漫画チャンネル
第16話

『このマンガがすごい!2016』に入っててほしい漫画超個人的5選


『このマンガがすごい!2016』に入っててほしい漫画超個人的5選

こんにちは、デザイナーのもりたです。

先月より始まった「漫画チャンネル」、着実に記事が増えていますね。
しかし、プロフィール写真に漫画を使っている私がこのチャンネルに記事を書かないのはおかしいだろう、ということで記念すべき1本目の記事です、はじめまして!

ところでもう12月、今年も終わり……。
漫画好きにとってこの季節といえば『このマンガがすごい!』が発売される季節ですね。たとえ「自分はこの雑誌を買わない」という人でも、本屋の漫画コーナーの平棚がこの雑誌により大きく影響されるため、漫画好きなら無関係ではいられない罪深い雑誌……。

このマンガがすごい! 2016

このマンガがすごい! 2016

  • 価格¥ 562(2015/12/01 15:06時点)
  • 出版日2015/12/10
  • 商品ランキング3,087位
  • 単行本ページ
  • ISBN-104800247314
  • ISBN-139784800247315
  • 出版社宝島社

だから今年は攻めの姿勢で行こうと思います。超個人的に『このマンガがすごい!2016』に入っててほしい漫画を5つ選んでみました!

ではどうぞ。

『このマンガがすごい!2016』に入っててほしい漫画超個人的5選

1. 『辺獄のシュヴェスタ』竹良実

辺獄のシュヴェスタ 1 (ビッグコミックス)

辺獄のシュヴェスタ 1 (ビッグコミックス)

  • 著者竹良 実
  • 価格¥ 596(2015/11/30 22:40時点)
  • 出版日2015/06/12
  • 商品ランキング3,489位
  • コミック218ページ
  • ISBN-104091870597
  • ISBN-139784091870599
  • 出版社小学館
連載誌 ビッグコミックスピリッツ
作品URL http://spi-net.jp/monthly/comic032.html
刊行 1〜2巻(2015年12月現在)

まずはこちら。インターネットで話題になっている漫画のタイトルをよくチェックしている人なら、知っている方も多いかと思います。『辺獄のシュヴェスタ』です。入っててほしいとか私が言わなくても、ランクインしていそうな予感がしますが……。

「地の底の天上」という作品でスピリッツ賞を受賞した竹良実の初連載作品です。『辺獄のシュヴェスタ』連載開始時に「地の底の天上」が無料公開され、Twitterで話題になりました。私もそのときに知った一人です。

参考:「地の底の天上」
http://spi.tameshiyo.me/CHINO01SPI

「地の底の天上」は、中世後期のヨーロッパを舞台に、類まれなる技量で紙幣の原版を作る彫金師と、偽札のために版の贋造をする彫金師が登場する作品。相反する立場にありながら技術を高めあい、その一点に於いて心を通じ合わせる、壮絶な職人の魂を描いています。

ただ相手が生きていてくれる。それだけで、孤独ではない。孤独を抱えていた2人の職人の邂逅は、62ページで2時間の映画を見たかのような充足感を与えてくれました。

この作品を読んで、新連載の単行本1巻が出るよって言われたら買うしかないじゃないですか。買ったわけですよ。

『辺獄のシュヴェスタ』もすっっっっっごいよかった……!!!

こちらは、16世紀の神聖ローマ帝国を舞台に、魔女狩りに巻き込まれ人生を奪われた少女が復讐を胸に納め、「今」を生き残るために戦う物語です。

人の命に対する倫理観は時代によって変わります。私も魔女狩りのエグい拷問や処刑方法は知っていましたが、それをこんなに真正面から物語として描いた作品はなかなかありませんでした。

ぶっちゃけ、人がたくさん死にます。もう数える意味もないくらいいっぱい死んでいます。宗教的な正しさの名のもとに殺されます。正しさを信じているからこそ無慈悲でためらいもなく、残酷な描写が多くありますが、だからこそ、主人公の生き残ろうとする強さや、復讐の炎の熱さと暗い煌めきが引き立っていると感じました。

復讐をテーマにした漫画はこれまでにもたくさんありましたが、だいたい「復讐はなにも生まない」と言ってやめちゃうんですよね。もちろん、憎しみの分だけ傷つける行為をやめようと決めるのも意志の強さですし、平和な世界を考えると尊い決断だと思います。

でもね!!!! 漫画ってエンターテイメントなんですよ!!!! 物語のひとつの形として、復讐をやり遂げる結末があってもいいんじゃないでしょうか。

賢く強いエラが、復讐を果たした先に見るものを私は知りたい。だから早く完結してほしい。でもずっと楽しんでいたい。そんな矛盾を抱えながら『辺獄のシュヴェスタ』を応援します!

辺獄のシュヴェスタ 2 (ビッグコミックス)

辺獄のシュヴェスタ 2 (ビッグコミックス)

  • 著者竹良 実
  • 価格¥ 596(2015/12/01 13:20時点)
  • 出版日2015/11/12
  • 商品ランキング1,703位
  • コミック190ページ
  • ISBN-104091873251
  • ISBN-139784091873255
  • 出版社小学館

2. 『ちひろさん』安田弘之

ちひろさん 1 (A.L.C.DX)

ちひろさん 1 (A.L.C.DX)

  • 著者安田 弘之
  • 価格¥ 669(2015/11/30 22:43時点)
  • 出版日2014/03/14
  • 商品ランキング7,141位
  • コミック170ページ
  • ISBN-104253158773
  • ISBN-139784253158770
  • 出版社秋田書店
連載誌 Eleganceイブ
作品URL http://www.akitashoten.co.jp/comics/4253158773
刊行 1〜4巻(2015年12月現在)

かつてドラマ化された『ショムニ』で有名な安田弘之の最新連載作品です。風俗嬢をしていた「ちひろさん」が、とある町の小さな弁当屋で働き、町の人々とふれあう様子を描くオムニバス形式の物語です。

元風俗嬢であること、「ちひろ」が源氏名であることを隠さないちひろさんの風俗嬢時代のお話が『ちひろ』という作品らしいのですが、読もう読もうと思ってまだ読んでいません。ごめん。

ちひろ 上

ちひろ 上

  • 著者安田 弘之
  • 価格¥ 918(2015/12/01 13:33時点)
  • 出版日2007/06/20
  • 商品ランキング12,363位
  • コミック198ページ
  • ISBN-10425310276X
  • ISBN-139784253102766
  • 出版社秋田書店

でも『ちひろさん』だけでも、ちひろさんの魅力は伝わるのでいいんじゃないですかね? ちひろさんはこんなふうに作中で語ります。

いい人になろうとも思わない 成長したいとも思わない なりたい自分なんかない

ちひろさんは、言ってみればすべての劣等感を許容してくれる存在です。許容というか否定をしないだけかもしれない。それでもちひろさんの側にいると、自分の居場所があるんです。

居場所だけで、お金もなんにもないかもしれないけれど、「とりあえず生きていていい場所があるんだ」という空気にあふれています。

うまく言えないんですけれど、優しさとか思いやりじゃないんですよね。ちひろさんを読むと、角や壁に身体が触れていないだけ、みたいな何もなさを感じます。ちひろさんの空虚さや攻撃的な面が表出する話で特にその感覚が強くなります。ちひろさんは人に優しくしたいわけではない、自分がただぽっかりと宙に浮いた何かでありたいために誰にも触られたくないし、誰にも触らないだけなんじゃないか、と思わせられるんですね。

でも優しさって怖いじゃないですか。優しくされると返すものがないとき怖いじゃないですか。だからちひろさんの側は居心地がいいのかもしれません。

なんかすごく主観的に語っちゃったんですけれど、『ちひろさん』の新刊を本屋で見つけるとじわ〜〜〜っと嬉しくなるので、ぜひ長く続いてほしい作品です。

ちひろさん 2 (A.L.C.DX)

ちひろさん 2 (A.L.C.DX)

  • 著者安田 弘之
  • 価格¥ 669(2015/12/01 15:08時点)
  • 出版日2014/09/16
  • 商品ランキング14,768位
  • コミック170ページ
  • ISBN-104253158781
  • ISBN-139784253158787
  • 出版社秋田書店
ちひろさん 3 (A.L.C.DX)

ちひろさん 3 (A.L.C.DX)

  • 著者安田弘之
  • 価格¥ 669(2015/12/01 15:08時点)
  • 出版日2015/04/16
  • 商品ランキング12,259位
  • コミック170ページ
  • ISBN-10425315879X
  • ISBN-139784253158794
  • 出版社秋田書店
ちひろさん 4 (A.L.C.DX)

ちひろさん 4 (A.L.C.DX)

  • 著者安田弘之
  • 価格¥ 669(2015/12/01 13:20時点)
  • 出版日2015/11
  • 商品ランキング3,576位
  • コミック170ページ
  • ISBN-104253158803
  • ISBN-139784253158800
  • 出版社秋田書店

3. 『MAMA』売野機子

MAMA 1 (BUNCH COMICS)

MAMA 1 (BUNCH COMICS)

  • 著者売野 機子
  • 価格¥ 648(2015/11/30 22:43時点)
  • 出版日2013/03/09
  • 商品ランキング64,138位
  • コミック183ページ
  • ISBN-10410771697X
  • ISBN-139784107716972
  • 出版社新潮社
連載誌 月刊コミック@バンチ
作品URL http://www.comicbunch.com/comicinfo/mama/
刊行 全6巻

売野機子さんとの出会いは、いつも通り会社帰りに上野のアトレに入っている「明正堂」で漫画を買おうと、ふらふら棚を眺めていたときのことでした。

私、明正堂の漫画に対するアンテナの良さをすごく信頼しているんです。話題になっている作品、これから来そうな作品をリアルタイムで平棚積み(よく新刊が横にされて載っている棚に置くこと)・面出し(本を縦にして置く棚で背表紙ではなく表紙を見せて置くこと)をしてくれるので「おっ、これがオススメなんだな」とわくわくしながら店内を見て歩けるんですよ。

明正堂さん、これからもよろしくお願いします。

それはともかく。その明正堂で『薔薇だって書けるよ』が発売してすぐの頃、面出しで置かれていました。帯に煽られたのもありましたが、絵が好みだったこと、装丁デザインが綺麗だったことで気になりジャケ買いしたのがはじまりです。

薔薇だって書けるよ―売野機子作品集

薔薇だって書けるよ―売野機子作品集

  • 著者売野 機子
  • 価格¥ 771(2015/12/01 13:32時点)
  • 出版日2010/03/26
  • 商品ランキング59,148位
  • コミック186ページ
  • ISBN-104592710223
  • ISBN-139784592710226
  • 出版社白泉社

『薔薇だって書けるよ』他、短編をまとめた売野機子作品集は、どれも物語の展開がすごく劇的だったり、想像もしないどんでん返しがあったりという内容ではありません。物語の派手さが売りではないと言ったほうが正しいでしょうか。

その代わり、登場人物の感情の動きをとても丁寧に描いています。これは私の主観ですが、人の感情が変わる瞬間ってすごくドラマチックだと思うんですね。

それが他人から見た場合は、一見何も起こっていなかったり、すごくつまらないことだったりしても、「感情が変わる」というドラマチックさには代えがたいものがあると思っています。売野機子さんの作品は、そのドラマチックさを大切に描かれていて、えも言われず素晴らしい。

そして、今回選んだ『MAMA』はそのタイトルが示す通り「母親」が重要なキーワードになっています。

舞台は現代、美しい声の少年だけを集めた寄宿学校クワイヤ。そこでは歌声が神に選ばれ「完成」すると “天使” になり、 “天使” になった少年はまもなく死んでしまう……。そんな不思議な「奇跡」が起きる学校に集まった少年たちと、彼らの命のルーツである「母親」とを巡る群像劇です。

“天使” に選ばれることを栄誉として捉え、自分が天使になる日を心待ちにしている少年。貧しい家から売られるようにしてやってきて、 “天使” になんの期待もしていない少年。自分にはその才能がないと失望しながらも、生きて家族のもとに帰れることに少し安心している少年。 “天使” に選ばれることこそ、自分の存在の正しさを証明するものだと信じている少年……。

“天使” になることは死ぬことで、それを誰もが祝福するけれど、本当に幸せなのか。少年たちが “天使” になって死んだとき、彼らの母親は泣くのか。それとも喜ぶのか。思春期の少年にとって自分の存在が価値があるものだと、自分に証明するのは難しいものです。

少年同士の “天使” に選ばれる恐怖と栄誉、選ばれないことの安心と劣等感。そういう寄宿学校内の関係も交えながら、自分を認めてくれる「母親」を探す少年たちの物語は、けして特殊でも特別でもない感情を扱っていて、その普遍性をエンターテイメントにしている売野機子さんの漫画の力を感じさせてくれます。

話の展開はミステリであったり、恋愛もののようであったり、ときにコミカル調になったりと見せ方が変わります。それは、私たちが自分の生活をどんなに真剣に捉えていても、ふと笑える出来事や感情の盛り上がる恋があるように、少年たちの生活が一面的なものではないという、ただそれだけのことです。クワイヤの外から見たらなんともミステリアスな子供たちのように見えるかもしれない。でもそれはクワイヤで生きる彼らの一側面でしかないのです。

『MAMA』は今年12月9日に出る単行本が最終巻で、この作品がランクインできる機会は今年最後です。だから入っててほしいと切実に願っています。

いい作品なんです……。いい作品だからこそ、売れてほしい。売れても私にはなんのメリットもないし、連載が続くわけでもなんでもないけれど、ただただ売れてほしい。売れてほしいから『このマンガがすごい!2016』にランクインしますように!!

MAMA 2 (BUNCH COMICS)

MAMA 2 (BUNCH COMICS)

  • 著者売野 機子
  • 価格¥ 648(2015/12/01 15:09時点)
  • 出版日2013/08/09
  • 商品ランキング28,625位
  • コミック181ページ
  • ISBN-104107717151
  • ISBN-139784107717153
  • 出版社新潮社
MAMA 3 (BUNCH COMICS)

MAMA 3 (BUNCH COMICS)

  • 著者売野 機子
  • 価格¥ 648(2015/12/01 15:09時点)
  • 出版日2014/03/08
  • 商品ランキング75,419位
  • コミック182ページ
  • ISBN-104107717402
  • ISBN-139784107717405
  • 出版社新潮社
MAMA(6) (BUNCH COMICS)

MAMA(6) (BUNCH COMICS)

  • 著者売野 機子
  • 価格¥ 756(2015/12/01 13:19時点)
  • 出版日2015/12/09
  • 商品ランキング4,096位
  • コミック256ページ
  • ISBN-104107718603
  • ISBN-139784107718600
  • 出版社新潮社

4. 『さんかく窓の外は夜』ヤマシタトモコ

さんかく窓の外側は夜 1 (クロフネコミックス)

さんかく窓の外側は夜 1 (クロフネコミックス)

  • 著者ヤマシタ トモコ
  • 価格¥ 679(2015/11/30 22:45時点)
  • 出版日2014/02/10
  • 商品ランキング6,629位
  • コミックページ
  • ISBN-104799714368
  • ISBN-139784799714362
  • 出版社リブレ出版
連載誌 MAGAZINE BE×BOY
作品URL http://www.libre-pub.co.jp/yamashita_world/
刊行 1〜2巻(2015年12月現在)

ヤマシタトモコさんは、BLのレーベルで人気のある作家さんでしたが、アフタヌーンでの連載を経てから青年漫画での立ち位置も確立し、いよいよ人気漫画家として土台が固まってきた感じがしますね! (謎の上から目線)

個人的には、彼女の描く女性がちょっと苦手なんですが、登場人物のキャラクターが立っていて、魅力的で、だからこそ苦手だと感じることもできるんだと思います。「この女、私と合わない」みたいな。

この作品の版元である「リブレ出版」は、BL系の雑誌をいくつか出していることで有名な出版社。『さんかく窓の外は夜』もBL雑誌で連載しているため “そういった” ニュアンスもよく含まれます。ただ男性同士の恋愛が成立することを主軸においている「少女漫画的主題」を持つBL作品とは異なり、話のメインはあくまでも「主人公の体験するオカルトな事件」なので、男性でも読みやすいのではないでしょうか。

ストーリーは、昔から幽霊といった不気味なものが見える主人公、三角(みかど)が、除霊師の冷川(ひやかわ)と出会い、なんだかんだうまく使われて心霊的な事件に巻き込まれていくというものです。

四季賞を受賞したときの作品をリアルタイムで見ていただけに、その頃から10年経ち、ホラー・オカルトを題材にして、ヤマシタトモコさんの色を活かした物語が作られたことを純粋に嬉しく思います。

『さんかく窓の外側は夜』の物語は、ホラーな現象を通した謎解きの要素を含んでいます。ただがっつりしたミステリではなく、奇怪な殺人事件がその裏にある「呪い」の存在を暴いていく手がかりになるくらいです。その際、登場人物が謎を感じる部分を「オカルトな超常的パワーのせいだよ!」で解決せず、怪異を通じて人間のドラマが展開していくのが魅力ですね!

ミステリに見せかけた超常現象ストーリーも、オカルトチックな中途半端ミステリも要らないんですよ。それなら新耳袋やオカ板のまとめサイトでも読んだほうが断然楽しいんです。おわかりか。

ところで怪談ってどんなものが優れた怪談だと思います? 私が思う優れた怪談は、怪異が発生した「なぜ」や「どうして」を語らず、怪異そのものがただそこに存在する、奇妙さ不思議さを味あわせてくれるものです。『不安の種』は画面的な怖さもすごいですが、その「不気味なものがなんなのか説明してくれない」ことで一層の怖さを引き出しています。

最近読んだ中では『かふん昔ばなし』の第15回・第16回が最高に面白い怪談でした。

参考:かふん昔ばなし – 無料コミック ComicWalker
http://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_MF00000012010000_68/

この『さんかく窓の外は夜』のホラー・オカルトを題材にした漫画として素敵なところは、本筋に関わるミステリアスな少女、非浦英莉可(ひうらえりか)が創りだした呪い以外に、その辺を歩いていてぶち当たる意味の分からない怪異も交錯している点です。

「は? 今の何だったの?」を説明しない。とりあえず怖いものが出る。怪異が怖いものとして出てくる。しかもその怪異が、絵はさっぱりしているくせにわりとキモい。そしてそれを、なんだかイチャイチャしているようにしか見えない成人男性二人が解決していく図がシュールでコミカルです。

女性の作家さんは、人間の感情を主題に据えたドラマを作るのが上手いと思っているのですが、この作品はホラー・オカルトという題材と人間同士のやり取りの落差が気持よく融和していて、怪談が苦手でない人にはぜひ読んでほしい作品です。

あー早く3巻でないかなー!

【Amazon.co.jp限定】さんかく窓の外側は夜 2 イラストカード付 (クロフネコミックス)

【Amazon.co.jp限定】さんかく窓の外側は夜 2 イラストカード付 (クロフネコミックス)

  • 著者ヤマシタ トモコ
  • 価格¥ 678(2015/12/01 13:19時点)
  • 出版日2015/02/10
  • 商品ランキング53,078位
  • コミックページ
  • ISBN-10
  • ISBN-134571284845756
  • 出版社リブレ出版

5. 『リクドウ』松原利光

リクドウ 1 (ヤングジャンプコミックス)

リクドウ 1 (ヤングジャンプコミックス)

  • 著者松原 利光
  • 価格¥ 555(2015/11/30 22:46時点)
  • 出版日2014/09/19
  • 商品ランキング69,398位
  • コミック190ページ
  • ISBN-10408879883X
  • ISBN-139784088798837
  • 出版社集英社
連載誌 週刊ヤングジャンプ
作品URL http://youngjump.jp/manga/rikudo/
刊行 1〜5巻(2015年12月現在)

この作品は知り合いにオススメされて知りました。オススメのページを写真で見せられて、絵柄が好みだったので「よし買ってくるわ!」と次の日に買ったら、話が面白いし登場人物のキてるっぷりが好みで知り合いにたいへん感謝しました。

ていうか気づいたらもう5巻まで出ていて。仕事忙しくて本屋から足が遠のきがちだったとはいえ、2巻までしか持ってないんですけれど! これはちょっと溜まり過ぎじゃないかな!? まじでめっちゃビックリしたので、この記事を書き終えたら本屋に行って買ってきます。

驚くべきことに、松原利光さんは新人で、この作品が初連載です。ちょっとamazonに行ってなか見!検索してきてほしいんですけれど、これで初連載とかマジかよ……と思うほど画面に熱量があり、また動きの見せ方が上手いんです。

リングの内外を問わず殴るシーンが多くて、そうなると殴る側、殴られる側を迫力ある画角で捉えるためにカメラワークが複雑になります。画面の迫力だけに注力した結果、動きの前後がわかりづらくなることはアクションの多い漫画でありがちです。

初連載とは思えないというのはその点。動きのテンポと迫力をしっかり持ったまま、動きの流れがわかりやすいんです! ときどき読みなおすこともありますが、違和感なく動きがストーリーと一緒に入ってきます。

ボクシングにさして興味のない私にも試合シーンを楽しませてくれる松原利光さんはすごい作家さんですよ!

と、べた褒めしましたが、ひとつだけ注意してください。あなたが暴力的な表現への耐性がない場合は、この作品は読まないほうがいいです。

まず1話の冒頭で、主人公(9歳)を虐待していた父親が借金を苦に自殺、迎えに来た久しぶりに合う母親は暴力団構成員の女になっていてヤク漬け、なんだかんだあって母親の同居人である男を主人公(9歳)が撲殺、と次から次へとショッキングな描写が続きます。

こんなに詰まっているのは1話くらいですが、amazonのなか見検索で確認して、ダメだと思ったらそれ以上読まないことをオススメします。(ただ殴る蹴るで血が出るくらいだったらこんなことも言わないんですが、主人公の境遇がかなり悲惨なので、そういう要素が苦手な人は多いかもなと思い。)

しかしこの虐げられ傷ついた子供時代が、暴力の恐怖を克服する手段を得るために、生き残る力を得るために、ボクシングの道を選ばせることになります。

暴力というのは秩序なんです。暴力が出てくるシーンってカオスのように思えるじゃないですか。殴ったり殴られたり。画面はがちゃがちゃするし。

でも、力の強い弱い、殴り合いに勝った負けたというのは文句を挟めない絶対的な指標です。方法が下劣であろうがなんだろうが、負けたものはその場で勝ったものに跪くしかない、ごく原始的で最終手段的な秩序です。

私はそういう暴力という名の秩序を自分のために、他人を虐げるために使おうとする作品はあんまり好きではありません。

この作品の主人公リクは、そういった暴力に傷つけられた子供でした。その彼が、人を殴るボクシングに道を見出すということ。それは、他人をねじ伏せて自分の王国を作るための暴力ではなく、他人の勝手な秩序に抗うため唯一手にした武器です。

他人の秩序に従えば、自分は死んでしまう。その恐怖に勝つために、ただひたすら生きるためにボクシングを必要とする姿は痛ましくて、試合の勝敗を超えて主人公の行く末を心配したくなります。

私はボクシングについてよく知らないので、スポーツ漫画としての評価はわかりませんが、試合を描くというよりも「リクの生きるための戦い」を描いているという印象です。そのため、2巻まではボクシングのシーンはあまり長くありません。

しかしだからこそ、彼がボクシングで行き着くところまで行ったらどうなるのか、その先の人生はどう見えるのか。それがとても気になります! とりあえずこれは2巻まで読んだ感想でしかないので、早いとこ5巻まで買ってきますね!

リクドウ 2 (ヤングジャンプコミックス)

リクドウ 2 (ヤングジャンプコミックス)

  • 著者松原 利光
  • 価格¥ 555(2015/12/01 13:18時点)
  • 出版日2014/12/19
  • 商品ランキング31,252位
  • コミック191ページ
  • ISBN-104088900383
  • ISBN-139784088900384
  • 出版社集英社
リクドウ 3 (ヤングジャンプコミックス)

リクドウ 3 (ヤングジャンプコミックス)

  • 著者松原 利光
  • 価格¥ 555(2015/12/01 15:11時点)
  • 出版日2015/03/19
  • 商品ランキング32,923位
  • コミック189ページ
  • ISBN-104088901274
  • ISBN-139784088901275
  • 出版社集英社

リクドウ 6 (ヤングジャンプコミックス)

  • 著者松原 利光
  • 価格¥ 555(2015/12/01 15:11時点)
  • 出版日2015/12/18
  • 商品ランキング2,947位
  • コミック192ページ
  • ISBN-104088903404
  • ISBN-139784088903408
  • 出版社集英社

おわりに

いやー、「5選しかないので厚めに書いてください」と言われて書き始めたんですが、くどいくらい長くなりました。絶対みんなこの文章を全部は読んでないと思いますが、とにかく私は好きな漫画を宣伝したかったんです! その意気だけ買ってください!

『このマンガがすごい!2016』の発売は12月10日、もうすぐですね。楽しみです。どうか今回の5選がランクインして私の好きな漫画家さんに印税がいっぱい入りますように……。

それでは、もりたでした。

 

ddc59e9765e5b5c192b82edf67e6f756 もりたの一言
売野機子さんのTwitterでのつぶやきを見てWikipediaページを作成したのは私です。

この記事を書いた人

もりた
もりた アートディレクター 2012年入社
デザイナーでイラストレーターのもりたです。
好きなモビルスーツはνガンダム、好きなレイバーはイングラム、好きな勇者はガオガイガーです。