シェアリングビジネスの概念と事例まとめ「ホームシェアリング」「ワークシェアリング」など

シェアリングビジネスの概念と事例まとめ「ホームシェアリング」「ワークシェアリング」など

えいち

えいち

こんにちは、えいちです。私は最近、訳あって大量のアフリカ料理を持て余したのですが、Facebookのウォールとメッセージを駆使して友だちに呼びかけることで、料理を残さず、すべて美味しく食べていただくことができました。

その中で「美味しい! また食べたい!」という声を頂いたり、料理と引き換えにみかんを頂いて物々交換になったりと、うれしい誤算があったのです。きっと、インターネットがなければ、家族だけで2日間アフリカ料理を食べ続けたあげく、大鍋に謝りながら泣く泣く残りを捨てる、なんてことになっていたでしょう。

身をもって体感しました。現代ではインターネットによって、どこにあるのか分からない需要と、自分の持ち合わせている余剰のマッチングが可能なのです。

最近よく聞こえてくる言葉に、“シェア”というものがあります。「市場占有率」でなくて「共有」という意味でのシェア。シェアハウス、カーシェア、シェアボタンなど皆様も一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。現在の潮流として、人々がお互いに物やサービスを共有していることが分かります。これをシェアリングエコノミーと呼ぶようです。

今回は、最近シェアリングが盛り上がってきている背景とシェアリングエコノミーとは何なのかをご紹介し、そして素敵なシェアリングサービスを提供しているWebサイトを挙げていきたいと思います。
また、赤の他人と何かをシェアする際に懸念されるのが信頼性。それを各サイトはどのように克服しているのか、その点についても注目していきましょう。

<目次>

  • 1. シェアリングエコノミーとは
    • (1)語彙の定義を考察してみた
    • (2)シェアリングが流行になった背景と経緯
      • シェアリング一般化の背景
      • シェアリング経済の認知・浸透の経緯
    • (3)サイト上での評価はブランド力になる-Web上での信頼性の構築
  • 2. シェアリングエコノミー的Webサイトの紹介
    • 余剰の物をつかってお金を得る
    • 余剰の時間/能力をつかってお金を得る
    • 余剰のお金をつかってお金を得る
    • 余剰の時間/能力をつかって金銭以外のものを得る
    • 余剰の物で物を得る
    • 複合サービス

1. シェアリングエコノミーとは

(1)語彙の定義を考察してみた

シェアリングエコノミーをそのまま日本語表現にすると「共有する経済」となるわけですが、実は呼ばれ方が1つではなく、Sharing economy(共有経済・共有型経済・シェアリング経済)、Peer-to-peer economy(ピアツーピア経済・P2P経済)、Collaborative economy(コラボ経済)Colaborative consumption(コラボ消費)…と、さまざまな呼ばれ方をしています。そして、その定義も明確にされていないままです。

そもそも消費って経済活動の1つなので、経済っていう言葉と同義語として使用するのはなんだか違う気がするのですが…
今のところ上記のワードは、ほとんど同じ意味として用いられているものの、文献をいろいろ読むと少々違いがありました。

コラボ経済・コラボ消費

コラボ経済やコラボ消費というのは、提唱している研究者によって使う言葉が違うだけでほとんど同義です。
同じような目的を持つ人々が集まって、余剰キャパシティを共有し、活用することを表します。地域通貨、スキルのシェア、ソーシャルレンディングなどが例にあがっていることから、特に目に見えにくい資産を共有するということに焦点を置いた用語と言えます。

英語でGoogle検索した場合、上の3語のなかで一番検索結果が多く表示されたのがこのCollaborative economyという言葉でした。しかし日本では、ボッツマン女史の本以外であまり見かけない単語ですね。

共有経済・共有型経済・シェアリング経済

シェアリング経済については、「使われていない所有物をもとに金銭的、また金銭的でない利益を得ること」と広義にまとめられています。個人対個人の取引や、会社から消費者の取引においても、用いられるワードです。そして、日本でこのソーシャルな現象を表すのに一番よく使われている言葉でもあります。

ピアツーピア経済

ピアツーピア経済、のピアとはもともと同等のものという意味があり、ピアツーピアはコンピューター用語で、サーバーを介さず末端ユーザー同士がやり取りすることを指します。仲介者を介さず、個人対個人がモノを直接やりとりすることに焦点を当てた用語であることが分かりますね。

例えばハンドメイド作品のeコマースマーケットEtsyCreemaは、かならずしも余剰のものをシェアするサイトではないですが、個人間のやり取りによって成り立っているという意味ではピアツーピア経済の一部と言えます。オークションサイトの類もそうですね。

日本語の記事などでは、Sharing economyの訳語をもっぱら使ってあるのですが、それが「シェアリングエコノミー」「シェアリング経済」「共有経済」「共有型経済」と、ばっらばら。書き手の好みや言葉の長さ、語感の都合でしょう…

さて、私はどの言葉を使おうか。
個人的にはcollaborativeに協同という意味合いを強く感じていて、送り手受け手が明確なサービスも一緒にカテゴライズするのには違和感があります。日本語的にもコラボ経済というのはメジャーじゃない。ピアツーピアも同じく…

シェアリングはどうでしょう。Shareっていう英語は、「共有」そして「分け合う」と訳せると思うんです。でも、「共有すること」と「分け合うこと」って少し違う気がしていて。共有って言葉には共同所有という意味が強いように思います。分け合うっていうのは所有する分を分割する、って捉えられますよね。現在シェアリング経済として捉えられているサービスは、共同所有だけとは限りません。

というわけで、ここではシェアリングエコノミー、省略したい場合はシェアリング経済という言葉を使っていきます。

 (2) シェアリングが流行になった背景と経緯

シェアをすることが一般的になってきたのにはいくつかの要素があります。

シェアリング一般化の背景

シェアリング経済を発達させた要因は主にインターネットの発達、景気の低迷、人々の消費についての考え方の変化、環境問題など。まず、インターネットなくしてはこのグローバルなシェアリングの流行は起こりませんでした。世界の29億人がインターネットにアクセスし、日本ではインターネットの普及率が80パーセント以上にまで到達した現代だからこそ可能な現象です。

余ったものがあるとき、助けが必要なときに周りの人々と協力するというのはもともと隣近所や地域コミュニティで行われていたこと。それが、ITの発達によってニーズのマッチングが容易になった現代では、遠く離れた場所にいる他人とのシェアが可能になってきたのです。インターネットを手軽に利用できる環境が整ったことが、自分のすでに持っているものや空いた時間で収益を生み出すビジネスを可能にしています。

「ドリルが欲しいんじゃなくて、穴を開けたいだけ」というような、たまに必要になるけれど常に所有している必要はないようなものが、生活の中にはたくさんあります。「大勢」で「余剰のもの」を「リアルタイム」にシェアできるプラットフォームができたことで、それらをわざわざ購入しなくてもよくなったわけです。

第四の消費社会

また、環境問題が叫ばれ、景気がいいとは言えない社会で、生活を豊かにするために再考されている、消費のあり方。消費社会を見つめ続けてきたマーケティング・リサーチャーの三浦展氏によると、現在は「第四の消費社会」だそうです。

これまで私たちの社会は、大量生産・大量消費の「第一の消費社会」時代から、より良いものを求めるブランド志向の「第二の消費社会」時代、そして他人と自分の差別化をはかる個性重視の「第三の消費社会」時代を経てきました。ここまでが、物の消費を中心にした社会です。

そして今現在、所有することが自己を表現することだった時代も色あせ、個人が所有するということにこだわらなくなってきている「第四の消費社会」にあるというのが三浦氏の論。
これは日本だけでなくさまざまな先進国に言えることでしょう。所有しないという生き方…景気が良くないのでお金を大量に使う生活ができないからシェアする、ということもありますが、これまでの大量の消費活動を経て、生活そのものが本質的なものに収束にしているのが今の時代なのかもしれません。

さらに、年若い頃から自然にインターネットとIT機器を使ってきた10〜30代の若年層は、世界的にもシェアに前向きであるというデータが明らかになっており、これからも伸びる分野だと見込まれています。

シェアリング経済の認知・浸透の経緯

消費社会のなかでトレーダー・マネージャー・ブローカー・エージェントが取引を引き受け管理していたものが、Webサイトというプラットフォームによってピアツーピアのやり取りになった、これがシェアリング経済です。
この言葉が現れたのは2000年代の最初。1998年以降、eBayなどがパイオニアとなって、仲介者を介さず個人対個人でモノやサービスをやりとりするシステムを普及させ始めました。

日本ではヤフーオークションが1999年に開始されています。2000年代後半の経済的不況の中で、アメリカの各サービスはより多くの需要を獲得し始め、認知されるようになりました。現在では50%を超えるアメリカ人がなんらかのシェアリングウェブサービスを使用したことがあるそうです。IT産業のさかんなアメリカ合衆国ではかなり前からシェアのサービスが利用されていたのですね!

 (3) サイト上での評価はブランド力になるーWeb上での信頼性構築

今、世界中でインターネットを手軽に利用できる環境が整ったことによって、仲介業者を必要とせずに自分がほしいものを個人同士でやりとりできるようになったわけですが、同時に全く知らない人とのやり取りをせねばならないようになりました。

今までなら業者が手数料の代わりに相手側との関係構築と交渉をし、リスクを担保していたところを、自分で請け負わなければならなくなったのです。利用者同士のやりとりがスムーズに行かなければ、サイト利用者は増えず事業は大きくなりませんから、各プラットフォームはそれぞれ工夫して利用者同士の信頼性構築やコミュニティ作りに取り組んでいます。

取引の質を高める「評価制度」

まず「評価制度」は大半のシェアリングサイトが備えている機能です。これはeBayの出現で広まったシステムだと言えます。
取引内容について、レーティングや任意の感想を記入することで、評価がそれぞれの個別アカウントにつきます。それを見た人は、そのアカウントの持ち主が自分との取引をきちんと遂行するかどうかを判断でき、安心して次の取引をすることができます。

相互評価のサイトがかなり多く、たとえばモノを売り買いする場合、買い手の対応も評価に反映されるため、むやみな返品や不正はしにくくなります。このようにして、相互の抑制機能がはたらき、サイト上の秩序が保たれているのですね。

大切なことは、アカウントの信頼性を可視化し、取引の匿名性を薄めること。インターネット上では、個人的な感想だけでなく、統計としての履歴も見られ、経験値が高いか、どれだけの人に興味をもたれているかなども分かります。対面ではないので匿名性が高いかと思いきや、常に過去の行動履歴などの情報がついてきてしまうということなのです。
それゆえ、良い評価は自分の取引を促進させる「資産」にもなり得ます。プロフィールを詳しく書く、顔写真を載せることも信頼性を増すために重要なことです。

シェアリングのWebサービスを提供する会社もさまざまな仕掛けをしていて、 利用者が増えてきたら管轄地域をまとめるコミュニティマネジャーを置く、ネット上だけでなく各地でのオフ会やイベント開催によってリアルなコミュニティを築く、クレジットカードからの少額の寄付で実在証明をする、エリートメンバーにはバッジが与えられる制度を設けるなどといった施策を打っています。
また各社は、取引において生じる事故や、防ぎきれなかった不正問題に対しては、法律に基づいた契約、補償金デポジット払い込み、保険の準備などでリスクを回避するようにも努めています。

2. シェアリングエコノミー的Webサイトの紹介

さてさてこれまで、ことばの意味の考察・シェアリング経済発達の経緯・各サイト上での信頼性の構築などについて見てきました。
定義に迷うような言葉はいろいろあれど、共通するポイントは以下3点。

  • 余剰の再分配/複数名での使用
  • プラットフォーム上での個人対個人のサービス
  • インターネットによるマッチング

この大きな潮流を、シェアリング経済やコラボレーション経済という言葉で呼んでいるようです。
また、

  • お金を介す or 介さない
  • プラットフォーム(Webサイト)上での消費者同士の取引 or 企業対消費者の取引
  • 余剰の再分配 or 余すところなくリースする

という風に、シェアリングエコノミーと一口にいえども広範囲であることが分かると思います。
ここでは、特に「余剰の物をつかって必要とする相手に提供し、金銭またはその他の対価を得る仕組み」のあるWebサイトにしぼって紹介していきます! また、 Webサイトがあくまで個人間のやりとりのプラットフォームとして機能しているものを選びました。日本でサービスを使えるものだけ選別しております。

余剰の物をつかってお金を得る

余剰の物を売ってお金を得るヤフオクeBayなんかもこのカテゴリなんですが、BtoCの要素もまま大きいですし私が紹介するまでもないので、ここでは省きますね。そして車にまつわるシェアについては別記事を追ってアップいたしますので、少々お待ちください!

今は、モノを売る、訳ではないですが所有しているものを使ってお金を得られるサービスだけご紹介。

Airbnb

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シェアリングエコノミーを語る際によく例に挙げられる、グローバルな代表格サービスであり、世界で利用者が1000万人を超える巨大サービスとなったAirbnb。
個人の空き住居、空きスペースを有効活用したい人が自分のプロフィールと物件の写真・説明を載せていて、ちょっと変わった宿泊場所を求めている旅行者や、家族で住むように泊まりたい旅行者が物件を探します。田舎の一軒家なんかに実は隠れた需要があるということをAirbnbは教えてくれました。
また、日本ではいま旅行者の増加に宿泊場所の供給が追いついておらず、パリのようにAirbnbの物件も飽和状態ではないので、物件を提供するにはチャンスです!

余剰の時間/能力をつかってお金を得る

東京発のWebサービスVoyaginはオリジナルな体験を各地のガイドと楽しめるサイト。現在は日本、インド、インドネシア、タイ、ベトナムでのツアーを提供しています。

Voyagin

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体験を提供したい人なら誰でも自分の作った体験プランを掲載することができますが、審査をクリアした体験のみが掲載を許可されます。クオリティ管理のため、各国での体験の提供主にはVoyaginスタッフが直接会いに行ったり、Skypeで電話面接をしたりして、きちんと確認をしているということ。このように外国人相手に個人がユニークな体験を提供できたら、物価の安い国でもしっかり報酬を得られる仕組みになっています。

TRIP

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LIG運営のサービスTRIP。
Voyaginの国内版といったところでしょうか。多種多様な体験が掲載されています。日本人さすが!と思わせるような、こだわりの体験もかなり多いです。提供主の顔が見える体験紹介ページを見ていたら、いますぐ日本のあちこちに飛んで行きたくなってしまいました。

TimeTicket

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自分の空き時間を利用して、サービス内容、時間、値段を決めて提供できるWebサイト。ただ「笑顔で話をききます」なんてことでも、結構需要があるようですよ! 非営利団体に寄付もできて、寄付の割合は自分で設定できます。

ストリートアカデミー

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誰でも自分のスキルを活かして講座を開講することができるWebサイト。
ちょっと覗いてみると、英語×ヨガコースや、レゴで鍛えるクリエイティブ思考などのユニークなコースが。
巷にあふれているのとは少し毛色の違うコースも多いようです。
前に受講した方からのコメントもついていて、受講前にその講座の雰囲気などを窺い知れます。

ココナラ

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自分のスキルを活かしたい人向けなのが、この「ココナラ」。
受注者が受け取るのは500円からと少額。ただ受注して報酬を受け取るだけというのではなく、自分のもっている能力をつかって、お金+自己充足感や実績を得ることを目的としたサービスです。
電話相談サービス1分100円なんてのもできたんですね〜。

余剰のお金をつかってお金を得る

お金を借りたい人とお金を投資したい人をインターネットを通じて結びつけるサービスのことを、「ソーシャルレンディング」と呼びます。ソーシャルレンディングサービスには従来の金融機関よりも借手には低金利、投資家には高リターンというメリットがあります。

ソーシャルレンディングは2005年にイギリスで発祥しました。2006年には米国でも始まり、さらにドイツ、中国、韓国、オーストラリアなどにも存在しています。サンフランシスコのProsperやロンドンのZopaなどが代表的。
創立後の年数が浅く、企業としてまだ銀行の融資対象にならないスタートアップなどでも、事業の安全性や収益性は関係ないということで金を集めることができます。

多数の投資家から小口で広く資金を調達し、一人の借り主につき貸し主を数人以上にすることでリスクヘッジがされているというのも面白い特徴です。資金の出し手が複数の借り手に分散される仕組みなので、たとえ貸し倒れても大きな損失を受けないようになっているんですね。

そんなソーシャルレンディングサービスを日本で提供しているのが、例えばこれ。

maneo

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ソーシャルレンディングサービスは、日本では2011年頃から見られるようになりましたが、認可のハードルの高さや収益性に課題が多く、数社しか存在しません。

上のmaneoの他、SBIソーシャルレンディングAQUSHがソーシャルレンディングのサービスを展開しています。

余剰の時間/能力をつかって金銭以外のものを得る

一日数時間の労働と引き換えに、宿泊場所や食事を得られるという交換サービス。

Help X

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http://www.helpx.net/

英語サイトですけど、難しい言葉はあまり出てこないしボキャブラリーも限られているので、適当に翻訳をかけたら、なんとなく理解できます。
もっと英語を勉強する必要を感じたらこちらを参考にしてください!

普段と違う旅行をしたい、海外で労働ビザを得ずにちょっとだけ働く経験をしたいなんて時に利用してみては?
Workawayや、有機農園に限定したWWOOFもおすすめ。

余剰の物で物を得る

余っているモノでモノを得る、というとすぐ思い浮かぶのが そう、「物々交換」です。

WaWaWa

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日本の物々交換のWebサイトは入れ替わりが激しいですね。そのなかで息長く頑張っているサイトWaWaWa。
シェアリングが特に流行しているアメリカでは物々交換のサイトが山ほどありますが、日本国内では中古品がオークションサイトに集約されてしまっているような気がします。

livlis

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このウェブサイトの特徴は、Twitterと連携してユーザ同士が商品をあげたりもらったりできるということ。必要なものはTwitterアカウントだけで、他に登録をする必要なし。

複合サービス

上に上げたカテゴリの機能を複数もつサイト。

ジモティー

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名前のごとく、地元で他人とモノやサービスのやり取りができます。

ほかにはwishscopeにも同様のサービスがあります。そしてなぜかマンションコミュニティ – 新築・分譲マンション購入口コミ掲示板にも譲渡板が。「野菜あげます」なんてスレッドで、有機野菜や果物が美味しかった、お返しにクッキーを、と人のつながりができていく様子が見られて、心に温かい風が吹き抜けました。

creigslist

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本家・いりますあげますローカル掲示板「クレイグズリスト」。日本語板はないですが、日本のローカル板は9都市分存在しています。ごくシンプルな文字ばかりのこのサイトでは、不適切な書き込みがあれば閲覧者は誰でもその投稿をフラグ付けできるので、それによって投稿の適正が保たれています。このサイトには、たまに異国の香りのする変わったアルバイトなんかも落ちてますよ。

さいごに

この記事を書くにあたって、シェアリングエコノミーの一部と言われるサービスをリサーチしました。人と共有するものでも一概に「余剰」と言い切れないものが多く、どう分類しようか悩みました…
何にせよ、現代は、人々が「ものを所有したいのではなく、そこから得られる経験がほしい」、そう考える時代に移行しているようです。シェアが発達すると、経済規模の大きさだけではいろいろなことが測れなくなっていきますが、これまでになかったコミュニケーションが発達し、結果的には住みよい社会になっていくのかもしれません。

そういえば、シェアリングエコノミーの提唱者の一人レイチェル・ボッツマンの本の原題は“What’s Mine is Yours”(私のものはあなたのもの)ということで、簡単にいえばこの現状は「逆ジャイアニズム」ってことなんだとおもいます!

また、インターネットの力による余剰キャパシティを再分配することは、図らずしも環境への負荷を減らすのにも多いに役立っています。シェアリング経済ではユーザは自己犠牲によって環境保全に貢献するよう努めているわけではないですが、結果として環境に良いことになっているんです。これも嬉しいことですね。別に私、シェアリング経済推進団体の回し者ではないですよ。

最後にこの言葉を紹介させてください。
レイチェル・ボッツマン女史の本の中にある、フリーシェアという米企業創業者の言葉が印象に残っています。

「世の中にいらないものなんてない。使える物が、ただ間違った場所にあるだけ。」

モノだけではなく、私たちの持て余している時間や、趣味が高じて得た知識は世界のどこかで誰かが求めているものかもしれない。
それらを活かすことができる土壌が整った今、利用しない手はないじゃない! 皆様もこのシェアリングエコノミーの流れの中で、自分の持っている余剰を有効に活用してくださいませ。

よろしくおねがいします(全力スライディング土下座)

参考文献

「シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略/レイチェル・ボッツマン, ルー・ロジャース」

「キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる/佐々木 俊尚」

「第四の消費/三浦展」

参考URL

 

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大阪生まれの大阪育ち、今は大阪か世界のどこかにいます。 書いたり描いたり撮ったり採ったり獲ったりして生きています。 言語が好きで、英語とアフリカなまりのフランス語とトルコ語を少々ずつ嗜んでおります。

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