思い出を書き残す楽しみを伝えたい | カキモリ【蔵前】

思い出を書き残す楽しみを伝えたい | カキモリ【蔵前】

ヒロアキ

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文房具店に行くと、理由はないけどワクワクしてしまいませんか?

小さい頃はもちろん、ええ歳こいた今でもロフトや東急ハンズなどの文具コーナーに入り浸ることもしばしば。「あ、こういうの探してた!」と、楽しい気持ちに流されて予定外の散財をしてしまったり……。

そんな文具店ならではのワクワク感をものづくり職人らしく演出しているショップが台東区・蔵前にあったので、伺ってきました。

 

蔵前の文具専門店 カキモリ

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台東区を縦断する国際通りを南下、国道 6 号線と合流する手前の通り沿いにひっそりと立つ「カキモリ」。ふたつの「蔵前駅」からほど近い場所にあり、都営浅草線の蔵前駅からは徒歩 約 3 分、都営大江戸線の蔵前駅からは徒歩 約 5 分という距離にあります。

 
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ウッド調のシックな作りながら、さまざまなカラーが差し込まれた彩り豊かな店内。「色えんぴつをイメージしたカラフルなデザイン」からなる内装で、こうした遊び心が来店した人を楽しませている側面なのでしょう。

 
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オーソドックスな文具用品はもちろん、「カキモリ」ならではのサービスである「オーダーノート」に使用する具材棚や、初心者向けのリーズナブルなものから上級者向けの高価品まで揃えた万年筆と、「書く」ことに強いシンパシーを持つ人ならビビッと来るラインナップで埋め尽くされています。展示されている商品ひとつひとつに手書きの説明があり、セレクトショップとして選び抜いた品々であることを主張してくるその雰囲気は、「これぞ」という 逸品を求めている人にはたまりません。

校正紙に赤字を入れるという仕事をしていた僕が見逃せないのはペンのコーナー。「0.5mm だと太すぎるんだよな。かといって 0.1mm じゃ細すぎて、注意したいところがきちんと伝わらないし……」「そうそう、この水性ペンの触感が一番いいんだよね。あとはペン本体の太さ。握ったときの感触って個人で違うから、自分に合ったペンを見つけるのって難しいんよね……」と、ブツブツ言いながら試し書きを繰り返す。あくまで仕事で使うものとしてではあるのですが、その“書き味”まで求めてしまうところは日本人特有の感覚だと思いますし、だから「カキモリ」に惹きつけられる人が多数いるのでしょう。

そんな「カキモリ」はどうやって誕生したのでしょうか。代表者に話を伺いました。
 

デジタルではできない“思い出を書き残す”ということ

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「カキモリ」の代表を務める広瀬琢磨さんは、群馬県に拠点を置く文具販売を生業とする一家の生まれで、祖父の代から数えて 3 代目にあたるそう。それまでずっと群馬を拠点に展開してきたのが、とあるきっかけを得て東京へと進出。7 年前、ここ蔵前に「カキモリ」をオープンしたのです。

「ちょうどデジタル化の波が強くなってきた時期で、多くの文具店が不況にあえいでいました。ウチもそういう厳しい波がありましたが、そんな今だからこそ“手書きの価値”を見つめ直せる Face to Face のお店を作ろう!と思い、それをコンセプトにカキモリが誕生しました」

“手書きの価値”を具体的に表現すると、どんな言葉になるのでしょう。

 
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「例えば、10 年前に書かれた手紙を久しぶりに取り出してみると、文字の質感や紙を手にしたときの感触で、書かれた当時の思い出が蘇ってきたりしますよね。手書きの日記なんかもそうだと思います。これという言葉にするのは難しいですが、“手書きの良さ”というのは理屈ではない、感じ取るものだと思うんです」

確かに、言葉で説明するものではないフィーリングから成るものであることに間違いありません。この蔵前という場所を選んだのも、ご自身が描くそんな世界観を表現するのにふさわしい場所だったから、と言います。

「銀座や渋谷、新宿というよりは、ものづくりの町 蔵前は自分のイメージにぴったりでした。かといってまったく同じかと言われたらそうでもなく、“蔵前の店のようで、蔵前っぽくない”、“和風っぽいけど和風ではない”お店にしたかったんです。そんなお店との出会いをきっかけに、“思い出を書き残す”ことの楽しさ、喜びに触れて欲しいんです」

 
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<< Kakimori Website >>

そんなアナログの良さを素地とする「カキモリ」ですが、ウェブにも積極的に関わっておられます。オープン時( 7 年前)に作成されたこちらのウェブサイトは当時かなりの予算を投じたもので、「ウェブでどんどん情報を発信してお店のことを知ってもらう、そんな時代になる」と予見されたのだそう。まさに時代の流れを読んだプロモーションが身を結んだわけです。

“書くきっかけを得る場所”として生まれたオリジナリティあふれる文具専門店「カキモリ」。そんなショップでもっとも注目を集めるサービスが、ひとりひとりの好みにあったノートを作成してくれる「オーダーノート」なるサービスです。今回、せっかくの機会なので僕も一冊「オーダーノート」を作ってみることにしました。

 

オーダーノートを作ってみた

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自分の好みのカバーや中紙、留め具、リングのタイプなどを選び、それを組み合わせてこの世にひとつだけのノートを生み出してくれる「オーダーノート」。表紙が 60 種類、中紙が 30 種類も用意されているので、これひとつ!と選ぶのが大変そうでもありますが、完成するのを想像するだけでワクワクしてもきます。

 
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このステップに合わせて作業を進めていきます。

 
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この棚に「表紙」「裏表紙」「中紙」がびっしり詰め込まれているのです。

 
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表紙や裏表紙がバリエーション豊富なのはもちろん、中紙の種類もデザインだけでなく、紙質もさまざま。ワインのテイスティングのような試し書きコーナーがあるので(ペンも鉛筆から万年筆まで揃っています)、自分好みの書き味に合った紙が選べるんです。じっくり選んでいたら、それこそ時間がかかって仕方ありませんね。

 
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僕が選んだのはこの組み合わせ。表紙には「アリゾナ」なる名のレザーカバー(イエロー)で、裏表紙に黒い板紙をチョイス。そしてリングは白。コンセプトは、愛する阪神タイガースのカラー(黄・黒・白)です。

 
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続いて留め具選び。「ゴム留め」「ボタン留め」「封かん留め」の 3 つのいずれかで、「ボタン留め」だとペン差しの有無も選べます。正直、ペン差しは必須ではあるのですが、クラシカルな風合いに惹かれて「封かん留め」を選びました。ボタンの色はもちろん黒、ヒモの色は焦茶色に。

 
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こちらはアメリカ製の製本機だそうです。お気づきの方もいらっしゃったかと思いますが、表紙から中紙まで、すべてこの製本機でパンチアウトします。だから穴の開け方や数も好みに合わせて選べるんです。

 
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オプションとして付け加えた「角金」。レザーは使い込むとへたってくるので、この補強は必須かな、と。

またリングも全通しではなく真ん中を開けるタイプにしてもらいました。この方が、手に持ったままめくりやすいから、なんです。こうした細やかな気遣いも嬉しいところ。

 
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完成!

お値段は約 3,000 円。「たっか!」と思われるやもしれませんが、うち 1,800 円が表紙に使ったレザーカバー「アリゾナ」(B6サイズ)なのです。だからここの表紙選びで、リーズナブルな一冊を作ることも可能です。

この「オーダーノート」、中の紙を使い切ったら、ここ「カキモリ」で入れ替えをやってくれるんです。つまりここで作ったこのノートをいつまでも使い続けることができるというわけ。手書きの大切さを伝えたいという「カキモリ」らしいサービスですね。

 
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そんな「カキモリ」のお隣りには、自分だけのインクを調合できるインク専門店「インクスタンド」があるんです。

 
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ノートに続いて、自分だけの色を作ってみる楽しさを味わうのもいいですね。
 

触れる楽しさを思い出させてくれる

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ウェブ業界で仕事をしていると、こうした書き物と離れがちになってしまいますが、実際に触れてみないとわからないものばかりな世の中で、改めてこうした機会を与えてくれるお店の存在は貴重だなと感じさせられました。何かに触れるオフタイムを楽しむのに、「カキモリ」はうってつけのお店だと思います。

 

ショップ情報

店名 カキモリ
住所 東京都台東区蔵前4-20-12
電話番号 03-3864-3898
営業時間 (火〜金)12:00〜19:00
(土日祝)11:00〜19:00
定休日 毎週月曜日(祝日の場合はオープン)
ウェブサイト www.kakimori.com

 

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関西生まれのチャラフォーエディターです。 バイク関係や旅行関係などの媒体編集者として15年以上やってきました。 アメリカやヨーロッパ、アフリカ、アジア、中国などいろんな国に行きました。 愛車はハーレーダビッドソンとホンダ リトルカブ。 なんでもサッカーに例えて話そうとする悪癖あり。 後悔は少なめのMy Life。

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