働き方インタビュー(デザイナー編)

海外に住む夢を会社が支援、生活費のすべてを負担してくれる?|えふなな


海外に住む夢を会社が支援、生活費のすべてを負担してくれる?|えふなな

こんにちは、LIGライターズの田中です。普段は株式会社ペロンパワークスという会社で、広告制作や商業誌の編集・執筆をやっています。

『医学部予備校ガイド』『フランチャイズ完全ガイド』などの自社メディアを運営する株式会社えふななについて、前回は“働き方”に着目して同社の魅力をお伝えしました。
同社が理想とする組織形態は、上下関係を取り払ったホラクラシー型組織。「自由と責任をセットで考え、それぞれが主体性を持ってシゴトに取り組むことが成長につながる」と同社の代表取締役の新田氏は語ります。

とはいえ、自由と責任のバランスは、業務へのモチベーションや組織への帰属意識が低ければ簡単に崩れてしまう可能性も否定できません。主体性を重んじて個々に委ねられる分、つい気が緩んでシゴトのクオリティが下がってしまうことはないのでしょうか。

従業員の立場からみて、同社の企業理念やワークスタイルはどのように捉えられているのか。創業間もない頃からえふななの成長を支えてきたデザイナーの鶴見氏に、お話を伺いました。

Poole:アイコン_えふなな様 人物紹介:鶴見 美保氏
音楽関連会社での営業を経て創業メンバーとして参画。経理&事務として入社後、代表からの「webデザイナーやってみる?」の一言に飛びつき、社内転職を果たす。大の海外旅行好きで、ホリぱす制度を利用して年2回は海外へ。海外留学&リモートワークを見据えて、絶賛準備中。

会社のお金でWebデザインの学校に通学「“これは裏切れない”と、意識に火がついた」

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- 現在はデザイナーとしてシゴトをされていますが、もともとはデザイナー職ではなかったんですね。

もともとは、経理・事務職として入社しました。半年ほど経ったころに「デザイナーに向いてると思うけど興味ある?」と新田に声をかけられたのが、社内転職のきっかけですね。

正直Webデザイナーという職種がどんなことをするのかもあまり分かっていなかったのですが、新田から簡単に概要を教えてもらい、「折角もらったチャンス! なんだかワクワクする!」と、社内転職を決めました。そして何の知識もなかった私に対し、会社が学費を負担してスクールに通わせてくれたんです。

 
- デザイナーとしての業務に取り組む日々の中で、働くことについても意識の変化があったと思います。

もちろん会社に対する利益貢献を考えなければいけないのですが、それ以前に業務が楽しくて楽しくて仕方ありませんでした。「Webサイトってこうやってできてるんだ!」とか「JavaScriptってスゴイなぁ」とか、Webの知識が全くなかった私にとって、毎日が感動の連続でしたね。

最初は社内のバナー作成などの簡単なシゴトから始まったんですけど、Webサイト全体のデザインやプログラミングなど業務領域がどんどん広がっていきました。それと同時に会社への貢献度が高まっているという実感もでき、素直に嬉しかったですね。

やっぱり、誰かの役に立っていたり、誰かに喜んでもらえたりすることって、自分が何かをできるようになることよりも、断然嬉しいし楽しい。これは弊社のポリシーでもあるんですが、「個人のシアワセと組織のシアワセをセットして考えることで、個人の成長も加速するし、組織も自然と成長していく」という考え方ですね。

だから新田は社員の強みやポテンシャルを見て、いろいろと提案してくれるんです。

「ホラクラシー型の組織形態にすることが、目的ではない」想いと本質を大切にする

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- 御社が実践する“非階層型”のホラクラシー型組織も、柔軟な発想から生まれた経営方針の1つと感じられます。

柔軟な発想って、“本質に立ち返って考える”ことが大切だと思うんです。

例えば、制作の過程でJavaScriptの壁にぶち当たった場合、「そもそもJavaScriptじゃないといけないの?」「CSSで解決できるよね?」と、本質であるゴールから逆算します。その思考ルートは全員が共有できていると思います。

上下関係が存在しないホラクラシー型という組織形態も、それ自体が目的ではありません。あくまでも「みんながシゴトを通じてハッピーになる」ための手段なんです。結局のところ、主体性を持ってシゴトに参加しないと、楽しさなんて感じられないと思います。「やってみたい」とか「こうしたらもっと良くなるね」っていう主体的な想いは、トップダウン型ではなかなか難しいのかなって感じます。

前回お話したように、リゾートミーティングで採用された制度などは、新田以外の意見も多く反映されています。それは、みんなが主体的にリゾートミーティングに臨んだからこそです。
そしてもう1つ、えふななのカルチャーとして、“えふななはみんなが幸せになるためのプラットフォーム”という本質を共有できていたからだと思うんです。
 
- 「子どもの行事休暇」など、リゾートミーティングで採用された制度は、どれもユニークなものだったそうですね。

年間で8日間の休みを有給休暇とは別に取れる“ホリぱす”という制度や、カフェでシゴトをする場合はカフェ代が支給される“お出かけオフィス”など、独自の制度が多くあります。マネジメント側ではなく“社員寄り”の制度を中心に採用されたのは、“みんなが幸せになるため”という本質を踏まえて話し合った結果なんです。

しかもコーポレートサイトに掲げているから、あとになって誤魔化しようがない(笑) もちろんこれは代表の新田の覚悟の現れでもあり、私たち全員が実践していく”約束”でもあります。

留学するために退職を覚悟したら、会社が支援してくれることに

- 前回のインタビューで、今後は海外留学をしながらリモートワークを予定中だとお伺いしました。なぜあえて会社を離れることを選んだのでしょうか?

会社を離れるといっても、退職するわけではなくリモートでえふななのメンバーとして働く予定です。で、なぜ海外に行くかというと、私は海外が好きだから(笑) もの凄く個人的な欲求です。

代表の新田に相談する前は、さすがに“長期間海外に行きたい”という想いと”えふななのメンバーでいる”ということの両立は難しいかなと思っていたので、退職するつもりだったんです。でも相談してみると、「おお、いいじゃん!」と、まったく予想外の反応で。むしろ、背中を押してくれました!

しかも、「リモートでシゴトするのはどう?」ってすぐに提案してくれて。そこから新田と話し合いを重ねるうちに、世界一周旅行のように生活拠点を転々としながら、それ自体をメディアのコンテンツにしようということになり、交通費や居住費など全て会社が負担してくれることになりました。凄くないですか?(笑)

 
- 凄いですね! 個人の夢をここまで応援してくれる会社はあまりないですよね。海外ではどのようなシゴトをされる予定ですか?

これからえふななで世界の働き方をテーマにしたメディアを立ち上げる予定なので、基本的には海外でシゴトをする日本人に取材して、それをコンテンツとしてメディアで配信していく予定です。それ以外にも海外でおもしろい発見があれば、それをコンテンツとして発信するのもありかなと思っています。

もちろん利益貢献できるかは重要ですが、それと同じくらい自分が楽しめるかどうかを、えふななは大切にしてくれます。まあ、こんなこと普通はやらせてもらえないと思います(笑) だからこそ、えふななにしっかりとリターンをしようっていう気持ちが、もの凄く大きいんです。

「自分らしく、どういう人生を送りたいか」働くこと、生きることに真剣に向き合う

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- この先「Fledge」という新しい働き方をテーマにしたメディアや、先ほどお話に出た世界の働き方をテーマにした自社メディアを立ち上げる予定と伺っています。働き方について考える機会も多いと思いますが、鶴見さんが目指す働き方とはどんなものですか?

一言で言うなら、えふななのこころにある「シゴトを楽しむ、人生を楽しむ。」という働き方でしょうか。そういえば、この言葉も私の案だったような……(笑)

働き方=生き方だと思っているので、どう働きたいかよりどう生きたいか、ということを考えるようにしています。
「ワークライフバランス」とか「ワークライフミックス」とか、考え方は人それぞれだと思うのですが、私個人としてはシゴトとプライベートは“バランス”として切り離すのではなく、“ミックス”していきたいと思っています。それができたら最高にワクワクします! ……という私も、一昔前までは”バランス派”だったんですが(笑)

組織が変わっていく中で、私自身のシゴトと向き合う姿勢が変わり、シゴトは楽しむものなんだって、それまでとは考え方がガラッと変わりました。
働き方に正解はありませんし、ライフステージでプライオリティは変化し続けるものなので、その辺りは柔軟に対応していきたいなと思っています。 だから今は、その働き方や生き方をもっともっとアップデートするためにも海外に行く! という感じですね。

 
- では、これまでずっとハッピーな働き方を考え続けてきた鶴見さんは、具体的にどんな人と働きたいか、教えていただけますか。

働き方や生き方について、自分とちゃんと向き合っている人がいいですね。あとは、素直で謙虚、気配り・目配りのできる人が向いていると思います。えふななは、競争より共存・協力を大切にしている会社なので。

スキルは努力次第で後からでも何とかなりますが、個人の価値観は大きくは変えられないと思います。だからこそ、カルチャーに合うかどうかが、お互いにとって大事になると思います。

インタビューを終えて

以前はオフィスビルにテナントを借りていたそうですが、「シゴトとプライベートの垣根を取り払おう」と、キッチンや広いロフトのあるマンションに移転したというえふなな。オフィス環境にも、みんなが幸せになるために会社があるというポリシーを貫いているのは、同社なら当然のことと感じます。

個人の幸福と組織の成長。両立の難しさが議論されることが多いこの課題について、えふななはすでに軽々とクリアしているように思いました。


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この記事を書いた人

ペロンパ田中
商業雑誌のほか、PRツール、販促カタログなど紙メディアを中心にコンテンツ制作を行う(株)ペロンパワークス所属。