2016.01.13

こんにちは。外部ライターの無一です。
さて皆さん、『このマンガがすごい!2016』は買いましたか? 私は発売日に買って読んだのですが、今回は嬉しかったですねー!
何がって……私の愛してやまない沙村広明先生の『波よ聞いてくれ』が、オトコ編第6位にランクインしていたんですよ!
というわけで本日は、『波よ聞いてくれ』を紹介します!
各界からもすごい!の声:新感覚ラジオマンガ『波よ聞いてくれ』
月刊アフタヌーンで連載中の本作ですが、2015年の評価がとにかくすごいんです。
- 「雑誌編集部が選ぶこのマンガがすごい!」
:ダ・ヴィンチ編集長による第1位 - 「大学漫研が選ぶこのマンガがすごい!」
:京都大学漫画研究部による第1位 - 「書店員が選ぶこのマンガがすごい!」
:三省堂書店神保町本店による第2位、SHIBUYA TSUTAYAによる第4位 - 「各界のマンガ好きが選ぶこのマンガがすごい!オトコ編」
:コミックマーケット準備会共同代表・市川孝一氏による第3位、ブログ「(怒りの以下略)」管理人・さすらい氏による第4位、漫画研究者&翻訳者・野田謙介氏による第3位、イラストレーター・山中虎鉄氏による第2位
……はい、とにかく「何かすごい!」という感じだけは伝わったのではないでしょうか。
主人公は、いたってフツーに札幌市中央区のスープカレー店「パンとカレーの夢空間ボイジャー」で働く残念美女・鼓田(こだ)ミナレ25歳。
そう。沙村先生にとっては久々の、人が死なない漫画なんです。
ズブズブと沼にハマりこんでいく主人公を眺める快感
- あらすじ
- 九州男児の彼氏に金を持ち逃げされた主人公・鼓田ミナレ。飲み屋で胡散臭いオヤジ(実はラジオ局チーフディレクター)を相手にクダを巻いていたら、その一部始終が録音されラジオで放送されてしまいます。
激昂したミナレはオヤジが勤務するスタジオまで抗議に走っていくも、訳のわからぬままにDJデビューすることに……。
しかし、そのキラキラした響きと彼女を取り巻く環境は全くの正反対。カレー屋をクビになるわ、更新料が払えずにアパートを退去するハメになるわ、バイトの女店員に自分に好意を寄せていた男を計画的に持って行かれたりするわ……と、ずんずん泥沼化していきます。
でも大丈夫、暗い話では全くありません。普段の沙村先生のシリアスやアクション系作品では抑えているギャグ要素が、これでもかってくらい盛り込まれてくるのです。
「何故だ・・・・・・男運の尽きた今の私なら・・・・・・本来反比例的に仕事運が・・・・・・話が違うじゃねーか・・・・・・」
「それ 誰が言ったんですか?」
「鏡リュウジ先生に決まってんだろアホ」
「(・・・・・・FRaU?)」
こんなヌルいやり取りがボディブローのように繰り出されます。次から次へと降りかかってくる災難にも、ボケた切り返しを図るミナレの瞬発力は、もはや天賦の才能といえるでしょう。