊まったホテルで卓球をやったのですが、試合の途中にコロコロチキチキペッパーズのモノマネが入ったために結局何点とったのかわからなくなってしまったという経験をしたので、これは良いなと思いました。
5. 雑誌の「これほしいな!」という商品をクリックで検索「TrendiGuru」
正式名称 | TrendiGuru(トレンディグル) |
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URL | http://www.trendiguru.com/ |
スライド | https://mi11iontimes.com/startups/trendi-guru |
ターゲット | ECサイト、画像検索サイト |
解決される課題 | 目の前にある良いなと思った商品と検索して見つけた情報の不一致 |
雑誌などでモデルさんが素敵な洋服を着ていたときに「これほしいな!」と思ったことはありませんか? このサービスでは画像の服をクリックすることで、購入先ページに飛ぶことができます。
画像処理、機械学習、自然言語処理などの技術を使って、画像に写っている洋服と購入ページを結びつけるプラグインを提供しています。
例えば、自分の好きな有名人の記事や写真をクリックすると、それに似た商品が表示されて買うことができます。導入側としてはどの写真から購入に至ったかがわかるので、どの画像ならコンバージョンされるか、より細かく計測することが可能です。
個人的には、InstagramやRoomClipに出てくるインテリアの画像をよく仕事の参考にするので、雑貨や家具バージョンが出てくれると嬉しいなと思いました。
おわりに
ということで、イスラエルで開催されたスタートアップのイベントで紹介されたアイテムを5つご紹介しました。いろんな思考を取り入れていくことで、さまざまな角度からアイディアが生まれていくかと思います。今回の記事も、そういった新たなアイデアが生まれるきっかけになれば幸いです。
実際にお会いしたイスラエルの方々は、自分が解決しようと思ったことに対しどんどん行動していく姿勢や力を持っているように感じました。会場では何人もの方に英語で質問されたり感想を聞かれたりしたのですが、私が答えられなくても笑顔で「No Problem」と返し、すぐに次の行動へと移っていく姿がとても印象的でした。
イスラエルの方々は変化のスピードがとても早かったように感じました。そんな彼らからこれからどんな新しいアイディアが生まれていくのか、とても楽しみです。