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2015.11.06
LIG PR
#22
働き方インタビュー(経営者編)

「夢見れる職業にしたい」KamiMadoで美容師の価値を伝える| リッチメディア

まゆこ
(編集部注*2015年2月18日に公開されたインタビュー記事を再編集したものです。)

美容室やネイルサロンなどの店舗を検索・予約できるだけでなく、美容コラムも掲載する『KamiMado(カミマド)』などを運営する株式会社リッチメディアは、通信大手のKDDIから出資を受けるなど、業界外からも注目の企業です。

既に大手予約サイト『ホットペッパービューティー』などが市場を大きく先行している中で、“アイディアと情熱で夢を叶える”という企業理念のもと、一体どのような視点で現在の美容業界を見ているのでしょうか。取締役兼ビューティ―・サロン事業部部長を務める安藤友之氏にお聞きしました。

f45f4620946afd9fdc8e12991de20e4a 人物紹介:安藤 友之氏
インターネット黎明期にネットの可能性を大きく感じ、新卒リクルートでエンジニアとして入社。オールアバウトでは複数メディアを立ち上げ、大日本印刷とNTTDocomoのJV立ち上げで事業を学び、2012年10月リッチメディアに入社。スキンケア大学の責任者として活躍し、入社後3ヶ月で取締役に抜擢される。その後、ビューティ―・サロン事業部を立ち上げ、KamiMado・HAIRの責任者としてパーソナルビジネスプラットフォーム構築に従事。

カット6000円・スタイリストカット7000円とか、意味が分からない

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安藤
ビューティ―・サロン事業部は、美容室とそこで働く美容師、それとユーザー(髪の毛を切る人)を対象にしたビジネスを構築しているところ。ただ、美容室さんの集客っていう意味のサービスだと、例えば有名どころではホットペーパービューティーさんが先行して大きく2位以下を引き離しているような状況なので、別の側面からのアプローチっていうのをおこなっています。

例えば、HAIR(ヘアー)というサービスもその1つなんですけど、美容師自身のサロンワークにフォーカスして、彼らの投稿するヘアスナップを通して、ユーザーに訴求していくかたちをとっている。僕たちは新参者の素人なので、業界に対して抱いた率直な疑問や、今まで可視化されていなかった埋もれた価値の可視化など、そういった部分を表現していくことに意義を感じています。

“今までにない価値観”にたどり着いた背景として、安藤氏は美容業界全体にある「本当の価値を伝えることができていない」ことを大きな課題として捉えていたそうです。

安藤
お店の前にメニューがあってですね、カット6000円・スタイリストカット7000円・トップスタイリストカット8000円とか書いてあるんですよ。「ここから何が分かるんだろう?」「何を判断できるんだろう?」本当の価値を伝える役割の必要性をすごく感じましたね。

さらに、家電製品のようにスペック、色、重さなどの機能的な分かりやすさや、形状的な美しさなど「一目惚れするような感情的な設計が不足している。ユーザーには届いていない」という疑問を投げかけます。

安藤
確かに美容室さんが発信しているヘアカタログっていうものはあるんですけども、じゃあ果たして「ここに行って、この値段で、この人に切ってもらうと、私は可愛くなれるんでしたっけ?」が分かんないんですよ。そこがすごく謎だな、もったいないなっていうところがあって。

この間にある溝っていうか、この情報の格差というかですね、非対称性のある情報っていうモノをどうにか埋められないものかと。

美容師さんってアーティストなんですよ。ビジネスマンじゃなくて

あまり表には出ない美容業界の根本的な現実問題について「夢見れる職業にしたい」と語る安藤氏。

安藤
美容師の専門学校の卒業生の4割近くが美容師にならないんですよ。おかしいじゃないですか、それって。「世の中の人のヘアスタイルを綺麗に作りたい」とか「可愛く作りたい」とか、そういう想いで、夢見て専門学校入って、インターンみたいな形で美容室で働いて、美容師にならないんですよ。現役の方も含めみんな課題に感じていて、でも状況は悪化しいて、いろいろよろしくなくてですね。

なんかもっと夢見れる業種にしたいなっていうのがすごくある。少なくとも僕たちの髪の毛・ヘアスタイルっていうのに携わってる人たちなので、いなくならないじゃないですか。だったらもっと、華のある業界にしていきたい。

また、ユーザも自分たちの環境を「ある意味妥協で過ごしてると思う」と、厳しい目を向けます。

安藤
お客さんって髪を切ってもらったその日、絶対そのへんでお茶したりショッピングしてウキウキしているはずなんですよ。だから、テンションがMAX上がってるのが当日。で、一番下がるのは翌日の朝だと思うんですよ。「あれ、昨日と違くね?」と。

なんだけど、それで美容室に行く人っていないじゃないですか。僕、行っていいと思うんですよ。「セットしてもらえばいいじゃん」と。でも今、そういうのが普通になってないから「頼めない、行けない」というか、そういう環境って変えられるんじゃないかなってすごい思ってる。

「新しい価値を生み出すとか、新しいことに人を巻き込むとかって大変じゃないですか。誰もやりたがらない。なら、僕たちがやるか」と、安藤氏。

安藤

美容室の三大課題って集客と人材(人材開発と採用)と経営で。でも美容師さんには技術を磨くとかコミュニケーションスキルを上げてもらうとか、本業に集中してほしいじゃないですか。それによっても恩恵を受けられるわけで。

だから業界の周辺にいる僕たちみたいな会社が、そういうことを考えていくべきなんじゃないかっていう。

市場を大きく先行している他企業との違いについては、次のようにお話ししていただきました。

安藤
今あるサロンの予約サイトもそうだと思うんですけれども、やっぱり本質的な価値とズラしたところでみんな勝負しているというか、そこに美容師っていないんですよね。切ってくれるのは美容師なのにですよ(笑)ユーザーにとってもそんな出会いかたはハッピーじゃないし、「それってなんか、どうなの?」って思うんですよ。

事業って社会的な課題とか、そういうものを解決するためにおこなうものだと思ってるので、ある業界においてビジネスをするのであれば、その業界の発展も含めて考えていくべきですよね。そう考えると「なんかもっと違うかたちがあるよな」と思っています。

本当泥臭い感じで飲みに行くんですよ。サロンのスタイリストさんとかオーナーとかと

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現在HAIRに登録している美容師の数は約3000人にも及ぶとのこと。このようなコミュニケーションコストに対して、「ビジネスで割り切れない部分を意識してつくる」と安藤氏。

安藤
美容室には、もちろん働いてる美容師さんがいらっしゃる。そういう方々をコンテンツに起用することで、接点が広がっていった。まあ、あとは本当泥臭い感じで飲みに行くんです。サロンのスタイリストさんとかオーナーさんとかと。この間も6時間くらい渋谷で飲んでましたね(笑)

彼らはいい意味でアーティストなので、ビジネスで割り切れない部分っていうのをすごく持ってるんですよね。なので、なんか人間くさい部分というか、そういうところでの人付き合いに結構なりますね。

美容室からのクレームは数えたらキリがないくらいありましたよね

リッチメディアの自社サイトであるKamiMadoは、買収した事業ということも少なからずあり、“本当はこうしたい”をすぐに実行することができない時代もあったそうです。

安藤
サイトが使いづらいとかですよね。「どうにかしろ」と、「どうにかしたいよ、こっちも」と(笑)そういう話は結構してましたね。仲良くなると結構ざっくばらんに、たくさん文句を言ってくれるんですよ。「本当ひどいぞ」と、「そうだね」って(笑)

そこでただ謝るのではなく“コンテンツを含めた協力”をお願いしたことも、KamiMado発展のひとつの理由であるようです。

安藤
今って“本質的な価値”みたいなところっていうのが、世の中的にないがしろにされてると思うんです。だからこそ、彼ら(美容師)の本質的な価値を元にしたマッチングっていうのを僕たちはしたいですね。なので多くの方に協力してほしいと。

その施策のひとつが、“個人の可視化・フォーカス”だったと語る安藤氏。

安藤
「なんで美容室を予約すんだっけ?」「髪切るのも切ってもらうのも、人じゃねぇか」と考えたときに、やっぱり最終的にサービスをする人にフォーカスするべきなんじゃないかと。

この人のセンスとか、この人のこういうところに憧れるというか、ファンになるみたいな、そういう関係性がつくりたかった。

スナップ投稿のSNSアプリなんですけど、エラーの発見は、昨日僕がしました(笑)

元々はエンジニア出身という安藤氏は、取締役兼ビューティ―・サロン事業部部長としてご自分を“何でも屋”、または“プレイイング取締役”と称しているそうです。

安藤
昨日ちょうどスナップ投稿のSNSアプリHAIRの投稿でエラーが出て、写真が上がらないって事象が起きたんですよ。それのエラー箇所の特定は、昨日僕がしました(笑)

携わっているエンジニアは新卒の子なんですけど、一緒に問題の切り分けをして、「ちょっとここ調べて」って言って、調べてもらった結果「多分これが原因だから、これをちょっとやってみて」って話をして、ビンゴで。もうなんか事業見ないでこっち見ようかなあみたいな(笑)

そんな安藤氏にとっての大きなテーマは、前述した“情報の非対称性”だと言います。

安藤
そもそも僕自身がインターネットに出会ったときに感じたのが「本来あるべきはずの情報が、これまで世の中に流通してなかったんだ」ってこと。「情報の流通の革命が絶対に起きるな」と思ってですね。

この原体験がすごいありましたので、この間を埋めることが、使命じゃないですけども、インターネット上で自分が一生やっていきたいことかなと思ったときに、個人の持つ情報の可視化、つまり個人にフォーカスすることで、よりそれが鮮明になるんじゃないかなと思います。

あまりにも人が良すぎるから「変に俺らはつるまないほうがいいぞ」

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採用については、専門分野に関する深い知識や技術をもったスペシャリストを必要とすると同時に、組織体制として“隣近所としっかり助け合えるような形”を目指しているとのこと。

安藤
僕が一番重要視しているのは“向き合う姿勢”ですね。やっぱり、自分に嘘をつかないって重要じゃないですか。そこがブレないヤツは、人のことをなんかとやかく言ってる暇もないと思ってるんですよね。しっかりその物事に向き合える人を仲間にしたいです。

「愛があるからこそ、厳しくもできるし、その愛を感じているからこそ、その厳しく言われたことも受け取れる」ため、“遠慮と配慮は違う”と考える安藤氏。

安藤
こいつ遠慮してるなあっていう社員は、相当いじります(笑)あと僕、結構言うときは厳しく詰めるんですけど、それはその場のそのことに対してであって、別にその人に対してじゃないので。その話が終わった後っていうのは、もう、あからさまに分かりやすいように普通に楽しく冗談も言うし。

恥ずかしいから説明しづらいじゃないすか、そんなこと。「分かってくれよ」と、そんな感じですね(笑)

後からリッチメディアの事業にジョインした安藤氏から見て、リッチメディアとは一体どんな会社なのでしょうか。

安藤
人がいいんですよね。人がいいんで、僕が自分の元メンバーとかを連れて来たりとかするときに、彼らに「あまりにも人がよすぎるから、変に俺らはつるまないほうがいいぞ」と、派閥っぽさを微塵にも感じさせたくなかった。

あとは、無駄にアツい。無駄にアツいから、諦めが悪い。“やるか、絶対やるか”なので、あるいい意味での諦めの悪さみたいなところは、リッチメディアの魅力じゃないかなと思ってます。

そんな安藤氏ですが、かつては「リッチメディアなんて1mmも入る気なかった」と言います。入社を決意させたのは、代表取締役社長の坂本氏でした。

安藤
坂本も僕もクソ熱いですよ(笑)なので僕は2人で外の方と会うときとかって、気を使ってちょっとクールな感じを演じてます。2人熱かったら、めんどくさいでしょ?

全く入社する気もない中で、坂本と半年近く飲み食いしてたんですが、気付いたら入社してましたね。無関心の人をそういう気にさせる、何かそんな技を持ってるんでしょうね(笑)

安藤氏からは、コンテンツ、そして業界や社員に対する溢れんばかりの愛情が伝わります。“あるべき情報がそこにない”を原体験として、一貫してその解決に取り組む姿からは、今後の美容師業界を大きく変化させる可能性を力強く感じました。

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