フィリピンと日本をつなぐ、新しい開発。
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2015.12.18
第3回
ファッション × テクノロジー

「光らせてるだけとか本質じゃない」ハヤカワ五味が語るファッション×テクノロジーの未来

ナッツ

「実際その服、着る?」ファッションというより衣装

LIG_のびすけ
― のびすけは、ビームスハッカソンはどうでした?

のびすけ:面白かったですねー。特に面白いなと思ったのは審査風景。着眼点が全然違うなーって。(審査員は)ほぼファッション側の人だったんですよね。通常のハッカソンで見るポイントって、技術的にどうこうってのは絶対話題に上がってくるんですね。でもそういった技術の話が今回はほとんどなかったのが面白くて。

 
― 例えばどういう話が多かったんですか?

ハヤカワ:例えば……「これ結局デザインとしてどうなの?」みたいな。「着る?」みたいな話だったりとか、「別にこの服じゃなくても、別にこのデザインじゃなくても良くない?」みたいな話を結構していましたね。私、審査員としても戦いたくなるタイプなので、結構いろいろ文句言ってた(笑)

のびすけ:すごいまとめ上げてたなって思いました(笑)

ハヤカワ:どっちかに偏ったハッカソンって多いじゃないですか。でも今回は審査員の中でも分かれてて、こっちが「これデザイン的に着ないよね」って言っても、「いやこれはテクノロジー的に優れてるから」とか。なんかその二面から攻めてる感じは面白かった。

 
― テックとファッションが融合する機会ってそんなにないですよね。

ハヤカワ:ないですね。それこそパフォーマンス系とか、アイドルのライブで、とか。ファッションというよりは衣装って感じの服以外はあんま(テクノロジーとの融合は)ないような気がします。

のびすけ:そこが個人的には結構苦しみながら運営やってたんですよ。最初はアウトドアをテーマにしようかってなってたんですね。ただ、それだと機能性、なんと言うかファッションとは関係なく、耐熱だったり寒くないかとか、発汗だったりとか。
結局それじゃテクノロジーに寄り過ぎちゃうってなって、ファッションを大事にしようということでああいう形に落ち着いたんですけど。

ハヤカワ:あれですよね、やっぱりファションって機能だけじゃなくて気分が上がるかとか、どう見られるかとかが重要。

ハヤカワ五味
のびすけ:服光らせてるチームあったじゃないですか。あれとかをきゅんくんがコメントしていて、実際に着たいかどうかの話になりましたよね。「あぁ、これなんだなー」って思いましたね。

ハヤカワ:そうそう。機能的には確かに人に伝える機能は果たしてるけど、「じゃあ着るか?」と。その服を着るか着ないかって、誰でも持っている命題というか、共通言語じゃないですか、服って。そういったところで、エンジニアの方々の視野を広げる機会になったんじゃないかな。

のびすけ:それはすごく感じましたね。他のハッカソンだと、「技術すごい」「技術バリバリ使ってる」でそれを短期間でまとめあげたぜってところが勝ったりする感じはあるんですけど、今回は良くも悪くもそうじゃなかったなって。

ハヤカワ:あと知り合いのチームがデモで失敗してたんですけど、失敗するくらいだったら見せないほうがいいって私は思っちゃうんですね。人にプレゼンするものだから最低限のマナーはあったほうがいいのかなって。

のびすけ:ハッカソン参加したりしてる側からすると、やっぱデモって失敗するよなーって雰囲気はありますね(笑)

ハヤカワ:でも、対企業のプレゼンのときに、「ここ失敗しちゃったんですよね」とかって見せないじゃないですか。そういう部分を削って、それとなくいいところだけ話したりするじゃないですか。
内容云々よりも、やっぱり最終形態で綺麗に出せてるとかは、参加者にアパレルの人が多かったからこそ欲しかったなって。アパレルって結局、最終的な見え方がいいかどうか。いかにプロセスがよくても最終形態がよくなかったらダメーってなっちゃう。

のびすけ:そっか。プレゼン側から考えたチームはそんなないかもしれないですね。

ハヤカワ:そう、だからがっつりプランナーみたいな人が混じっていても面白いのかなって思いました。

テクノロジーを突き詰めて「着た方がよくない?」というのが本質

ハヤカワ五味
― お話を聞いていて、ファッションにテクノロジーを乗せるというより、テクノロジーでファッションを作るのが一番いい融合なのかなと思いまいした。

ハヤカワ:そうですね。ファッションって、最終どうにでもなるんですよ。着れるし。なんか今、「ファッションと融合させる」ってのに意識がいっちゃってるのかなって。多分テクノロジーをもっと突き詰めていったら「これ、結局着た方がよくない?」みたいな感じになるんです。
今は取ってつけ感というか、そのITの部分を削ってもいいよねってのが多くて。でもテクノロジー発でファッションになっていったら削れないじゃないですか。本質だから。その感じがほしいかなと。

 
― たしかにファッションとテクノロジーって、ただ光らせる方向にいっちゃってますもんね。

ハヤカワ:そう、なんか「パリピー!」みたいな感じなんですよ。継続性がないというか、光る靴とか光る服とかもファストファッションとして消化されがちで。
もっと本質的なものというか、「これITを削ったら何も残らないよね」みたいなものが個人的にはほしいですね。(テクノロジーの人たちに)もっとファッションに興味持ってほしいし、「こっち来ていいよ!」っていう感じ。

のびすけ:なるほど(笑)

 
― オムツにつけられるガジェットがあったら面白いと思うんですよ。温度とかで今ウンチしたとか。

ハヤカワ:あぁ、絶対いいですね。わかんないですもんね。しかも作れそうなのに、もったいない。

のびすけ:確かに。やっぱりその着眼点を持つのが弱いんでしょうね、エンジニアって。

ハヤカワ:そうですね、たぶんファッションの人もしかりだし、お互いどっかで触れ合ってほしい。ちょっと話すだけでアイデア出ますからね。

のびすけ:今このアイデア聞いたら「全然できんじゃねーか」って思っちゃいます。普通に作れそうですけどね、商品化とかいけるんじゃないですか? 作って、LIGで売ります?(笑)

ハヤカワ:やばい、怖い(笑) でも、いいですよね。いろんな界隈の人で集まると、話してるだけでアイデア出てくるじゃないですか。だから意外にハッカソンって形を取らなくてもいいなって思うんです。私もクリエイターの友だちとただご飯食べに行っただけなのに、「じゃあ、それ作ろうよ」って話になったりして。なんかあの感じいいですよね。