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第73話

天使ガール・ミーツ・悪魔使いボーイ!『左門くんはサモナー』(天使ヶ原さん編)


天使ガール・ミーツ・悪魔使いボーイ!『左門くんはサモナー』(天使ヶ原さん編)

どうも、外部ライターのほあし(@hoasissimo)です。
今回より『左門くんはサモナー』の登場人物たちの魅力を紹介していきたいと思います。

最初に紹介したいのは、本作のヒロイン・天使ヶ原桜ちゃん! ドタバタ系のコメディ漫画とはいえラブコメ的要素もある作品ですから、ヒロインのキャラクター造型は非常に重要です。読者から愛されないヒロインほど悲しい存在もありませんからね。彼女はいったいどんなキャラクターなのか。じっくり見ていきましょう。

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左門くんはサモナー 1 (ジャンプコミックス)

天使ヶ原さんのキャラクター造型

彼女の特徴を一言であらわすと、やはり「天使のような人」という表現に尽きるでしょう。利他的で無欲で、思いやりにあふれた性格に可愛らしい容貌……まさに「天使」と呼ぶべき好人物です。事実、周囲のすべての人から大いに愛されています。ただ一人、「善人嫌い」の左門くんを除いては。

ここまでだと、ただただ典型的な天使っぽい子という印象になるかと思います。実際、本編第2話までは「ただとびきり優しいだけの女の子」といった印象だったんです。しかし、そうしたありきたりな印象は第3話で完全に破壊されてしまいました。

第3話にて、左門くんが本当に悪魔を召喚できると知ったクラスメイト・九頭竜くん(名前に「クズ」とある通り、彼は筋金入りのクズ野郎です)が、「人間に暴食をうながす悪魔の力を借りて大食い大会に出場し、賞金30万円をかっさらおう」とたくらみます。九頭竜くんのクズっぷりを大層気に入ってしまった左門くんに歯止めをかけるべく、天使ヶ原さんも大食い大会に同行します。
結局、左門くんよりも先に悪魔が暴走し始めたせいで大食いが止まらなくなった九頭竜くんは、「胃袋が破れるまで食べ物を欲し続ける」という危険な状態になってしまいます。

悪魔を止めるように助けを求める天使ヶ原さんに対して左門くんは

「大して仲が良いわけでもないそんなクズを本心から助けたいと思っているのか、本音を言え」

と迫ります。いつでも誰にでも無私無欲で「良い人」な振る舞いをする天使ヶ原さんのことを、左門くんはとても嘘くさいと思っていて、彼女が隠しているはずの本音を聞き出してやりたいと思っているんですね。

で、これに対する我らが「天使」こと天使ヶ原さんの答えは

「本音? 「ごちゃごちゃうるせえ」だよ」

というものでした。いつもの彼女らしからぬ横暴な物言いを気に入った左門くんは、無事に暴食の悪魔を止めてくれて、騒動は解決します。

天使ヶ原さんが持つ「荒々しさ」の理由

天使のように可愛くて優しいだけかと思っていた女の子が、実はこうした荒々しさを持っていて、強い言葉遣いで反撃に出てくる。ただこれだけでも個人的にはちょっとたまらないものがあったりするわけですが、本題はそこではありません。

「天使のような人」として生み出された天使ヶ原さんというキャラクターが、なぜこんなにも乱暴な言葉を繰り出したのでしょうか。それはずばり、彼女が「天使」だから、なんです。いやいやどういうことだよとお思いの方が多いかと思います。
『左門くんはサモナー』1巻には、左門くんや天使ヶ原さんの簡単なプロフィール(誕生日や好き嫌い、キャラデザインのコンセプトなど)が記載されているのですが、そのなかで作者の沼先生は

「天使のような人」と言われて一般的にイメージされるのは、どちらかと言えば天使に愛された側の聖母であったり、乙女のような人である気がしますが、天使と呼ばれる存在は大体が両性具有で力が強いものが多いので、天使ヶ原さんも中性的でときに荒々しい人物として描いています。

このように明言しています。

「天使」という概念をあまりにも誠実に解釈した結果として、天使ヶ原さんは「天使のような優しさと力強さが同居した人物」になったんですね。ただ優しいだけでは終わらない奥行きがあるキャラクターになったわけですから、そりゃ愛されますよね。

まとめ

天使ヶ原さんの魅力、ちょっとでも伝わったでしょうか。
彼女の魅力はまだまだこんなものでは終わらないんですが、それについては他のキャラクターとの絡みも含めて追々ご紹介していけたらと思います。お読みくださり、ありがとうございました。

なお『左門くんはサモナー』の単行本には、本作連載前に発表された読切作品なども収録されています。興味を持たれた方はぜひご一読あれ!


この記事を書いた人

ほあし
関西に住む、少年マンガをこよなく愛する男。とりわけ『BLEACH』については尋常ではない思い入れがある。

ブログ:Black and White(http://hoasissimo.hatenablog.com/)