「髪にトリートメントをしないのは全裸で生活してるのと一緒」トリートメントがなぜ必要なのか美容師に聞いてみた

「髪にトリートメントをしないのは全裸で生活してるのと一緒」トリートメントがなぜ必要なのか美容師に聞いてみた

キャシー

キャシー

こんにちは、キャシーです。

私事ではありますが、 1 〜 2 ヶ月に 1 度のペースで美容室に通っています。施術中に毎回美容師さんに聞かれるのが
「トリートメントはどうされますか?」という質問。

カットとカラーだけでもそれなりのお値段になるのに、正直、毎回トリートメント代数千円を上乗せするのは結構キツいです。それに、トリートメントの必要性がいまいちよくわかりません。

なんとなく、 ” やってた方がおしゃれだから ” という若気の至りの延長でたまにやってもらっていましたが、そろそろそんな軽薄な理由だけでは続けられなくなってきました。

  • なぜ美容師さんはお客様にトリートメントをすすめるの?
  • そもそもトリートメントとは一体何で、しないとデメリットはあるの?
  • 市販のトリートメントと美容室のトリートメントの違いは何?

トリートメントに関して気になることが沢山あったので、美容師さんに根掘り葉掘り聞いてきました!
 

トリートメントって一体何?

トリートメントをしないなんて、道を全裸で歩いているのと一緒

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今回取材を受けていただいた美容師さんは、人形町駅前の美容室 Hair salon Nico-Hulu(ニコフル) の登坂 貴幸(とさか たかゆき)さんです。

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早速ですが、トリートメントをしないことで被るデメリットって何ですか?
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髪の表面にコーティング剤がまったくない状態になるので、道を全裸で闊歩しているようなもんです。服を着ないで街を歩いてたら、色々とダメージを受けますよね。それと同じです。
c1
すごいこと言ってきますね。
b1 (1)
だってそうなんですもん。美容室のトリートメントをすれば、冬の寒い日にダウンを着てニット帽まで被って外出するといった感じになります。きっちり防寒していたらダメージを受けませんよね。髪にトリートメントをするというのはそういうことです。
c1
なるほど。
b1 (1)
例えるなら、市販のトリートメントは T シャツ 1 枚、市販のコンディショナーならパンツ 1 丁で街を歩いてるようなもんです。それくらい美容室のトリートメントは市販のものとは違うことをお伝えしたいので、今日はじっくりお話させてください。
c1
よろしくお願いします。

トリートメントとは髪の内部に栄養成分を届けてくれるもの

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c1
本題に入ります。トリートメントって何ですか?
b1 (1)
基本的には髪の毛を外的なダメージから守るものです。洗顔した後に化粧水や保湿クリームを塗るのと一緒で、髪の毛もシャンプーで汚れを落とした後にトリートメントでしっかりと保護する必要があります。丸裸の状態だと、水分が抜けて髪がパサパサになってしまうからです。
c1
シャンプー後に使うものとして、リンス・コンディショナー・トリートメントという 3 種類をよく耳にしますが、この 3 つの違いは何ですか?
b1 (1)
リンス、コンディショナー、トリートメントの順に髪をコーティングする成分の濃度が高くなっています。リンスやコンディショナーは髪表面に薄い膜をつくってコーティングするので、洗い流した後に一時的にツルツルになりますが、持続性はありません。トリートメントは成分が濃いので持続性があります。
c1
成分が濃いと、どのように内側まで成分が行き届くんですか?
b1 (1)
髪の毛を海苔巻きに例えると分かりやすいのですが、具があってご飯があって海苔があるように、髪の毛の内側も大きく三層に分かれています。リンスとコンディショナーは栄養成分が海苔の表面だけを覆うのに対し、トリートメントはご飯の部分まで行き届くという感じです。

髪は生えてきた時点で死んでいる。艶や柔らかさを補ってくれるのがトリートメント

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トリートメントをすると死んだ髪が蘇るんですか? 以前髪をブリーチして金髪にしていた時に、トリートメントすればなんとかなると思っていたのですが。
b1 (1)
トリートメントをしても死んだ髪の毛が本質的に生き返ることはないです。髪は爪と一緒で、生えてきた時点で死んでいる死滅細胞なので、傷んでしまった毛が治ることはありません。いかにトリートメントなどで成分を補って一時的に元の状態に戻してあげるかが大事です。
c1
パーマやカラーをしていなくても髪は痛んでしまうんですか?
b1 (1)
生えてきた瞬間が 100 % だとして、時間が経つとともにパーマやカラーをしてなくても普通に生活していれば外的なダメージを受けるので 100 % の状態を保つのは不可能です。ロングヘアーの毛先なんて 5 〜 10 年前に生えてきた部分なので、もう 10 % くらいのパワーしか残っていないんですよ。トリートメントを使って 90 % のパワーを補ってあげる必要があります。
c1
なるほど。髪の毛が最初から死んでいるという認識はありませんでした。
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昔は髪の毛が死んでること自体あまり認識がなかったので、トリートメントをしていると髪が治ってるんじゃないかという錯覚に陥っていたようです。でもそれは勘違いで、まず絶対に傷んだ髪は治りません。治ってる人見たことないですもん。傷んだ髪が嫌ならまずは切ること。その次の手段がトリートメントです。

美容室のトリートメントと市販のトリートメントの違いは?

市販のトリートメントはどれも中身が大体一緒

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美容室のトリートメントと市販のトリートメントは配合成分の濃度と質、そして髪への入れ方が違います。使った直後のツルツル感は変わらなかったとしても、そこからの持ちが違ってきます。美容室のものは何重にして髪に入れていくので、一ヶ月くらい持つ人もいます。
c1
スーパーなどで売っているトリートメントの中でも高いものと安いものがありますが、その違いは何ですか?
b1 (1)
確かにメーカーさんによって価格設定と売り文句は異なりますが、配合成分にそれほど大きな差はないかと思われます。それくらい、美容室で使っているものとは全然違うものです。
c1
そうだったのか……。

美容室のトリートメントが高いのは、技術料が加わっているから

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市販と美容室のトリートメントの値段ってなんでこんなに違うんですか?
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質の違いもありますが、手間がかかるからです。美容室のものはステップを何段階にも分けてトリートメント入れていくので、技術料が入ってくるんですね。
c1
ただ塗って時間を置けばいいんじゃないですか? どんな技術が必要なんですか?
b1 (1)
タッピングを入れたりとか、髪の毛の状態を都度チェックしながら種類を選んで入れていったりとか。濃度が元々濃くてベタベタになっちゃう可能性もあるので、様子を見ながら一生懸命調節しています。
c1
なるほど。それは自分ではできないことですね。
b1 (1)
美容師になってトリートメントをやってみて難しさがよくわかりました。いろいろな成分を自分で選択して量を決めて入れていくには経験が必要です。トリートメントを一人前にできるようになるまで 3 〜 4 年かかる人もいます。カラーやパーマに近い技術だと思っていただければと思います。
c1
されてる側からすると、ただつけてるだけなのかと思っていました。

美容室に行くと「トリートメントどうされますか?」って絶対聞かれるんですけど、全員にすすめてるんですか?

c1
美容室にいくと毎回トリートメントをすすめられるのですが、ほかのお客さんたちにもそうしているんですか?
b1 (1)
基本的に、トリートメントしなくてもいい状態ってあまりないんですよ。なのでお伺いは絶対にしています。
c1
殆んどの人は髪が傷んでいるということですか?
b1 (1)
そうですね。カラーやパーマって基本的に髪の毛にダメージを与える行為なので、基本的には傷んでいるところをカットしていますが、補いきれない部分はトリートメントでどうにかしています。

<おまけ> 自宅でも髪を美しく保つコツは?

美容師さんは家で何を使ってるんですか?

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c1
美容師さんって、市販のシャンプー使っていますか?
b1 (1)
いいえ、美容室で使っているものと同じものを使っています。市販のシャンプーの効果を実感してる美容師さんは少ないと思うので使っている人はあまりいないと思います。少なくとも僕の知り合いの美容師で市販のものを使っている人はいないですね。
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えー、ショック。
b1 (1)
いや、いたら逆にショックです。
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でも、美容室のシャンプーは高いのでなかなか手が出しにくいです。
b1 (1)
美容師さんたちは、値段に見合った効果を実感しているので高いとは捉えてないと思います。それほど高いと思っていないから、お客様にもおすすめできるんです。

自宅でも髪の毛を美しく保つコツは?

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自宅でも髪の毛を美しく保つ裏技はありますか?
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まずシンプルなのは、美容室のシャンプーとトリートメントを使うことですね。トリートメントをしてしっかり髪をとかしてあげるとか、お風呂につかりながら少し時間を置くのも効果的です。
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私はトリートメントをした後に、ちょっと残したほうがいいのかなと思って洗い流しすぎないように意識していたことがあります。

 
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えええ……
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ダメですか?
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残してしまうと、乾きずらかったり質感が変わってきたりするのでダメです。ちゃんとしたトリートメントは、成分が中に入っていくのでしっかり流してもお湯でとれることはないんです。シャンプーで落ちちゃいますけどね。さすがにシャンプーでトリートメントを流す人はいないと思うので。するとまたトリートメントして、永遠に風呂から出れなくなりますよね。

まとめ

今は髪の毛の質感を大事にする時代だそうで、髪型のデザイン性よりも髪質の美しさを求める人が増えたため、パーマよりもトリートメントをするお客さんが急増しているそうです。

美容室でのトリートメントがなぜ高いのか理解できたので、これからは髪の毛をいい状態に保つためにちゃんとトリートメントしようと思えました。
 

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ライター兼日本人ぽい外国人のキャシーです。 今生きているこの世界は、魂が体験している一瞬の夢でしかない。という考えのもと生きています。趣味は換気です。

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