台湾発EC『Pinkoi』人気クリエイターに学ぶ、デザイナーズマーケットで重要な3つのこと

台湾発EC『Pinkoi』人気クリエイターに学ぶ、デザイナーズマーケットで重要な3つのこと

ナッツ

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みなさんこんにちは、フリーライターのナッツ(@nuts612)です。

先日、ふらっと台湾へ行ってきました。そしていくつか台湾のクリエイターや企業を訪問させていただいたのですが、その中でアジア最大級のデザイナーズマーケット『Pinkoi』にお邪魔してきました。(アイキャッチ写真はそのときのもの)

日本でも『minne』や『Creema』『iichi』などのハンドメイドマーケットECがあり、読者の皆さまの中にも「いつか、デザイナーになりたい、ハンドメイド作品をつくってみたい!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回、Pinkoiで “人気のあるデザイナーの特徴” を中の人に聞いてみました。しかもPinkoiでは審査制を取っており、クオリティの高いデザイナーの作品ばかり。そういったデザイナーの特徴は、これからものをつくってみたい人、またすでにオリジナルデザイン作品・ハンドメイド作品をつくっている方の参考になること間違いなしです!

Pinkoiとは?世界88ヶ国以上に展開しているデザイナーズマーケット

Pinkoi___アジア最大級のデザイナーズマーケット___A_lifestyle_with_good_designsURL:https://jp.pinkoi.com/

まずはじめに、『Pinkoi』について、簡単にご紹介を。

『Pinkoi』とは、2011年にスタートした台湾発・アジア最大級のデザイナーマーケットEC。「国境を越えて、好きなものでつながる」をテーマに、5言語・12通貨で世界88ヶ国以上に展開しています。もちろん日本からも出品・購入可能となっており、海外のマーケットに挑戦したい!というクリエイターには必見のサービスですね。

2016年には、博報堂グループでハンドメイドマーケットECを運営する『iichi』と資本業務提携をしており、日本国内での展開にも力をいれていくようです。元スクー広報の田中伶さんが編集長を務める台湾情報メディア『Howto Taiwan』でも、ちらほらPinkoi関連記事が出ているのでチェックしてみては?

Pinkoi人気クリエイターから学ぶ、デザイナーズマーケットで重要な3つのこと

それでは、Pinkoiの中の人に聞いてきた、人気デザイナーの特徴をご紹介いたします。「これからオリジナル商品やハンドメイド商品をつくりたい!」「ECで販売してみたい!」という方はぜひ参考にしてみてください!

1. 「個性」という世界観を打ち出す

yinke___Pinkoi___台湾_デザイナーURL:https://jp.pinkoi.com/store/yinke

こちらは、台湾人デザイナーによるブランド『Yinke』。Pinkoi内でも2,000以上の高評価を得ている人気ブランドの1つです。
キュートな色使いで、とても爽やかなデザインですね。しかし、Yinkeの服が支持されるのは、そのデザイン性だけではありません。Yinkeの持つブランドメッセージに注目。

The inspiration of Yinke’s drawing and products is mostly come from an autistic child, a stray dog, a beautiful hill, a smell, a movie, and a song. They could walk around with people when they became a piece of clothing, a card, a bag. I hope one day, the slow footsteps could accumulate a power to change the world.
I draw with children, small children, big children, autistic children, we roll in colors, and everyday is a happy day.

Yinkeのデザインやプロダクトは、自閉症の子ども、迷子の犬、美しい丘、香り、映画や歌などからインスピレーションを得ています。それらが服やカード、バッグになったとき、人々と一緒に歩き回れるのです。その一歩一歩が、いつか世界を変えるパワーとなることを願っています。
私は小さい子ども、大きい子ども、そして自閉症の子どもたちとデザインを描き、色の中を転がります。毎日が幸せな日々です。

Yinkeページより

Pinkoiの中の人はこう話します。

「Pinkoiはただモノを売るECではなく、人と人を繋ぐ “People business” だと考えています。トレンドファッションに身を包むのではなく、Pinkoiに集まるデザイナーの世界観から”自分らしい世界観” を見つけ出してもらうこと。それを私たちは望んでいます」

なるほどな、と思いました。
服の楽しみ方はもちろん人それぞれですが、インディーズデザイナーやハンドメイドに興味がある方が求めるのは「個性(オリジナリティ)」。そして身につけたくなる「個性」を、デザイナーは作品のデザインやブランドメッセージとして発信することがとても大切です。

Pinkoiにも様々なデザイナーの作品が出品されていますが、人気のあるデザイナーは「個性」というブランド世界観をしっかりと発信しているデザイナー。大量生産ではないハンドメイド作品だからこそ、万人ウケするようなコンセプトではなく、「個性」を前面に出した世界観を打ち出すことが大切なんですね。

2. イラストを活用する

LOOPY__鹿皮___Pinkoi___台湾_デザイナーURL:https://jp.pinkoi.com/store/loopy

こちらは『LOOPY!』という、おかっぱヘアの女の子モデルと個性的なイラストが特徴的なブランド。Pinkoiの中でもとても人気が高いそうで、先述の『Yinke』同様、2,000以上の高評価を得ています。
そしてPinkoi内で人気のあるデザイナーの特徴に、「覚えやすいイラストがポイント」だと中の人が教えてくれました。

イラストを見れば「あっ、これはあのデザイナーの作品だ」と気づいてもらえることが、結果的にはファンの獲得に繋がっていきます。また上述の「個性」を前面に出す上でも、イラストを活用すれば分かりやすい形で「個性」を表現できます。
そしてInstagramなどのSNSでもイラストと展開すれば、他の写真の投稿と差別化ができるため、よりブランド認知にも繋がりそうですね。

自身でイラストを描いたり、イラストを描ける方と一緒にブランドを展開すれば、自身のハンドメイド作品をより知ってもらえるチャンスが広がることでしょう。

3. ユーザーとの繋がりを大切にする

“People business” というだけあって、デザイナーとユーザーを繋ぐための仕組みがPinkoiにはたくさんあります。ひとつは、メッセージ機能。実は僕も先日Pinkoiで服を注文したのですが、注文後にデザイナーの方からこんなメッセージが。

メッセージやりとり

手術!? 待ちます! 全然、待ちます!

こういったパーソナルなやり取りがあると、一気に親近感を持ってしまうもの。届いた商品を見て、「無事手術が終わったのかな、よかった」という気持ちになり、一気にこのデザイナーのファンになってしまいました。(ちなみに台湾の方であったため、メッセージは翻訳メッセージ)

さらにハンドメイド作品だからこそ、一つひとつの梱包や同梱物にこだわっているデザイナーも。

梱包1

梱包2

人気デザイナーのレビューページを拝見すると、上記のようなどれもユーザーからの喜びの声がたくさん届いていました。このように、ただ商品の売り買いだけではなく、商品を通じてデザイナーとユーザーがコミュニケーションを取る仕組みや心がけはとっても大切ですね。

おわりに

以上、『Pinkoi』人気クリエイターに学ぶ、「デザイナーズマーケットで重要な3つのこと」をまとめてみました。

お金になる、ならない問わず、オリジナル商品、ハンドメイド作品をつくるのはやっぱり楽しそうだなと思う今日この頃。僕も最近ZINEづくりや、服作りに興味があるので、これを機にチャレンジしてみようと思います。

以上、ナッツでした。それでは、また!

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北海道生まれ、ナッツです。文章書いたり、写真撮ったり、撮られたりしています。好きな映画監督はウディ・アレン。がんばります。■ 個人ブログもやってます。

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