昨日、妻と。- 第12話 –

ひゃくいち


昨日、妻と。- 第12話 –

ひゃくいち(@tanabe101)です。

昨日、妻と野球の日本シリーズを見ました。

チャンネルを野球にあわせると、妻は「ええ……」と落胆したのがわかりましたが、わたしの意思がカタイことがわかると諦めたようです。

わたしは元・野球部ということで、「ああ、そこは外角低めじゃなくて、内角高めで振らせたほうがいいだろ」だとか「今のストレートは見逃しちゃダメだろ」だとか、あーだこーだ独りでぶつぶつ言いながら試合を見ていきます。

セーフティーバントでしか打率を稼げずに、打席に立つと相手チームから「バントくんだから、前進守備でー!」とヤジられていた1番バッターのくせに、よくもまあ偉そうに。

妻も「そうやな、今のは振らせろ!」だとか「そうやね、今のは見逃すな!」だとか追随してきますが、もちろん、なんのことかわかっていません。

わたしが好きなスポーツについては一緒に観戦したり、ルールも覚えようとはしてくれるのですが、やっぱり難しいようです。

「野球やってたときは、パリーグとペリーグ、どっちだったの?」
「いや、その区分けはプロにしかないよ。そして、『ぺ』じゃなくて『セ』だね」

「バッターもやってたの?」
「うん。みんな、バッターもやるよ」

「野球部のときに大ケガしたことある?」
「あるよ。鼻に相手のヒジが入った」
「ヒジが鼻に入ったの!?」
「えっと、ほんとに鼻の穴のなかに入ったわけじゃないよ」
「どういうこと?」
「ごめん。ちょっと今、いいところだから。あとでね」

しばらくすると、部屋にあったヒヨコのぬいぐるみを投げてきて、「キャッチャーボールしよう」と言ってきました。「キャッチボールだね」と心のなかで受けながしつつ、試合にだけ集中することにします。

いよいよ終盤に差しかかると、今度は「イッチローウ!⤴︎ イッチローウ!⤴︎」と、歌舞伎町のホストの「いらっしゃいませー!⤴︎」と同じイントネーションで言いながら、イチロー選手が打席に入るときのモノマネをやりはじめました。

こちら、2009年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の期間中に、なぜか突然、妻がやりはじめたものです。決勝の韓国戦でイチローが決勝タイムリーを放ったあの打席中もやりつづけまして、手に汗にぎる緊張感を台無しにされた記憶があります。

右打席に入り、袖をまくった右手をグルグル回しながら、おしりをフリフリさせつつ往年の種田のように構えたかと思うと、エアバットを「カシーン!」と言いながら振りぬき、「三振! 三振!」と喜びながら、三塁方向へ走っていくというもの。

いろいろと間違っている一連の流れを、今夜もエンドレスで披露してきます。

ひゃくいち あとがき
お願いだから、静かにしてください。

明日は第13話を書きます。

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ひゃくいち
この記事を書いた人
ひゃくいち

Copywriter

2014年入社

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