「仕事の任せ方」が上手になると、組織での成果は加速する

「仕事の任せ方」が上手になると、組織での成果は加速する

Go Yoshiwara

Go Yoshiwara

こんにちは、LIGの代表のゴウです。

先日、弊社マーケターのまこりーぬの記事を読んで、確かに「自分がやった方が早い病」ってあるし、根深い問題だよなぁと思った次第です。

そして、その本人から「ゴウさんってどうやってみんなに仕事を任せてるんですか?その辺のノウハウがあれば教えてほしいです」って以前言われていたのを思い出したので、今回改めて俺なりの治し方を記事にしたいと思います。

ちなみに俺は、昔から人に仕事を任せるのが大好きな人間で、いつも周りから「ゴウさんって何してるんですか?」「暇ですよね?」「隠居生活ですか?」「仕事してください」って言われ続けているような人間です。

そんな俺のノウハウが役に立つかどうかはわかりませんが、書いてみましょう。

①個人の成果 < 組織の成果 を意識する

ぶっちゃけ、これがすべてなのでは?と思っているんですが、マネージメント職につく以上、チームや組織で成果を上げることが至上命題なわけです。そして、多くの場合、個人の生産性より、組織の生産性の方が上回るわけです。つまり、どれだけ優秀な個人が活躍しても、チームでの成果に必ずしも繋がらない場合がある、ということです。野球やサッカーを例にするとわかりやすいかもしれません。

俺は、昔から自分自身の生産性をまったく過信していないので、俺がひとりで頑張るよりも、チーム全体で何か物を作っていたほうが、量も質も、社会に与えるインパクトもすべて大きくなると思っています。

「自分がやった方が早い」と思ってしまう人は、局所的にみれば生産性は上がっているように見えますが、実際の組織としての生産性、拡張性、安定性などを考えるとこの点を誤解しているケースが多いように感じます。

勘違いしないで欲しいのは、個人の生産性を上げることが悪い、と言っているわけではないです。個人の生産性はそれぞれが上げられるだけ、上げるべき。これは俺もそうしているつもりですし、長く仕事をしていればそうなるはずです。

重要なのは、「自分がやった方が早いから」と言って、部下やチームメイトの仕事をまきとってしまい、組織、チームとしての成果、成長が停滞してしまうことを「組織にとって良くない」と感じること。少なくともマネージメントに関わる人であればこの意識は徹底して持つべきです。

個人の成果よりも、組織の成果に拘りましょう。

自分がやった方が早いから、と言って仕事を巻き取ってしまいがちな優秀なあなた! 優秀で頑張り屋さんなあなただからこそ起きる問題なんですよこれは。優秀なあなたが、頭フル回転で手を動かしまくってたら、周りは考えなくなるし、成長しませんよ!

②責任範囲と期限の明確化

任せる! となったら、まず明確にしないといけないのは任せる範囲、つまり責任範囲の明確化と、それをいつまでに行うという期限を定めることです。

ここを曖昧にすると、その先のすべての仕事が曖昧になります。曖昧に始めた仕事の結果はほぼ確実に曖昧な感じになります。いやですよね、そんなの。バシッとした仕事をしたいですよね。であれば、定めましょう。

責任範囲と期限を。

③経過介入しない

任せたならば、いちいち細かいことに口を出さない!

そう、これもめっちゃ重要です。期限を決めたのであれば、基本的にはその期限までは不安でもぐっと我慢しましょう。きっと任されたほうも一所懸命、考えて、拙いながらも何かを成し遂げようとしているはずです。そのプロセスの途中で口をだしちゃだめです。台無しです。

そもそも、口を出したいのであれば途中経過をレビューする日などをあらかじめ指定しておきましょう。任せる(口を出さない)期間と、レビューをしてフィードバックを返すタイミングをしっかりと設定しておきましょう。

とりあえず、任せたなら、信じて待っとけ!

です。

④適切なフィードバック

さて、これもめちゃくちゃ重要ですね。

できてますか? 適切なフィードバック。優秀な人がやっちゃいがちな「そうじゃない、こうやるんだよ、貸してみろ、シュパッ! シュパパパパッ!!(うおー、すげー!)」みたいなことは絶対にやっちゃだめですよ。

こんなことしてたら、任された方は自分で考えて解決するチャンスを失ってしまいますし、いつまで経っても成長しないままになります。

適切なフィードバックとは、受けたほうに自ら考えさせ、解決に導くためのアドバイスです。

答えを言うのがフィードバックじゃないですからね。考えさせましょう! どうすれば自ら考えて、解決に導けるかを、あなたがしっかりと頭を使って考えるんですよ!

⑤責任は取る(超重要)

最後! これ、スーパーウルトラ重要です。

任せた人がやるべき、一番大切で重要な仕事は「責任を取ること」です。だって任せたんだから。

まず、これは最初に伝えてもいいかもしれませんね。「今からこの仕事を君に任せるけど、しっかりよろしくね。失敗しても責任は俺が全部取るから安心してね。でも、俺も嫌な思いはしたくないし、できれば責任も取りたくけど……。だから、しっかり頼むよ? わかってるよね? 失敗したら俺が困るんだよ? 俺を困らせないでね? 頼むよ? でも失敗しても責任はとるからさ! 思いっきりやれよ! 頼むぞ!」的な感じですかね。いやですね、責任を取るって。重たいことですね。

でも、任せた以上、責任を取るのは当たり前です。

俺クラスの任せリスト(※1) になると、たくさん任せて、たくさん失敗して、たくさん責任を取ってきましたからね。そういう意味ではプロのお詫びスト(※2)でもあります。

※1 任せる事のスペシャリストの意
※2 お詫びのスペシャリストの意

 

まぁ、マネージメント職をやるのであれば、ここは腹をくくって任せた責任はしっかり取りましょう。これができないやつは、スーパーダサいです。ダサいのは良くないので、がんばりましょう!

あと、責任を取るってのは、最終的にどうしようもなくなったときにササっと手を動かして、フォローしてあげる、みたいなのも大いにありですからね。ギリギリのところを見極めて手を差し伸べるってのも重要です。

たくさんの失敗を乗り越えて

上記五つのポイントをしっかり押さえれば、「自分がやった方が早い病」はほぼ克服できると思うんですが、自分自身もこれまでたくさんの失敗をしてきました。

まぁ、上記ポイントを全部ちゃんとやらなかったら失敗するよね、って話なんですけどね。

過去の俺は、適切な責任範囲や期限も設定せずに仕事を丸投げして、適切なフィードバックも返さず放置し、たくさんのプロジェクトを失敗に導いてしまいました。本当、今思えば「任せる」と「放置する」が混同していたんだと思います。

でも、俺は性格的に忘れっぽい上にクソポジティブなので、どんだけ失敗を繰り返しても、また人を信じて任せ続けてきました。それを14年ほど続けてきて、最近はようやく色々と上手に任せられるようになってきたのかな? って思っています。

思っていますが、きっと、現在俺に仕事を任せられている経営陣からすると「丸投げにも程がある」って思ってると思います。俺の任せるスキルが上がった、というよりも、周りの受け止めるスキルが上がった、という方が正解かもしれません。ラッキーですね。感謝! ありがとう!

「余白」を作ろう

最後に、俺が仕事を任せる上で一番大切にしている考え方をお伝えします。

それは、自分自身の「余白」を意識することです。

仕事でもなんでも詰め込みすぎてしまうと、余白が無くなっちゃいますよね。余白がないと、視野が狭くなり、何か新しいアイデアや学びを吸収する余地が無くなってしまいます。そうなると人は成長が止まってしまったり、余裕がなくなり人にも自分にも優しくできなくなってしまいます。

だから俺は常に自分自身に余白をつくることを意識しています。

余白があると、人にも優しくできるし、いろんなことを吸収できるようになる。いいことだらけです。

で、この余白を作るための動きってのは、「自分がやった方が早い病」の人が取る動きと真逆なんですよね。自分にどんどん仕事を詰め込んで、余白をギチギチに詰めてしまう動き。

これ、20代とか、駆け出しでとにかく経験値を積みたい! みたいな状態の人だったら全然問題なくて、むしろ詰め込めるだけ詰め込まないとキャパも増えないだろって話なんですけど、冒頭でも言ったとおり、個人の成長、生産性には限界があるんですよね。

だから、マネージメントや組織での成果を意識するのであれば、いつまでも個人の成長(一般的には歳を取れば取るほと成長率は鈍化しますよね)に拘らずに、いかに組織を成長させるか、機能させるかに拘ったほうが良いと思います。そういうのも含めて、自分自身の成長と捉えればいいんじゃないですかね。

 

俺が優秀だ! って言うんじゃなくて、俺の周りがめちゃくちゃ優秀なんですよ! って言えるような、そんな感じで、これからもやっていきたいと思っております。

 

という、お話でした。

それではまた!

 

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1982年生まれ。信濃中学校卒業。フリーターとして23歳まで様々な職業に従事し数々のスキルを身につける。ウェブデザイナーとして活躍したのち、25歳で起業し代表取締役に就任(会長を経て2022年に退任)。自然あふれる場所で生まれ、アウトドアスポーツをして育ったが故にITの道を志したが、近年、再びアウトドアな環境、遊び、生き方を模索して長野県に移住。わくわくするものをつくり続けていたい。

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