こんにちは、ディレクターのエリカです。
皆さんはウェブサイトの分析改善で、どのような指標を使っていますか?
色々と種類はありますが、汎用性が高いのは「直帰率」や「ページ/セッション」ではないかと感じています。
これらの指標は、サイトの性質によって大きく結果が異なりますよね。例えば、バズ狙いのブログ記事は直帰率が高い傾向にありますし、ECサイトなら商品を比較検討するためページ/セッションは高くなるはずです。
よそはよそうちはうち、とはいえ基準となる数値があると目標も立てやすいので、今回は競合分析でお馴染み「SimilarWeb」のEnterprise限定機能を使って、24種の業界分析をおこないました。
ぜひ、参考値としてお使いください。
SimilarWebで業界分析をしよう
まず、簡単にSimilarWebの使い方をご紹介します。
SimilarWebにログインし、Industry Analytics(業界分析)を選択します。
ドロップダウンメニューから業界のカテゴリーを選択します。
すると、選択した業界を平均したときのページビュー、直帰率、ページ/セッションなどが表示されます。
Category Leaders > Overall では、その業界の代表的なサイトがなにかを確認できます。
この手順で、24業界を分析してみたのが以下の表です。
24業界の比較分析
対象サイト数 | 合計セッション数 | 直帰率 | ページ/セッション | ページ滞在時間 | |
---|---|---|---|---|---|
日本のウェブサイト全体平均 | 1,659,053 | 8,073,000,000 | 56.72% | 3.59 | 0:02:43 |
インターネット | 114,320 | 2,055,000,000 | 59.60% | 3.47 | 0:02:53 |
エンターテイメント | 228,107 | 1,364,000,000 | 57.85% | 3.51 | 0:02:39 |
ニュース | 53,017 | 907,000,000 | 64.92% | 2.79 | 0:03:05 |
ビジネス | 433,424 | 812,500,000 | 54.10% | 3.73 | 0:02:38 |
ショッピング | 125,516 | 643,500,000 | 53.11% | 4.21 | 0:02:51 |
エレクトロニクス | 73,108 | 460,000,000 | 63.71% | 2.79 | 0:02:24 |
ゲーム | 23,932 | 174,500,000 | 57.01% | 3.49 | 0:03:00 |
教育 | 45,499 | 143,500,000 | 54.81% | 3.66 | 0:03:00 |
コミュニティ | 80,713 | 134,500,000 | 62.87% | 3.07 | 0:02:17 |
スポーツ | 51,305 | 128,500,000 | 53.99% | 3.77 | 0:02:43 |
旅行 | 36,516 | 124,000,000 | 51.49% | 3.66 | 0:02:54 |
金融 | 14,332 | 113,000,000 | 55.44% | 3.37 | 0:03:24 |
グルメ | 24,357 | 86,700,000 | 53.48% | 3.5 | 0:02:21 |
車・バイク | 18,563 | 62,400,000 | 53.54% | 4.05 | 0:02:53 |
百科事典 | 5,249 | 59,600,000 | 56.49% | 3.91 | 0:02:38 |
健康 | 34,000 | 57,100,000 | 59.71% | 3.34 | 0:02:29 |
法律・政治 | 13,437 | 43,500,000 | 56.91% | 3.47 | 0:02:43 |
サイエンス | 11,932 | 23,000,000 | 61.97% | 3.14 | 0:02:27 |
ギャンブル | 1,496 | 16,600,000 | 53.44% | 4.39 | 0:04:51 |
美容・健康 | 4,316 | 11,900,000 | 56.38% | 3.81 | 0:03:01 |
趣味 | 5,469 | 9,800,000 | 53.07% | 4.11 | 0:03:07 |
ペット・動物 | 5,718 | 7,750,000 | 56.65% | 3.54 | 0:02:26 |
本・文学 | 3,128 | 7,500,000 | 63.45% | 3.18 | 0:02:34 |
インテリア | 2,457 | 7,300,000 | 61.69% | 3.32 | 0:02:24 |
各カテゴリーの代表的なウェブサイト
カテゴリー | サイト名 |
---|---|
インターネット | Google、Facebook、Twitter |
エンターテイメント | YouTube、ニコニコ動画、Pixiv |
ニュース | Yahoo!、msn、日経 |
ビジネス | firestorage、サイボウズLive、ジョルダン |
ショッピング | Amazon、DMM、価格.com |
テクノロジー | Feedly、Microsoft、Qiita |
ゲーム | 俺的ゲーム速報、Yahoo!モバゲー、4Gamer |
就職・教育 | リクナビ、マイナビ、CrowdWorks |
コミュニティ | Flirchi、TabMemFree、Yahoo!占い |
スポーツ | Yahoo!、大艦巨砲主義、GOAL |
旅行 | 楽天トラベル、じゃらん、ANA |
金融 | Yahoo!ファイナンス、楽天カード、SBI証券 |
グルメ | 食べログ、cookpad、ホットペッパー |
車・バイク | Jesusclicks、カーセンサー、Goo-net |
事典・地図 | コトバンク、goo、Yahoo! |
健康 | CORPO、m3、ケンコーコム |
法律・政治 | 厚生労働省、国税庁、国土交通省 |
サイエンス | ResearchGate、英検、TOEIC |
ギャンブル | A8、P-WORLD、アフィリエイトB |
美容・健康 | ホットペッパービューティー、@cosme、Yahoo! BEAUTY |
趣味 | GetMoney!、isoHunt、消費者庁 |
ペット・動物 | アクアカタリスト、チャーム、ウェブシュフ |
本 | eBookJapan、BOOK WALKER、ブクログ |
インテリア | nanapi、ヤサシイエンゲイ、シャンティ・フーラ |
分類が若干あやしいサイトもありますが、傾向は分かるかと思います。
誰もが利用したことのあるような有名なサイトではないでしょうか。
なお、今回は大カテゴリーのみを比較しましたが、さらに小カテゴリー毎の数値も分析することができます。
例えばLIGブログですと、大カテゴリーが「インターネット」、小カテゴリーが「オンラインマーケティング」と分類されているようです。
ランキングと所感
上記の表だけではイメージが掴みづらいので、それぞれのランキングをつけて、所感をまとめました。
直帰率が低いカテゴリー
- 旅行 51.49%
- 趣味 53.07%
- ショッピング 53.11%
ECサイトの直帰率が低いことは有名ですが、業界全体で見ると旅行サイトの直帰率が最も低い結果となりました。集計時期が夏だったので、旅行需要が高かったのも一因かもしれません。
旅行サイトをつくるときは、ストレスなく次々にページを見られる仕組みづくりを意識する必要がありそうです。
直帰率が高いカテゴリー
- ニュース 64.92%
- エレクトロニクス 63.71%
- 本・文学 63.45%
ニュースの直帰率が高いのは少し意外でしたが、最近はSNSやアプリなどから記事単体にアクセスする機会が多いことが原因ではないかと思われます。
ニュースサイトにおける関連記事重要性がよく分かります。
ページ/セッションが高いカテゴリー
- ギャンブル 4.39
- ショッピング 4.21
- 趣味 4.11
これは予想どおりでした。金銭を扱うときは普段以上にサイトをよく閲覧するということが分かります。
ページ/セッションが低いカテゴリー
- ニュース 2.79
- エレクトロニクス 2.79
- コミュニティ 3.07
ニュースの数値が低いのは直帰率と同じ理由で、記事単体にアクセスされることが多いためかと思います。
ページ滞在時間が長いカテゴリー
- ギャンブル 0:04:51
- 金融 0:03:24
- 趣味 0:03:07
ページ/セッションと同じ理由かと思われます。金銭を扱うときは普段以上にじっくりとサイトを閲覧することが分かります。
ページ滞在時間が短いカテゴリー
- コミュニティ 0:02:17
- グルメ 0:02:21
- インテリア 0:02:24
コミュニティは代表的なサイトが掴みにくいので割愛します。
グルメサイトの滞在時間は意外にも短いようで、ささっと調べて予約してスマートに食事に行きたい、というニーズが見えるようです。
グルメサイトをつくるときは、必要な情報にすぐアクセスできるUI設計が重要そうです。
日本国内で対象のサイトが多いカテゴリー
- ビジネス 433,424
- エンターテイメント 228,107
- ショッピング 125,516
予想以上にビジネスが圧倒的でした。ファイルストレージ、チャットツールなどなど、便利なサービスはたくさんありますが、その背景には膨大な数のビジネスサイトがあることが分かります。
日本国内で対象のサイトが少ないカテゴリー
- ギャンブル 1,496
- インテリア 2,457
- 本・文学 3,128
ギャンブルはページ/セッションなどの結果が良かったので、この結果は意外でした。新しいサイトを考えている方にとって、競合の少なさは魅力的かと思います。
まとめ
分析結果をみて、いかがだったでしょうか?
個人的には、ウェブサイトの目標設定にとても役立つと感じています。
業界平均や競合を調べても、公開された情報が少なく、数値設定に苦労していたので、参考値を簡単に取得できるのはとても助かりました。
他にも数値の使い方は色々あるので、ぜひ参考にしていただけたら幸いです。