「世界的なサービスはキッチンから生まれる」場所が変われば人のマインドも180度変わった| グッドパッチ


「世界的なサービスはキッチンから生まれる」場所が変われば人のマインドも180度変わった| グッドパッチ

こんにちは! Pooleという転職サイトでメディアディレクター兼CSを担当しているよっしーです。

2016年1月に渋谷のオフィスを増床し、キッチンを構えた株式会社グッドパッチ。現在のオフィスは同ビルの2階と3階、そこから30秒ほどの距離にGoodpatch Annexという別館があります。

同社のオフィスはCEOの土屋さんが数年前にサンフランシスコで目にしてきた理想的な環境が再現されているそうです。そして「オフィスにキッチンをつくるのは、創業時からの夢だった」と、土屋さんは語ります。今年の1月に増床した2階にある、木目調で明るくぬくもりのあるキッチンには、当時のサンフランシスコで体験した印象的なエピソードが反映されているそう。

さらに、グッドパッチ創業5年目にして念願であったキッチンを設置できた理由には、偶然の出来事がありました。今回はその出会いと、土屋さんの考える理想的な環境へのこだわりについてお話を伺いました。

Poole:アイコン_土屋様 人物紹介:土屋 尚史氏
1983年生まれ。Webディレクターとして働き、サンフランシスコに渡りbtrax Inc.にてスタートアップの海外進出支援などを経験する。2011年9月に株式会社グッドパッチを設立。UIデザインを強みにしたプロダクト開発で数々の企業を支援。2015年にはベルリンに進出。グッドデザイン賞受賞のプロトタイピングツール『Prott』も開発している。

コワーキングスペースが生み出す“環境”に衝撃を受けたサンフランシスコでの経験

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― オフィスの増床、おめでとうございます! 早速ですが、このオフィスに対する土屋さんのこだわりを教えてください。

一番のこだわりは、キッチンです。以前、僕はサンフランシスコで働いていたんです。サウスビーチの近くには、Dogpatch LabsというInstagramが誕生したコワーキングスペースがあって。そこから大きな影響を受けています。中央にキッチンがあって、そこを利用するいろんな会社の人たちがランチの時間になると集まり、キッチンで作ったランチを食べながらディスカッションを始めるんです。

それぞれ別々のビジネスをする人々が1つの場所に集まり、自分のプロダクトについてプレゼンしてフィードバックを受けて互いに高め合っている環境。こういうシナジーが生まれる環境だからこそ、Instagramのような世界的なサービスが生まれるんだと思って。

日本に帰国した後、コワーキングスペース事業をやろうとして諦めた経緯もあり、Dogpatch Labsへの憧れを持ち続けていたんです。自然と人の集まる空間として、キッチンはオフィスに重要な要素だと考えていました。

 
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― シリコンバレーやサンフランシスコでの経験がオフィス空間に大きく影響しているんですね。

ええ。じつはDogpatch Labsの「ドッグパッチ」から名前の一部をもらって社名をグッドパッチ(Goodpatch)に決めたんですよ。シリコンバレーやサンフランシスコのイノベーティブな空間に感銘を受けて、いつか自分もイノベーティブなサービスを世の中に送り出せるようにビジネスを続けてきました。念願のキッチンができたときは「やっとDogpatch Labsに近づけた!」と、感慨深かったです。

 

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3階のオフィス

― 今回の増床はどういうきっかけだったのでしょうか?

これまで秋葉原、渋谷と社員の増加に伴い移転をしてきました。昨年は近くにオフィス(Goodpatch Annex)を新たに作ったのですが、それでも窮屈になってきたのでオフィスを増やすか移転せざるを得ない状況になりました。

ただ周辺にオフィスが作れそうなところもなく、「また移転するとなったら莫大な費用がかかるな……」と悩んでいたんです。そんなとき、当時同じビルの2階にオフィスを構えていた知人とエレベーターが一緒になって。その話をしたら彼がちょうど移転しよう考えてたタイミングだったらしく「よっしゃ来た!」って(笑) 早速そこからオフィス増床設計をスタートしました。

しかも、ラッキーなことにキッチンってビルによって作らせてもらえないこともあるんですが、ここは作ることができたんですよね。昔から運がいいというか、本当に偶然でしたね。

「みんな渋谷がよかったんかーい!」大きな転機となった秋葉原から渋谷への移転

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― これまでの移転で社員のマインドなどに変化はありましたか?

そうですね。特に2014年の秋葉原から渋谷への移転が会社にとって大きな変化があったと思います。

秋葉原時代の後半には社員数が30名くらいまでになっていました。創業時から私が採用からマネジメントまでやっている組織体制のままで、だんだんと個人をフォローすることもままなくなり、トラブルが多発していたんです。会社の雰囲気も「この状況いつ抜け出せるんだ?」って、みんなが思っていたくらい、かなりキツイ状況でしたね。そんな中、最初は秋葉原で移転先を探していたのですが、渋谷でたまたまこのオフィスを見つけました。そこで社員に「渋谷と秋葉原どっちがいい?」って聞いたら、秋葉原を選んだのは30人中3名だけ。「みんな渋谷がよかったんかーい!」ってなりましたよ(笑)

さらに当時は “UI領域でNo.1のデザインカンパニーになる” という目標だけで、その当時は具体的なビジョンを明文化できる状態でもありませんでした。今振り返ると、明文化していないから社員も別々の方向を見ていてバラバラな状態だったんでしょうね。そこで、秋葉原から渋谷へ、山手線でいうと真逆の場所に移動するこの機会に、全員の意識を一つにしようと思い、「グッドパッチの10年後を考える」っていうワークショップを新天地の渋谷のオフィスで社員全員、丸1日かけて行ったんです。そこで、全員が同じ方向を見ることができるビジョン、ミッションを明文化しました。これが大成功だったんです。

そこからグッドパッチという会社が向かうべき方向性も明確になり、全員で同じ方向を向くことができたんです。もともとは社員の増加に伴う移転だったのですが、結果的に社内の雰囲気が、場所と同じように180度変わりました。渋谷に引っ越してから場所を変えたおかげか社外と交流する機会も増え、メンバー同士の議論が活発になり、カルチャーも変化していきました。それこそDogpatch Labsで見かけたような、オープンスペースでコーヒーを飲みながら勝手に会議が始まるのを見かけるようになりましたしね。人のマインドを変えるのに “働く場所、住む場所を変える” のが一番いいんです。

 
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― 変わったのはマインドだけでしたか?

社内の雰囲気だけでなく、採用もうまくいくようになって、2015年の1年間で一気に40名くらい増えましたね。オフィスの場所が変わったことで、カルチャーはもちろん、スキルセットやマインドが違う人が集まり、グッドパッチが向かっていく方向性に必要なスキルセットやマインドセットを持つ人が集まるようになったんです。

移転当時、オフィス環境に思い切って投資したこともあり、メディアに取り上げられることが多くなったので、ビジョンや働き方、カルチャーに注目していただく機会が圧倒的に増えました。

オフィス移転以降、どんどん人が増えているのですが採用費は莫大にかかっているわけでもないんです。オフィスで受けた取材記事を見て、記事内容に書いてあるビジョンやミッション、マインドに共感して応募してくれる人がほとんどになったので、いい人材が自然と集まりやすくなりました。

「自分の居場所を考えてみるといい」同じビジョンに向かって互いに成長できる環境

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― グッドパッチさんのように、採用に成功している会社は少ない印象があります。採用の秘訣はあるのでしょうか?

ウチの場合、スキルだけで採るってことはまずありません。大事なのはグッドパッチのカルチャーやストーリーに共感してくれるかどうか。だから面接のときには創業ストーリーと、なぜ今の事業をやっているのか、ということを話すんです。

1日に3〜4回くらい話すこともあるので、喋りすぎて「Podcastにまとめておくから、必ず聞いてきてください」と書いてある求人もあるくらいです(笑)

スキルは後からでもつけることはできますが、マインドが合わない人と一緒に事業を成長させていくことは難しいんですよね。グッドパッチは徹底して「デザインが好きだ、デザインの力を信じている」というマインドが合うメンバーを集めてきたので、互いに成長できる環境が少しずつですが実現してきました。

 
― “成長できる環境づくり” に取り組まれていることはありますか?

レビューの場が多いことかな。創業当時から行っている毎週月曜日に全社員が集まるプロジェクトレビューという会では、作っているプロダクトをもっと良くするために、プロジェクトマネージャー、デザイナーやエンジニア、取締役など立場に関係なく率直に意見を交換することを求めています。

あと、せっかく同じ会社で同じビジョンに向かっている隣にいる仲間が何をやっていて、何に悩んで、何を学んでいるのかわからない組織なんて悲しいじゃないですか? “何かあったときに助け合える関係がいい” という思いもあって、80人になった今でも、ずっと続けているんです。

それが結果的に、アウトプットに対してさまざまなフィードバックを受けられる成長の機会になっているのだと思います。もちろん、職種ごとでも定期的にレビューをする機会があります。

 
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― 社員の皆さんはどういう方が多いんでしょうか?

よく思うのは、みんな向上心が非常に高い。それに加えて情報感度が異常に高いです。「どこからそんな情報持ってきたんだ?」ってくらい、呼吸するように情報収集するメンバーが多い。こういう部分から、グッドパッチはUIの領域ではまあまあ有名になってきてはいるのかなとは思うのですが、まだまだアウトプットのクオリティには満足していなくて。

もちろんクライアントのために、そのときできる最大限の努力をしているのですが、みんな “まだまだいける” と思っているメンバーが多い。本当にストイックです。周りがそうだから “もっと良くなるはずだ” って引き上げられますよね。

あとはやっぱり、ビジョンの共感度も高い。メンバーがさまざまな人生のバックグラウンドを持っているので多様性はあるんですけど、全員に「デザインが好き、デザインの力で世界は前進するはずだ」という気持ちがあります。これがないと結構キツイんですよ。好きという気持ちや、信じる気持ちがないといざつまづいた時に、前に進めないんです。それができるのってめちゃくちゃ大事だと思います。

起業する前は正直、同じマインドやビジョンに向かう仲間と働くのがこんなに心地よいと思いませんでした。もし、今の職場や周りの人たちに不平不満を言うだけになっているのなら、自分の居場所が本当にそこなのかと考えてみるのがいいかもしれないですね。

国内のデザインの価値認識を高め、デザインプロセスを変える

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― 最後に今後の展望を教えてください。

やっぱり海外に比べて日本国内は、デザインに対する価値認識が低いと思います。個人的には本質的に理解している会社は一握りだと思っているので。

これから僕たち、グッドパッチがやらなければいけないのは、クライアントと一緒にいいプロダクトを作り、そのツールによってデザインプロセスを変え、デザインの重要性を伝えていくこと。グッドパッチという会社の存在が、デザインの力を証明する証である必要がある。社会的に影響力を持つ日本で唯一のデザインカンパニーにまずはなる必要があると考えています。

受託事業、自社サービスのPrott、その他の新規事業は全てデザインの力の証明するためのもの。デザインでビジネスインパクトを残さなければならない。そう思っています。

インタビューを終えて

「これからこの場所を使っていろんなイベントもやっていきたいです」とキッチンスペースを活用するイメージを土屋さんは笑顔で語ってくださいました。

創業前からの変わらぬ思いを持ち続け、着実にその思いを実現し、また一歩前進するグッドパッチ。プロダクトやデザインに対する強いこだわりの中には、シナジーを生む環境への想いが感じられました。

株式会社グッドパッチ
2011年創業。2012年にUIデザインに事業をフォーカスし、サービスを立ち上げて間もなかったGunosyのUIデザインを手がけ、事業拡大。現在は拠点を東京とベルリンに構え、Web / iOS / AndroidなどマルチデバイスアプリケーションのUIデザインを行っている。サービスやプロダクトの企画設計から関わりコンセプトメイキング、UX設計、プロトタイピング、実装までワンストップで提供する。


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この記事を書いた人

よっしー
よっしー メディアディレクター 2015年入社
よっしーです。
ランニングが好きです。週末は皇居ランに勤しみます。
いつも膝の調子が気がかりでなりません。