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2015.12.28
第40話
漫画チャンネル

「見守る」のは難しいけど、それが大人な人間関係だと思うんです!『亜人ちゃんは語りたい』

三沢 文也

こんにちは。26歳になってから、良くも悪くも若々しい部分を喪失していく毎日を自覚している外部ライターの三沢文也です。

特にブログ活動をやっていると、自分の過去を知る人や新しい読者の人から当時の話をされ、「若いときの僕は空回りにはなっているものの、今よりも勢いよく動き回っていたな」と、恥ずかしくも懐かしくもなりつつ、自分の持っていた若さを失っていることにも気づきます。

今回紹介するマンガは、そんな「老いた自分」に気づかせてくれる作品『亜人ちゃんは語りたい』です。

本日紹介する作品・『亜人ちゃんは語りたい』

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亜人ちゃんは語りたい(2) (ヤンマガKCスペシャル)

まだ2巻しか出ていない新しい漫画ながら、注目度の高い話題作です。

ファンタジーファンタジーはしてないファンタジー

吸血鬼、デュラハン、雪女、サキュバスなど、ファンタジー作品でおなじみの種族のキャラ(=亜人)たちのお話です。
ただし、メインとなるのは彼らの学校生活。亜人たちの悩みを「亜人の理解者でありたい」という高橋先生と一緒に解決していくストーリー展開のため、亜人としての個性は「学校生活が送れる程度」に控えめなものが多いのが特色です。

この作品の魅力は、バトルやステレオタイプなキャラクターが持つハデさではありません。ファンタジーとしての魅力は、見た目よりもむしろ「亜人が普通に生活するために、どんな工夫・苦労があるか」という設定の緻密さにあります。

キャラクター例:サキュバスの佐藤先生

一般的にサキュバスとして登場するキャラは露出度がすごく高く、黒を基調とした水着のような格好で、黒い羽の生えた女性が描かれることが多いです。しかし、本作では「ジャージで恋愛経験のない先生」という形で出てきます。

そもそもサキュバスとは「誘惑して男の精を奪うキリスト教の女性型の悪魔」を指すため、露出度の高い魅惑的な女性が描かれることが多いです。しかし、人間と共存することを目的とした本作では「うっかり誘惑しないように」とサキュバス側が気をつかい、露出のない格好をして生活しています。

こんな風に、亜人たちの個性を武器としてではなく、コンプレックスとして捉えた作品です。

恋するでも、助けるでもなく、見守るというスタンスで少女を楽しむ歳になった

この作品の魅力は、ファンタジー要素でも恋愛要素でもなく、年配者や家族としての視点で変わったコンプレックスを持ってしまった女の子を見守ることにあります。

主人公は先生ですが、特に熱血というわけではなく「来てくれたら話を聞く」「亜人に興味があるから理解者でありたい」という控えめなスタンス。

亜人たちを助けるのではなく、家庭環境や困っている話を聞いて生活を知ったり、自分で行動を起こすきっかけを陰ながら作るタイプのお話であり、かっこよさよりもマメさや誠実さが際立つ接し方をする先生のお話です。

若いときなら「回りくどい」と思ったり、他人を助けるときにどっかしらに自分が貢献した部分を残したいような「オレがオレが」な部分が強く、このマンガの描く「見守る」良さに気づけなかったでしょう。

しかし、年齢を重ねると「自分のことは自分のこと」「他人のことは他人のこと」という区別がくっきりするため、「結果的に他人が助かればいいから自分が手を加える必要がないときはただ見守ろう」という選択が理解できるようになってきました。だからこそ、この漫画を楽しめるのです。

まとめ

「見守る」は意外と難しいものです。

関心を持ちながらも、口も手も加えすぎないじれったさをガマンしないといけない。
信用されないと近くでは見守れないけど、依存されると見守り続けることができない。
愛情も思い入れも必要だけど、相手の恋心や自分の下心とは決別しないと続かない。

人間関係の距離感として、それがとても難しくなおかつ回りくどいのが「見守る」という接し方です。でも、その関係性に共感できたり、自分ができるようになったりしたとき、人は少し大人になっているのではないでしょうか?

このマンガが気づかせてくれたのは、自分がもう一歩大人の道を歩んでること。そして「その先をどう歩んでいけばいいか」という筋道のような気がします。

P.S.
「ヤングマガジン公式サイト」では現在4話まで試し読みができますので、興味を持たれた方はぜひ!
http://yanmaga.jp/contents/demichanhakataritai/

 

misawa_profile ライター紹介:三沢文也
1989年生まれのブロガー。はてなブログにて「かくいう私も青二才でね」を運営中。ブログのタイトルから“青二才”と呼ばれることも多い。トレードマークの金髪の少女はぱらがすさんのイラストを許可を頂いて使用中。イラストと個性的な“キャラ”から、一部では「はてなアイドル」と呼ばれることも……。