「やりたいことがなくなったら独立していい」個が自立して活躍できる組織へ| ゴーヤ


「やりたいことがなくなったら独立していい」個が自立して活躍できる組織へ| ゴーヤ

こんにちは、LIGライターズのタクロコマです。普段は「灯台もと暮らし」というメディアを中心に、編集をしています。

ウェブ開発における要件定義から設計、開発運用、保守までワンストップのサービスを提供する株式会社GOOYA(以下、ゴーヤ)の常原愛さんの言葉が、心に響きました。

「自分たちが胸を張って、 “僕たちはこんな仕事をしているんだ” と友達や両親に伝えられる場所をつくりたい」

2013年に常原さんがはじめて宮崎県へ行ったとき、当時の地方の有効求人倍率はわずか約0.8。「仕事がない」と言われる地方でソフトウェア第三者検証事業の拠点となるTECH CENTER 宮崎を立ち上げた常原さんは、「働く楽しさや意義を見出して、自立し自分たちで成長しよう。そして稼ぐ力をゴーヤで身に付けてほしい」と話します。

では、TECH CENTER 宮崎はどのようにして設立されたのでしょうか。自立し、成長する組織づくりとともにお話を伺いました。

Poole:アイコン_GOOYA様01 人物紹介:常原 愛
2008年に入社。創業当時から続く受託開発部門の統括を経て、2013年にソフトウェア第三者検証事業の拠点となるTECH CENTER 宮崎立ち上げのため1人宮崎へ赴任。現地でのメンバー集めからチームビルディングを経験。現在は東京に戻り、再び受託開発部門の部長を担当。

「開発と品質テストは使うアタマが違う」エンジニアに任せたら不具合が頻発

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─ ゴーヤさんはIT人材のリソースを最適化するICT事業部、そしてウェブ制作やシステム開発支援をするTECH事業部があります。常原さんはTECH CENTER 宮崎を立ち上げたと伺っています。

はい。2013年の4月のことですね。「TECH CENTER 宮崎」の主軸であるソフトウェアのテストでは、スマートフォンの実機を400台近く用意して、実機テストをしています。ウェブサイトの運用保守もしていますね。

 
─ なぜテストセンターをつくったのですか?

ソフトウェアやシステム開発をしていると、品質や機能的な側面の課題がいっぱい出てくるんです。原因は、プロジェクトを滞りなく進めるプロジェクトマネージャーの力量はもちろん、品質をチェックする機能をしっかり持てないことにあると思っています。

 
─ 後者は予算がないから……というような理由で、エンジニアが品質テストも兼務するからでしょうか。

そのとおりです。でも品質テストは、システム開発と使うアタマが違うんです。だからエンジニアがその工程も兼務すると、お客さんに完成品を納品したときに不具合が頻発して、結局スケジュールは押すし、会社としてコストを捻出してしまう。そういうわけで、エンジニアと品質コンサルタントで分業するんですね。

 
─ 多くの他社さんは、なぜエンジニアと品質コンサルタントで分けないのでしょう?

全体のプロジェクトフローのなかで、品質テストはわりと短い行程です。その期間だけ単発で人材を採用するのって難しい。

また、品質を測る基準なんてないですよね。だからIT業界では、できあがったソフトウェアとかの成果物の良し悪しは、納品する相手の判断に委ねるしかない。逆に言えば品質を見極める仕事は、お客さんのビジネスに直結するもの。ウェブ制作やシステム開発支援事業をやっている会社は、往々にして同じ課題に直面しているはずです。そこで実機テストの工程をアウトソースして、僕らが請け負うというのは、事業として成り立つんじゃないかと考えました。

「有効求人倍率が0.8」仕事がないなら胸を張って働ける場所をつくろう

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─ いざ宮崎に行って、何から始めたんですか?

最初は仲間集めからですね。いろんな学校で企業説明会をしたり、地元の企業の方々とコミュニケーションをとったりしてネットワークを広げていきました。宮崎には縁もゆかりもなかったので、少しずつ仲間を集める地道な日々でした。

当時はまだ約60坪の何もないガランとしたフロアに、立ち上げ初日にメンバーを集めて、「いま、ここは何もないけど、みんなが楽しく、成長している実感を持って働ける場所をつくりたいから力を貸して欲しい」と円陣を組んだ覚えがあります。その日は自分たちで机や椅子を組み上げた。まさにゼロからの立ち上げですね(笑)

 
─ 熱いですねえ。

TECH CENTER 宮崎は、ここで働くメンバーたちが働く目的や、稼ぐ力をつけていく場所。自分たちが胸を張って「僕たちはこんな仕事をしているんだ」って友達や両親に伝えられる環境をつくりたいと思って、僕は2年間メンバーのマネジメントに注力してきました。

 
─ 地方で事業を立ち上げたら、いい意味で目立つ必要があるんじゃないかと思います。

そうですね。地元の市民館や公民館で、スマートフォンの使い方をご老人の方に教える講座を開催したこともありますね。でも、開催して終わりではなく、新聞社に持ち込んで記事にしていただいたりだとか。

あとは、以前オフィスのフロアを拡大するために壁を取り壊したのですが、そのときスタッフから「壊すのなら、何か思い出になるような、成長の軌跡を残したい」ということで、壁に地図やみんなの夢、目標を書いてもらうことにしたんです。そこに扉を描いて、 “その扉を越えていく” というストーリーにしました。その後、宮崎テレビに取り上げていただきました。

こういったことは1つの経験として、本当に大切な思い出です。まぁ、もちろん悔しい部分もたくさんありますが。

 
─ 地道ですね……。そうまでして、地方で事業部を立ち上げる意義ってあるんですか?

僕らが宮崎でこの事業をやる意義っていうのは、地方に新しいキャリアのレールを敷けること。そもそも僕が宮崎に行ったときは、有効求人倍率が0.8くらい。仕事の種類が少なく、選択肢がほとんどない状況でした。だから仕事を生み出し雇用をつくれば、地元にも貢献できると思った。逆に言うとITスキルのない人でも、テストエンジニアやシステムエンジニアとしてキャリアを歩んでいける。手段としてソフトウェアのテストを入り口に、ITの業界に飛び込めるんです。

 
─ この仕事に就くまではITスキルのなかった人たちが、エンジニアとして稼ぐ力を養っていける。

うちのメンバーはテスト設計だけではなく、さらに上のレイヤーでチャレンジできる素養を身に付けてきていますよ。そして品質コンサルタントは、ウェブ開発事業においても、今後必要な人材になっていくと思います。

 
─ 宮崎で採用して、すでに活躍している方はいますか?

たとえばTECH CENTER 宮崎のリーダーを務めているメンバーは、ITはまったくの未経験の人材でした。彼は、周りからはリーダーとして認められはするけれど、知識的にはまだ追いついていない。そんな葛藤を抱えながら、他のメンバー1人ひとりの信頼を勝ち得ている。宮崎にこういう新しい素養を備えた人材が育ってきて、ITの力を活かして生きるロールモデルが出てきてほしいですね。

「やりたいことがなくなったら、独立していい」プロとして責任を果たせるお手本に

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─ 事業の立ち上げはなかなか大変だと思います。常原さんからお話を聞いていると “やり切る力” がある方だなと感じるのですが、前職は何をされていたのですか?

前職は留学をサポートする企業に務めていて、ウェブの担当者だったんです。どちらかというとマーケティング寄りですね。その会社は業界でNo.1を目指して成長したベンチャーで、インターネントの黎明期からその成長をユーザー企業の立場で経験し、とにかく新しい事をどんどん取り組んでいきました。

僕はウェブの担当者とはいえ、ほとんど全てを1人でやっていたので、サーバー構築やウェブサイトの構築、システム開発からリスティング広告まで担当していたんです。

 
─ なるほど。代表の杉村さんは常原さんのどこに魅力を感じたと思いますか?

当時、代表の杉村は制作事業から会社を立ち上げていたのですが、「その制作事業を任せたい」という思いがずっとあったようで。そのときのゴーヤには専任の担当がいないようなものだったので、前職で一緒に仕事をした際に見た “見よう見まねでやりながら、どんどんそれを形にしていった” という経験を買ってくれたのだと思います。

僕がゴーヤに入社したのは、杉村に声をかけられたから、でもあります。でも、一番の決め手はゴーヤには、 “いろんな武器を持つ仲間がいる” からです。今までいろんな仕事を1人でやってきましたが、ゴーヤにはデザイナー、エンジニア、ディレクターが揃っているので、できることの幅が今まで以上に広がる。ゲームの『ドラクエ』のように最初は1人で戦うところから、いろんな仲間が増えていき、できることの幅が広がる、というのを経験したいと思ったんです。

 
─ そうだったのですね。宮崎で事業立ち上げの経験を経て、本社に戻ってきたのが2015年の10月のこと。現在は再び受託開発部門に戻られましたね。

品質の保証まで担えることで、僕らはウェブ開発をワンストップでお客さんに提供できるようになりました。

 
─ 会社としても次のステップに向かっている?

いま必要なのは、東京で、より上流の仕事ができるメンバーです。ウェブ制作は、結構開発スケジュールに左右されるところがあります。「リソースをこれだけほしい」と要望があったけれど、1週間開発が遅れたからさらにリソースが欲しいと言われる。これって、ビジネスとして安定しませんよね?

だから僕らは、ソフトウェア開発の上流から携わっています。そうすることでプロジェクトの全体感が見えてくるから、最後の工程までのスケジュールやそれに伴うリソース配分を考慮できるんです。ですから上流から緻密に計画を立ててディレクションするディレクターや、プロジェクトの絵を起こしてわかりやすく説明するデザイナーといった、お客さんに近いところで価値を提供できるメンバーの役割がますます重要になってきました。

 
─ つまり東京や大阪で働く方々ということになりますよね。

そういう意味で東京のメンバーには、宮崎や大阪のメンバーのお手本となって貰いたいなと思っています。TECH事業部の仕事を端的に言うと、お客さんのビジネスを成功させるために、ウェブの側面からサポートすること。自身が成長することはもちろん、プロとして求められる知識を提供し、その責任を果たせるような人材と一緒に仕事ができたらうれしいですね。

 
─ まさに社員の鏡ですね。

お客さんの成功を助けられる人たちがもっともっと増えてほしいですから。それはつまり、自立して、自分たちで成長して稼げるようになっていくことです。個として立派に活躍できるようになったうえで、ゴーヤという組織でやりたいことがなくなってきたら、独立して新しいことやってみるのもいいと思います。

僕らが与えられる価値そのものが上がっていけば、いただくお金も増えるし、仕事の幅も広がります。みんなで助けあい、上を目指せるチームでありたいです。

インタビューを終えて

「キャリアをつくり、自分で稼ぐ力を身につけることが大切なんです」と、常原さんは宮崎での経験を振り返ります。楽しく、やりがいをもって働ける環境を自分たちでつくる。同社に根付く精神を感じたインタビューでした。

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この記事を書いた人

タクロコマ
タクロコマ 外部ライター 東京
『灯台もと暮らし』編集者