菊池良の「聞いてみた」

ヒモになりたいけれど、どんな人がヒモになれるの?経験者に聞く


ヒモになりたいけれど、どんな人がヒモになれるの?経験者に聞く

こんにちは、ライターの菊池(@kossetsu)です。

himo-1-ico_0116092129 人物紹介:菊池良
株式会社LIGに所属するライター。ブログ記事の企画・執筆を担当している。

みなさん、ヒモになりたくありませんか? 僕はなりたいです。

 

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そこで今回はヒモ生活をやっていた方を見つけたので、家にインタビューしに行きます。

(*プライバシー保護のため、一部にモザイク処理をしています)

 

himo-2-ico 人物紹介:飯野智司
コントユニット「大人のカフェ」のメンバー。35歳。アルバイト先で知り合った一回り近く年上の女性の家に転がり込み、バイトもすぐに辞め、つい先月までヒモ生活をしていた。

飯野さんは演劇活動を続けながら、年収1000万を超える女性と付き合いだし、六畳一間のアパートから彼女が住む目黒区のおしゃれマンションに転がり込みました。バイト生活の売れない役者がどうやってそんなドリームを掴めたのか? 今日はそこのところを聞きます。

 

himo-2-ico-b_0116092512 「いらっしゃい。上がりなよ」

himo-1-ico-b_0116092250 「今日よろしくお願いします」

himo-2-ico-b_0116092512 「シャンパン用意しておいたから」

himo-1-ico-b_0116092250 「シャンパン?」

 

himo-2-ico-b_0116092512 「そう。取材を受けるんだから、ちゃんとおもてなししようと思って」

himo-1-ico-b_0116092250 「そんなインタビュー聞いたことないですよ」

 

himo-2-ico-b_0116092512 「まぁ、せっかく買ったんだから飲んでよ。俺の金じゃないけどさ」

himo-1-ico-b_0116092250 「はぁ……」

 

himo-2-ico-b_0116092512 「チョコレートも買ったよ。俺の金じゃないけど」

himo-1-ico-b_0116092250 「いただきます」

「すごいところ住んでるな」と驚いた

─ 良いマンションですね。

うん。詳しくは聞いてないけど、5000万ぐらいするみたい。俺と出会う前に買って、一人暮らししていたみたいよ。

 

─ 周囲の建物と明らかにグレードが違いました。

「なんでここにしたの?」って彼女に聞くと、低層だからだって。高層マンションだと成金感あるけど、低層は地に足がついている感があるし、って。

 

─ 彼女はどんなお仕事をしているんですか?

ブランド関係。いろんな店舗の数字を見るマネージャーをしているみたい。出張も多くて、忙しくしているよ。努力するのが好きっていうタイプの人。

 

─ どうやって知り合ったんですか。

俺、元々バイトでバーテンダーをやっていて、彼女はそこのお客さんだった人。週に2、3回ぐらい飲みに来ていた。彼女はタバコ吸う人だったので、いつも仕事終わりに立ち寄って一服して、一息ついて、って感じだったね。

1年ぐらいそんな風に通ってきていて、常連だから喋ったりしていて。あるとき、閉店後も2人で飲んでいて、別のお店に行ったりして……で、家にきて「すげぇとこ住んでんなぁ……!」と。それが一昨年の9月。

6畳一間のアパートに耐え切れなかった

─ そこからすぐ一緒に住み始める?

翌朝、自宅の6畳アパートに戻ったら「うわぁ」って気分になって。落差がすごくて。それで週の半分はここにくるようになった。

 

─ そのアパートを解約したのは?

その次の年の1月に解約したから、4ヶ月で移ったのかな。少しずつ自分の荷物を持ち込んで。

 

─ バイトも辞められたんですよね?

そうだね。一緒に住み始めてすぐに。彼女も辞めることを言ったら、「まぁ、いいんじゃない」って。それからは毎日昼過ぎまで寝る生活だね。

ヒモになって生活に余裕ができた

─ ヒモになって生活は変わりました? 

もちろん。水準が上がったというか、余裕のようなものができた。正直、すごく楽だよ。ワインとか伊勢丹のお菓子とか、そういう高級品にも詳しくなったしね。

 

─ だいぶ生活ランクが上がったと。

うん。あと、ごはんを食べに行くとき財布を持っていかなくなったね。ついに手ぶらの時代がきたな、と。

 

─ ヒモ生活に対して彼女は何も言わなかった?

いや。やっぱり、ずっと同じ格好している同居人がいると、ストレスになるみたい。まぁ、そりゃね。帰ってきたら出勤したときと同じスウェットの人がいるんだからね。

 

─ そうなんですね。何か彼女の気持ちを繋げる努力とかはしていたんですか。

負い目を感じないこと。自分が興味あることを好き勝手やって、俺はそういう自由な人間なんだって姿を見せて。働きもしない卑屈な人間と一緒にいても楽しくないだろうから。この環境を使って、自分が好きにやるのが彼女への恩返しなんだって思っているよ。

カッコつけていたら、ヒモになれない

─ ヒモになれるのってどんな人だと思いますか?

ポイントが3つあるなぁ、って思っていて。

1. 非生産的なことに情熱をかけている

実利にならない才能を持っているってことが重要だと思う。そこに投資してもらうっていうか。

ただ、彼女が身銭を切ったり、ダブルワークしたりまでして貢ぐようになったら、お互い堕ちてしまうというか。ヒモともまた違う関係だと思う。ヒモは剰余金をいただく立場。だから、ヒモの相手は自ずと上流というか、そういう人になる。

2. 嫌われることを恐れない

ヒモでいる自分を飲み込める、というのは一種の苦しさがある。いろんな人を敵に回すから。親とか、世間とか。

ヒモってカッコ悪いし、カッコつけちゃダメ。ヒモと一緒になる人は経済的にも経験的にも良い男をいっぱい見てきている人なので、同じフィールドで戦ったら絶対に負ける。ヒモになりたいなら、カッコつけたらダメだね。

3. 人にも自分にも、とにかく素直に

犬じゃなくて、猫でいよう。自由きままにごろんとね。ヒモである以上、言うことを全部聞くのはダメ。10のうち、9は流したほうがいい。下手に出ちゃダメ。そういうのを面白がってくれる人が一定層いるから、ヒモになるならそこに行かないと。

ヒモと一緒になる人は、普通の社会をまっとうに極めていて、経済力や地位もある。ヒモはその対極というか、「太陽と月」的なものでないと。

ヒモは自分ができないことをやってくれているというか、充足させてくれている存在なんだと思う。忙しい人が、余暇を代わりにやってもらっているというか。

 

─ なにもしてない人はヒモになれない?

超イケメンだったらあるかもしれないけど、俺のヒモ道とは違うね。別の国の話な感じ。例えば、ホストでヒモというのはいると思うけど、それはルックスやコミュニケーションを努力で磨いているはずなわけ。そういうのも何もしてない人がヒモになるのは難しいと思う。

それに、ありのままのルックスだけでヒモになれたとしても、寿命は長くないはずだよ。見た目ってすぐに衰えるから。

その点、俺がやっていることはサイクル的には長いと思ってる。ルックスでモテたら賞味期限は短いけど、いま自分がやっていることはコントだから。見た目は関係ないし、結果が出るまで長いからね。

 

─ 今は新しいアルバイトを始めたんですよね?

それはね、借金返済のため。実はバイトを辞めてから彼女に借金を肩代わりしてもらっていたんだけど、ずっと「なんで私が払わなきゃいけないの?」って言われていて。「大丈夫だから」ってごまかしていたんだけど、もうその言葉が効かなくなってきた。

でも、今やっているのは和食屋のバイトなんだけど、そこはもともと彼女がよく行く店だったの。それもあって働くことになって。だから、彼女の資産を使わせてもらっているっていうのは変わらないのかもしれない。

ヒモの1日のスケジュールはこうだ

せっかくなので飯野さんに、何も仕事をしていないときにどんな1日を過ごしていたのか聞いてみた。

昼12時ごろから

ベッドから起きだして、植木に水をやったり、洗濯機を回したりする。

コーヒー入れ、携帯チェックし、テレビを見る。『ミヤネ屋』とかを毎日見る。

夕方17時ごろから

夕方ぐらいになったら散歩したり、ストレッチをしたり。

週に2回ぐらい、自転車を漕いだりして汗を流したあと、銭湯に寄ってさっぱりする。

夜19時ごろから

晩ごはんの材料を買って、酒を飲みながら調理する。22時過ぎに彼女が帰ってくるので、晩酌しながらその日あったことなど話す。

24時ごろ、彼女が先に寝る。自分はDVDで『半沢直樹』を見たりする。

朝の5時ごろ、彼女が起きてくる。そのとき俺がいると彼女の精神衛生上よくないので、ドラマの途中でも泣く泣く寝る。

彼女にも質問しました

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─ なぜ付き合っているんですか?

事故みたいなもの。でも、一緒にいて楽です。喧嘩はするけど、決定的なものはありません。

 

─ 付き合いはじめて変わったことはありますか?

いびきをかくとか、分厚いメガネをかけるとか、この人の前だと気にしなくなりました。自分に厳しく生きてきたのに、ちょっと流されてダラシなくなってきています。私、普通のアラフォーよりはイケてると思うんですね。そんな私が「なんでこんな人を!?」って自分でビックリしているし、その変化を受け入れている自分が好きです。

 

─ そうですか。ありがとうございました。

結論:目指してやれるものじゃなさそう

飯野さんは彼女と出会うまでは、ヒモのことを「どこか外国にあると言われる、ガンダーラみたいな存在」だと思っていたそうで、目指していたわけではないのだとか。

「今の付き合いは、たまたまお金がある人と付き合っている、という感じ。求めて手に入るものじゃないと思う。たぶん欲望ってそういうものなんだよ。“もっともっと”ってなると本当の幸せは得られないって、東京カレンダーも言っていたからね」

ちなみに飯野さんが今年やりたいことは「彼女に買ってもらったバイクに乗って2人で旅行に行くこと」だそうです。勝手にしてください。

 

飯野さんがやっているコントユニット「大人のカフェ」公式サイト

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http://otonanocafe.com/

 

 

 
【菊池の聞いてみたシリーズ】


この記事を書いた人

菊池良
菊池良 メディアクリエイター 2014年入社
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