漫画チャンネル
第72話

メガネ・オブ・メガネズ『町田くんの世界』


メガネ・オブ・メガネズ『町田くんの世界』

こんにちは、外部ライターのかんそうです。

みなさんは普段メガネをかけていますか? ネガネ愛用者にとってメガネとは身体の一部であり、いわば分身。メガネが自分なのか、自分がメガネなのか。メガネ=俺。俺=メガネ。

では、メガネをかけている人の一般的なイメージといえばどんなものでしょうか。
プラスのイメージでいえば、頭が良さよう、勉強ができそう、冷静、といったあたり。マイナスのイメージでいえば、根暗、気難しそう、オタクっぽいなどのあたりでしょうか。

本日は、そんな皆さんが持っている「メガネキャラ」のイメージをある意味で覆し、またある意味では再確認させてくれる新感覚の作品『町田くんの世界』を紹介します。

本日紹介する漫画:『町田くんの世界』

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町田くんの世界 1(マーガレットコミックス)

作者は新進気鋭の若手漫画家・安藤ゆき先生。別冊マーガレットで連載され現在2巻まで刊行されています。

同作は2015年に「第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞」を受賞したほか、フリースタイル社が発行する『THE BEST MANGA 2016 このマンガを読め!』で第7位、全国の書店員とKADOKAWA『エンタミクス』編集部が選ぶ2015年の漫画ランキングで第9位、宝島社が発行する『このマンガがすごい! 2016 オンナ編』で第3位にランクインするなど、いま最も注目を浴びている作品の1つと言えるでしょう。

賢くてスマートなメガネ。そう思われがちな町田くんですが、得意なことは1つもありません。それどころか……。新感覚ストーリー!

引用元:別冊マーガレット公式ホームページ

主人公・高校一年生の町田くんは、一見どこにでもいるメガネ男子。しかし、先程述べたようなメガネキャラのイメージとは一線を画します。

町田くんは、見かけによらず勉強が得意ではありません。得意ではないどころか、席の近いギャルよりもテストの点数が低いほど勉強が苦手なのです。

町田くんは、見かけによらず機械音痴です。今どきの高校生にもかかわらずスマートフォンやパソコンがまったく使えません。

町田くんは、見かけどおり運動ができません。足の速さは女子並です。

……と、一見何の取り柄もないような町田くんですが、実は彼はとてつもない才能の持ち主なのです。

それは、「人を愛し、人から愛される」という才能です。

「ナチュラルボーン・人たらし」町田

町田くんは5人兄弟の長男だからか、とても「人」に慣れており、非常に細かいところまで目が行き届きます。いま目の前にいる人が何をしてほしいのか、どんな言葉をかけてもらいたいのかを自然に感じ取り、それをなんのためらいもなく実行に移すことができるのです。

例えば以下のような行動です。

  • 掲示物を貼るため背伸びをしながら画鋲を刺そうとしている(知らない)女子生徒の手を取り、代わりに刺してあげる
  • 先生(おばさん)の口についているあんこを取ってあげる
  • ボールを頭にぶつけられた(特に親しくはない)野球部員に、「レギュラー入りおめでとう!」と労いの言葉をかけてあげる

このように、普通は気持ち悪がられるような(最悪通報されかねない)ことを、サラッとやってのけるのが町田くんなのです。その所作があまりにも自然なため、気がつけば老若男女問わず彼の虜になってしまいます。

特に印象的なエピソードが、第7話での回想シーン。2人の不良中学生に絡まれている妹のニコを助けようと町田くんが飛び込んだところ、衝撃の理由で問題が解決します。

中学生A「あれ? 町田くんじゃん、わりーわりー、妹だったの」

中学生B「なに、知り合い?」

中学生A「こないだばーちゃんが世話んなってさー」

……ばーちゃんが世話んなって?
……ばーちゃんが世話んなって?
……ばーちゃんが世話んなって?

んなアホな!

まとめ

いかがでしたでしょうか。

メガネ・オブ・メガネズ町田くんの、海よりも深く、空よりも広い優しさに触れれば、明日から「ちょっと他人に優しくしてみようかな」という気持ちになることは間違いありません。

ぜひ心にかけている色メガネを外し、まっさらな気持ちで読むことをおすすめします。それでは。


この記事を書いた人

かんそう
北海道釧路市出身、札幌市在住。20代です、震えながら生きてます。