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日本発グローバルサービス“Appliv”を育む、フェアでフラットな組織| ナイル


日本発グローバルサービス“Appliv”を育む、フェアでフラットな組織| ナイル

こんにちは、LIGライターズの久松知博です。普段は放送作家&ライターをしています。

SEO設計とUI改善を強みとしたWebコンサルティングのノウハウを生かし、インタ ーネットメディア事業を展開するナイル株式会社。同社は“アプリインストールをもっと身近なものにする”というサービス理念のもと、スマートフォンアプリを見つけて楽しむためのプラットフォーム『Appliv(アプリヴ)』を運営しており、昨年9月に米国版をリリースするなど、業界でも注目されるサービスへと成長を遂げました。

Applivは現在、国内月間ユーザー600万人を突破しており、2015年3月にリリースしたアプリ版はわずか3ヶ月で100万ダウンロードを記録。また、同年6月には初の海外子会社をフィリピンに設立しました。さらに米国版リリースだけでなく、イギリスやカナダなど英語圏複数国に向けて順次展開中。

そこで今回は「グローバルでユーザー1億人到達が数年内の目標」と語る社長の高橋氏と米国版Applivの開発に大きく貢献したエンジニアのジェームズ氏に、Applivの開発秘話、そして今後の展望についてお話を伺いました。

Poole:アイコン_ナイル様02 人物紹介:高橋 飛翔氏
1985年生まれ。東京大学法学部卒。大学在学中にナイル株式会社(旧ヴォラーレ株式会社)を設立し、代表取締役社長に就任。2010年、SEOノウハウを強みにWebコンサルティング事業に参入し、ナイルを後発ながら業界を代表する存在へと成長させる。2012年、スマートフォンアプリ情報サービス「Appliv」を立ち上げ。現在はサービスプロデューサーとして同サービスの成長に関わると同時に、全社の経営戦略・事業戦略を担当する。
Poole:アイコン_ナイル様01 人物紹介:ジェームズ・オリバー・ニーヴ氏
1990年イギリス生まれ。ケンブリッジ大学コンピューターサイエンス学部卒。2011年に来日し、公立中学校にて英語科のALT(外国語指導助手)として教鞭を執る。2015年5月にナイル株式会社入社。Webエンジニアとして、現在は海外版Applivの開発を担当している。

グローバル展開スタートのタイミングで社名を変更。社会インフラとなるサービスを目指す

ナイル様_記事01

現在、App StoreやGoogle Playといったアプリマーケットに登録されているスマートフォンアプリの数が150万を超えている一方で、スマートフォンユーザーの約6割が月に1回もアプリをインストールしていないという調査結果もあります。ほしいアプリと出会うための新たなアプローチが求められているなか、Applivは“ユーザー参加型のアプリレコメンドサービス”として多くのユーザーから支持を得ています。その開発においてとくに意識したのはどういった点だったのでしょうか。

高橋
基本的にはカテゴリー構造とコンテンツ(レビュー記事)ですね。カテゴリーをどれだけ細分化して検索に対応できるかというところが肝で、これとコンテンツとのかけ算によってユーザーのアクセス数が増えていきます。

また、ユーザーが自分に合ったアプリを見つけやすくなるよう洗練された検索機能を実装するなど、ユーザビリティもとことん重視しています。

しかし、検索するだけならApple StoreやGoogle Playでも簡単にできます。それでもユーザーがApplivを使用する理由はどこにあるのでしょうか。

高橋
理由は2つあります。1つは、Apple Store / Google Playの検索やカテゴリーだけだと、探しているアプリが見つかりにくいこと。もう1つは、アプリ紹介ページに遷移したときに、ユーザーレビューを読んでも星の数やコメントにあまり客観性がないため、どんなものか判断できないことが少なくないことが挙げられます。

実際にスマホアプリをダウンロードする場面を思い浮かべてみると、友人や恋人と週末にカフェなどで気軽に情報交換をするなかで「このアプリおもしろいんだよね」って紹介し合って、その場でダウンロードするケースがとても多いですよね。“誰かに教えてもらって”ダイレクトにダウンロードするっていう。

Applivはそのような“つながり”というか、人と人が口コミでアプリを紹介するようなサービスだと思っています。なので、主役はアプリではなく、ユーザーがおすすめしているコメントです。類似したコンセプトの競合サービスはほとんどありません。

コンテンツであるレビュー記事のクオリティに関しても、高橋氏はこだわりを持っています。ライターが書いたレビュー原稿を責任者がチェックするのはもちろん、ライターの技術レベルごとにチェック回数を設定し「それぞれがレベルアップしていくように細かに指導していく」と話します。このような地道な努力の結果、レビュー数とともにユーザー数を大きくを伸ばしてきました。

高橋
とにかく手間がかかるので、もし他社がビジネスモデルをマネしようとしたところで一朝一夕には追いつけるものではありません。レビュー数は、サービスリリースから約3年で7万件ほどに積み上がってきました。

国内で掴んだサービスグロースのノウハウを生かし、2015年9月、Applivは海外へ進出。事業成長がさらに加速するこのタイミングで、高橋氏はある決断をしました。

高橋
米国版Applivのリリースと同時に社名を変更しました。グローバルカンパニーとして成長を加速させるこのタイミングだからこそ、コーポレートミッションである「新しきを生み出し、世に残す」にという設立時からの想いに立ち返りました。

そして、この先、何十年にもわたって使われていく、社会のインフラになるようなWebサービスを作り続けていこうと改めて決意したんです。

社会のインフラって、私たちが日々当たり前に使っている自動車やガス・電気・水道など、人々の生活のそばにあるものですよね。当社のプロダクトもそんな風に多くの人々の“そばにある”ものにしていきたいという想いを込めて、「Near Your Life = あなたの生活のそばにある」という言葉の頭文字をとった「NYLE(ナイル)」を新社名としました。

スキルだけでなく、生き方や受け答えが“ずるくない”ことが採用の絶対条件

では、海外展開をスタートし、社名も変更したナイルは、どのような人材を求めているのでしょうか。

高橋
メンバーそれぞれが今、自分自身のPC画面の中で起きている課題を述べるのは簡単です。しかし、本当に大切なのは、「チームとしてこういう仕組みがあった方がいい」とか、「組織としてこういう仕組みがあった方がいい」などといった、組織全体を俯瞰的に見て協調的に行動すること。

そういったマインドセットの持ち主と一緒に成長したいですね。これは誰もが簡単にできることではありませんが、現状でも会社全体としてそうなっていますし、さらに意識していかないといけないと思っています。

さらに、採用基準に関しては「ちょっとネガティブな見方をすると、ずるい人ではないかという点は大切にしています」と語る高橋氏。

高橋
前職の悪口は言わないか、前回のプロジェクトを途中で投げ出していないか。そういった人間性の部分ですね。

例えば、プロジェクトの中でどういう役割を果たしたかを具体的に聞けば、意外と見えてくるんです。ふわっとした曖昧な回答しかできず、明確な自分の役割を言えないというのは、当社としては無視できない部分ですね。

ナイルの従業員数は、正社員が90名ほど、業務委託やアルバイトを含めると130名を超えています。これだけの規模感になると、「ナイルが大切にしているダイバーシティー性にも変化と影響が出てくる」と高橋氏は言います。

高橋
スタートアップの時期は、突破力があるタイプの人材が集まりやすいですよね。いわゆるミドルベンチャーとなってきた今は、高い専門性やさまざまな経験のあるタイプが増え始めています。

今後は、そうした新たに入社した専門性の高い人や経験豊富な人と、突破力が強みのメンバーをいかにバランス良く組み合わせて、組織を作っていくかが重要だと感じています。

「ランチでの雑談にもチャンスはある」エンジニアが実際に体験したフェアでフラットな職場環境

ナイル様_記事03

2015年5月にナイルへ入社したエンジニアのジェームズ氏は、海外版Applivの開発チームに所属しています。数ある企業の中からナイルを選んだ理由を「とにかくフラットだったから」と話します。

ジェームズ
前職では鳥取県で英語教師として働きながら、日本語を勉強していました。まったく違う業種でしたが、転職エージェントさんが紹介してくれたナイルを少し覗いたら、とても良い雰囲気で。

上司が一方的に指示を出すのではなく、チームのみんなで一緒にディスカッションしながら、どの方向に行くか決める。まるでGoogleやFacebookのような、フェアでフラットな組織だと思いました。そこに強く惹かれて志望したんです。

フェアでフラットな社風に魅力を感じたジェームズ氏ですが「ナイルらしさをより一層強く感じることができた」と、高橋氏とのランチでのエピソードを語ります。

ジェームズ
海外版Applivのリリース前、レビュー記事のネイティブチェックを行うなかでライターの英語スキルにばらつきがあることに気がつきました。私以外にもネイティブレベルの英語を使えるアメリカ人やイギリス人がいたら、ネイティブチェックのスピードと精度が飛躍的に向上するのにな、と思ったんです。

ただ、私はエンジニアとしてWebサイトの開発を担当していて、ライターが在籍している部署とは異なるので、提案の場や時間がなかなか取れなかった。そこで、高橋とランチをしたときに、そのことを提案しました。すると驚くほどスピーディーにアイデアが採用されて、後日新しい外国人スタッフがジョインすることになって。

部署や役職、勤務歴も飛び越えて、ベストな提案はすぐに採用してもらえる。フェアでフラットな空気がナイルには流れていますね。

また、ナイルでは、業界でも広がりつつあるプログラミング言語「Scala」を戦略的な注力言語として採用しています。実際にScalaでの構築に取り組んでいるジェームズ氏は「苦労を伴うけれど、やりがいも大きい」と話します。

ジェームズ
国内版Applivの開発で使用してきた言語はScalaではなかったので、米国版Applivのリリース前は正直大変だと感じることもありました。しかし、ScalaはTwitter社などですでに採用されている言語なので、チャンスがあればぜひ使ってみたいと考えてきました。とても良い経験になっています。

ハイブリッド型アプリマーケットで、世界中のユーザーに便利で楽しいスマホライフを

ナイル様_記事02

今後の展望について、高橋氏は「Applivで世界中のユーザーの生活を楽しく便利にしたい」と語ります。

高橋
具体的には、Applivをアプリレコメンドサービスという枠組みから、アプリマーケットに移行させていこうと考えています。Apple StoreとGoogle Playが世界を代表するアプリマーケットですが、少なくともひとつの市場を2社だけが寡占しているという状態は健全じゃないなと。そこに一石を投じていきたいですね。

圧倒的なアプリ数で“App Discovery”の市場を席巻している、Apple社とGoogle社。彼らと戦うには並々ならぬ努力と戦略が必要となることが予測されますが、高橋氏はすでに準備を進めていました。

高橋
アプリ紹介と販売のハイブリッド型アプリマーケットを構想しています。コンビニエンスストアにおける小売商品とプライベートブランド商品のようなイメージですね。App StoreやGoogle Playのアプリを紹介しつつ、Appliv内においてのみダウンロードできるAndroid向けアプリも提供していきたいと考えています。

App Store、Google Playに次ぐアプリマーケットの第3極として市場に参入することについて、高橋氏は「うまくいかないと言われることほど、大きな成果になる」と語ります。そして、Applivにはそれだけのポテンシャルがあり「ユーザーが必要としているコンテンツだ」ということを確信しています。

高橋
App StoreやGoogle Playのコンセプトではまかなえないようなアプリの見つけ方やアプリの使い方をユーザーに訴求するサービスにしていきたいと考えています。

ユーザーが、スマホアプリを探そうとしたときに、各ストアを訪れて検索するのではなく、「Applivで見つけるのが楽しいよね」と選択するようになる感覚というか。それによってさまざまなアプリと出会って「毎日がもっと楽しくなった」とか、「ライフスタイルが充実した」とか、そういった体験を世界中のユーザーに届けていきたいですね。

“ベストな提案はすぐ採用する”フェアでフラットな環境だからこそ、世界に通用する新しいサービスやコンテンツが生まれるのではないでしょうか。“社会のインフラとなる”アプリマーケットの実現を目指すナイルの活躍に、期待が集まります。


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この記事を書いた人

久松 知博
久松 知博 2015年入社
1981年9月12日生まれ。出身は大阪。マスコミの専門学校を卒業後、大阪でADの仕事を経験。25歳で上京、株式会社スリーカーズに就職して雑誌の編集に携わりながら、放送作家への道を歩む。現在は放送作家兼ライターとして株式会社ペロンパワークスに所属。ライター、アニメのシナリオ「ゾンビ猫」、テレビの構成「とくダネ!」、舞台の脚本など幅広く活動。