Facebook上の30代以上の活動について
一方、30代以上がアクティブに活用しているにも関わらず、かつてのような「リア充に溢れた世界」がタイムラインを支配していない理由は、やはり投稿内容にあるのではないでしょうか。
30代以上にできるリア充報告は「マンションを買った」「社長になった」などの有無を言わせないレベルの充実情報、子供自慢(家族旅行含)、美味い飯をくったレポート、ホームパーティー開催報告等、かなり選択肢が限定されています。
もちろん、かつての20代リア充のような投稿を続けるパーティーピープルも見かけますが、多くの場合どこかしら無理がある感を否めません。
あとはもう、意識の高いソーシャルニュースかセミナー情報をシェアしてくるか、ランニングで走った距離を教えてくるぐらい。
Facebook全盛期を経験した人間にとっては、この程度のお知らせはむしろ微笑ましく、わりと純粋な気持ちで「いいね!」できるとすら言えるでしょう。
リア充はなぜいなくなったのか
20代にとって、同年代が非アクティブ化し、上の世代がアクティブ化しているというFacebookの現状は、SNSを活用する唯一無二のモチベーションである「自己承認欲求」が満たされづらくなったことを意味しています。
これこそが、Facebookからのリア充消失の最大の原因といえるのではないでしょうか。そしてそれゆえに、現在のFacebookは平穏を保てている(非リア充にとって居心地がよい環境になった)のではないでしょうか。
30代以上の落ち着いた投稿と、リアルでも飛び交う社交辞令、そして広告。非リア充にとって、これほど安心できる環境はありません。
しかし、恐らくその平和をぶち壊す存在となり得るのが、今回紹介する「いいね!」以外の共感ボタンである「Reactions」です。
新機能「Reactions」とは
この記事公開時点(2015年10月23日現在)で判明している情報は、これまで「Like(いいね!)」しかなかったせいでアクションがとりづらかった投稿に対し、新しく6つの感情ボタンが用意されたということ。(そして既にアイルランドとスペインでテスト導入されているということ。)
実は、Facebookの新ボタン追加の噂自体はかなり前から存在しました。
しかし、噂の主流となっていたのは、悲しい出来事や不幸を中心とした “「Like」とは言えないけど反応はしたい” という投稿に対してアクションをとれるよう「Dislike(よくないね!)」ボタンが導入される、というものでした。
ところが実際は、一気に6種類の大増量という結果に。
具体的には「love」、「yay」、「wow」、「haha」、「sad」、「angry」という6つが、「Like」と並ぶ感情ボタンとして実装されることになったようです。なんだか列挙すると7つの大罪みたいでかっこいいですが、実際はなかなか厄介な代物です。
「え、うそ、ついていけるの!?」的な意味で、EXILE(エグザイル)が倍になったとき以上の衝撃です。
幻の「Dislike」ボタンがもたらしたはずのもの
正直、「Dislike」ボタンの導入だけなら、これまでと大差ないフィードとなると思っていました。なぜなら衆人環視の場で「それはよくない!」と堂々といえるのは、社会的話題のあるニュースへの意識の高い否定か、投稿者の不幸に対する同情ぐらいのものです。
つまり「いいね!」とほぼ同様の活用以外は難しく、新しいアクティブユーザの獲得(または呼び戻し)につながるとはあまり思えなかったのです。
それが、まるでLINEスタンプかのように手軽に感情表現があらわせるようになってしまうという事態に。
この多彩な感情パターンの解禁こそ、リア充呼び戻しの要因となると僕は考えるのです。
「Reactions」によって生まれるリア充の行動パターン
以下、「Reactions」の6つのボタンがどのようにリア充に活用され得るか、という想定について解説していきます。
(※あくまでも個人の絶望的観測によるものです)